03/02
2015
都心の下克上
コンビニが我が物顔で、席巻している都心。
そこで、密かに下克上が行われようとしている。
それがミニスーパーの存在だ。
そこでは、都心の性質上、
土地を大きく使えない代わりに、
コンビニと同等程度の広さでコンビニには無い
生鮮食品や惣菜などを豊富に取り揃えている。
さらに、売り上げ面で見ると、
大手コンビニ“セブンイレブン”と
ミニスーパー“マルエツ プチ”で大きく違う。
日販(一日の売り上げ)を比較してみると、
なんとマルエツ プチの方が3倍ほども多く売り上げているのだ。
ではなぜ、コンビニと同じ広さのミニスーパーが
そこまでの売り上げを出せるのか?
その理由は、地域の生活者のことを考えた
商品の質と品揃えへのこだわりだろう。
ご存知の方もいらっしゃるだろうが、
中島流「集客アジ理論」というものがある。
それは、アジフライがおいしいスーパーは
繁盛店スーパーになる可能性が大きいというもの。
(もちろん、マルエツ プチのアジフライを
食べてみたのだが、十分合格点!)。
マルエツ プチは、店舗スペースが狭いため、
埼玉県にプロセスセンターという製造拠点を設けており、
そこで作った惣菜類や捌いた生鮮品を
日に2度都心のスーパーに届けているという。
そうした店の商品へのこだわりと追求が、
アジフライのおいしさに繋がっているのだろう。
スーパーに顧客が流入してきている理由は他にもある。
現在、都心の生活用品、食品は、
コンビニ、スーパー、ドラッグストアの三つ巴状態になっている。
そのため、昨年の消費税増税後の価格の優位性をみても、
スーパーが選ばれる理由なっている。
また、地域に密着せず全国どこでも同じ価値観、
自社の流儀で商売をしているだけの
コンビニの利用を生活者が見限り始めたことも要因の1つだろう。
例えば、麻婆豆腐を作るために100グラムだけ
ひき肉が欲しいとなったとき、量に対する品揃えを見ても、
3者の中でそれに一番こたえてくれるのはスーパーだ。
コンビニはどこでも一緒で変わり映えしない
商品展開で地域のことに目を向けていない。
スーパーは反対に、地域生活者のことを考え、
商品展開展開をしている。
こうした生活者の購買の流れが、
コンビニからスーパーへと繋がっていくことで、
生活者の声を取り入れた商売、
相乗効果に繋がるのだろう。
つまり、これからスーパーや地域商店の
下克上が始まるに違いない。