09/30
2013
「半沢直樹」に一喜一憂
「やられたらやり返す…倍返しだ!」
という決め台詞でおなじみの超人気ドラマ『半沢直樹』。
見ていた方も多いと思うが、
バブル期入行世代の葛藤と苦悩に満ちた戦いが描かれているドラマだ。
先日最終回を迎えたのだが、驚くはその視聴率。
関東地区では42.2%、関西地区では45.5%をたたき出したという。
これは『家政婦のミタ(最終回の視聴率40.0%)』を抜いて、
平成の民放ドラマ史上最高の数字だ。
さて、どうしてこんなにも『半沢直樹』が大ヒットとなったのか。
そこで中島流に3つの理由が考えてみた。
1.舞台が銀行
これまであまり知られていなかった銀行の内部のしくみが見える。
そこで繰り広げられている、ドロドロとした人間関係までも
リアリティある展開で描かれたということ。
2.出演者の演技力
間違ったことがあれば、役職や人物に関係なく態度を曲げない
主人公・半沢直樹を演じるのは、堺雅人氏。
そして、半沢の敵である大和田常務は香川照之氏が演じた。
この2人を中心に展開されていく「勧善懲悪」な痛快ストーリー。
ハラハラドキドキの展開が視聴者の心をグッとつかんだのだろう。
3.世間の人々のストレスが溜まっていた
人間性が優れていなくても、実績や数字を上げた人は昇進する。
すなわち、上司には“自分だけ・今だけ・お金だけ”的な人も
いるということ(むしろ多い!)。
もうみんなそんな美しくないドロドロの社会に
うんざりしていたところにこのドラマが出現し、
そんな社会への不満や反動が半沢直樹支持に向いたのではないだろうか。
実はこの3つ目で話した「昇進するのは実績や数字を持つ人」だということは、
何も銀行に限ったことではない。
一般企業でも昇進させるにあたって重要視しているのは、
実績や数字。人間性は二の次とされてしまう。
しかし、人間性が伴わない人物は昇進すればするほど、
自分の昇進ばかりを考え、相手を蹴落とそうとするだろう。
企業の社会性など二の次にされてしまうのだ。
それではその人ばかりか、企業組織全体が歪んでしまう。
それがお客様から選ばれない企業の原因にもつながり、
ひいては企業の衰退を呼び込むこととなるのだ。
『半沢直樹』は実績や数字だけではない、
人間性の大切さ“仁”や“義”を教えてくれていたのではないだろうか。
それにしても、あの香川氏扮する大和田常務の土下座には
時間がかかったねぇ~…さすが歌舞伎役者!?