これからの選ばれるビジネス!

これからの選ばれるビジネス!中島セイジのビジネスの達人

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選ばれるビジネス

10/17
2016

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とみひろ的“LOHASなビジネス”

まさか私が、桑畑の前に立つ日が来るとは…!
桑の葉とは、絹糸を出すお蚕(かいこ)さんが食す葉っぱのこと。
私には一生関係がないだろうと思っていた養蚕事業を
目の当たりにする機会があったのだ。

その機会というのが、私が主催している経営者会議の
リトリート(自分を見つめ直す研修のようなもの)でのこと。

会議メンバーの1人が所属する「とみひろグループ(以下とみひろ)」の
見学をさせていただいたのだ。
とみひろは着物の製造や販売をしているのだが、
なんと絹糸の生産から行っている。

そして、とみひろの桑畑は一般的な農地である平地ではなく、
そこから離れた高台にある。
なぜこんな場所にあるのだろうか?

それは、通常の畑には農薬を撒くのが
当たり前になっているからだ。
すなわち、平地に桑畑をつくったのでは、
その農薬の影響が桑の木にも及んでしまうということ。

これは、その葉を食べたお蚕さんにとって、死活問題なのだ。
(やっぱり、現場に来ないと
わからないことはたくさんあるねえ~。)

さらに今回の研修で学んだことは、
1つの繭は1300~1500メートルの、
1本の糸でつくられているということ。
そして、布一反には2600~2800の繭が必要ということだ。

お蚕さんは8の字を描きながら糸を出すというのだが、
この動きはまるでアレではないだろうか…?
そう、無限大の「∞」マークである。
このマークは自然の摂理に叶っており、
そこには十分な意味があるのだ。

自然の摂理に則った農法といえば、
ビジ達では何度もご紹介している
「奇跡のリンゴ」の木村秋則氏だろう。
木村氏は、たびたびこんな話をしてくれていた。

人間はどんなに頑張っても
指の先にリンゴ1つ生み出すこともできない。
それなのに、リンゴの木はこんなに素晴らしいリンゴを
たくさんつくってくれると…。

すなわち、人は自然のお世話になることを前提におかないと、
自分たちの力だけでは何もできないのだ。
逆に、自然の力を借りれば美味しいリンゴも
きれいな糸もつくれる。

お蚕さんのお蔭で農薬を使わないことが、
本来の農業のあり方や、物事の正しい関係を導いてくれた。

自然や宇宙の摂理を活かさないと、
人は人として継続できないとも言える。
自然があることで、人が活きてくるのだ。
人間の都合に溺れると、
人間も住みにくい地球になってしまうということだろう。

こんなことを考えていて、
久々に頭に浮かんだのが「LOHAS」という言葉。
LOHASとは、「Lifestyles of Health and Sustainability」の略で、
要するに「健全で持続可能なライフスタイル」のこと。

持続可能な人間生活には、
自然と仲良くして活かすことが不可欠なのだ。
動植物の生命は自然の摂理と密接に結びついており、
もちろん人間もそこに合わせるべきだろう。

こんな「LOHAS」の考え方は、
ビジネスにおいても当然同じであると考える。
ビジネスもLOHASでなければ継続できないのだ。
とみひろが教えてくれた、LOHASなビジネスを実践しよう!

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農薬を避けるために桑畑は高台の上に

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ひとつの繭は1300メートル以上の1本の糸で出来ている

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それを丁寧に紡ぎ…

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布一反には2600~2900の繭が必要だという

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選ばれるビジネス

09/26
2016

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選ばれ続けるための“エコーロケーション戦略”

それは駅でのちょっとした空き時間、
コンビニで漫画雑誌を眺めていたときのこと。
久々にイブニングを手に取り、何とはなしに表紙を見ていたら…。
「えっ、『女子柔道部物語』…著者はあの小林まこと?」

小林先生といえば、柔道漫画の『1・2の三四郎』。
『1・2の三四郎』は1981年には少年マガジンで連載されていたが、
(私もサラリーマン時代、腹を抱えて笑いながら読んだっけ…)
それから35年たった今、ついに小林先生が女子柔道の漫画を!

なんてことを考えながらイブニングの誌面を眺めていると、
弘兼憲史氏の『学生 島耕作』が目に入った。
(なんと弘兼先生は『会長 島耕作』と並行して
『学生 島耕作』を描いているのだ)

『島耕作』は世に出て33年、弘兼先生のキャリアは40年を超え、
小林まこと先生は35年と、お2人のキャリアがこれだけ続くのは、
彼らが色々なチャレンジを続けてきたからだろう。
(『こち亀』が40年で終了したというニュースも最近あったねぇ)

漫画の連載作品にしてみても、
小林先生や弘兼先生のように長く続くものもあれば、
無くなってしまうもの、新たに登場するものも当然ある。

イブニングだけを取り上げても、作家も雑誌自体も
変化し続ける社会情勢のニーズに応えようと、
さまざまな変革にチャレンジしている。
が、なかなか思うようにいかないのが実際。
弘兼先生や小林先生のほうが稀有なのだろう。

このようなことは、漫画界や出版業界だけでなく
日本のあちこちで起きており、
センスをもってチャレンジし続けなければ
どの分野でも生き残れない。

これは今の時代だけの話でなく、平家物語の冒頭でも
「祗園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。
沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらわす。
おごれる人も久しからず、ただ春の夜の夢のごとし」
と、世の中に不変はなく、盛んなものは必ず衰え
思いあがる者は長続きしない…なんて説いていたよねぇ。

激しく変化し続ける今の日本の世の中を見据え、
新たに生まれ出ずるニーズに
柔軟に対応するべくチャレンジし続けなければ、
選ばれ続け、生き残ることはできないのだ。

そこで思い出すのが、
以前お話しした中島流“エコーロケーション戦略”。
さまざまなチャレンジや施策を繰り返し、
その反響から次なるチャレンジの内容や切り口・角度を考え、
そのチャレンジの反響からまた次なるチャレンジを考えて…というもの。

この繰り返しで現代のビジネス界において
生き残るための感覚が研ぎ澄まされてゆく。
まさしく、チャレンジし続けるからこそ生き残れるのだ。

さて、『女子柔道部物語』だが…。小林先生だから、
またはちゃめちゃな物語展開になることは間違いないだろう。
何だかワクワクしてきた! 次号の発売は…っと。

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イブニングの表紙に小林まこと先生の『女子柔道部物語』の絵が…

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中島流“エコーロケーション戦略”

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07/11
2016

biji2ボルドーオーブリオン

これがボルドーシャトーのプライド


門を入って眼前に広がったのは美しく整備された庭。
その向こうには、どこまで続くのか? と思わせる
ワインぶどうの並木。
そして、歴史を感じさせるシャトーの建屋の中には
千を超す樽が整然と並べられていたのだ。(スゴーイ!)

ここは、ボルドーに入って最初に訪問した
シャトー・パプ・クレマン。
お~、これが本場のシャトーということか、
なんて思ってしまった。

次に向かったのは、シャトー・オー・ブリオン。
一級シャトーである。
このシャトーにも、美しく整い品格のある庭が広がり、
昔ながらのまさにシャトーという雰囲気があった。

さらに、シャトー・マルゴー
(途中で二手に分かれたため、
私は残念ながらいけなかったのだが…)。

そして最後にサンテミリオンの
シャトー・フォン・ブロージュ。
ここでも庭は完璧に整備されていたのだが、
さらに、庭の中央には17世紀に使われていた日時計が…
歴史の長さと、確かな格を感じたのだった…。

ご存知の通り、ボルドーのシャトーは
1855年の第1回パリ万博で
当時の評判や市場価値に従い、
初めて格付けが公式に決定された。

だが、その以前からすでに、
選ばれるシャトーには
純然たる差があったのだろう。

つまりすでに、選ばれるシャトーは
いいワインをつくるため、
するべきことを実践していたということだ。

そしてそれから160年以上のあいだも、
それぞれのシャトーは、その格付けを維持しようと
手間のかかる方法でも徹底して
実践してきたということだろう。

そんな各シャトーのプライドが、
門を入った瞬間、目の前に広がる
あの隅々まで整備された庭に表れていると
私は感じたのである。

どのシャトーも、庭だけではなく、
建物、樽、貯蔵室、
シャトーの建屋自身も徹底して美しく、
その美しさを次代に繋げようという意思が感じられた。
そんな意思こそが、注目される上位ワイナリーとしての
自負であり、プライドなのだ。

ワインの世界から少し離れるが、
老舗・虎屋の17代当主黒川光博氏の
「伝統とは革新の連続である」という言葉。
虎屋の490年はさまざまな試行錯誤であり、
革新の連続だったということだ。

なぜか、これらボルドーのシャトーを訪問していて
この言葉が頭に浮かんだのだ。

実はシャトーも、そのぶどうづくりや醸造の仕方には
その時代その時代のトレンドがあり、
ず~っと試行錯誤を繰り返してきたという。

すなわち、シャトーも虎屋と同じく
ここ200年は革新の連続だったのではないかと思うのだ。
格付けによる品質をも保つための様々な試行錯誤が、
結果としてあの美しい庭に表れているのだろうと、
シャトーの庭を脳裏に浮かべながら思ったのだった…。

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ボルドーに到着のMrセイージ

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整然と並ぶワイン樽

biji6ボルドーパプクレマン

パプクレマンのワインの苗木

biji2ボルドーオーブリオン

シャトーオーブリオンは一級シャトーだ

biji3シャトーオーブリオン

案内役の方と一緒に

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06/27
2016

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“退路を断つ”経営

「覚悟と決断」

先日、第13回でついに最終回を迎えた
日本を美しくする会の「鍵山塾」。
これは、その最後の「鍵山塾」で鍵山相談役が、
ゲスト講師である石坂産業株式会社の
石坂典子氏についてお話されたときの重要なワードだ。

「覚悟」とは、危険なこと、不利なこと、困難なことを
予想してそれを受け止める心構えをすることだ。

石坂典子氏は、31歳の若さで父から“試しの社長”として
その役職を任され、それから13年が経った。
女性社長であることも含めて、
この13年間の石坂氏の「覚悟と決断」は
半端なものではなかっただろう。

父が15億円かけてつくった焼却用のプラントを廃棄し、
焼却炉なしの処理工場をつくる…。
従来の「産廃屋」のイメージを一掃すべく、
まい進した石坂氏の日々は、まさに
「覚悟と決断」の連続であったという。

そこで改めて考えてみてほしい。
本当に、困難なことを予想して「覚悟」するだけで
経営ってうまくいくのだろうか?
長く経営を続けていけば、
予想も出来ないようなことも沢山起こる。
経営者は、その想定外の困難も
ひとつひとつを乗り越えていかなければならないのだ。

“退路を断つ”という言葉がある。
私は「覚悟」というだけでなく、退路を断っているから
前に進む選択しかないのではと考える。
石坂社長自身、退路を断っている意識を
持っているかどうかは別にしてだが…。

そういえば、
先日ついにイチロー選手が4257安打を日米通算で達成し、
話題となった。
そのイチロー選手は「多くの人たちに笑われてきた」と話していた。
だが、嘲笑されても
「プロ野球選手になる」「首位打者になる」「メジャーで活躍する」
という強い気持ちで前を向いて突き進んだのだ。

まさにイチロー選手がしてきたことは「覚悟と決断」だけれど…

これってやっぱり“退路を断った”からこそ出来たのだろうと
私は思う。

決断するときに持っているのは、
まだ漠然とした「覚悟」だろう。
だがそこに加わった“退路を断つ”という大胆で
潔い考え方が彼を成功へと導いたのではないだろうか。

“大胆で潔い”という言葉は、(このビジ達でもお馴染みだが)
中島流の “新・選ばルール7”の中にも登場する。
つまりビジネスにおいても、生き方においても、
この“大胆で潔さ”がないと多くの人が
注目する領域に行けないということなのだろう。

逃げ道をふさいで、前に進む。そんなことが出来る人がいい
決断をし、結果的にいい経営者となるのだ。

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今回で最終回となった「鍵山塾」

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鍵山相談役

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石坂典子社長

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06/13
2016

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風土力で選ばれる

“風土力”とは何か?
風土とは、気候・地形・土壌・歴史的建造物なども含める言葉だが、
私がここで使う風土とは、「企業風土」のこと。

人間関係の風通しがよいか、
上下の意思疎通がとれているか、時間に厳しい会社か、
チャレンジがしやすい環境なのか、
社員が挑戦的な目標に自律的に取り組めているのか否か…
というのが、私がイメージする企業風土だ。

実は、この風土が企業運営にじわじわと影響してくると
私は考えているのだが、私がこの考えに行き着いたのは
「企業に必要なエナジーとは何か?」
について考えていたときのこと。

①収益力、②組織力、③未来力、
④ES力(Employee Satisfaction=従業員満足力)、
⑤CS力(Customer Satisfaction=顧客満足力)、
⑥業種・業態においてその会社がどれくらいの質で
商品を提供できているかという業界力、
⑦外部の企業との連携がどれくらいかのネットワーク力、
⑧その仕事がどれくらい社会に貢献しているかの社会貢献力。

以上8つが会社の評価にあたり重要だと考えたときに、
思い至ったのがこの“風土力”だったのだ。
この8つのベースとなるのが風土力であり、
これがある程度高くないと人は育たず、切磋琢磨も期待できない。

では、どうしたら“風土力”を上げることができるのだろうか?
たとえば、わが社には目指すべき姿勢を示す内容を
項目ごとにまとめた「QB Statement」がある。
リッツカールトンで言う、クレドのようなものだ。

この中のQB’s Basicのひとつをご紹介すると、

「常に『新しい』を意識し、行動は常に貢献ポイントを意識し、
そのポイントに向けさまざまなエネルギーを集約します。」

などなど…QB’s Basicだけでも15項目ある。

こうした姿勢を大切にしているのは、
それぞれのスタッフがどのようにお客様に向き合うかの姿勢こそが、
“風土力”として現れてくるのではないかと考えたからだ。

ほかにも例を挙げてみると…
掃除に学ぶ会、「日本を美しくする会」に
私も頻繁に参加しているのだが、この会に参加している企業は
かなりの割合で企業風土がしっかりしている。
たとえば…

大里綜合管理は来客対応の際のおもてなしが厚く、
オフィスもきれいに保たれている。
古田土会計は、来客があると従業員が
総立ちとなって迎えるという風土が作られている。
などなど、風土がしっかりした企業は価値観が社員の言動、
外見や振る舞いに現れてくるのだ。

企業を評価する基準はいろいろあるが、
こういった企業の姿勢や、
価値観を示す“風土力”こそが、
最終的に選ばれる企業となるか否かの
カギを握るのではないだろうか。

数値に現れにくい企業風土だが、
これからも選ばれる企業作りのために、
大切にしていきたい!

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目指すべき姿勢を示す「QB Statement」

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