06/16
2014
ジョニーウォーカーの革新
モルト(大麦)ウイスキーの香りを楽しみながら、一口。
そこに水を数滴だけ垂らしてからまた一口。
すると…ん~! マイルドになって美味しい!
先の海外研修ツアーで
最初に訪れた都市・エジンバラ。
この都市を選んだ最大の理由は、
スコッチウイスキー製造の現場を見たかったからだ。
そこで選ばれたのが「グレンキンチー蒸留所」。
ここでは、モルトウイスキーの
製造工程や歴史を学び、
試飲もさせていただいた
(その様子は冒頭でお伝えしたとおり)。
グレンキンチー蒸留所での
ウイスキー製造はこのように行う。
まず、酵母を入れた大麦を
ビール状態になるまで発酵させ、
2度蒸留する(ちなみにこの蒸留酒をスピリッツという)。
その後、樽に詰めて
最低8年寝かせて熟成させれば、
極上のウイスキーが完成するというわけ。
このとき、熟成のための樽は
中古樽なのだという。
そのため、アメリカから
たくさんの中古樽を仕入れているそうだ
(へぇ~、中古樽がいいんだ)。
さて、そんなプロセスによって製造される
スコッチウイスキーだが、
こんな面白い話があった。
ウイスキーといえば、世界レベルで定番なのが、
私の学生時代から有名で
あの「ストライディングマン
(闊歩する紳士のイラスト)」が
シンボライズされている
「ジョニーウォーカー(黒ラベル・赤ラベル)」。
実は、ジョニーウォーカーは、
世界にブレンドウイスキーを
広めることに貢献したお酒だという。
創始者であるジョン・ウォーカー
(本当は息子の方?)は、
紅茶をブレンドするように
ウイスキーもブレンドしてみようと考えたのだという
(その少し前までは、モルトウイスキーと
グレーン(小麦)ウイスキーのブレンドは
違法だったらしいが…)。
まさに、ウイスキーのブレンドは
ここから始まったのだ(へぇ~)。
それにしても、
ジョニーウォーカーのブレンドが発端となって、
世界のブレンドウイスキーの“あたりまえ”になり、
そのジョニーウォーカーが
現在も世界で一番売れている
ウイスキーのブランドになるとは驚きだ。
このように、それまでの常識から
新しい“あたりまえ”をつくることは容易ではない。
しかし、どの時代のどのビジネスにおいても、
新しいことに挑戦しないことには、
新しい“あたりまえ”は生まれてこない。
チャレンジするからこそ、
うまくいこうがうまくいかなかろうが、
それまでと違う環境へと前進することができるのだ。
よし、グレンキンチーのモルトウイスキーも入っている
ジョニーウォーカー黒ラベルを飲みながら、
次はどんなビジネスの挑戦をしようか考えてみるとしよう。