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熟ジュクア・ラ・カルト

07/21
2015

juku (2)

セルフサービスの功罪

仕事でカフェやファミレスを利用することが多い私。
先日もチェーン店のカフェで仕事をしていたのだが、
マナーの悪い人が目立つこと目立つこと!
混んでいるのに隣のテーブルまで占領する人、
食べ残しを散乱させたまま帰る人、
周りを気にせず席で電話をしたり、
大声で喋ったりする人など、そのタイプは様々だ。

気配りや思いやりの精神はどこへ行ってしまったのだろう…。
本来、日本人の価値観はこんなものではなかったはず。
こうなってしまった理由を考察してみると…
私の行き着いた先は“セルフサービス”だった。

日本で始めて“セルフサービス”が取り入れられたのは、
1953年にオープンしたスーパーマーケット紀ノ国屋。
今からおよそ60年前の事だが、これを機に様々な店舗で
“セルフサービス”が導入されていった。

特にカフェやファミレスなどの飲食業界のチェーン店では顕著で、
マニュアル対応や安い食べ放題などが登場してきた。

“セルフサービス”の食べ放題は、
低価格なうえに好きなものが選び放題で、消費者のウケも良い。
ところがその裏には、安いゆえに店員が少ないという問題があるのだ。
人件費を少しでも削ろうと、
なかにはアルバイトばかりという店舗も存在する。

アルバイト社員は当然責任感が少ないため、
お店をより良くしようという意識が薄い。
冒頭で私が嘆いたような、マナーの悪い人々に声をかけ、
ほかのお客様のために…なんてこともしてくれない。
そもそもスタッフの人数が少なく、
お客様をきちんとチェックできていない状況もある。

安売りのために、薄利多売の発想や
効率ばかりを追求してしまっているところに問題があるのだが…。
そのような環境が、結果としてお客様を
慢心させてしまうことになっている。
“セルフサービス”の自由で安いという裏には、
人々がモラルやマナーを失ってしまう危険が潜んでいたのだ。

しかし本来あるべきなのは、
他人が見ているか見ていないかは関係なく、
誰かを思いやる気持ちなのではないだろうか?

海外ではセルフサービスの上に築かれた価値観が広がり、
マナーが良くなかったり他人のことを考えなかったりする人々が多い。
そういった状態を見ていると、
日本人は地球規模で見ても
かけがえのない価値観を持っている人々だと思う。

それがこの40~50年で“セルフサービス”という、
一見自由で便利に見える概念のワナに蝕まれているのではないだろうか?
このままの状態を続けていけば、
日本人の価値観はどんどん堕落してしまうのではないか。

自分のことだけを考えていると、
人間はどんどんマナーが悪くなってしまう。
“セルフサービス”が築いた環境に流されず、
日本人の素晴らしい価値観を引き継いでいきたいものだ。

あれっ?
セルフサービスの功罪ではなく、“罪”の話だったねぇ~。

juku(1)

皆さんのマナーはどうだろうか?

juku (2)

セルフサービスの店内

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