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2023
世界企業の新常識! “アジャイル開発”と“アジャイル経営”
すべてが加速する時代のキーワードは
「Business Agility-時間を買う」と発信したばかりだが…
次に私が注目したキーワードは“アジャイル”であり、”アジャイル開発”。
この“Agile-アジャイル”というワードが、今後のソフトウェア開発はもちろん
さまざまな製品開発にも大きな影響を与えるのは間違いないだろう。
Agilityという名詞のもととなった形容詞が“Agile”というわけで
「機敏な」「すばしっこい」という意味があり、ビジネスシーンでは
“急ぎ”のニュアンスで使われるのが一般的。
そのため“アジャイルでいこう!”というのは“急ぎめでいこう!”
“まきでいこう!”という意味になる。
ある書籍に“世界企業の新常識”として
「“アジャイル”でないと勝てなくなる」という小見出しがつけられていた。
そしてデジタル化の時代ゆえに、“アジャイルな経営”は拡がり、
2024年以降のトレンドだという。
そしてその代表事例として米国のEVメーカー“テスラ”が取り上げられていた。
【テスラの“アジャイル”は、AIで鍛えられている?!】
(『日経大予測2024、これからの日本の論点』より)
世界中のテスラ車から送られてくる走行データはもちろん
学習の材料にしているし、自動運転用のアルゴリズムをAIによって
24時間365日体制で“鍛えている”という。
テスラ車を買った時点では“使わない装備品”がいくつも付いている。
多くは安全支援機能、言い換えれば自動運転機能を高めるための装備で、
それらを起動させるには、充電の際に車をインターネットにつなげ、
OSをアップデートしないといけない。
無料のダウンロードもあるが、有料のアップデートも多く、
ものによっては100万円を超える更新サービスもある。
現時点では、すべてのメニューをアップデートしても
買った車が完全な自動運転車に変身することはないのだが…
そう、まだ開発の途上にあるからだ。
だから車を買っても、しばらくは無駄な装備品になることが多い。
だが、それでもテスラの車が一歩一歩進化していくのを楽しむ、
それを目当てに保有する顧客も多いという。
そのテスラ車の進化を担っているのが、
米シリコンバレーの南東部にあるデータセンターだ。
現在乗っているテスラ車のソフトウェアが更新し続けることで
年々進化し続け、いつかは完全自動運転に変わるときがくるわけだ。
この展開こそが“アジャイル”である。
テスラは自動車に“アジャイル開発”の発想を取り入れた
最初のメーカーと言える。
それまでの自動車メーカーは、自動車の購入後に
機能を更新すると言う発想はなかったということ。
だから、顧客は欲しい機能が付いていなければ、
それが付いた車が発売されるのを待ち、買い換えるしかなかった。
一方テスラの車は、新しい機能が実用化されると、
ソフトウェアで随時インターネットから取り込んでいける。
パソコンやスマートフォンと最初から全く同じ発想でつくられているからだ。
【アジャイル開発でありアジャイルな経営は、複利成長?!】
y=a(1+r)のn乗
aは元本、rは利率、nは運用回数を意味し、yを大きくする決め手はnとなる。
元本aが小さくても、nを長い期間で考えれば、将来の価値は大きくなり得る。
複利は単利と違って、時系列にグラフをつくると指数関数曲線になるから、
長く運用をすればするほど、yは後半になって信じられないくらい
大きくなっていくということ。
“アジャイル開発”は開発に成功したら早くに市場に出せるのはもちろん、
有料アップデートにより複利展開が可能となり、
仕掛かり品をつくることなく収益化が可能となる。
資産効率も高まるということで、
結果としてアジャイルな経営の実践にもつながることに。
今回の事例はEVメーカーのテスラだったが…
iPhoneのアップルなどは、本体も度々アップデートするし、
いろいろな企業がつくるアプリにより有料アップデートを繰り返し…
ほ〜Appleこそ“アジャイル経営”の代表企業なのかもしれない。