06/23
2014
人材不足と“仕事道”ビジネス
すき屋の「パワーアップ工事中」や
和民の60店舗年内閉店など、
巷ではあちこちから「人材不足」という
フレーズが聞こえてくる。
これは飲食業界に限った話ではなく、
流通業界やアパレル業界などでも同じだ。
ユニクロやIKEAでは、人材不足の影響から
パートやアルバイトを
正社員化しようとしているという。
私からすると人材不足の問題は、
少子化による労働人口の減少や
過酷な労働環境など
社会的背景はあるものの、
起きるべくして起きているとしか思えないのだ。
チェーン展開で儲けを得て
本部ばかりが得をするような企業は、
人をビジネスシステムの一部としてしかとらえず、
まるで道具のように扱っている。
店舗を1人で切り盛りする
「ワンオペ」などがいい例だ。
1,200円程度の時給さえ渡しておけば
(1,500円という金額を目にしたこともある!)、
たとえ誰かが辞めてもまた新しい働き手は
やって来ると考えているのだ。
しかしこんな価値観での事業展開では、
継続していける可能性は0%!
そして、ついにこんなビジネスモデルは
壁にぶち当たったというわけだ。
たとえお金がもらえたとしても、
プロとしてのスキルやノウハウも得られず、
人間としての成長も見込めないような場所で、
人は働き続けたいと思うだろうか?
5年、10年、30年後の自分を考えたら、
プロとして後に活かせるスキルやノウハウを
得られることはまず大前提だ。
そして、人との関わりや社会への貢献を通して
1人の存在価値のある人間として成長する。
さらに、仕事を通して感動を得られるような場所で、
人は働き続けたいと思うだろう。
つまり、中島流の“仕事道”を
展開できるようなビジネスこそが、
やはり働き手にも選ばれるのだ。
きっとこれは昔から当たり前のこと。
「誰を雇っても同じ」と考えている
会社では人は定着しない。
働き手を消費するようなビジネスは、
もう限界にきているのだ。
少子化が進み労働人口が減った今だからこそ、
ビジネスの根幹となるのは
“仕事道”の価値観だろう。