07/27
2015
Happy Outdoor Weddingの可能性
「結婚式」と聞いて、何を思い浮かべるだろうか。
真っ白な式場の中で…
バージンロードを歩き…
新郎新婦がケーキ入刀して…
こんなことを思い浮かべる人も多いかもしれない
(かくいう私もほとんど記憶がないのだが…)。
しかし今、従来の結婚式の常識を裏切る、
新しいウェディング
「Happy Outdoor Wedding(H.O.W)」が
人気を集めているという。
先日、そんなH.O.W代表の柿原優紀氏と
お会いする機会があり、お話を聞いてきた。
H.O.Wは、“Outdoor”とついているとおり、
主に野外での挙式を提案している。
それはキャンプ場やビーチだったり、
朝の公園だったりと様々
(地元の広大な畑で挙式する人も)。
また、基本的に準備は
新郎・新婦を中心とした仲間と共に手作りする
“参加型”のウェディングでもあるのだ。
このように、H.O.Wが提案するウェディングの特徴は、
従来の「企業が用意したウェディング」ではなく、
「当事者たちが仲間と共につくり上げるウェディング」
であるということだ。
中でも大切にしているのは、
「どんな結婚式がしたいか」
「どこで挙式したいか」
「どこにお金をかけたい(こだわりたい)か」
だという。
そして、H.O.Wは
あくまで新郎・新婦たちの
こだわりの内容を実現するための
フォロー役なのだとか。
確かに、「結婚式」とは本来なら
結婚する本人たちにとって、
また、その周りの人にとって
どうあるべきかが大切だ。
だが、これまでのウェディングは定型化し、
商売のライン上に乗せられて
しまっていると言っていいだろう。
だからこそ、あえて当事者たちや仲間たちが
プラン考案・準備などに参加することで
価値の高いウェディングとなるのだろう。
ここで私が注目したのは、
このウェディングによって生まれる相乗効果だ。
H.O.Wのウェディングは、アウトドアであること、
そして挙式場所や催し内容の自由度が高いこともあり、
様々な場所でその地域の人の協力を得ながら開催される。
そのため、式に集まる人たちは
これをきっかけにその場所に訪れ、
魅力を知るという人も少なくない。
また、その地域にとっても、
ウェディングを通して
経済的貢献・地域活性化につながる。
まさに、ウェディングを中心に
周囲にまで“相乗効果”が広がるのだ。
H.O.Wはスタートしてまだ4、5年で、
事例もまだまだ少ないが、
2014年にはウェディングコンクールで
総務大臣賞を受賞するなど、
大きく注目されている。
柿原氏は「儲かる商売ではない」と言うが、
今後もっと多くの人に“選ばれる結婚式”
すなわち“選ばれるビジネス”となっていくのだろう。
定型化したものが多く溢れる現代において、
生活者が「何を選ぶか」
「どこで買うか」を見定めることが、
次代で選ばれる企業につながる。
H.O.Wにはそのヒントが
沢山秘められていると言っていいだろう。