09/22
2014
ダイバーシティ経営の実践
先日、ラジオBUSINESS LAB.収録に
参加してくださった日産自動車の志賀副会長。
その際に日産の経営のこと、カルロス・ゴーン氏のこと、
様々な角度からお話を伺うことができた。
そしてその中で何度も出てきたキーワードが
「ダイバーシティ経営」だった。
ルノーとの提携後、新しくなった日産が
持続的に成長するための行動指針として
2004年に作られた“NISSAN WAY”。
その心構えの筆頭には
「Cross-functional,Cross-cultural」があげられている。
つまり、「異なった意見、考えを受け入れる多様性」だ。
ルノー提携以前の日産自動車は、
日本でしか通用しない常識で経営を行っていた。
それを改め、世界で受け入れられる
(あるいは世界を受け入れる)常識を持とう、
ということなのだ。
多様な人材を活かし、
その可能性をビジネスの場で発揮してもらうことで、
新たな価値創造を目指すのがダイバーシティ経営だが、
その波は大手だけではなく、中小企業にも到達している。
私が主宰している経営者たちの会議があるのだが、
その中にも、
いくつもダイバーシティ経営に乗り出している会社がある。
例えば、とある建設会社では
ベトナムからの研修生(働き手?)を受け入れ始めたそうだ。
日本国内での建設業の人手不足は深刻で、
2020年の東京五輪に向けた特需や、
震災復興のための工事などの影響で、
人材が中小企業にまでなかなか及ばない。
そして人手不足に悩んだ結果、
海外からの研修生という形で人材を確保したのだ。
もちろん教育には手間がかかるだろうが、
違った文化を背景に持つ人を社員とすることで、
会社はより多様性を増していく。
また、山梨に工場を持っている
ジュエリーパーツのメーカーでも、
人件費高騰のためベトナムへ工場を進出させたという。
そして、ビジ達でおなじみのパン・アキモトでも、
人材確保とその出口戦略のため
ベトナムへの出店を考えているのだそうだ。
会社組織の中に、異なった文化が入るということは
大きなチャレンジだ。
今回は国産の経営から国際的人材活用という話に
終始してしまったが、女性登用や、異なった意見を
積極的に取り入れるのもダイバーシティ経営の重要な要素だ。
時代の転換期を迎える今、
生き残り、成功していくためには
“強い会社”作りが大切になる。
そのためには、中小でも、どんな業種でも、
ダイバーシティ経営の実践がさらに重要になってくるのだ!
もしかしたら、私たちクリエイティブ業界が
国際的視点では一番遅れをとっているかも…。