これからの選ばれるビジネス!

これからの選ばれるビジネス!中島セイジのビジネスの達人

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先取りビジネストレンド

04/04
2016

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ファンづくり優先“複雑系ビジネス”

また来てしまった国技館。
それも相撲観戦ではなく、DDTプロレスの
観戦。とにかく入ってるわ入ってるわ、
相撲ならば“満員御礼”の垂れ幕が掲げられ
ている状態。

今回もそのエンターテイメントとしての
ユニークさをじっくり体験させていただいた。
いま数多あるプロレス団体で国技館を
超満員に出来るのはこのDDTプロレス
ぐらいではないだろうか。

今回は、それほどプロレスに興味のない友人らを
誘って来たのだが、そういう人でも大喜び
するような「仕掛け」がそこかしこに仕組ま
れているのだ。

例えば、出場レスラーによるプレゼンテー
ションのコーナー。これまでの常識では、
レスラーが試合前にパワポを駆使して、
対戦についてプレゼンするなんてことは
まず考えられなかったはず。

そして場外乱闘。まぁ通常なら、寄席も
広く使っての乱闘ぐらいだろうが、今回は
国技館の建屋を出ての屋外での場外乱闘だ
ったのだ。とにかくDDTは想定外のサプライ
ズを次から次へと仕掛けてくるのだ。

もちろん真剣勝負の対戦もあり、
変わり種の人形レスラーや
女性に人気のイケメンレスラーも登場
して場を湧かせてくれた。

笑いあり驚きありで4~5時間の観戦時間が、
間延びもせずあったいう間に感じてしまう
程楽しませてもらった。

ここまでその演出の凄さであり、面白さを
語ったのだが、今回語りたいのはそこでは
ない。私が着目したのは、そのビジネスモデル。
すなわち、このDDTプロレスも
中島流“複雑系ビジネス”と言える
のではないかということ。

実はこのDDTプロレスの興業には、
いくつものビジネスが潜んでいるのだ。
その1つがファンの中から限られた人たちだけ
が行ける、バックヤードを見学できる
「バックステージツアー」。(これには大ファンの人
たちは、大枚をはたいてでも参加したいはず。)

そして会場で観戦出来ないファンのために、
ニコニコ動画で試合の様子を配信しているの
だ。また、その試合は後に映像化してDVDとし
ても販売されるという。

国技館のエントランスではいつものようにプロ
グラムやグッズの販売を行い、人気レスラーと
の握手会やサイン会も開催されていた。(この
エントランスでの販売がかなりのビジネスに繋
がると高木社長も言っていた。)

このところDDTはさまざまなメディアにも度々登場
するようだし…。ということで、色々な角度から
そのビジネスは組み立てられているということ。

すなわちDDTプロレスは新たなファンを作りながら
も、既存のファンの要望を叶えるような形で、
“複雑系ビジネス”を展開しているということな
のだ。

考えてみると、ビジ達でよく紹介する「大里綜合
管理株式会社」が展開するビジネスと似ているの
では…。さまざまな地域貢献活動を展開し、結果的
に本来の不動産業のお客様層をも拡大しているとい
う大里スタイルに。

目先の利益のためでなく、お客様のためと
いう発想から多くの人の興味を集め(ファン
層をつくる)、結果的に収益につなげる展開と
なっている。

DDTプロレスもこれまでのプロレスファンの
人数からすると、その数は5~6倍に拡大され
ているという。目先の収益優先のビジネスで
はなく、その事業の幅と奥行きをしっかり活か
したファンづくり優先の“複雑系ビジネス”
モデルがここにはあるのだ。

まずは、興味を引き、ファン層をつくり、
そしてビジネスへ。やっぱり、これから
のビジネスはこの流れなのかもしれない!

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2度目のDDTプロレス!

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観客も大興奮!

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会場も一体化で大盛り上がり!

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03/14
2016

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いまどきの“cool”への移行

【cool】クール
センスがよい/おしゃれだ/洒落っ気のある

クールはもともと涼しいという意味だが、
若者は上記の意味で使うことが多いという。

そして私にとっては驚きだが、
近年古い雰囲気を持ったものを
“クール”ととらえる風潮があるのだ。

古く黒ずんでいる居酒屋、他の人が着ていた古着…。
どうして人気なのか、流行となっているのか、
私には理解できないのだが…。

この流行、一体なぜ発生しているのだろう?
マーケッターとしての答えは…
ずばり「三つ子の魂百まで」。

3才くらいまでにおぼえた好き嫌いは
一生ものになるという意味だが、
近頃の“古い雰囲気の流行”には、
まさに若い頃につくられた価値観が関係しているのだ。

例えば古民家風の居酒屋!
私は神楽坂周辺に住んでいるのだが、
脇道を通れば古民家風のイタリアン、
フレンチレストランなどがあちこちで目に付き、
またそれが今どきの若者にも好まれていることがわかる。

また、古着風のファッションも近年の流行だ。
ダメージジーンズと言われるものは、
新品にわざわざ穴を開け、色を落とし、
ペンキをつけたりしている。
あえて経年劣化したように見せるファッションだ。

ここで、中島流の理論なのだが…。
古く見せかけたものが好まれるようになったのは、
その人々が生まれた環境によるところが大きい。

私は1955年生まれで、当時は兄弟が多いのが当たり前。
服やおもちゃはお下がりばかり、家ももちろん古かった。
それだけ周りが古いものだらけだと、
当然新しいものに憧れるし、
新しいものが欲しくてたまらなくなる。

戦後の1945年~1965年頃までに生まれた人は、
そのような価値観を持っていることがほとんどだろう。

一方、1980年代以降に生まれた人々の環境は
近代的なものばかりで、
大量生産品が市場に溢れていた。

ということで新しいものよりも、
ちょっと渋くレトロなイメージのあるものに
オシャレを感じてしまうということなのだ。

さて、ここで中島流ワード!
(覚えている方もいらっしゃると思うが…)
「三つ子の魂、百までライフスタイル」。

15年ほど前に私が生み出した言葉だが、
その意味は「三つ子の魂百まで」の考え方に似ている。
ただ、三歳までに限定していないのがミソだ。

私は、多感な成長期に抱いた感情や体験は、
その後のライフスタイルにず~っと影響すると捉えている。
つまり小中高くらいにつくられた価値観は一生続くということ。

世代によってクールの定義は違うものの、
今どきのクールは「少し昔の香りがするもの」
「懐かしさがあるもの」
「ピカピカの新品ではないもの」なのではないだろうか?

戦後すぐに生まれた人々が新しさを求め、
80年代以降に生まれた人々が古いものを求めているのは、
自分たちが体験していないものに新鮮さを覚えるから。

こうしてクールの定義は
時代背景とともに移り変わっていくのである。

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古民家を利用したお店

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アンティークな調度品

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提灯が目を引く

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囲炉裏も今や新鮮なもの

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02/22
2016

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まちづくりトレンド “うらほろスタイル”

「まちづくり」に本来必要なのは、地域の人たちがそ
の気になることだ。

今回は私の出身地である北海道の十勝、その中でも太
平洋に面した地域の浦幌(うらほろ)という町のお話。

先日、その浦幌町で行われたフォーラムに参加した。こ
の町には5~6年もかけて実施され、今少しずつ成果に結
びついてきている子どもたちのためのまちづくり教育施
策がある。

その名も“うらほろスタイル”だ。

“うらほろスタイル”の特徴は、子どもたちに浦幌の
魅力を体感させること。

まず私がそのユニークさに着目したのが、サケ漁の職業
体験だ。お腹からイクラを取りだし、白子をかけて…と、
子どもたち自身にサケの受精や産卵を体験させるのだ。
また、別の機会には育てた稚魚を川へ放流させる。さらに
は燻製にしたり、調理をしたりしてみんなで食べることも。
一緒に漁を手伝うだけの漁業の職業体験ならば私も見た
ことがあるが、ここまで一貫して徹底的にやることには
本当に驚いた。

浦幌は農業、漁業、林業と第一産業が中心の町。その中でも、
自慢のサケ漁の一連の流れを子どもたちが自分自身で体験する。
そのことによって、仕事の深さや奥行きまでよくわかる仕組み
になっているのだ。

“うらほろスタイル”の中で特に私のお気に入りなのが、
中学生たちが考案したオリジナルドリンク「ウラペチーノ」
だ。
(フラペチーノなら私も飲んだことのあるドリンクだ)

この「ウラペチーノ」には十勝の牛乳と黒豆入りのコーヒー、
ラズベリーのクッキーが入っている。なんとバザーでは
250杯(?)程も売れたというから驚きだ。

さらにもうひとつ、私が興味を持った企画は…子どもたち
のつくった『はじめてのうらほろ』という絵本。浦幌町に
転校してきた少女が、次第にこの町を好きになっていくと
いうストーリーだという。子どもながらに企画としても目
の付けどころがよく、思わず読んでみたくなる絵本だと思う。

「まちづくり」に必要なのは、住んでいる人たちが自分
の町に興味を持ち、好きになること。だからこそ上辺だけ
ではなく、深いところまでしっかりと自分の町のよさを知
ってもらうことが大切だ。そのために浦幌町では、子ども
のときから地域の魅力に触れる時間や機会を用意し、意味
のある体験をさせているのだ。

そうすれば、いつの日かその子どもたちが成長して、
広い社会を体験しながらも、好きな自分のまちにまた
戻ってくるようになるのではないだろうか。まるで先
ほど紹介したサケが放流された川に戻ってくるようにだ。
そのときはきっと、浦幌のまちの「まちづくり」を担う新
たな一員として、力強く活躍してくれることだろう。

まさにこれこそが本来の「まちづくり」の姿なの
ではないかと私は思う。

たくさんの意味のある体験を積み重ね、一人ひと
りが地域に愛着を持ち、自分の町の未来を本気で
考える人間になれるように育てていく“うらほろスタイル”。

この“うらほろスタイル”な考え方は、私たちのビジ
ネスにもいろいろな点で大いに役立てることができる
のではないだろうか。


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Mrセージもわっくわく♪

trend (2)

ポスターも素敵

trend (3)

うらほろスタイル活動経緯

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02/08
2016

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難聴者のためのソリューションビジネス

2016年1月20日、京都銀行のプレスリリースにて、
「卓上型対話支援システム“COMUOON(コミューン)”を
全営業店166か所の窓口に設置」
というニュースが発表された。

私は今まで、COMUOONのメーカーである
ユニバーサル・サウンドデザイン株式会社の代表の
中石真一路(しんいちろう)氏を応援すべく、
様々なネットワークや経営者の集会でご紹介してきた。

それは、COMUOONの開発テーマや性能が
すばらしいのはもちろんのこと、
製品の存在が導入企業にもお客様にも恩恵があるからだ。

導入した京都銀行にとっては、
窓口にいらっしゃる高齢の方や障害をお持ちの方々に、
能動的に対応していく姿勢を表すことができる。

お客様さまにとっては、
聞き取りやすく円滑な会話ができる
と喜ばれるサービスだ。
これはまさに企業の社会的責任、CSRの取り組み。

COMUOONを設置したことで、
京都銀行は一人ひとりのお客様を大切にする企業だという
イメージを持っていただけるし、
お客様からも選んでいただけるのだ。

現在、日本の人口は約1億2700万人。
そのうち難聴の方は約2000万人だという。
つまり、6人に1人は難聴であるということだ。
COMUOONは様々な場所での活躍が期待されており、
高齢化が進んでいく日本で、
その可能性はまだまだ広がっていくだろう。

さて、私がたびたび発信している、
ビジネスで選ばれるための7つの秘訣 “新・選ばルール7”に
COMUOONと中石氏を照らし合わせてみよう。

COMUOONは技術力もデザイン性も高く、
「1、本物にこだわって」「2、とことん追求」した
開発を行ってきたことが伺える。

そして、会社を立ち上げる前から色々と
「3、手間をかけて」いたからこそ、
起業後数年でここまで注目されているのだ。

また、商品の流通もできていないのに
COMUOONだけで会社を立ち上げてしまうわけだから、
「4、大胆で潔い」決断も伝わってくる。

さらに「5、人に優しい」のはもちろん、
障害をお持ちの方にも優しいわけで、
「6、社会性ある」商品と言える。

これらにこだわった「7、徹底力」が
メディアにも取り上げられる理由だろう。

お~、中島流“新・選ばルール7”に
しっかり合致しているではないか!?

近年はソリューションビジネスを
重視する企業や人が多くなり、
時代の変化が見て取れる。

単に社会の問題が解決するだけでなく、
こういったサービスやシステムの導入が
CSR(企業の社会的責任)として
評価されることが大きいのだろう。

ソリューションビジネスによって、
生活者、企業、世の中がみるみる良くなることで、
好循環が生まれていくのである。
そんな素晴らしいビジネスを、
今後も応援していきたいものだ。

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中石真一路氏と

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Mr.セイージも使います!

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新・選ばルール7

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01/25
2016

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“遠慮” のワイン

「ワインは農作物である」と
改めて知ってもらうことは、
すごく大事なことです。

これは、上野にある国立科学博物館にて
開催されている「ワイン展-ぶどうから生まれた奇跡-」にて、
ソムリエの田崎信也氏が
「ワイン展のみどころ」としてコメントしたもの。

このイベントでは、ワインが出来る過程を
ぶどう畑の定点観測やぶどう踏み疑似体験などを通して
学ぶことが出来るのだ。

冒頭の“ワインは農作物”という点は
私も共感するところがある。
というのも、畑があり、農家があり、ぶどうの苗があり、
数十年もの時間や手間をかけて丁寧にぶどうを育てなければ、
美味しいワインはできない。
まさにワインは里山の産物だからだ。

そんなワインは世界中で作られているのだが、
実に7000~8000年の歴史があると言われている。(お~すごい!)
様々な地域で作られているワインは、
その土地の文化となり、
それぞれに深みのある味わいを作り出すことになるのだろう。

ワインによってその地域の文化が
作られていく様子を考えていると、
ふと思い浮かんだのが“ワインは遠慮”という言葉。

ビジ達でも紹介したが、「遠慮」とは「遠きを慮る」として
“遠い将来のことを考え、行動する”という意味がある。
ともすれば50年も長生きするぶどうの木を育て、
ワインを作ることは、良い畑や環境を維持することになり、
それは数十年後の畑にも大きく影響することになるからだ。

現在、進めている十勝でのワインヴァレー構想では、
この考えをベースに様々なチャレンジを行っている。

農業はどうしても単年度の農作物が多くなりがちだが、
ワインぶどうのように30年、
50年後を見据えた農業を行うことで、
将来に向けた農業について考えることが出来るのだ。

また、ぶどうをワインにして販売しようとすると、
当然その味が気になるようになり、
生産者自らいろいろと工夫することにもつながる。

すなわち、6次産業化はこれまでの農業を
いろいろな意味で改善しようというモチベーションにもなり、
里山を守りながらの地球全体の活性化にもなるということだ。

ワインに数千年の歴史があるように、
これから作り出されるワインが
未来にどのような影響をもたらし、
どんな文化作りに貢献するのか…。

こんなことを考えていると、
ワイン作りにはやはりロマンが
あると思うのは私だけだろうか。

trend (1)

興味深い展示だった!

trend (2)

ワインから未来を慮る…

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