これからの選ばれるビジネス!

これからの選ばれるビジネス!中島セイジのビジネスの達人

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先取りビジネストレンド

12/14
2015

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“青天の霹靂”がNO.1に!


“青天の霹靂”といえばことわざを思い浮かべるが、
今回ご紹介するのは「青天の霹靂」というお米。
商品の背景を聞いてみると、
このネーミングがあまりにも見事で驚いてしまったのだ。

“青”は青森から、“天”は北国の青い空から、
“霹靂”は業界の鮮烈な存在になるように、
という意味で名付けられたのだ。

そんな「青天の霹靂」を知ったのは、
新宿高島屋の米蔵山田屋という米屋。

そこの売れ筋商品を聞いてみたとき、
最も売れていたのが青森県産の「青天の霹靂」だった。
今年から販売を開始した商品なのだが、
もう売れ筋NO.1とは驚いたものだ。

青天の霹靂とは、予期せぬ事態が突然起きることを指す。
ちなみに霹靂とは稲妻や激しい雷雨のこと。
そもそも、何故雷のことを稲妻というのだろうか?

それは稲が実る頃に雷が多いから。
言葉の意味も成り立ちもお米にかけた、
見事なネーミングである。

米蔵山田屋の売れ筋は、青天の霹靂に続いて
「つやひめ」、「ゆめぴりか」、
「南魚沼産コシヒカリ」、「魚沼産コシヒカリ」
の順になっている。

多くの人たちから選ばれていたコシヒカリは、
ベスト3からもれてしまっているのだ。

ということで、近年人気なのは青森県、
山形県、北海道というより寒い地方のお米。
温暖化で美味しい生産地が北上したということかと思ったが、
寒い地方が台頭してきた理由はそれだけではない。

地道な品種改良を行うことで、
寒さに強く美味しい品種が増えているようだ。

「青天の霹靂」も、2015年の発売までに
10年もの開発期間があったそうなのだ。
ということで、中島流はもちろん“体験”である。

先日3合炊いて食べてみたが、これが本当に美味しい。
一粒一粒大きく、粘りとキレがあり、
上品な甘みが口に広がるのだ。
(あ~、この表現は産地からのメッセージそのままだった。)

とにかく、水加減もほどよく、
美味しくいただくことができた。

この美味しさでお値段は5キロ3,500円!
山田屋の他の人気商品は同じ量で
4,000円を超すくらいの値段なので、
美味しさを考えれば割安に感じられる。

とはいえ、10キロ4,000円などの安いお米と比べたら、
高価であることは間違いない。
それでも多くの人が美味しいお米を買う時代になっているのだ。

現在はどの家庭でもお米をそんなに食べない傾向にある。
すると、求められるのは安さではなく質。
安いものをたくさん食べるのではなく、
質の良いものを美味しく食べたいという声が、
これらの高級米のヒット要因の1つだろう。

生活者は本物嗜好に移り変わり、
安心安全で美味しいものの需要が高まっているのだ。

私が以前から唱えている
“パラダイムシフト75”で考えてみても、
価値観の変化のタイミングが訪れていることは間違いない。

値段の安さだけで選ばれる時代は既に終わった。
質の高い本物や支援する理由があるものを
選ぶ時代が訪れつつあるということだ。

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売上トップ5のコーナー

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パッケージも印象的

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お客さんも足を止める

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11/24
2015

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MUJI BOOKSの可能性

先日、久しぶりに有楽町の無印良品へ行ったのだが、
その様子が私の知るものとはずいぶん変わっていた。
まず、ディスプレイとしてたくさんの本が並んでいるのである。

通常であれば衣類、雑貨、食品があるはずなのだが、
それだけでなく、どのフロアに行っても本が目に入るのだ。
お。これは無印良品も“本の可能性”に目をつけたのだろう…
と私はすぐに理解できた。

“本の可能性”を活かした企業といえば、
先日のビジ達でご紹介した「天狼院書店」がある。
ここは立地が悪く店舗が狭いにも関わらず、
多くのお客様とメディアに注目されている書店だ。

その人気の理由は、本の魅力を最大限に活かした企画力にある。
例えば、書店なのに
それぞれの道のプロを招いた“部活動”を行い、
お客様同士の交流を生み出している点などが挙げられる。

他にもこのところ関わりがあった
「那須塩原のまちづくりイベント」では、
“ビブリオバトル”を盛り込んだ
イベント企画がプレゼンされている。

ビブリオバトルとは、複数の人たちが
思い思いの好みの本をプレゼンテーションし、
それを聞いた多くの人たちが
最も読みたくなった本に投票するという、
「知的書評合戦」のこと。

今やあちこちでその大会が
行われているとも聞いたことがある。

また、本から始まり、色々なビジネスの実践に
つながっているものといえば、
雑誌『自遊人』が挙げられる。

皆様ご存知の通り『自遊人』は雑誌なのだが、
なんと南魚沼で米作りを始め、
いまや旅館まで経営しているという。
そして、誌面で紹介したものを買ってもらい、
体験してもらう、という流れをつくりだした。

より信頼性の高い情報を発信するために、
自らその実践をしてしまったというわけだ。

本をキーワードとした数々のビジネスの
可能性を知ってか知らずか、
無印良品は丁度いいタイミングで参入してきた。
まさに「時流に乗った」というべきか。

本が売れず、出版業界は斜陽産業と言われている現代だが、
例に挙げたように本の可能性は大いに残っているのだ。

いや、むしろ今までが本の持つ可能性を
十分に活かせていなかったのかもしれない。
本は書店で買って読んで終わり、
などという単純なものではなく、
その前後で大きな広がりの可能性を持っていたということだ!

さまざまな分野の本が集まれば、
多くの人が集う場所ができるし、
コミュニケーションが生まれる。

読書会を開いたり、
そこから次なるイベントにつながったり、
多くの新しい仲間をつくるきっかけにもなるのだ。
さらに本はインテリアにもなるし、
喫茶店がセレクト本棚を構えるだけで
店に付加価値を与えられる。
本のお陰でその度に“奥行き”が生まれるのである。

このように挙げてみるだけでも、
多くの可能性を秘めている本。
その可能性が近年ようやく発揮されつつあるのだとしたら、
まだまだ私たちの気付いていない
可能性が眠っているとも考えられる。

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MUJI BOOKSのコーナー

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内装も凝っている

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いま注目の天狼院書店

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これが自遊人のお米だ!

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11/02
2015

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ネイチャーガイド体験というワークショップ

「さあ皆さん、風を感じてください」
奥多摩の川沿にあるの森の中の景色が広がる中、
こんな言葉を発したのは、
東京最後の野生児と呼ばれるツッチーだ。

ツッチーこと土屋一昭さんは、自然を深く知って
体感するためのレクチャーをしてくれる「ネイチャーガイド」だ。
ん? ネイチャーって? と思った方もいるだろう。
つい先日、自然の演出家とも言われているこのツッチーから、
自然に関するさまざまなことを教えていただく機会があったのだ。

実は御岳山でマネージャー(会社の役員も含め)の
合宿をすることになったのだが、
ここではツッチーの案内のもと、
五感を使って自然を楽しむ体験をさせてもらえた。
都心にいると、なかなかそんな体験はできないよねぇ。

心身をリフレッシュするだけではなく、
ツッチーが用意してくれた体験の中で、
私が特に着目したのがネイチャーガイド体験。
これは、ガイドされる側ではなく、
ガイドする側になるという内容だ。

ガイドする側ということは、
話を聞く参加者という立場とはかなり違ってくる。
どうすれば参加者にその価値を伝えられるのか。
どんな体験が、意味のあるものとなるのか。
教える側としてコミュニケーションの方法を考えると、
自然の捉え方、解釈は大きく変わってくる。

マクロ的視点で自然を捉え、
体験者のことを考えてコミュニケーションしない限り、
いいガイダンスにはならないのだ。

これは以前からビジ達でもたびたびご紹介している、
“三角コーン力学”にあてはまる。
円錐が逆向きになっている図を思い浮かべてもらいたい。
広い範囲で空から降る雨を受けいれ、その雨は先端へと下っていく。
より大きく広がったアプローチをしたときに、
その効果はそれより下部にある円錐の先端に現れてくるということ。

ということは、
ガイドされる側ではなく、ガイドする側となったことにより、
ネイチャーガイドのようにより自然の持つ可能性を私たちに教えてくれるのだ。

一段階上に位置してガイドするという経験を経たからこそ、
私たちはより自然のよさに気付くことができた。
ワークショップという、
お互いがプレゼンテーションしあう場というのは相乗効果を高められる。

私もいろいろセミナーをやらせてもらう立場として、
勉強になることが多いネイチャーガイド体験だった!

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すごい立派な木々が生い茂っていた

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実際に触れて体感する

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改めて風を感じてみるといいよね

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ツッチーのガイドを真剣に聞く

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ひとりひとりがネイチャーガイド体験!

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10/26
2015

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スパイバー流ソリューションビジネス

スパイバー(Spiber)?
スパイダー(Spider)の綴りを
間違えたのだろうか?

そう思ってしまうようなこの言葉は、
スパイダーとファイバー(fiber)を
掛け合わせた企業名。

その名の通り、世界で初めて
人工の蜘蛛の糸の量産化技術を確立した、
いま大注目の企業である。

一体なぜ、“蜘蛛の糸”の製造で
注目されているのだろうか?

一般的には、蜘蛛の糸というと
人の手でプチンと切れてしまう
イメージがあるかもしれない。

しかし、実はとてつもなく丈夫で強固な糸なのだ。
それが一体どれほどのものかと言うと…。
・鋼鉄の4倍の強度
・ナイロンを上回る伸縮性
・既存の繊維のなかで最も丈夫
・300℃以上の熱に耐える
ざっと挙げただけでも驚きの性能ではないか!

しかもシルクと同じように
タンパク質でできているのだが、
自然界に存在する物質“糖”が原料なのだという。

つまり特別な材料は不要で、
害もなく地球にやさしい製造が可能なのだ。

すなわち人工の蜘蛛の糸は、
再生可能な生物由来の資源=バイオマス。
まさに “スーパー繊維”!

しかし、これまでは量産するのが難しかったそうなのだ。
そんな中でスパイバーはとある大手の
自動車部品メーカーと提携し、
ベンチャーキャピタルなどから
50億円もの出資を募って開発を進めてきたという。

スパイバーの代表執行役である関山和秀氏は、
元々慶應義塾大学の研究室で蜘蛛の糸に携わってきた方で、
在学中に会社を起ち上げたのだという。

いかにも研究者らしい真面目な印象を受けるが、
関山氏は元々「地球規模の課題を解決できる
ビジネスを展開したい」という志を持っていたそうなのだ。

世の中に役立つ仕事でないと長続きしない、
という信念を持ってのチャレンジである。

これはまさに “ソリューションビジネス”であり、
私が言うところの“タテの発想”!
そんな素晴らしい想いがあったからこそ、
創業から現在までの短期間に
ここまでの援助や協力を引き寄せられたのだろう。

資源をむやみに消費せず、
自然に存在する物質を原料とする技法や、
課題解決のために“蜘蛛の糸”の量産体制を実現させたことは、
今までのものづくりの常識を変えてしまうような出来事だ。

目先の利益にばかりとらわれていると、
関山氏のようなアイディアは出ないし長続きもしない。
私が思うに、ソリューションビジネスは
“タテの発想”をしている方々が生み出すものではないだろうか。

地球規模で見た課題を解決しようとする姿勢があるからこそ、
“タテの発想”、“タテの経営”を行う人には
大勢の協力者が傍にいてくれるし、
長期的に続く事業となり得るのだ。

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スパイバーの関山和秀氏

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10/13
2015

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いまどきのソリューションビジネス

最近のビジ達でもたびたびご紹介している、
ソリューションビジネス。
ソリューション(solution)とは、課題解決という意味。

近年、日本では儲けるためのビジネスより、
時代の移り変わりによって浮き彫りとなった問題や
困っている人々の課題の解決に向けたビジネスが増えてきている。
今回はそんな“いまどき”の
ソリューションビジネスをご紹介したい!

新聞を読んでいたときに見かけた、
「不満買い取ります」という文字
(買ってどうするの? と思ってしまった)。
その名も「不満買い取りサービス」!

これは製品やサービスについての不満を顧客から集め、
データ解析を行った上で、その内容を
調査レポートとして対象の企業に販売するというもの。
専用のスマートフォンアプリで不満を集め、
不満の内容は製品にまつわることから接客のことまでさまざまだ。

そして不満を投稿してくれた人には、
Amazonでの買い物に使えるお得なポイントをあげるというもの。
企業と生活者、どちらにも利点のあるサービスとなっている。

ふたつ目のソリューション事例としてご紹介するのは、
「まごころサポートMIKAWAYA21」。
全国に数多くある新聞販売店のうちの約300店舗や、
地域密着ビジネスを行う会社を拠点に、
いま日本が迎えている超高齢化社会のためのサービスを展開している。

例えば、足腰を悪くして切れた電球を取り替えられない、
近所への買い物もままならないなど、シニア層が抱える
生活の中の「ちょっと困ったこと」を手助けしてくれるサービスだ。

新聞購読者が年々減り続ける現代では、
新聞販売店にとっても、これまでのネットワークが
活かせるビジネスとして期待ができるだろう。

そして、よくビジ達でもご紹介している株式会社マイファーム。
ここでは、農業体験ができるレンタルファームや、
週末農学ビジネススクールなど、
農業に興味のある人に向けてのサービスが展開されている。

ソリューションビジネスの鍵となるのは、
耕作放棄地の再生と有効活用の追求で、
これからの日本が抱える問題解決に向けて、
必要な技術を学ぶことができるのだ。

最後にご紹介するのは、
山形県鶴岡市にあるスパイバー株式会社。
世界的にもビッグニュースとなった、
「クモ糸タンパク質」の人工合成と
量産化技術の開発に成功した企業だ。

自然界においても、クモの糸というのは
強さと柔らかさを兼ね備える究極の素材であるが、
この高強度繊維を人工的に作り出し、
我々の生活に役立てることが期待されている。

このスパイバーについては、
改めてこのビジ達で詳しくご紹介する予定なので、乞うご期待!

このように、現在では多方面で
ソリューションビジネスが展開されている。
解決策をビジネスとして社会に提供する企業は、
これからも増えていくかもしれない!

trend (1)

不満を買い取って有効活用!?

trend (2)

農業にまつわるさまざまな事業を展開

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