これからの選ばれるビジネス!

これからの選ばれるビジネス!中島セイジのビジネスの達人

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02/25
2019

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ペーシングクエスチョンの妙

「はい、目をつぶってください。
今から聞くことに当てはまる人は、2秒以内に手を挙げてください。
学校が好きな人?
勉強が好きな人?
部活が好きな人?
YouTubeが好きな人?
整理整頓が好きな人?
掃除が好きな人! ・・・いくつ手を挙げましたかね?」

のっけから「学校」って…何十年前の話!?
と思われた方、すいません。
実はこれ、先日私が『掃除の会』の広報担当として、
とある中学校でお話をさせていただいたときの冒頭部分。

1・2年生合わせて200人ほどの中学生を前に、
掃除をすることの意義や、
掃除の会が実際に行っている活動を紹介した。

中学生にしてみれば、知らないオジサンが突然表れて、
面倒くさい掃除(案外掃除が好きな人!で
手を挙げてくれた子も多かったけれど)
の功徳を説くのだから、ただ話しても仕方ない。

こんな時私がよく行うのが、
冒頭に挙げたような質問「ペーシングクエスチョン」だ。

ここで演者と聴く側の呼吸を合わせ、「聴くだけ」ではなく
「参加者」の意識を持たせる=ペーシングすることが、
その後の本題をきちんと聞いてもらうために大切だということ。

今回で言えば、出だしは中学生全員にとっての共通時候
「学校」で始めて、最後は本題の「掃除」に持っていく。
こうすることで、最後の質問の頃には
自分たちの思う“掃除”のイメージを
頭の中に描いてもらうことができるのだ。

この手法を私はよく取り入れていて、
経営者相手のセミナーや勉強会でも
「時流度チェック」という10問くらいの
ペーシングクエスチョンを冒頭に行うことが多い。
その時々の時流を取り入れつつ
(今なら「落合陽一」とか
「時価総額の高いプラットフォーマーは」とか・・・)、
セミナーの参加者全員が同じ土俵に上がれる質問をすることで、
セミナーの主題が自分ごと化される。

だから、中学生相手には中学生の目線に合った質問が必要だし、
経営者相手であっても、
参加者の世代とか業種業態によって
質問内容の調整が必要だろう。
「私は今のところ講演の予定がないから、関係ない」?

いやいや、これは実はプレゼンテーションの場や
ちょっとした打ち合わせでも使えるワザなのだ。
その場にいる人の意識をより能動的なものとし、
意味ある時間の演出とする「ペーシングクエスチョン」、
あなたも今日から使ってみては?

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みんな真剣に聞き入ってくれたのだ

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選ばれる仕事道

02/25
2019

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切腹覚悟の仕事道

何度かこのビジ達でも話題にしてきた「切腹最中」。
“切腹”したかのようにぱっくりと口を開けた、餡子たっぷりの最中だ。
ネーミングと姿のインパクトで、メディアにも取り上げられる機会が多い。
つい先ごろのバレンタインデーには、
いつもの白帯にキスマークをつけて、
切腹ならぬ“接吻”最中として売り出したとか。

そんなおちゃめな切腹最中は、平日でも1日4,000~5,000個、
多い時には7,000個以上も売り上げる人気商品だ。

切腹最中が初めて発売されたのは、およそ30年前、1990年。
私が知ったのは2000年頃で、
当時は渡辺社長とも色々とお話をさせていただいたのだが、
この方は老舗和菓子屋の3代目…ただし養子!
自分のアイデアが通りにくい背景もあったようだ。

切腹最中を思いついても、自分の一存では実行に移せない。
先代の奥様にお伺いを立てる必要があり、恐る恐る聞いてみたら
「切腹最中?!うちは小さくても
歴史があるお菓子屋なのに“切腹”だなんて!」と大反対。
2年もかけて説得して、やっと1990年の発売にたどり着いたそう。

満を持しての発売だったが、これが始めはちっとも売れない!
それがどうして人気商品になったのか?

まず1つ目は、ネーミングインパクトがあったこと。
「切腹」という老舗和菓子屋には
ふさわしくないほどのネーミングが、まずは勝因だろう。
2つ目は、デザインのインパクト。
切腹最中を見たことがない方は今すぐ検索!
最中そのものが大胆な意匠だ。
3つ目が、忠臣蔵と深い関係があるというストーリー性。
4つ目は言うまでもなく味作り。
5つ目は、これらを周囲に広めていく発信力。
と、まあ挙げれば当たり前のことばかりだが・・・。
私がつくづく感心したのは、当たり前ではない6つ目。
ネバーギブアップの精神だ。「しつこさ」と言い換えてもいい。
最初に周りの人たちに反対されたときも、
いざ発売してちっとも売れなかったときも、
社長はめげず、しつこく、切腹最中を信じ続けた。

ビジネスにおける謝罪手土産として話題になったなどの
幸運もあったにせよ、その逆風にもめげず
発信を続けることはなかなかできないことだ。
その結果が大人気商品に結びついたというわけ。

と、私がよく紹介している北海道・日高山脈の
ふもとのパン屋「カントリーブラン」を思い出してしまった。

この店は、パンのための水を求めるうちに、
人口200人程度の小さな村にたどり着いたのだという。
普通に考えれば立地は最悪。
ところが、いまや遠くからお客さんが訪れる繁盛店なのだ。
この店もやはり、先ほどの1から5の項目をしっかり満たしている
(詳しくは過去のビジ達を!)。
そしてなによりもネバーギブアップの精神。
素材にもこだわった美味しいパンなら、
きっとみんな分かってくれる
という信念で続け繁盛店になったのだ。

元は新橋のはずれの小さな和菓子屋さんだった
新正堂(しんしょうどう)も、切腹最中は必ず人気商品になる!
という強い信念によって、大繁盛店へ。
まさにネバーギブアップの、切腹覚悟の仕事道と言えるだろう。

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これが切腹最中

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3代目社長!

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サラリーマンに大人気

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02/18
2019

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おっさんの言うことはすべて聞かなくていい!

先日、40代の経営者が若い経営者達のオフ会に偶然遭遇し
こんな話を聞いてきたと…

実は50代60代の先輩の経営者方とは
“敢えて話をしないようにしている”と言ったという。

な、なんて事を言うのだ。
なぜか悔しい気持ちも込み上げてくるのだが…

でもその一方で、わかる気持ちも。

そうなんだなぁ、私たち50代60代の経営者達の経験は
今のビジネスシーンに活かせないものがかなり多い。
ビジネスモデルはもちろん、組織づくりも
マーケッティングも、コミュニケーションの仕方すらも…
これからの時代にはその多くが通用しないと言っていいだろう。

さて、ここで今手にしてる『死ぬこと以外かすり傷』という
幻冬舎編集者の箕輪厚介氏の本。
出版してまだ半年経っていないのにすでに第12刷発行。

えっ、幻冬社の編集者なのにマガジンハウスからの出版!
そんなことってあり⁈
いやいや、出版者のイチ編集者が本を出すこと自体稀有なのだが…

いや、そこではなく…
この箕輪厚介氏は33歳のまさにミレニアル世代であり、
先ほどのオフ会の若い経営者世代と同じ世代。

そしてこんなことをその本のプロローグで語っているのだ。

「今、若者はチャンスだ。
これまでのルールとシステムが通用しなくなっている。
古い世代にはわけの分からない変化が今まさに起こり始めている。
ワクワクする未来が迫っている。
この波に乗ろう。
自分たちの手で、世界の輪郭に触れ、自由で新しい秩序を作り直そう。
おっさんの言うことはすべて聞かなくていい。
そのかわり誰よりも動け!……」

いかがだろうか?
「おっさんの言うことはすべて聞かなくていい」だって!
“すべて”が入っているのは痛いが、
私は実は、悔しいがそんな気もするのだ。

先日も“チームラボ プラネッツ”を観てかなりショックを受けたばかり。
新しい時代の流れを察知したということ。
あの「teamLAB」の猪子寿之社長も40そこそこ。
とにかく無類の少年ジャンプファンだという。

まさにこれまでとは違う新しい流れが地球規模でやってきているのだ。
ここはもう、次の時代を担う若いリーダー達に任そうではないか!

はっはっはっ、“すべて”は任さないけどね(^ω^)

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幻冬舎編集者の箕輪厚介氏の本

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“チームラボ プラネッツ”は衝撃的だった

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新しい流れが地球規模でやってきている

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先取りビジネストレンド

02/18
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“新宿ダイアログ”オープンの意義

「SDGsとLGBTをテーマにした店に行ってきた!」
と言ったら、「げげっ、ややこしそうな…」
と思う方が多いかもしれないが…
大いに楽しんできたのだ!

そもそものきっかけは、J-WAVEの
レイチェル・チャンさんの番組だ。
新宿2丁目と3丁目の境にあるという、そのお店。
どんな店作りをしていて、どんなお客さんが集まっているのか?
仕事がてら興味を持って、先日訪問したというわけ。
それが、「対話」を意味する“ダイアログ”を
店名に取り入れた、
「カフェバー&イベントスペース 新宿ダイアログ」だ。

L・・・Lesbian(女性同性愛者)
G・・・Gay(男性同性愛者)
B・・・Bisexual(両性愛者)
T・・・Transgender(出生時に診断された性別と、性自認が不一致な人)
これらのいわゆる性的マイノリティーの人達と共に対話しながら、

S・・・Sustainable(持続可能な)
D・・・Development(開発の)
Gs・・・Goals(目標)
という、これからの地球にとっての
さまざまな課題について語り合おう、というのがお店のコンセプト。

SDGsは17の項目から成り立つ考え方なのだが、
さすがにすべては紹介しきれない。

1.貧困をなくそう から始まって、
2.飢餓をゼロに、そして5.ジェンダー平等を実現しよう、
10.人や国の不平等をなくそう…などなど。
この5.がこの店作りとの結びつきなのだろう。
どちらも私たちの未来の暮らし・ビジネスに
必ず関わってくるものだ。
そんな思いで訪れたのだが、思いがけず美味しく楽しんでしまった。

例えば食事は全てオーガニック。
玄米ご飯、お味噌汁、お惣菜・・・
今では普通の家でも用意できないものが多い。
そして何と言ってもお店の人との会話が弾むのだ。

この店ではお酒類を購入するごとに、
その栓をSDGsの17の項目のうち、
自分が共感するもののコップに入れることになっていて、
それによって1つあたり50円寄付できる仕掛け。

店内の様々なお客さん・店員さん
(見た目はごく普通の方々だけど…)と
SDGsに関わることや、オーガニックの食材について
お互いに分かち合うために対話するという展開。

ところで、このお店の取り組みはLGBT・SDGsの啓蒙だけではない。
お店のHPによると、店の前に立つ
大きな3本のくすのきが、道路整備工事のため
伐採されようとしているのだという。

それ自体は仕方ないことだが…。
でも、新宿2丁目・3丁目を長い間見守ってきてくれた
クスノキだから、せめて伐採後は
みんなが座れるベンチにしてあげたい。
そしてベンチとして、今後も新宿を見守ってほしい。
こんな想いで活動しているのだ!

思わず「クスノキベンチの街づくり」と
(私が勝手に)命名してしまったこの運動。
LGBT・SDGs・そして樹木を中心にした街づくりと、
小さなお店から様々な思い・活動が
発信されていることにつくづく感心した。
リスク覚悟で動き出すことの大切さを改めて感じた次第。

北海道の小さなワインバレーを中心とした
街づくりを目指す私にとって、
実に共感でき、意義深いお店づくりだった。

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SDGsのラベルが並んだ

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“新宿ダイアログ”の目印だ

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仕事がてら興味を持って、先日訪問した

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もちろん食事もおいしかった!

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選ばれるビジネス

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2019

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チームラボのアーティスティックシナジー

デジタルアート集団「チームラボ」。
私も名前は知っていたのだが、なるほどこれはすごい!
と思ったのはつい最近、豊洲にオープンした
“没入型作品群”「チームラボ プラネッツ」を訪れたからだ。

視覚・聴覚を働かせる展示は多いものだが、
ここに触覚・嗅覚も加わって
空間を体験できるのがここのポイント。
素足になって脛のあたりまで水に浸ったりするのだが、
その時は視覚の方でも触覚や私の動きと
リンクするようなデジタルアートが展開されていて・・・
いやはや、アートを説明するのは難しい。
とにかく体験していただきたい。

3,200円の入場料、初めは高い?!と思ったが、
それだけの満足度は得られる体験だった。

このプラネッツを作り出した「チームラボ」は、
ウルトラテクノロジスト(!)集団と名乗る会社組織だ。
注目すべきはその内訳で、
プログラマー・エンジニア・数学者・建築家・絵師・
Webデザイナー・グラフィックデザイナー・
CGアニメーター・編集者と、実に多彩な能力を持った人達ばかり。

この、さまざまな分野の知識とスキルが集約されていることが
チームラボの活躍の秘密だろう。

代表を務める猪子寿之氏は41歳で、
「多くの産業・もしくは企業は、生み出す製品やサービス、
そして存在自体が『人がアート的だと感じるようなもの』
でないと生き残れない社会になっていく」と仰っているのだが、
これこそチームラボを貫く指針。

最先端のデジタルアート集団という印象が強いが、
その一方でWEBサイトを作ったり、
企業ブランディングを行ったりもしていて、
純粋なアート活動は実はその一部なのだ。

現在、およそ500人ものスタッフがいて、
多くのウルトラテクノロジストたちが
チームラボで活躍しているが、
ばらばらの得意分野を持つ彼らをまとめているのは、
代表である猪子氏の「少年ジャンプ的価値観」だという。

えっ、と驚かれるかもしれないが、
猪子さんは週刊少年ジャンプばかり読んでいる少年だったらしい。
週刊で発行されるジャンプを待ちわび、
何度も繰り返して読んだ猪子少年は、
当然のように「少年ジャンプ的価値観」を持つ大人になった。

少年ジャンプの主人公たちは必ず仲間を作るのだが、
それはお互いの長所を活かし・短所を補うため。
そしてそのチームで次々と新しいものにチャレンジしていく…
(ONE PIECEって感じ!?)
というジャンプ的なストーリーを踏襲したのがチームラボなのだ。

長所が異なる人達が集い、常にチャレンジすることで、
アーティスティックなシナジーが生まれ、
新しい価値観を創造してくこと。これによって、
既存の何にも似ていないアートが生まれて、
多くの人を感動させるのだ。

もちろん、この活動には収益が伴っている。
新しい価値観の創造により、新しいビジネスが生まれ、
その背景にはジャンプ的価値観があって…。

う~ん、オラわくわくしてきたぞ!(これもジャンプ!)
未来のアート、そしてビジネスモデルを創造する集団として、
私はこれからもチームラボと猪子氏に注目していきたいのだ。

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“没入型作品群”「チームラボ プラネッツ」

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「チームラボ」は、 ウルトラテクノロジスト集団

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私も大いに楽しんできた!

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