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熟ジュクア・ラ・カルト

04/15
2013

juku (4)

地球儀撤去は、質の劣化に通ず

あ! “アレ”がない…!
つい先日のカフェでのできごとである。

“アレ”とは、以前にビジ達で紹介した、
とあるカフェに置いてある地球儀のこと。

地球儀を囲むように並べられた席は、周りと微妙な距離をとりつつ、
エネルギーの流れる空間演出に一役買っていると紹介した
(「この地球儀がなかったら、
こんなに利用することはなかっただろう」とまで言った)。

しかしそれが先日ついに撤去されてしまったのだ。

空いたスペースには結果10席ほど増設されていた。
効率よくお客さまを入れるということを優先してのことだろう。

さて、地球儀がなくなるとどうなるか。

かつての地球儀スペースは喫煙ルームとなり、
店の奥にあった喫煙席スペースが禁煙席に変わった。

ひとりでの利用客が多いこともあり、
仕切りの多いカウンター席が多くつくられていた。
そして奥の席はスタッフからは死角に。

それによってお客さまの中に「見られていない」という意識が生まれ、
電話をかける人や、床に置くような荷物をテーブルに置く人、
居眠りする人、挙げ句の果てにはセルフサービスなのに
食器を返却せずに帰るお客さままで現れたのだ。

地球儀が撤去されてから10日も経っていないのに…。

これはこのカフェに限ったことではないが、チェーン店のカフェは
効率を優先するため、マナーやモラルをわきまえない人が増え、
明らかにお客さまの質が下がっているのだ。
(本来、そうでなかったお客さままでもが同質化しているのかも?)

それは、店の空間の劣化に繋がる。
どんなに商品の価格が安くても、そのために安い賃金で雇った
アルバイトの対応の悪さを感じれば、いいお客さまは訪れなくなってしまう。

こうしてどんどん店の質は下がる一路を辿る…
という負のスパイラルが起きてしまうのだ。

今回のカフェでいうなら、
あの大きな地球儀はそれを防ぐための求心力をつくり出し
「エネルギーの流れる空間の中心」としての役割を担っていた。

まさにバランスの良い店の雰囲気をつくり出していたのだ。
これは無駄なスペースと決めつけて、
僅かな席数の確保のために失っていい存在ではなかったはず。

このように一見無駄に見えるスペースには、非効率に見えるかもしれないが、
その空間で何らかの役割を担っていることが多い。

それは今回のように空間全体のバランス管理かもしれないし、
それ以外の様々な役割があるかもれないのだ。

まぁ~何につけても、目先の効率ばかり優先していては、
本当に大切なものを失ってしまうかもしれないということ。

もしかして、それは今回の地球儀のような“モノ”ばかりとは限らない。
ヒトも同様に考えないと…

juku (1)

カウンター席の多くはひとりのお客様が利用する

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さまざまな人が利用するカフェ

juku (3)

仕切りが多い空間はどこか閉鎖的だ

juku (4)

ヒトにも同様に役割があるだろう

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