10/23
2023
「ゴーグルをつけろ!」から学ぶ、 令和時代の課題解決法とは?!
いつも通う書店で『ものの見方が変わる“座右の寓話”』
というタイトルが気になり、思わず手にとってみた。
(戸田智弘著 発行/ディスカヴァー・トゥエンティワン)
さて、どんな寓話をセレクトして、
どう話を展開してるのかが気になったからだ。
そこには寓話の仲間に入らない話も編集されていたわけだが…
読み進むうちに、友人のコンサルタントも話していた
逸話であり事例に出会ったのだ。
(以下はその内容)
【ゴーグルをつけろ!】
イタリアのあるプラントメーカーの話である。
この会社では、作業中目の中に異物が入るのを避けるため、
作業員全員にゴーグルの着用を義務づけていた。
しかし、実際のところゴーグルの着用率は高くなかった。
経営幹部や現場監督が「ゴーグルをつけろ!」と命令しても、
現場の作業員は言うことを聞かなかった。
経営幹部や現場監督があつまる会議では「悪いのは作業員だ」、
「いや悪いのは現場監督では」、「いやいや経営幹部が悪い」など
さまざまな意見が出た。
そんな矢先、社外から経営コンサルタントが招かれた。
会議の席でコンサルタントは問いかけた。
「何が問題なんですか?」
「作業員がゴーグルをつけないことです」
コンサルタントは次にこう問いかけた。
「では、どうなれば“解決”ですか?」
「作業員がゴーグルをつけるようになることです」。
コンサルタントは続ける。
「どうしたらそれが実現するでしょうね?」
みんなは顔を合わせながら
「それがわからないから、苦労をしてるんだ…」と呆れ返ったような顔をした。
しかし、誰かが冗談混じりに
「そりゃカッコいいゴーグルに変えれば、みんながつけるんじゃないか?!」
一人がその言葉に反応して「イタリアの男にとってカッコいいってことは
大事なことだ、もしかしたらいいアイデアかもしれないぜ?!」
「じゃあ、ミラーのレイバンみたいな
カッコいいサングラス風のゴーグルっていうのはどうだ?!」
「おお、いいねぇ。それならみんながつけるんじゃないか?!」
ということで、早速試しにカッコいいオシャレなゴーグルをつくり、
一つの班だけに試してみた。
するとその班のメンバーは全員が喜んでゴーグルをつけた。
幹部たちは“これはいいぞ”とカッコいいゴーグルを作業員全員に配布した。
みんなが喜んでつけるようになったどころか、
ゴーグルをつける必要のない場所でもゴーグルをつけるようになった。
↓ ↓ ↓
この本の解釈では、問題に遭遇したときの対処の仕方として
“2つの方法”について書かれていた。
一つは原因究明志向、もう一つは解決探索志向。
原因究明志向は、問題に焦点を当てる方法であり、
“なぜ上手くいかないのか”を考えて、その原因を探していく展開。
解決探索志向とは、解決に焦点を当てる方法であり
“どうやったら上手くいくのか”をあれこれ考える展開。
この「ゴーグルをつけろ!」では、
原因究明志向から解決探索志向へ変わることで成功した事例である…と。
この逸話は先に語ったように約20年前にすでに私は知っていた事例であり、
この“解決探索志向”は、成熟化が進み、すべてが加速する時代においては
非常に重要な解決策に思えてならない。
この“カッコいいゴーグル”は、多くのターゲットに
エモーショナルな側面により深い共感を生み出したということ。
そう例の“アート思考”であり“デザイン思考”がここに存在する。
私的には、一歩及び二歩、前に進んだ解決策に思えるのだ。
“原因究明志向”はもう古い!とは言わないが、
“アート思考”であり“デザイン思考”による課題解決の方が
これからの私たちのビジネスにおいては意味があるのではないだろうか?!