これからの選ばれるビジネス!

これからの選ばれるビジネス!中島セイジのビジネスの達人

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選ばれる仕事道

09/20
2022

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アイアンマン稲田 弘氏の、 90歳のモチベーション

アイアンマンとしての制限時間、わずか5秒オーバー。
たった5秒でもアイアンマンレース完走の称号はもらえない。

当時のことを稲田 弘さんはこう振り返る、
「このときのゴールシーンがとてもドラマティックだったと
世界中のメディアが取り上げて、私のフェイスブックにも多くの人から
メッセージが届きました。
この出来事からモチベーションが変わりました。自分の為だけじゃなく、
世界中の人々の期待に応えたいという気持ちで走り続けています」

先に、ギネスブックにも取り上げられている“90歳のアイアンマン”
稲田 弘さんに、動画番組“Business Today”に出演してもらった。

稲田 弘さんは、前にこのビジ達で経歴は紹介させてもらったが
今回改めて動画番組のために直接インタビューさせていただき、
さまざまな思いを語ってもらったわけだ。

制限時間5秒オーバーの出来事は、
2015年のハワイでのアイアンマン選手権でのこと。
この年は大会の規定により従来の制限時間から10分短縮され16時間50分に。
稲田選手は途中で吐いてしまってものが食べられなくなり、
エネルギー不足と熱中症でふらふらな状態になってしまったという。
制限時間が刻々と迫ってきてのギリギリのところでのゴールだった。

ゴール周辺にはたくさんの観客や出場者が集まり、
稲田選手に向けた熱い声援が送られていた。
稲田選手はどうにかゴールラインに続く花道に入ってきたのだが、
50mくらいのところで一度転び、ゴール直前1mくらいのところで再び転倒。
やっとゴールした時のタイムは、なんと16時間50分5秒。
すなわち制限時間のわずか5秒オーバー。

当然、完走ゴールとは認めてくれないわけだ。

ゴール直前に2度の転倒をし、なおもゴールした稲田氏のゴールシーンは
人々に感動と勇気を与えた。

ということから世界中の人々の期待に応えたいと思い
走ることになったわけだが、
稲田氏はこうも付け加えてくれた。

「古い言い方かもしれないけど、大和魂というか日本人の誇りを
見せたいという思いもあるんです。
大袈裟に言うと、“期待に応えないと生きて日本に帰れない”
くらいの気持ちで走っています」と。

いつも動画番組“Business Today”での最後の質問は
「○○さんにとっての仕事とは」を出演者にきいているが、
既に仕事を引退している稲田さんにとって、
このトライアスロン、すなわちアイアンマンレースにチャレンジすること
多くの人たちの期待に応えるための“第二の仕事”なのかもしれないと語っていた。

多くの人たちの期待と、応援や支援がモチベーションに変わり、
90歳になっても、健康で意欲を持ってレースにチャレンジできる
理由なのかもしれない。

さて、私も次なる存在理由をつくらなくては!?

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稲田氏が挑戦し続ける理由とは

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シナジースペシャル

09/20
2022

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まさにこれぞ“意味の創出”ビジネス

先日、藻谷浩介氏から情報をもらい視聴させてもらった
オンライントークイベント。
これがかなり私の興味を引く内容だった。

基調講演は藻谷氏で、後半のトークセッションでは
“岡崎ビジネスサポートセンター”の
チーフコーディネーターとして
数々の中小企業を売り上げアップに導いてきた
秋元祥治氏が登壇した。
この二人でのトークセッションのテーマは、
「眠れる地元資源を発掘せよ!名産品開発の勘どころ」。
そこで、私が“意味の創出”ビジネスと感じた
事例を2つ紹介しよう。

事例その1
『高級御影石をアップサイクルした“石の器”ブランド「INASE」』
墓石製造会社が製造工程で出て破棄される
“余りの最高級御影石”をアップサイクルし、
食器やインテリア用品として販売する事例だ。
この新事業は、準備段階からグルメガイド・ミシュランなどの
星つきレストランや高級旅館から注目され、
今や新規の注文が6カ月待ちという。
事業の売り上げシェアの10%弱を
占めるまで急成長したという。

この事例のポイントは今までは産業廃棄物として
捨てていた石をアップサイクルし、
墓石製造会社とは無縁だった
レストランや高級旅館とマッチングしたこと。
墓石づくりのプロとしての延長では、
それ以上の発想には至らないが、
“高級石の加工メーカー”ととらえると
その可能性は広がるわけだ。

事例その2
『自宅でつくる“どら焼きセット”発売』
「小野玉川堂のどら焼きセット」で、
どら焼きの皮5個分(10枚)と
2種類の餡(つぶ餡1パックと白餡2パック)
のセットを販売し手作りするどら焼きだ。
料金は1500円。
このお店で販売しているどら焼きそのものよりも
少し高いが売れている。
コロナ禍で、巣ごもりやおうち時間を楽しく過ごしたいと
考える人たちを想定して商品開発したという。

家族が自宅でどら焼きをつくるプロセスを楽しみながら
どら焼きも味わえるというわけ。
それまで高齢者が中心の客層であった店だが
ファミリー層が来店するようになり、
来店客数は前年比で1.5倍、
売り上げもコロナ前を上回ったとのこと。

今回のテーマは“意味の創出”。
それぞれの業界の課題を見つけ、
そこに“新たな意味を創出”している。
墓石製造企業と高級レストランや旅館とのマッチング。
老舗和菓子店ということの従来の客層になかった
ファミリー層とのマッチング。
新たなマッチングには感性思考のアイデアも大切で、
このような新たな商品やサービスは問題の発見と
“意味の創出”により生み出されたものだったのだ。

藻谷さんのおかげで知った情報だが、
これぞ“意味の創出ビジネス”といえるだろう。

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イベント情報を教えてくれた藻谷浩介氏

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先取りビジネストレンド

09/12
2022

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“すべてが加速する未来”を予測するための 令和の3つのパラダイムシフトと社会課題

今、さまざまな既存のビジネスが大きな転換期を迎えている。
これは日本だけのことではなく地球規模でのことと
言っていいだろう。

このビジ達で何度も繰り返して発信してきたが、
この大きな変化に対応し、新たなビジネスモデルを構築し
未来に選ばれるためには…、

◆“2030年全てが加速する時代に備えよ”として
AIの可能性とさまざまなテクノロジーやイノベーションを紹介
◆“GAFAMを代表とするメガプラットフォーマーの出現”
による新たなビジネスインフラ構築について
◆成熟化による“モノの消費から意味の消費へ”
など…、
これらは大きなパラダイムシフトではないか?

さらに、環境問題を含めた新たな社会課題の山積は、
あらゆる企業に関係し、それに応じた対応が
求められるようになってきた。

これらの要因に対して既存のビジネスをプラスマイナスし、
どのようにシフトして展開していくかが
“これから選ばれるビジネスとなりうるか”につながる。
そこで改めて、これからのビジネスを予測するために、
中島流、“令和の3つのパラダイムシフト”を紹介する。

[その1]
Fusion of Technology(テクノロジーの融合)
→ AIを含めたテクノロジーの融合のよるパラダイムシフト
弱いAIから強いAIへの移行は2029年だと言われている。
テクノロジーの融合が、さまざまな分野での
イノベーションになる。
これらの先進テクノロジーをしっかり押さえておく
必要がある。

[その2]
Business Platform(ビジネスプラットフォーム)
→ IT化、メガプラットフォーマーらによるパラダイムシフト
もちろんGAFAMが中心であることは間違いない。
そこにAIのプラットフォーム的なものが組み込まれると
今後のビジネスに欠くことのできない
“ビジネスインフラ”となるはず。

[その3]
New Values
→ 成熟化による価値観のパラダイムシフト
成熟化社会と共に生まれ育ってきた世代が
イニシアチブを取る社会となり、
大きな価値観の転換がされることに。
買い方、選び方、使い方が変わり、
ユーザー側の価値観の転換も大きなパラダイムシフトだ。

この“令和の3つのパラダイムシフト”を理解し、
メタバース、ナノテクノロジー、ロボティクスなど
関係する多くのテクノロジーも取り込んで
自分たちのビジネスをシフトする。

さらに関係する社会課題をも
企業の社会的責任として取り組むのだ。
時には、「お金になる仕事」と並行して
「お金にならない仕事」にも取り組む姿勢が大切。
このように、次なる時代を見据えた展開こそが、
選ばれる企業として必要条件になるといっていいだろう。
とにかく、大きな変化が起こりつつあることは間違いない!

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社会課題をどう解決するかが問われている

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はなまるア・ラ・カルト

09/12
2022

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“縁は求めざるには生ぜず”森信三哲学に学ぶ

「人間は一生のうちに逢うべき人には必ず逢える。
しかも、一瞬早すぎず、一瞬遅すぎない時に。
縁は求めざるには生ぜず。
内に求める心なくんば、たとえその人の面前にありとも、
ついに縁は生ずるに到らずと知るべし。」
この言葉は教育者であり哲学家の森信三先生の言葉である。

先にご紹介した“実践人の家”研修会は、この森信三先生の教学に則り、
共に学び、実践し、自己の生き方を確かめつつ、いささか社会に貢献し、
一隅を照らす使命の実現に努めようとする人たちの研修会だという。

国民教育の師父として慕われていた森信三先生だが、
“人を教育する秘訣はなんですか”と尋ねられると、
「どんな素晴らしい教えでも、相手が心を開かなければ伝わらない。
それは、伏せたコップの上から水を注いでいるのと同じである。
まずコップを上に向けさせることが大切だ」と答えていたそうだ。

もちろん、学校教育だけでなく、ビジネスにおける研修教育でも同じである。
実は掃除道の鍵山秀三郎相談役からも、
森信三先生の名前は度々聞いていた。
鍵山相談役の講演会でも、森先生の言葉を引用して
解説することも多かった記憶がある…
冒頭の言葉を最初に聞いたのは、もしかしたら相談役からだったかもしれない。

“逢うべき人には必ず逢える”とは
もしかしたら、残念な出会いも、ラッキーな出会いも
それは必然であり、意味ある出会いということなのか。

そして“縁は求めざるには生ぜず”という言葉。
何か目的や目標を持って自ら行動することが出会いにつながるわけだ。

実際に私も、中小企業の未来をより明るく意味あるものにと
中小企業の経営者集めて勉強会を開いたことが多くの経営者との出会いとなり、
その集まりの学びの講師としてアプローチしたことが
注目の文化人や著名人との出会いにつながったわけだ。
まさに“縁は求めざるには生ぜず”である。

→今も経営者のための勉強会であり“三尺三寸箸会議”を開催…約20年
→経営者のための月刊CD講座や動画番組…約20年
→企業のリーダーを育むリーダーズセミナー…15年強
→そして、先月スタートした“2030 Business LABO”
これはこれからの未来のビジネスの研究所である。

しっかりとしたパーパスを持って、
多くの人たちとの縁をつくろうとしないと出会いには繋がらないわけだ。

さて…新たな時代への可能性を感じ、これからスタートしようとしている
“ビジ達”主催の「女性社会起業家アカデミー」。
これは“起業”というテーマに出会ってこなかった人たちにアプローチして
“起業”と“起業を起点とする出会い”の場を演出したいのだ。

私の経験からも、多くの先達の事例からもこの森信三先生の
“縁は求めざるには生ぜず”を繰り返して発信していきたい。

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教育者であり哲学家の森信三先生

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選ばれる仕事道

09/05
2022

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100歳のインパクト! 時代の文化と価値観の醸成について

先日“実践人の家”の東京研修会に参加させていただき、
普段はなかなか聞けない方々の講演を聴かせていただいた。
初めて臨済宗円覚寺派管長、横田南嶺先生のお話も
直接聴かせていただいた。
(“実践人の家”については別の機会に紹介する)

さて、今回の「選ばれる仕事道」のテーマは
100歳の鮫島純子(さめじますみこ)女史の
お話をこの“実践人の家”にて聞き思ったことだ。
鮫島純子女史は、渋沢栄一氏の孫にあたる方。
1922年生まれでちょうど100歳。
この100年間の自分の体験や生き様、祖父である渋沢栄一氏とのことを
矍鑠と80分間立ったまま明確なお話をしてくれた。

渋沢栄一氏といえば、“日本資本主義経済の父”とも称され、
「論語と算盤」の価値観にて、「経済は重要だが、
ただ己の利益を追求することのみを目的にしてはならず、
そこには道徳的観点が必要だ」と強く主張している。
その少し前に活躍した二宮尊徳氏の「道徳を忘れた経済は
罪悪である。しかし、経済を無視した道徳は寝言でしかない」に通じる。
時代は移っても良識ある日本人が着地する価値観は一緒ということだろう。

今回伝えたい話は、鮫島女史の話を聞き思いを巡らした
「時代の文化と価値観の醸成」についてだ。
鮫島純子女史は祖父である渋沢栄一氏と住まいは別だったが、
祖父に頭をなでてもらい、榮太郎の飴をもらったりした。
父親は栄一氏の三男の渋沢正雄氏。栄一氏の多くの事業を受けつぎ
実業家として活躍し、常に仕事と対峙する実直な父だったという。
鮫島女史はこのような環境で育ち学んだ。

渋沢栄一氏の精神を受け継ぎ、少女時代の質素倹約の暮らし方を
結婚後も実践。洋裁を習い、夫の私服や子供達や自分の着る物を
ほとんど手作りしたり、物を大事に長く使う工夫など、
生き方や生活全般に知恵が溢れている。

人はどの時代を生き、どんな文化を体験してきたかが、
その人の価値観に大きく影響する。
鮫島女史が、私たちの知らない1922年からの100年を
過ごしてきたことが鮫島女史の“仕事道”だ。

(後半は私も体験しているわけだが・・・)
この100年の間に鮫島女史が体験してきたことをあげると…、
“大正デモクラシー”、“大正ロマン”など多くの言葉
が生まれた大正時代の1922年生まれ
・大正から昭和にかけての戦争
・太平洋戦争そして敗戦
・戦後の厳しい社会環境からの復活
・1964年の東京オリンピック
・日本の経済の高度成長
・バブル経済崩壊
・TOKYO2020(2021年オリンピック)

鮫島女史の価値観形成には、祖父、渋沢栄一氏との交流、
仕事に実直に取り組む父親からの薫陶。
もちろんDNAによるパーソナリティが
寄与することもあるだろう。
このように育った環境と、時代の出来事がからみあい、
次なる時代の価値観が醸成されていくということ。

私が「時代の文化と価値観の醸成」に注力するのは、
今、ミレニアル世代やZ世代が
次の時代の社会やビジネスを創造しようとしているからだ。
彼らの“問題を発見し、意味を創出する”価値観は、
私の世代と大きく違う。これからはこの価値観が
次の時代を牽引すると思っている。

今回は鮫島女史の仕事道からの
「時代の文化と価値観の醸成」のお話でした。

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渋沢栄一氏の孫、鮫島純子女史

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