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05/23
2016

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“未在”が仕事道

こんな言葉をご存知だろうか?
「未だここに在らず。」
熟語にすると「未在」だ。

これは禅の言葉で、修行に終わりはなく、
常に向上心を持って上を目指せという意味だ。
私はこの「未在」に仕事道を見出したのである。

この「未在」を、自分の店に名付けた人がいた。
石原仁司(いしはら ひとし)氏といい、
元は吉兆本店の料理人だった方である。

1992年に総料理長に就任し、2004年には京都で未在をオープン。
この未在は1日14人しかお客様をとらないうえ、
メニューは1人35,000円の会席料理だけだという。

毎月季節に合わせた内容とし、
どんな料理かも石原氏のおまかせ状態なのだが、
半年先まで予約でいっぱいだそうだ。

今や大人気の石原氏であるが、
若い頃は「近道をして目的を達成しよう」と
考えていたことがあったそうだ。

それは、入社数年で吉兆を辞めようとしていた頃。
この決断を、とある住職に見抜かれてしまったそうなのだ。

その老師は石原氏に、
「自分が望むところに行きたいなら、
たとえ遠回りをしたとしても
“大道”を踏み外さないようにすることや」
と諭したという。
この言葉により、石原氏は31年も吉兆に勤めることとなった。

大道とは、人が歩むべき正しい道のこと。
つまり、叶えたい夢や目標があるなら、
奇をてらったり楽をしたりせず、
時間がかかっても王道を進んでいけということだ。

例えば、新宿調理師専門学校の校長である上神田梅雄氏は、
師匠の下で修行をしていた若い頃、
出汁の取り方をくり返し練習させられたという。

それは石原氏も同じで、どうやら料理人の世界では、
いい料理人となるには「大道」が当たり前のようである。
(もしかしたら料理人の世界だけではないかも…)

お二人はほとんど同年代なのだが、
その時代に職人として技術を追求していた人たちには
共通点があったのだ。

このような、学び追求する姿勢を身につけ、
それを徹底することが、目標へ着実に近づく手段なのである。
これは私が度々ご紹介している、
「選ばルール7」の「徹底の二乗」という考え方。

私は職業柄、多くの注目の経営者や成功者にお会いしているが、
そのほとんどが大道を歩んでいる。
そして、成功者たちには他にも共通点があるのだ。

それはズバリ、
「成功していない人の嫌がることを、
実行する習慣を身につけている」
ということ。

どんな高みに登ったとしても、
また次なるテーマが見えてくるはず。
そんな考え方をする人が成功の道を進むだろうし、
多くの人に良い影響を与えられるのだろう。
まさに「未在が仕事道」なのだ。

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石原氏と「未在」の記事

sgt2 (2)

成功者たちの共通点とは

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