これからの選ばれるビジネス!

これからの選ばれるビジネス!中島セイジのビジネスの達人

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目からウロコのおすすめ本

10/11
2022

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『社長が席を譲りなさい』と『“捨てる”思考法』

丸善本店で出会った2冊の書籍。
『社長が席を譲りなさい』と『“捨てる”思考法』は
今まさに私が言いたいことを語ってくれているではないか。

①『社長が席を譲りなさい』

“令和のことは令和の頭で考えよ”という小見出しから。

「新型コロナが収束に向ったとしても、変革した新社会が
再び元の姿に戻ることはない。新しい日常が普通の日常になる。
もはや昭和や平成の成長モデルが通用しないことは明らかである。
人口減少の下の日本で、なお成長を求めるのであれば、
昭和、平成の考えを捨てて、令和の頭で考えることが必要だ。
社会が変われば、人も変わらざるを得なくなる。
企業にあっては、まず社長からその言動を刷新することが求められる。
それができなければ早々に退任するべきだ。
最悪の老害とは、正に権力の長期にわたる掌握に尽きる」

著者の丹羽宇一郎氏(83歳)は伊藤忠商事の社長・会長を歴任し、
民間出身では初の中国大使にも就任した方だ。
この年齢でこれをしっかり言い切っているところが、素晴らしい!

②『“捨てる”思考法』

著書の出口治明氏は2008年にライフネット生命を開業し、
2012年には株式上場。
創業から10年目に当たる2017年に古希を迎えた後、
ひょんなことから立命館アジア太平洋大学(APU)の学長に就任された方だ。

本書はこんなプロローグから始まる。

「日本生命、ライフネット生命と歩き、保険業界から教育業界に
転身しましたが、振り返れば僕の人生は“捨てる”と“得る”の連続でした。
いわば人生は毎日がトレードオフ。
人間の器が小さくても、トレードオフによって何倍にも活かすことができます。
その第一歩が“捨てる”にあることは間違いありません」

そして現在74歳である出口氏が
“こだわりを捨てれば仕事はうまくいく”という小見出しで
こんなエピソードを書いてくれていた。

「ライフネット生命を創業してまもない頃、
限られた予算で広告効果を得る必要があったので
20代のマーケティング担当者に“どんなアイデアにものるで”と伝えたところ
“ハトが選ぶ保険”という企画を持ってきました。
河原に紙皿を何枚か置いて、そこに“1,000万円” “2,000万円” “3,000万円と書き、
それぞれ大豆、ピーナッツ、マカデミアナッツを何粒か入れておく。
河原にいるハトがどのお皿の豆を食べたかで、
加入する保険を決めるというコマーシャルです。
さすがにこの内容には度肝を抜かれ、“おまえ、アホか”という一言が
口をついて出たものです。
ところが、“アホなのは出口さんです”と言い返してくるではありませんか。
“出口さんは60歳を超えた年齢だから、
この企画をうさんくさいと感じるのですよ。
ライフネット生命のコマーシャルは、
これから家庭を持つ20代、30代のお客様に届けたいわけですよね。
それなのに60代の感覚で文句を言うのは、出口さんのほうがアホです”
なかなか辛辣な意見ですが、ロジカルで筋が通っているので思い直し…
(中略)
やがてこのコマーシャルはインターネットで話題となり、
ライフネット生命といえば「ハトの保険」と言われるまでに周知されました。
僕の固定観念を捨てるきっかけをつくった担当者がいなければ
実現しない企画でした。
そして現在でも、ライフネット生命は年功序列の人事採用とは無縁です」

このエピーソードでだけでも、一冊全体が見えてきたのではないだろうか。

このお二人に共通しているのは(私も含め)、
昭和のビジネスであり社会の常識を身に纏っていることは認めていて、
それがすでに通用しないことも分かっているということ。

いかにこれからを担うミレニアル世代以下の人たちに席を譲り、
どうサポートするかなのである。
すでに彼らの方が、これからくるだろう時代をよく分かっているのだ。

「女性社会起業家アカデミー」もその若者たちのサポートのつもりなのだが…
果たして!?

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昭和のビジネスや社会の常識はすでに通用しないのだ!

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ファインスピリッツキーワード

10/03
2022

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先達から学ぶ、起業に向けた二大フレーズ

先日紹介した「縁は求めざるには生ぜず」(森信三先生)と
白隠禅師の言葉なのだが、鍵山秀三郎相談役から教えてもらった
「動中の工夫は静中の工夫に勝ること幾千億倍」。

この二つの言葉は、私たちのビジネスに多くの示唆を与えてくれる。
この二つのフレーズを、今スタートしようとしている
「女性社会起業家アカデミー」のスローガンにしようかと思っている。

“NBC Beyond Business Channel“という
動画番組をお手伝いして丸1年超。
月に2回の収録だが、合計8人を超す経営者のインタビューの
お手伝いをさせてもらっている。
ということは既に100人以上のメンバーを紹介しているということに。

今、NBC会員が600人を超したこともあり、
注目の企業の経営者たちも多く、ユニークで魅力的な人たちなのである。

この動画チャンネルのパーソナリティ役は、
もちろんボランティア的お手伝いなわけだが、
ここでの出会いがきっかけで、動画番組“Business Today”や
“月刊CDビジネスイノベーション”のゲストになってもらうことも多いのだ。

まさに“縁は求めざるには生ぜず”である。

仕事柄、注目のビジネスや意味あるビジネスを取り上げ、
セミナーやメディアを通して紹介させていただくことが多く、
常に注目に値する経営者との縁を求めているわけである。
私自身の発信においても、
今どきの具体的ビジネス事例を知っていることは
話の説得力にもつながるわけだ。

そして「動中の工夫は静中の工夫に勝ること幾千億倍」。

QB社も今年で創業40年になる。
私自身、十分にビジネスモデルを練り込んでからスタートする
というタイプではなく、まず“動き出してみて”から考える派。
常に“動きながら発想する”の繰り返しだった。
その方が目指す方向も明確となり、活きた発想が頭に浮かんでくるわけだ。

常に熟考してから行動に移しているように見える鍵山相談役が
この言葉を度々口にするわけだから、
“動中の工夫”がいかに効果的で意味があるということだろう。

実は「女性社会起業家アカデミー」は
“動中の工夫”から生まれたアカデミー構想だ。
【1】QBの浅草オフィスがお洒落に完成したこと
【2】リーダーズセミナーを15年に渡り毎年開設運営していること
【3】今年“2030 Business LABO”をスタートしたこと
すなわち、これらを踏まえての動中の工夫によりいきついたアカデミーというわけだ。

この40年を振り返っても、多くの出会いによって成り立ってきたわけで、
まさに“縁は求めざるには生ぜず”である。
もしかしたらその縁を上手く利用するだけでなく、
その縁がお互いにいい機会となることを考えてきたことも
よかったのかもしれない。

さて、先達から学んだこの二つの言葉を
今から起業しようとしている人たちのスローガンにしたい
という意味は伝わっただろうか。

「縁は求めざるには生ぜず」
「動中の工夫は静中の工夫に勝ること幾千億倍」
“会社を起業・経営する”とはそういうことなのだろう。

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鍵山相談役から教えてもらった“動中の工夫”

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“縁は求めざるには生ぜず”まさに出会いが大事!

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選ばれる仕事道

10/03
2022

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『シン・メイド・イン・ジャパン』という書籍の贈り物

ある日、私の手元に届いた書籍。
そこにはこのような手紙が添えられていた。

「唐突に書籍をお送りしましたこと、お許しください。
株式会社セルコというコイル巻線の会社の
会長の小林と申します。
20数年前、海外取引が中心だった当社は、
注文を一気に打ち切られ、
倒産の危機の中、どうにか這い上がり、
昨今ようやく人並みの売上、利益率を出せるような会社になりました。
一昨年、息子に社長をゆずり、私は代表取締役会長として
まだまだ現役で、この会社をもうワンステップ上の段階に
押し上げるべくがんばっています。
そこでこの度、同封の『シン・メイド・イン・ジャパン』
という本を出版する運びになりました…
(中略)
私は“月刊CDビジネスイノベーション”の
始まりからずっと聴かせていただているヘビーユーザーです。
特に小山政彦さんのお話は、何度も何度もお聴きしているうちに
頭がすっかり洗脳され、会社も小山さんがいつも
仰っている方向に向かっています…」

こんな内容の手紙だった。
月間CDのスタートから聴いていたという小林延行会長。
船井メディアが制作していた時からなら
20年超は間違いない。
そして地方の方々は車で聴くことが多く、
乗るたびに何回も繰り返し聴いてくれている。
結果として倒産の危機から“注目の企業”へとV字回復するわけだから、
とにかく嬉しい話なのだ。

この月刊CDのプロデューサーであり
パーソナリティでもある私は、
書籍が届いてからすぐ小林会長に電話を入れ、
この月刊CDビジネスイノベーションにゲストとして
登場していただくことになった。
(ふっふっふっ、この決断は素速い)
いろいろな試行錯誤の上、
“シン・メイド・イン・ジャパン”に行き着いたわけで、
ここまでの経営者としてのチャレンジ、決断について
ぜひ聞いてみたい。

さて、実はこれまでも月刊CDの受講者がゲストとして
登場してもらったケースはいくつかある。
その代表事例を紹介すると…、
【事例:1】ブックオフの創業者で、“俺の株式会社”社長だった
(故)坂本 孝氏。
記憶に残る面白い社長だった。
これまでの起業の勝敗は2勝10数敗とよく口にしていた。
“ブックオフ”とピアノ買取の会社は勝ち組企業。
“俺の株式会社”含め、まだまだ勝ち組起業といえないと言っていた。
坂本社長のお誘いで俺の株式会社の経営計画発表会にも
参加させてもった記憶が…。

【事例:2】“手芸センタードリーム”の小野株式会社,小野兼資社長。
香川県に本社を置く企業で、
今や日本全国に100店舗になろうとしているのだ。
香川NBCに所属していることで知り合い、
ずっと聴いているCD受講者だと知った。

月刊ビジネスイノベーションはもうすぐ20年となる。
本当に受講者の方々に感謝である。
小林会長は、この11月に長野県小諸市から社長含め何人かで
収録に来てくれるという。収録日が楽しみだ。

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小山氏の月刊CDビジネスイノベーション

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ファインスピリッツキーワード

09/26
2022

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なぜ、いま“リベラルアーツ”なのか?

昨今“リベラルアーツ”という言葉を耳にすることが増えた。
書店には表紙に“リベラルアーツ”が使われている書籍もパラパラと。
また、大学の学部が“リベラルアーツ”だったという若者もいる。
ということから、
なぜ、いま“リベラルアーツ”なのかを紐解いていきたいと思う。

リベラルアーツと検索してみると…
日本語に直訳すると“教養教育”や“一般教養”となるわけだが
“元来、人間を良い意味で束縛から解放するための知識や、
生きるための力を身につけるための手法”とあり、
欧州の大学制度においては、“人が身につけなければならない
学芸の基本”と見なされていた自由七科・自由学芸のこと、となっている。
幅広い教養というのが今までの訳され方だ。

時代がどんどん変化するいま、自分のアップデートも欠かせないわけだが…
とはいえ、先にも紹介したように、人のアップデートはなかなかできないもの。
リーダーとしての必要な決断力を養う為にも、マクロ的視点による
普遍的価値観を持ちたいと思うわけだ。

そこで、“リベラルアーツ”が重要になってくる。
このところ私が手にした2冊の “リベラルアーツ”関連の書籍を紹介しよう。

1)『自由になるための技術 リベラルアーツ』山口 周著
「リベラルアーツとは、“教養”と訳されることが多いが
本来意味するところは“自由”になるための“手段”にほかならない。
自分たちを縛り付ける固定観念や常識から解き放たれ、
自らの価値基準を持って行動していかなければ、
新しい時代の価値は創り出せない。
いままでの正解から突破するヒントがここにある」

更に山口氏は、
「“リベラルアーツ”の存在は、パソコンで言うところのOS。
私たちの行動や判断を司る“ソフトウェア”のような根本思想だ」
「OS(Operating System)」とは、システム全体を管理する様々なアプリケーションの事。
すなわち、山口氏はあらゆる課題に対してリベラルに発想するための
基本的な価値基準だと説明する。

2)『“リベラルアーツ”思考』阿部 博人著
リベラルアーツを…
“自由で、多元的で、主体的な物の見方・考え方、
そして行為”と定義し、この定義に基づいた思考法のベースとなる
“リベラルアーツ思考”について解説している。

「これまでの学校制度ではマルかバツかで正解を求められてきたが、
いまの社会は答えのない問いに囲まれていると言っていいだろう。
もしかしたら“問い”さえも自ら見つけることを求められる。
リベラルアーツ教育により多角的な視点で世間を見られるようになること
で、社会に対しての疑問も生まれてくる。
すなわち問題発見能力を養えるということ。
多角的な視点を持って、様々な意見を受け入れる力を…」と続く。

先にも話たように、“モノの消費から意味の消費へ”と価値観がシフトしている今、
“問題を発見し、意味を創出する”ことが重要視されてくる。
その為には、リベラルアーツ的思考が必要だということだ。

以前 “アップデートの実践”でも語ったように
昭和の価値観であり、昭和のビジネスに精通してきた私たちは、
その常識も知見もかなり深く“昭和”が染み込んでいて、
新たな価値基準に一挙に入れ替えることは難しいだろう。

とはいえこれからも活躍したいなら、ここで“自身のパラダイムシフト”に
チャレンジしなければならないのは分かっているのだ。
まずは難しく考えず、目の前の常識を相対化するための思考技術だけは
身につけようではないか。
そのためには“人と話す”、“本を読む”、“旅に出る”の3つが重要だという。
(これなら誰でもできるリベラルアーツへのプロローグかも)
この中でも“旅に出る”だけは一次情報に触れることができ、
自分だけのユニークな発想につながるのかもしれない。

“リベラルアーツ”について、その必要も含め
理解していただけただろうか!?

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リベラルアーツに関する書籍が多数ある

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選ばれるビジネス

09/26
2022

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石坂典子社長流の意味の創出経営

石坂典子社長は30歳のお試し社長からの数年は
会社としての明確な課題が多く、
その課題にどう対応するかがテーマだった。
すでに課題があり、それに対応するための経営だったということだ。
ところが、ある時点からの経営は、
“問題を発見して、意味を創出する”というビジネスステージに
入ったように思えてならない。

これに気づいたのは、この9月大里綜合管理で開催された
“ネット99夢フォーラム”での石坂社長の講演会に
参加させていただいたときのこと。
ちなみに、大里綜合管理の野老会長と石坂社長は、
2012年“おもてなし経営企業選”で一緒に選ばれた経営者仲間なのだ。

今回のフォーラムで改めて1999年の
ニュースステーションでの誤報による廃業の危機から
“石坂産業逆転劇”の顛末を聞きながら、
まさに石坂社長は私がこのとことろ発信している
“意味の創出”経営をずっとやってきたと気づいたということ。

社長になって数年は世間からのすさまじい逆風に立ち向かいながら
建設して間もない大きな溶鉱炉を撤去し、
新たなプラント造りを決断することで
多額の借金を抱えることになった。
当然それなりの稼ぎがなければならないわけだ。
そうしているうちに、ある時点から、
石坂社長は課題対処と並行して、その先を見据えた
“意味の創出”展開をし始めるのだ。

◆2億円もかけ見学通路を造った件
などは、課題解決のためだけでなく、“意味の創出”と言えるだろう。
もちろん廃棄物処理プラントに見学通路は必須のものではなかった。
だが、これにより見学者も増え働く人たちの意識も変わり、
働き甲斐のある会社へとつながっていく。
→ “2億円も”ではなく、“2億円で”会社の信頼感(透明性)と
従業員のモチベーションも高めたということ。

◆雑木林を清掃整備して憩いの森“フォレストパーク”にする
→まちづくりと地域貢献

◆広い敷地を整備して遊具やベンチを持ち込み
“アミューズメントパーク”とする
→地域貢献とブランディング

◆“くぬぎの森交流プラザ”や“くぬぎの森カフェ”を開設し
自社農園で生産された産物を活かした食事を提供

◆廃棄される海洋コンテナをリユースしたエシカル雑貨ショップ

結果としてこれらのアプローチは多くのメディアでも扱われ
海外含め年間5万人以上の人たちが視察に来る石坂産業となった。
新卒採用でも多くの就職希望者が集まる会社になったのだ。
さらに新たなチャレンジをし続け、最近は作る段階から
廃棄物を少なくするノウハウを蓄積して、
大手メーカーとも関係を築きつつあるという。
もはや産業廃棄物処理を主事業とする会社とは思えない
未来産業的“石坂産業”になろうとしている。

石坂社長はその感性思考も活かした
新たなチャレンジの繰り返しにより
時代に先駆けた“意味の創出経営”をしているということ!


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新たなチャレンジで“意味の創出”を実践

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