これからの選ばれるビジネス!

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先取りビジネストレンド

06/15
2015

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アメ横が“アジアン街”に!

最近のアメ横は
大きく様変わりしているらしい…。
そんな噂を耳にして、
私はアメヤ横丁、通称アメ横を訪れた。

御徒町で電車を降り、ガード沿いを上野方面へ。
まだ数十メートルしか歩いていないのに、
すでに私の知らないアメ横があった!

アメ横といえばお正月に賑わい、
海老や鮪、数の子、昆布などの海鮮、
そして大袋入りのお菓子がところ狭しと
並んでいるイメージ。

ところが今のアメ横には、
台北や上海で見たような屋台が勢ぞろいしている。
ここは横浜中華街?
それとも神戸中華街だろうか?

そこにいる人々も、
直接尋ねこそしなかったが
中国系の旅行者が多いような…?
中国系の店舗数も驚くほど多い。

特に面白いと聞いていた、
アメ横センタービルの地下食品売り場にも行ってみた。
あちこちにアジアン食材が並んでおり、
なんとブタの耳や足、
バラ肉が山のように積まれている。
日本ではなかなか目にしない陳列方法だ。

中華料理ばかりでなく、
エスニック料理の食材店もあり、
様々な香料も売られていて…。
現在のアメ横には、
アジアのイメージが集約されているようである。

前々からアメ横がアジアン街化しているとの噂は聞いていたが、
やはり現場を見に行かなければ分からないものだ。
どのようなお客様がいて、
どのような品揃えで、
どのような売り方をしているのか…。

そういう情報は、現場でなければ得られない。
むしろ現場であれば何もかもわかると
言ったほうが良いだろうか?

今回私はアメ横の変化を見に行ったが、
これはマーケティングで定点観測と言われる。
定期的に足を運ぶことで、
その変化が見て取れるのだ。

一方で定物観測というものもあり、
対象が時間とともにどう変化していくか?
あるいは地域によって、どのように扱いが違うのか?
そんなことを観察するマーケティングもある。

アメ横という場所は、
戦後の闇市から70年経ってアジアン街に変化した。
(まだ昔ながらのアメ横も存在してるんだけどねぇ~)
この長い歴史と変化は、
定点観測に適していた所と言えるだろう。

そして、定点観測はビジネストレンドを
理解するのに非常に有意義なもの。
変わりゆく対象を見続けることで、
時代の変化を先読みする練習にもなる。

アメ横を訪れるのは半年ぶりほどだったと思うが、
あまりの変わりように驚いてしまった!
現場を訪れなければ得られない情報は多く、
現場主義の大切さを再確認した。

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中華料理屋が賑わう

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ケバブ屋も多い

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狭い店内で食べるのもオツだ

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観光客だろうか?

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お馴染みの入口

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06/08
2015

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“スニーカー女子”を見よ!

近年のスニーカーブームをご存知だろうか?
1990年代、マイケル・ジョーダンを
きっかけとしたスニーカーブームがあったが、
それをも上回る人気なのだ。

当時は男性を中心としたブームで、
高価なスニーカーを求める若者が続出したものだ。
しかし、今回のスニーカーブームの特徴は
“スニーカー女子”を生んだこと!

先日もアメ横を歩いていると、
あちこちの靴屋から
赤やピンクのカラフルなデザインが目に飛び込んできた。
色んな模様が入っていたり、
デザインも豊富だったりして、
シューズの形も実に様々だ。

このようにバリエーションが豊富になり、
ファッションに合わせやすくなったことも
“スニーカー女子”誕生に影響しているだろう。

ある新聞によると、
ABCマートでのスポーツシューズの売り上げは
昨年比23%増、伊勢丹でも20%増だという。
それほどまでに増殖している“スニーカー女子”。
う~ん、スニーカーを履いた女性もなかなかイイよねぇ…。

なんて話をしたいのではない!
マーケティングの視点から考えると、
このようなブームはイノベーター層を
きっかけに起こるものなのだ。

イノベーター層とは
いち早く商品に飛びつく消費者のことで、
全体の数%しかいない。

商品がヒットしていく過程では
段階ごとに購買層が変化していくが、
その最先端を行く人々のこと。

イノベーター層に続いて感性豊かな人々
(アーリーアダプター層)にブームが広がり、
その頃には雑誌やテレビでも取り上げられるようになる。
すると、マジョリティ層にも認知されるようになり、
今回のような一大ブームとなるのだ。

さて、ビジネスにおいて重要なのは、
我々がこの流れを察知することだ!
私が常々唱えている“パラダイムシフト75”の法則では、
75年を更に5つに分けた
15年周期で小さな変化が起こると考えている。

以前のスニーカーブームは1990年代。
それから15年経って再びブームが来た。(うんうん!)
マーケティングをきちんと理解していると、
この周期が見えてくるのだ。

今回の“スニーカー女子”のような例を踏まえ、
我々はビジネスの行先を考えなければならない。
重要なのは、周期による循環とイノベーター層の存在だ。
経営者にはこれらを察知するセンスが求められるだろう。

今回のスニーカーブームを見てもわかるように、
ビジネスやブームは常に循環している。
経営者に求められるのは、それを察知し、
ビジネスに活かして展開することだ。

さて、イノベーター層が触手を動かす、
次なるものは何なのだろうか…。

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カラフルなスニーカー

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女性客が多い

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こんなデザインもあるのか!

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06/01
2015

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“盛者必衰の理”の現象

祇園精舎の鐘の声
諸行無常の響きあり
沙羅双樹の花の色
盛者必衰の理をあらわす

これは、ご存知『平家物語』の冒頭の一節。
ここに登場する「盛者必衰の理」というのは、
「栄えたものは必ず滅びる」という意味だ。

この一節のような移り変わりは、
こんなところでも見ることができる。

私が約10年間毎朝行っているゴミ拾いでは、
空き缶、中でも缶コーヒーを拾うことが多い。

その缶コーヒーも、最近ではかつて主流だった
プルトップ缶ではなくボトル缶
(スクリューキャップが付いているボトル状の缶)
がよく捨てられているのだ。

ボトル缶コーヒーは、プルトップ缶のコーヒーに比べ、
キャップがあるので持ち運びしやすく、
飲み口が広いので香りを楽しむこともでき、
このところの人気が高い
(ちなみに私はもうコーヒーを飲めないが…)。

そんなボトル缶コーヒーが登場した理由を考察してみると、
近年増えているコンビニのセルフコーヒーの人気が挙げられる。

本格的なコーヒーが100円程度という
手軽な価格で買えることもあり、
缶コーヒーユーザーの一部がセルフコーヒーに移行した。

それに対抗し、缶コーヒーメーカーは、
従来のプルトップ缶よりも持ち運びの利便性も高く、
そして香りを楽しめるボトル缶コーヒーを発売し、
需要を獲得しようと展開したということだろう。

このように、コーヒー飲料の動向だけをとっても
「盛者必衰の理」は生きている。

これに限らず、ある商品が一時的に
生活者から人気や需要を得たとしても、
しばらくすれば別の新たな商品へとその人気は移行していく。
これはビジネスにおいて常にあることだ。

需要の移り変わりが加速化しつつある現代において、
企業が常に生き残るということは容易ではないだろう。

そんな中にあっても大切なのが、ロングレンジで選ばれる企業になること。
提案する商品・サービスのみに注力するのではなく、
企業自身の姿勢や価値観に生活者が
共感できるような企業づくりこそ、
選ばれ続けるために必要なのだ。

たとえ「盛者必衰の理」の常があったとしても、
長く選ばれ続けるための企業の生き方はあるのだ。

100年企業は日本に2000社以上あるらしいが、
先達から学ぶことは多い。
企業が生活者に愛されることは、
長く選ばれ続ける秘訣といえるだろう。

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最近人気のボトルキャップ缶コーヒー

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“盛者必衰の理”はビジネスの常!

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05/18
2015

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仙台でも里山ビジネス“秋保ヴィレッジ”

牛タンの串焼きからおにぎり、
鶏の山賊焼き、手作り抹茶ジェラート、あんこラテも…!?
(これはフードコートの商品たち)

宮城県で仲間の経営者を訪ねた際に紹介されたのが、
仙台市にある「秋保(あきう)ヴィレッジ」。

ここは、お茶をメインに、
甘味などを販売している井ヶ田製茶株式会社が運営している、
「秋保の里山」をテーマにした、直売所だ。

その「アグリエの森」という施設には、
仙台の農産物の直売所を中心に、
この地の産物を使った料理を楽しめるフードコートや、
土産物コーナー、旧秋保村をモデルにした、
様々な草花を楽しめる植物園(?)などが併設されている。

また、農産物を使ったジャムやドレッシングなどの
加工品も販売しており、
6次産業化も積極的に行っているようだ。

仙台中心部から近く、
かつ秋保温泉のすぐそばにあることもあり、
観光客から家族連れまで多くの人が里山文化を楽しむために
立ち寄りやすい施設になっているのだ
(やっぱり里山ビジネスは注目されているねぇ~)。

2014年にオープンしたばかりというが、
施設内は大盛況。

あらゆる野菜をショッピングかごいっぱいに入れる人、
フードコートで舌鼓を打つ人と来場者は色々だが、
まさに、この地域ならではの「里山」を
楽しんでいるといえるだろう。

ビジ達でも何度も紹介してきたが、
このように「里山」をテーマにしたビジネス
(“里山ビジネス”)は広がりを見せている。

ビジネスに地域の「里山」を活かすことで、
農産物に付加価値が生まれ、集客にもつながる。
それはやがて地域全体の活性化へと発達していき、
相乗効果をもたらすのだ。

例えば、全国から人が訪れるという
産直市場「グリーンファーム」や、
その場で加工・販売する6次産業に積極的に取り組み、
食のテーマパークとして人気がある「サイボクハム」。

両者に共通することは、“里山ビジネス”を実践したことで、
集客力を生み出し、地域活性化に貢献しているという点だ。

「里山」を最大限に活かしたビジネスによる相乗効果は、
地域にとっても大きな利益となるのだ。

となると、この秋保ヴィレッジの盛況ぶりも、
“里山ビジネス”による地域との
相乗効果の表れと言っていいだろう。

そして、グリーンファームやサイボクハム、
秋保ヴィレッジに多くの人が集まり、
楽しむ様子をみれば、生活者が
“本当に求めているビジネス”というのを
感じることができるだろう。

これから周辺施設との更なる
相乗効果を生みそうな「秋保ヴィレッジ」。
この施設だけでなく、
“里山ビジネス”の更なる展開に注目したい。

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仙台市注目の直売所

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“秋保ならでは”がたくさん!

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フードコートなども充実

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店内は大盛況

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広がる里山ビジネスに今後も注目!

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05/11
2015

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日本ならではの“和の道”へ

ある観光アドバイザーの記事を新聞で読んだのだが、
日本の旅館に泊まりたい外国人が増えているらしい。
どうやら旅館を宿泊施設というより
日本文化として捉えているようなのだ。
これはちょっと驚いた!
(外国人が畳の上で寝るのは大変だろうなあ…。)

しかしよくよく考えてみると、確かに旅館は文化の宝庫。
部屋の畳と床の間は言うまでもなく、
出てくるご飯は和食であり、
着物を着た仲居さんが色々と世話をしてくれる。
温泉宿であればお風呂を満喫出来るし、
廊下ですれ違うお客様も浴衣を着ている!

ビジ達でも何度かご紹介したが、
「庭のホテル 東京」もそんな日本文化が
感じられる人気ホテルだ。

先日、経営者50人を集めたセミナーを開き、
宿泊施設の見学もさせて頂いたのだが…。
各部屋の茶器はなんと南部鉄瓶で、
障子風の窓や和柄のベッドが用意されていた!
シャワーだけでなく大きめの浴槽を備えたところは、
さすが日本のおもてなしといったところ。
廊下の照明は灯篭風につくられ、
ロビーも和を感じさせるデザインである。

では、庭のホテルがどれほど人気かというと…?
9割を超える稼働率を誇り、
なんとそのうち6割強が外国人のお客様!
庭のホテルが外国人に人気なのは、
和の文化を存分に楽しめるからだろう。

これから更に日本文化が求められる!
と私は予想しているが、
それは外国人に限った話ではない。

和の文化は国内でも人気で、
先日訪れた京都では沢山の日本人が
古い町並みと共に桜を楽しんでいた。
日本を味わうという意味では寿司屋も同様だろう。
ハチマキを締めた板前さんが、
「ヘイラッシャイ!」と出迎えて、粋に握る姿…。
ただ寿司を頂くだけの場所ではない、
あの空間こそが和の文化を感じさせるのだ。

そこで、中島流のビジネストレンド!
ここまで挙げたのはハードとしての“和”であるが、
私が強調したいのはソフトとしての“和”である。
これからの時代、ハード以上にソフトとしての
“和の価値観”が期待されるということだ。

例えばこれは、石田梅岩の言う
“正直”“勤勉”“倹約”で語ることができる。
“正直”であれば多くの人々に信頼され、
“勤勉”に働く姿は美しく、
誰もが一緒に仕事したいと思うだろう。
必要以上にものを使わない“倹約”さがあれば
捨てるものも自然と減り、省資源へと繋がる。
自分一人だけでなく、社会にとっても有益だ。
これに五常の“仁、義、礼、智、信”を加えたものが、
これから注目される和の価値観なのだ。

そして、私が最近注目している
四季ある“里山”も日本ならではのものである。
日本人の里山での暮らし方には、
注目に値する価値観が多く存在する。

こういった日本の風景が国内外から評価されているところから見ても、
和の価値観は新しい流行となっているようだ。
2020年の東京オリンピックに向けて…いや、その先でも、
ビジネストレンドとして“和の道”は注目されるだろう。

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繊細な工芸が壁を飾る

trend (2)

立体的な構造のテラス

trend (3)

南部鉄瓶のお茶が美味しい!

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中庭が美しい

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落ち着く部屋だ

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