これからの選ばれるビジネス!

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選ばれるビジネス

07/11
2016

biji2ボルドーオーブリオン

これがボルドーシャトーのプライド


門を入って眼前に広がったのは美しく整備された庭。
その向こうには、どこまで続くのか? と思わせる
ワインぶどうの並木。
そして、歴史を感じさせるシャトーの建屋の中には
千を超す樽が整然と並べられていたのだ。(スゴーイ!)

ここは、ボルドーに入って最初に訪問した
シャトー・パプ・クレマン。
お~、これが本場のシャトーということか、
なんて思ってしまった。

次に向かったのは、シャトー・オー・ブリオン。
一級シャトーである。
このシャトーにも、美しく整い品格のある庭が広がり、
昔ながらのまさにシャトーという雰囲気があった。

さらに、シャトー・マルゴー
(途中で二手に分かれたため、
私は残念ながらいけなかったのだが…)。

そして最後にサンテミリオンの
シャトー・フォン・ブロージュ。
ここでも庭は完璧に整備されていたのだが、
さらに、庭の中央には17世紀に使われていた日時計が…
歴史の長さと、確かな格を感じたのだった…。

ご存知の通り、ボルドーのシャトーは
1855年の第1回パリ万博で
当時の評判や市場価値に従い、
初めて格付けが公式に決定された。

だが、その以前からすでに、
選ばれるシャトーには
純然たる差があったのだろう。

つまりすでに、選ばれるシャトーは
いいワインをつくるため、
するべきことを実践していたということだ。

そしてそれから160年以上のあいだも、
それぞれのシャトーは、その格付けを維持しようと
手間のかかる方法でも徹底して
実践してきたということだろう。

そんな各シャトーのプライドが、
門を入った瞬間、目の前に広がる
あの隅々まで整備された庭に表れていると
私は感じたのである。

どのシャトーも、庭だけではなく、
建物、樽、貯蔵室、
シャトーの建屋自身も徹底して美しく、
その美しさを次代に繋げようという意思が感じられた。
そんな意思こそが、注目される上位ワイナリーとしての
自負であり、プライドなのだ。

ワインの世界から少し離れるが、
老舗・虎屋の17代当主黒川光博氏の
「伝統とは革新の連続である」という言葉。
虎屋の490年はさまざまな試行錯誤であり、
革新の連続だったということだ。

なぜか、これらボルドーのシャトーを訪問していて
この言葉が頭に浮かんだのだ。

実はシャトーも、そのぶどうづくりや醸造の仕方には
その時代その時代のトレンドがあり、
ず~っと試行錯誤を繰り返してきたという。

すなわち、シャトーも虎屋と同じく
ここ200年は革新の連続だったのではないかと思うのだ。
格付けによる品質をも保つための様々な試行錯誤が、
結果としてあの美しい庭に表れているのだろうと、
シャトーの庭を脳裏に浮かべながら思ったのだった…。

biji4ボルドー

ボルドーに到着のMrセイージ

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整然と並ぶワイン樽

biji6ボルドーパプクレマン

パプクレマンのワインの苗木

biji2ボルドーオーブリオン

シャトーオーブリオンは一級シャトーだ

biji3シャトーオーブリオン

案内役の方と一緒に

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06/27
2016

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“退路を断つ”経営

「覚悟と決断」

先日、第13回でついに最終回を迎えた
日本を美しくする会の「鍵山塾」。
これは、その最後の「鍵山塾」で鍵山相談役が、
ゲスト講師である石坂産業株式会社の
石坂典子氏についてお話されたときの重要なワードだ。

「覚悟」とは、危険なこと、不利なこと、困難なことを
予想してそれを受け止める心構えをすることだ。

石坂典子氏は、31歳の若さで父から“試しの社長”として
その役職を任され、それから13年が経った。
女性社長であることも含めて、
この13年間の石坂氏の「覚悟と決断」は
半端なものではなかっただろう。

父が15億円かけてつくった焼却用のプラントを廃棄し、
焼却炉なしの処理工場をつくる…。
従来の「産廃屋」のイメージを一掃すべく、
まい進した石坂氏の日々は、まさに
「覚悟と決断」の連続であったという。

そこで改めて考えてみてほしい。
本当に、困難なことを予想して「覚悟」するだけで
経営ってうまくいくのだろうか?
長く経営を続けていけば、
予想も出来ないようなことも沢山起こる。
経営者は、その想定外の困難も
ひとつひとつを乗り越えていかなければならないのだ。

“退路を断つ”という言葉がある。
私は「覚悟」というだけでなく、退路を断っているから
前に進む選択しかないのではと考える。
石坂社長自身、退路を断っている意識を
持っているかどうかは別にしてだが…。

そういえば、
先日ついにイチロー選手が4257安打を日米通算で達成し、
話題となった。
そのイチロー選手は「多くの人たちに笑われてきた」と話していた。
だが、嘲笑されても
「プロ野球選手になる」「首位打者になる」「メジャーで活躍する」
という強い気持ちで前を向いて突き進んだのだ。

まさにイチロー選手がしてきたことは「覚悟と決断」だけれど…

これってやっぱり“退路を断った”からこそ出来たのだろうと
私は思う。

決断するときに持っているのは、
まだ漠然とした「覚悟」だろう。
だがそこに加わった“退路を断つ”という大胆で
潔い考え方が彼を成功へと導いたのではないだろうか。

“大胆で潔い”という言葉は、(このビジ達でもお馴染みだが)
中島流の “新・選ばルール7”の中にも登場する。
つまりビジネスにおいても、生き方においても、
この“大胆で潔さ”がないと多くの人が
注目する領域に行けないということなのだろう。

逃げ道をふさいで、前に進む。そんなことが出来る人がいい
決断をし、結果的にいい経営者となるのだ。

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今回で最終回となった「鍵山塾」

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鍵山相談役

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石坂典子社長

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06/13
2016

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風土力で選ばれる

“風土力”とは何か?
風土とは、気候・地形・土壌・歴史的建造物なども含める言葉だが、
私がここで使う風土とは、「企業風土」のこと。

人間関係の風通しがよいか、
上下の意思疎通がとれているか、時間に厳しい会社か、
チャレンジがしやすい環境なのか、
社員が挑戦的な目標に自律的に取り組めているのか否か…
というのが、私がイメージする企業風土だ。

実は、この風土が企業運営にじわじわと影響してくると
私は考えているのだが、私がこの考えに行き着いたのは
「企業に必要なエナジーとは何か?」
について考えていたときのこと。

①収益力、②組織力、③未来力、
④ES力(Employee Satisfaction=従業員満足力)、
⑤CS力(Customer Satisfaction=顧客満足力)、
⑥業種・業態においてその会社がどれくらいの質で
商品を提供できているかという業界力、
⑦外部の企業との連携がどれくらいかのネットワーク力、
⑧その仕事がどれくらい社会に貢献しているかの社会貢献力。

以上8つが会社の評価にあたり重要だと考えたときに、
思い至ったのがこの“風土力”だったのだ。
この8つのベースとなるのが風土力であり、
これがある程度高くないと人は育たず、切磋琢磨も期待できない。

では、どうしたら“風土力”を上げることができるのだろうか?
たとえば、わが社には目指すべき姿勢を示す内容を
項目ごとにまとめた「QB Statement」がある。
リッツカールトンで言う、クレドのようなものだ。

この中のQB’s Basicのひとつをご紹介すると、

「常に『新しい』を意識し、行動は常に貢献ポイントを意識し、
そのポイントに向けさまざまなエネルギーを集約します。」

などなど…QB’s Basicだけでも15項目ある。

こうした姿勢を大切にしているのは、
それぞれのスタッフがどのようにお客様に向き合うかの姿勢こそが、
“風土力”として現れてくるのではないかと考えたからだ。

ほかにも例を挙げてみると…
掃除に学ぶ会、「日本を美しくする会」に
私も頻繁に参加しているのだが、この会に参加している企業は
かなりの割合で企業風土がしっかりしている。
たとえば…

大里綜合管理は来客対応の際のおもてなしが厚く、
オフィスもきれいに保たれている。
古田土会計は、来客があると従業員が
総立ちとなって迎えるという風土が作られている。
などなど、風土がしっかりした企業は価値観が社員の言動、
外見や振る舞いに現れてくるのだ。

企業を評価する基準はいろいろあるが、
こういった企業の姿勢や、
価値観を示す“風土力”こそが、
最終的に選ばれる企業となるか否かの
カギを握るのではないだろうか。

数値に現れにくい企業風土だが、
これからも選ばれる企業作りのために、
大切にしていきたい!

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目指すべき姿勢を示す「QB Statement」

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05/30
2016

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ボルドー・ワインが選ばれる理由

先日このビジ達でもご紹介したが、

「真実と本物は通常、シンプルを旨としている。
ボルドー・ワインがほかに抜きん出て優れているのは
格付けの持つエレガントなシンプルさに負うところが大きい」

このプロローグから始まる本、
『ボルドー格付けシャトー60』は、
メドック地区のシャトー格付け150周年を記念して
2005年に開催された祝典の参考資料として作られたのだが…。

実は約400年前からメドック地区のワインは
すでに一級品として評価されていたらしいのだ!
「上質なワインがほしければメドックのものを頼めばいい」
とさえ当時の愛好家には言われていたのだとか。

品質向上の努力を重ねることが
市場価値を高めることに気づいたボルドーのぶどう農家は、
品質管理のためやるべきあたりまえのことを徹底し、
評価の維持に努めるようになる。

17世紀半ばには、ボルドー産のワインは地区単位で等級化され、
とりわけ品質の高いオー=ブリオン、マルゴー、
ラトゥール、ラフィットのものは
特に桁外れの市場価値を持つようになったという。

こうしてブランド的価値を持った4つのシャトーがつくるワインは、
やがて“格付け一級”として知られるようになり、
ボルドー・ワインは確固たる地位を築いたのである。

さらに、売買をスムーズにするために、ワインのブローカーが
格付けされたボルドー・ワインを取引の目安にしたことで、
ボルドー・ワインは販路を広げ、
ますます人々に親しまれるようになっていった。

つまり、中島流の視点から見れば、
ワインの物差しとなったボルドー・ワインは、
まずはフランスワインの物差しに、
やがて世界のワインの物差しとなり
世界水準として選ばれるようになったのである。

私がワインに着目するのは、
その地の風土、農業従事者、醸造家の
3者の関係によってつくられるところに
興味をひかれるからだ。

ワインの味は自然に左右されることも大きく、
その年によって風味や深みに個性が出る。
これらの要因のバランスこそがワインの魅力であり、
ワインが世界に広まった理由なのだろう。

そんな世界に広まる魅力を持っていたワインの中でも、
格付けという、物差しの基準になるだけの
品質を備えていたからこそ、
ボルドー・ワインが世界で選ばれるようになったのだ。

ううむ、奥が深い。
400年を超す格付けの歴史のなせる技だ。
ということで、その歴史と風土を体験するべく、
この6月下旬に15人ほどでボルドーの視察研修に行ってくる予定。

レポートと、みやげ話に乞うご期待!

0523moba2

ボルドー格付シャトー60

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05/02
2016

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「ばぁばのお昼ごはん」を選ぶ理由

にんじん、ごぼう、かぼちゃ、じゃがいも、
ピーマン、パプリカにキャベツ…
そして半熟ゆで卵が乗せられた、
具沢山のスープカレー。
さらに、大きな器に盛られた北海道産のおいしいお米。

この盛りだくさんなスープカレー定食で、お値段はなんと850円。
先日北海道の芽室町へ行った際に、
「ばぁばのお昼ごはん」という定食屋さんでいただいた。
素材本来の味が活かされた調理法で、
地元の食材がふんだんに使われており、とにかくおいしかった。

だが、しかし!
この定食屋、地元産の食材を使った
おいしい食事を提供するだけでない、
それ以上の意味がある定食屋なのだ!

じつはこの定食屋さんは、
食品加工会社である九神ファームと深い関係がある。

九神ファームは、障がいをもった人たちでも
「働いて生きていく」ことが可能になる環境づくりを目標に、
農業関連事業で継続的な就労支援を行っている事業所だ。
地元に住む障がいのある人を多く雇い、
地元産の野菜を地元の工場で加工し、流通させている。

「ばぁばのお昼ごはん」は、
この九神ファームが加工・生産した製品を活用し、
調理や接客といった職域を、新たに開拓するためにスタートしたのだ。

まさに、これらの取り組みは『里山資本主義』の
著者・藻谷浩介氏が提唱する“地消地産”
を実践しているといえるだろう。

“地消地産”とは、
“地元で消費するものは、地元で生産したものにしよう”という考え方。
生活者が地元で作られたものを選べば地元にお金が回り、
結果的に15~65歳の労働人口が維持されることになる。
さらに、場合によってはその労働人口を増やすことにもつながるのだ。

「ばぁばのお昼ごはん」は九神ファームと連携しながら、
この“地消地産”にプラスして、
地元の障がい者の雇用確保・自立支援という
大変価値のある一歩進んだ取り組みをしているのだ。

中国・春秋時代の宰相であった晏子(あんし)の言葉に
「益はなくとも意味はある」というものがあるが、
私が「ばぁばのお昼ごはん」を選び食事をすることは、
同額を払いチェーン店で食事をするのとは
その意味において大きな違いがあると言えるだろう。

チェーン店を選んでしまうと、地元にお金はほとんど回らない。
生活者自身が主体的に、地域を支えるという観点から
どの店で・誰が作った・どの商品を買うか、
という決断を下すことが、生活者としての権利であり、
意味のある働きかけだと思う。

生活者も地域の経済にみずから関われる手段があることを忘れず、
これからも価格以上の意味がある店を選んでいきたいものだ。


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入り口の様子

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いろんな人がみんなで楽しく働くお店

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大満足のスープカレー!

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地元の食材がふんだんに使われている

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客足の途絶えない店内

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