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シナジースペシャル

09/05
2016

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“ウチなる力”で挑む

つい先週のビジ達でご紹介した、渡邉格(いたる)氏の
『田舎のパン屋が見つけた「腐る経済」』という本。
この本から得た気付きは大きかった!

著者の渡邉氏は田舎でパン作りをしているのだが、
こだわりは天然菌を利用した「酒種」。

通常、パンといえば培養されたイースト菌を使うのだが、
渡邉氏はあえてその土地に自然と住み着いていた
菌を活用しているのだ。
そういうわけで、パン屋の建物は古民家を選んだという。

そして建物の内に存在する天然菌が、
蒸した米に自然と降りてくるのを待つ。
最初の段階では、有機栽培米を使って
試行錯誤していたようだが、
自然栽培米を使ってみると、驚きの事実が判明した。

有機栽培米ではうまく発酵せず、
悪臭が発生したり腐敗したりしていたのだが、
自然栽培米だと天然菌がうまく働いてタネもよく膨らみ、
そしてヨーグルトのような甘酸っぱい良い匂いがしたという。

渡邉氏は、このことを
「内なる生命の力」が開花した結果だと語っている。
つまり、外部からの要因に頼らず
本来持っている力が発揮できた結果なのだという。

これをビジネスに置き換えると、
実に様々なことが見えてくる。

たとえば、地域活性化のための
補助金や助成金を利用したイベント。
企画や実施に都会のアドバイザーが参加することがあるが、
その人たちはお金を目当てに来ていることも少なくない。
地域の人々は、自分たちの
内なる力を発揮できずに終わってしまうのである。

私が今推し進めている北海道十勝でのワイナリー構想も
同様のことが言えるだろう。
助成金や都会からの力に頼らない
活性化、展開が重要だということ。
(私の発想や人的ネットワークはあくまでも地元の力なのだ)

これは日々のビジネスにおいても一緒。
何か大きなリスクやトラブルが起きても、
自分たちで対処できるか、ということなのだ。
とにかく、そのあとに継承できる状態をつくらないことには、
自分たちで歩んでいくことはできない。

ビジネスにおいての内なる力とは、
以下の4つ(5つ?)のことだと私は考えている。
・組織力&求心力
・チャレンジ力
・ネットワーク力
・それぞれの人間力
(財務力も入るかも!?)

営業で数字を上げればマージンを報酬にしよう、
というビジネスでは、
お金を貰わないと働かない人間ができてしまう。
それでは会社の内なる力は身につかないから、
報酬やシステムに頼り過ぎるな! と私は言いたい。

内なる力をどのように作り上げ、
問題に対してどのように発揮して解決するのか?
それが私たちの、これからの課題なのだ。

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渡邉格(いたる)氏の 『田舎のパン屋が見つけた「腐る経済」』

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