これからの選ばれるビジネス!

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03/12
2018

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“社会起業家が発信” ソーシャルビジネスグランプリ2018

日本で“最初の”社会起業家育成に特化したビジネススクール、社会起業大学。
私たち経営者仲間の一人が、ここの理事長をしている。
そこで先日、社会起業大学が主宰する
「ソーシャルビジネスグランプリ2018」のイベントに私も参加してきた。

これはその名の通り、社会性の高いビジネスプランをプレゼンするというイベント。
(立案もあれば、既にスタートしているビジネスもある)
非常に現実味があり、且つ実績のあるビジネスモデルが発表されていた。
5名によるプレゼンがあったが、その中で私が面白いと思った2つを紹介したい。

まずは、理学療法士として活躍する小川さんの
「パーキンソン病の患者のためのPDカフェ」。
病院でのケアを終えた患者の多くは、日常生活に戻ってからは、
医療や福祉のフォローをほとんど受けられずにいるという。
患者がたった一人で改善に向かわなければならない現状を変えようと、
理学療法士の仲間と一緒にPDカフェを作った。
運動をしたり仲間と情報交換したりする「場」として、
既に存在価値が生まれているという。
これは、理学療法士として現場で生の声を得ているからこそ気づけた問題なのだろう。

そしてもう1つは…同志社大学の現役学生による、政治を変えるビジネスモデルだ。
これは「政治をもっと可視化しよう」ということ。
18歳から投票権を得たとしても、政治の実態が見えにくいままでは、
政治への参加率は増えてこない。
そこで、「Mielka(ミエルカ)ラボ」というWebサービスを立ち上げたところ、
公開してから1週間で300万PVに達したという。
今では25万人以上が利用するサービスとなった。

この2つのプレゼンに共通することは、問題提起をするだけでなく、
実践して「価値を生み出している」ということ。
その点でも、社会起業大学の「ソーシャルビジネスグランプリ」は、
非常に意味があるものだろう。

今回の基調講演で、名誉学長の田坂広志さんがこんなことを語っていた。

「ソーシャルビジネスという言葉が広がっているが、
これは“白い白鳥”のような言葉ではないか」

本来、日本人にとってビジネスは当たり前のように社会性の高いものだった。
それが、経済性を優先させ、海外に追いつけ追い越せと、
いつの間にか社会性よりも利益追及型のビジネスが大半になってしまったのだ。

今、ソーシャルビジネスというビジネス本来の考えが改めて注目されている。
この2名のプレゼンのように、日本人なればこその視点や、
問題意識を持ったビジネスがあれこれ発進されていくと、
ますます社会も変わっていくのではないだろうか。

自分でスタートできなくとも、
いろいろな角度からソーシャルビジネスを応援、支援することはできるはず。
通常のクラウドファンディングもあるし、
今回このビジ達で紹介している株式投資型のクラウドファンディングもあるし…。


私もさっそく、他にはどんな種類のソーシャルビジネスがあるのか調べてみよう~。

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5名とも素晴らしい内容だった!

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理学療法士ならではの視点に圧巻。

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既にサービスを立ち上げているという。実践に勝るものはなし!

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01/09
2018

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「蕎麦奉行」の“ぬか床経営”

先日、千葉県茂原市にある
「蕎麦奉行」というお店を訪問した。
その名の通り、蕎麦を中心とした料理店なのだが、
女将のおもてなしが素敵なお店だった。

創業から40年、現在は女将と共に、
2代目店主である息子さんが営んでいる「蕎麦奉行」。
このお店には、なんと40年もの間、
引き継がれてきた“ぬか床”があるという。
(何がきっかけか忘れたが、女将が40年目を迎えるぬか床の話をしてくれた)

ぬか漬けは、植物性乳酸菌が豊富に含まれおり、
動物性乳酸菌のヨーグルトなどに比べると、
胃酸に強く、腸内でも活躍してくれる食べ物である。
そんなぬか漬けを作る“ぬか床”は、
定期的に新しいぬかを足したり、生姜を足したりと、’
小まめに手を入れることで、お店や家庭独自のコクを増していくのだという。
(女将も40年間、小まめに手を入れてきたのだと)

そして女将が出してくれた、
この風味豊かなぬか漬けをいただきながら、
“ぬか床”というものにビジネスであり会社をイメージしたのだ。

私たちはよく、企業の「風土」という言葉を使う。
風土というのは、
会社経営の基盤となる「自分たちは何を大切にして歩むのか」
というような考え方であり企業文化だ。
時代とともに、
事業内容やシステムが変わっていくのは当然だが、
企業風土はそれほど変わらず土台として横たわっていく。
まさに“ぬか床”と同じである。

土台がしっかりしていれば、
新しい社員が入ってきたり、違う事業を始めたりしても、
企業風土は決して崩れることはない。
“ぬか床”と同じように、土台に新しいものを足していく形で、
それまで企業が大切にしてきた風土と、
新しい風はきっちりと融合していくものである。
逆に言えば、
会社がしっかりとした“ぬか床”を持ってなければ、
時代の変化に簡単に振り回されてしまうということになる。

どんなに時代が変わっても、
ここだけは変わらないと言える企業風土はあるか。
こんなこだわりの経営をビジ達流では“ぬか床経営”と呼ぶことにする。
そんな“ぬか床経営”は、
変化の激しい今の時代を生き抜くには、重要な視点となるだろう。

ちなみに、
「夫と別れる時には子どもを抱いて、犬を連れて、
そしてぬか床をかかえて…」という話があるそうだ。
それくらい、“ぬか床”というのは
その家庭の存在価値として大切にされてきたということだろう。

うーん、私もぬか床に挑戦してみようかなぁ。
(あれ!?でも誰に引き継ぐのだろう…)

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絶品のぬか漬けだ!

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おもてなしが素敵な店だった

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千葉県茂原市の 「蕎麦奉行」!

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12/11
2017

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ウシの上にも3年!

タイトルを見て
「なぜウシ?」と思った方も多いだろう。
そう、今回の話は「石の上にも3年」ではなく
「ウシの上にも3年」なのだ。

現在、
北海道で展開しているMemuroワインヴァレー構想。
地域の農家や企業と一緒になり、
様々な企画を進めている。
その中の一つに、酪農家とのチーズ工房がある。

この酪農家は400頭もの牛を飼育しており、
北海道の中でも大きな酪農家だ。
さらに、その生乳の乳脂肪分は4.3%と、
全国平均3.9%を大きく上回る品質なのだ。

なぜ、これほど高い脂肪分を保てるのか。
その背景には、この酪農家親子の
「本当に良いものを作りたい」という、
数年間にわたる戦いがあった。

一般的に、牛を育てるための餌には
“粗飼料”と“濃厚飼料”の2種類がある。
ほとんどの酪農家が、
デンプンやタンパク質を混合した濃厚飼料を使っている。
この親子も、当初は農協で勧められる
輸入品の濃厚飼料を使っていた。

それは輸入にたよった展開であり、
コストもかかる不安定な事業となっていることから、
「本当にこれで良いのだろうか?」と考えたのだ。
そして、牛本来の生態系に沿い、
牧草中心の粗飼料に切り替えようと決めたのである。

ところが粗飼料を使い初めると、
なんと400頭のうち100頭あまりが次々と死んでしまったという。

濃厚飼料で育った牛たちの胃袋は、
牛本来の反芻胃が機能せず
牧草の消化に対応し切れなかったのだ。
(牛には胃が4つあり、本来は耐えられるようになっているのだが…)

親子は、時にお互いを責め、ぶつかり合いながらも、
諦めず試行錯誤を続けた。
そうして数年かけて粗飼料に切り替えていった結果、
脂肪分4.3%という、高付加価値の生乳に至ったのだ。

この話を聞き、
ふと木村秋則さんの「奇跡のリンゴ」を思い出した。
木村さんは、無農薬のリンゴを育てようと、
11年もの間、不作に耐えて研究を続けた。
まともなリンゴができるまで
15年はかかったというからスゴい忍耐。

やはり、何事も一朝一夕には成し得ないのだ。
今までの“あたりまえ”を大きく変えるというのは、
とてもパワーがいること。
それは私たちのビジネスでも同じではないだろうか。
挑戦すると決めたなら、
起りうる困難にも覚悟を持ち、
忍耐していくことが大切なのである。

これこそ、まさに石の上にも3年…ではなく、ウシの上にも3年だ!!

(この生乳で作るチーズは、きっと一味違ったおいしさになるだろう…!
今からワクワク…!)

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Mr.セイージに興味津々…?!

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高い脂肪分を保てる理由を教えてくれた

この牛たちと一緒においしいチーズを作るぞ!

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10/16
2017

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ストレス耐力が“リスク回避力”を増強

名のある経営者や、多くの人から評価される
経営者に共通しているもの…
それは“リスク回避力”が非常に高いということである
(ビジ達でおなじみの“リスク回避力”はもちろん
中島流の造語だが…チャレンジしていることへの
成功率を高める力でもある)。

そのよい例として今回ご紹介したいのが、
一風堂の社長…正しくは
株式会社力の源ホールディングスの社長
清宮俊之氏(43歳)である
(このところ清宮氏とは何度かお話をする機会があった)。

彼は一風堂に入社して3年で社長に就任。
今年で社長になって3年目、
そして、はやくも会社を上場に導いたのだ!

そんな彼が以前勤めていた先は、
あの“TSUTAYA”を展開する
“CCC(カルチュア・コンビニエンス・クラブ)”。
様々な部署で活躍していたようだが、
なかでも1番大変で記憶に残っている仕事として
あの「代官山蔦屋書店のオープン」を挙げていた。

あの立地に、蔦屋書店を中核とした
生活提案型商業施設“代官山T-SITE”を
オープンするまでは、とにかく長く険しい
道のりだったという。
結果的に代官山蔦屋書店は大盛況となり、
注目のスポットとなるわけだが、
2度と同じ経験はしたくないと思うほど
ストレスの溜まる日々だったと彼は語っていた。

しかし、勝手な話ではあるが、この経験が今の彼の
社長学に活かされていることは間違いない。
これがまさに“ストレス耐力”であり、
立ちはだかる問題を解決し、本来の目的を達成できる力は
新しい時代のリーダーにとって重要なのでは…!?
(あのやり抜く力-GRITをも思い出す)

彼はこれまで一風堂の海外展開も任されているが、
そこには当然大きなリスクも伴っている。
すでに世界に70店舗を開店してきたという。
そして目標は200店舗だと。
それでも、彼が今まで培った“ストレス耐力”があれば、
問題に対し余裕を持って対処することが
できるのではないだろうか。

すなわち、この“ストレス耐力”とそれまでの
さまざまな経験知が“リスク回避力”となって、
よりチャレンジを成功へと導いてくれるということ。
“ストレス耐力”すなわち“めげない力”を鍛え
“リスク回避力”を高めないと、
大きなチャレンジは永遠にできないのだ。

あの鍵山氏も、奥田シェフも、石坂産業の石坂典子氏も…。
この方々も遡ると大きなストレスを乗り越えて
今の立場をつくってきている。
“リスク回避力”の増強に“ストレス耐力”は
欠かせない要素なのかもしれない。

変化の激しい今の経営を制するには、
“リスク回避力”の高さが求められる。
大きなストレスに屈さず、“ストレス耐力”を
高めることで、“リスク回避力”のある経営につなげよう!

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清宮氏の講演の様子

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株式会社力の源ホールディングスの社長、清宮俊之氏

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09/25
2017

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“先義後利フォース”と呼ぼう

眩しいほどの光を放ちながら、
宇宙のエネルギーを結びつけるというフォース。
世界的に人気を博している、映画『スターウォーズ』
で使われていたキーワードだが、
私も最近その“フォース”のようなエナジーを感じたのである
(はっはっはっ・・・)。

話は、あるテレビ番組でのこと。
バングラデシュでバッグづくりを
展開している美人の日本人女性社長が取り上げられていた。
彼女は「マザーハウス」というブランドを経営しており、
経営者としてだけでなく、そのバッグのデザイナーとしても
活躍しているという。

彼女は、学生時代に世界の貧困問題に関心を持ち、
22歳でバングラデシュに渡った。
そこで現地の状況を目の当たりにし、
「この国の人たちが働ける場所をつくろう!」
と決心したという。
そして現在、「マザーハウス」のブランドが次第に確立され、
多くの現地雇用を生み出しているという。

この番組を見てから1週間しないうちに、
東京NBCの「グローバル人材フォーラム」で、
やはりバングラデシュでアパレル業に取り組み、
結果的に2500人もの雇用をつくり出した
丸久株式会社の平石社長が表彰されていた。

平石社長がバングラデシュに行った際、
現地の方々はとても親切で、協力的だったという。
どうやら日本人に世話になった人たちが多いそうなのだ。

そんな人々と出会い、平石社長はもっとバングラデシュの
生活水準を高めたいと思ったという。

もう1人表彰されていたのが仲本千津さん。
彼女は東アフリカのウガンダで3人の子どもを
育てるシングルマザーと出会い、
現地の女性たちが働ける場所をつくろうと
バッグづくりを展開する
「RICCI EVERYDAY(リッチー・エブリデイ)」
という会社を経営している。

これらの人たちの動機は支援の発想であり、
利益よりも先に、義ありきなのだ。
この先義の発想が、周囲の人たちの協力を集め
ビジネスの活性化につながり、
多くの雇用の創出につながっているのだ。

“先義後利”の取り組みが、地球規模のフォースとなって
右肩上がりのビジネスを生み出している。
いつなんどきも義をしっかりと全うすることを
当たり前にすれば、私たちのビジネスも
もっとよいものになっていくのではないだろうか!?

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NBCで表彰されている仲本千津さん

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丸久株式会社の平石社長

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