これからの選ばれるビジネス!

これからの選ばれるビジネス!中島セイジのビジネスの達人

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選ばれるビジネス

10/05
2015

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ピンを知っての追求

まず、湯飲みを4つ用意し、1つに熱湯を注ぐ。
次に、その湯を他の湯のみに1つずつ注ぎ変え、
湯冷ましにする(目安は湯飲みを手で持ち続けられる温度)。
そして、できた湯冷ましを
10グラムの茶葉が入った急須に注ぎ、きっかり1分20秒。
温めておいた湯のみへ最後の1滴まで注ぐ。
すると… えっこれがお茶?
甘~くて丸~い味が口の中に広がるのだ。

これは、京都に行った際に
一保堂茶舗にてレクチャーされた、
100グラムで1万円という
最高級玉露「天下一」の淹れ方だ。

このようなひと手間かけて
淹れた玉露を一口飲んでみる。

すると、いままで味わったことのない
苦味のないまろやかな味わいが広がり、
目からウロコの状態だった
(いままで飲んでいたお茶は何だったのか…)。

ここでふと思い浮かんだのは
「ピンからキリまで」という言葉。
“ピンキリ”なんてよく聞くが、
これは「最大から最小まで(最高から最低まで)」
という意味がある。
それに例えるなら、
この玉露はまさに“ピンのお茶”といえるだろう。

このように、“ピン”を知ることは、
同時にその他のさまざまなものを知ることにつながる。
“ピンのお茶”を知ることで
今までのお茶のレベルを知ることができるし、
逆に“ピンのお茶”を知らなければ
お茶について語ることはできないのだ。

さて、この“ピンキリ”というハナシは
ビジネスにも同じことが言える。
私は経営デザイナーとして様々な企業を訪ね、
経営者の話を聞いているが、
やはり多くの人たちから選ばれる
素晴らしい企業は存在する。
すなわち、一流企業であり、
“ピンの企 業”ということだ。

例えば、ビジ達でも何度も紹介している大里綜合管理。
会社の規模や売り上げよりも地域貢献や、
社員や組織の成長に重きを置き、
実質的な成長を目指している。

また、世界からも視察者が訪れる
産業廃棄物処理の石坂産業。
これまでの考えや常識にとらわれず、
その在り方を追求し、
常に新しい取り組みを発信し続けている。

これら以外にも私の知っているだけでも
“ピン企業”と呼べる企業は存在する。
そして、このような経営者とのやりとりを続ける中で、
自分の会社をポジショニングすることができるのだ。

つまり、「ピンを知ることで己を知る」ということ。
自分の足やメディアを使い、
“ピンの現場”を見て・聞いて・体感する。

そうすることで、自社の現状の立ち位置を知り、
次なる高みを追求する指標となるのだ
(逆に言えば、“ピン”を知らなければ
自身の次なる成長を推し量ることは難しいだろう)。

先に紹介したように、普段何気なく飲んでいるお茶をとっても、
“ピンキリ”の実感は大きい。
企業やビジネスならばもっと実感できるだろう。

ビジネスの“ピン”を知り、
自身の成長につなげることこそ、
多くの人から選ばれる“ピン企業”への道となるのだ。

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“ピン”のお茶を体験!

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淹れ方にも作法と手順がある

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適温で淹れる!

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香りも色もすばらしい

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ビジネスにも通じる“ピンキリ”

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09/14
2015

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“タテの経営”のすすめ

「隣の芝生は青い」と言われるように、
他人のものは良く見えるもの。
それは普段の生活だけでなく、
ビジネスにも言えることだ。

近隣の企業の売上が伸びているとか、
同業者が新しいシステムを導入したとか、
気にしすぎてはいないだろうか?

同業者で集まって情報交換をしていても、
ビジネスとして高め合うというより、
傷の舐め合いのようなことになってはいないだろうか?

本当にこんなことで仕事はうまく行くのだろうか。
もちろん、これではいい経営はできない。

いくら“ヨコ”を気にして
ビジネスをしていても上手くいかないのだ。
そこで、このビジ達で“選ばれるビジネス”として
紹介してきた企業を思い出してもらいたい。

例えば、大里綜合管理株式会社。
ここは不動産業を中心に事業展開する企業ではあるが、
地域貢献に重きを置き、
清掃活動や周辺住民との交流を活発に行っている。

そして、地域のために会社を大きく変えた例といえば、
石坂産業株式会社だ。
産業廃棄物を扱う事業のために
周辺住民からの風当たりも強かったのだが、
処理場をすべて建家で覆い、
その周辺には里山をつくり、
それまでのイメージを一新させたのだ。

そして「自分が泊まりたいホテル」を作り上げ、
外国人観光客から絶大な人気を誇る“庭のホテル東京”。
水道橋という立地にありながらも、
外国の方々にも受け入れられやすい和風と
ワールドスタンダードの両立が高く評価されている。

これらの企業は業界の常識に縛られることなく、
自分たちなりの価値観や理念を貫いた。

私はこれら企業の経営を、先述のヨコと比較して、
“タテの経営”と呼んでいる。
周りを気にしない自己流であり、
理念をしっかり考えた企業展開の経営のことだ。

これらの経営者は、自分の代のことだけでなく、
これまでとその先の代のこと、
すなわち“タテ”を意識した経営をしている。

過去200、300年前の先人たちからの学びを活かし、
現代の環境に合わせたものだ。
この“タテの経営”は“奥行のある経営”とも言えるだろう。
そして、30年先、50年先を見据えた経営を行っているのだ。

今や消費者も企業のことをよく見ている。
安く売ることだけ、儲けのことだけを考えた
刹那的な“ヨコの経営”は、
もはや消費者の価値観に合わない。

社会貢献や企業理念を明確に持ち、
過去と未来を見通した経営、
ヨコを気にしない“タテの経営”が、
選ばれる企業に成りうるのだ。

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図解! これが“タテの経営”だ!

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大里綜合管理の野老代表

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石坂産業の石坂社長

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庭のホテル東京 木下社長

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08/31
2015

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DDTプロレスの人気の理由

両国国技館に一歩足を踏み入れると、
熱気、歓声、人、人、人!

今までこの国技館には
数回ほど相撲やプロレスを見に来たが、
それとは比べ物にならない盛り上がり。

この超盛り上がりイベントは、
DDTプロレスの興業
『両国ピーターパン2015~DDTより愛をこめて~』だ。

まず私が驚愕したポイントその1は、
国技館のロビーに溢れる人波!
皆イベントならではのグッズや
冊子を買い求めており、
DDTプロレスの人気の高さが伺える。

ホールに入るとファンの熱気にまず驚く。
そして試合が始まれば
レスラーごとに違うテーマ曲で登場し、
会場はますますヒートアップ!

観客は慣れたようにBGMに合わせた拍手や掛け声を入れ、
ファンとDDTプロレスの一体化を感じたのである。

驚愕ポイントその2は、“演出”。
熱心なファンの期待に応えるだけのことはあり、
演出の素晴らしさは群を抜いている。

音や映像を用いるのはもちろん、
レスラーが語りとともに
プレゼンテーションをするシーンもある。
笑いをとるための語りもあり、
お客様を飽きさせない構成なのだ。

そして最後の驚愕ポイントは、“プロデュース力”。
すなわち出演する人々の顔ぶれの妙である。

65歳にして現役の天龍源一郎や、
人形レスラーとして人気を博すヨシヒコ
(ファンはその登場を待っていたりする)、
映画コメンテーターのLiLiCoなどがリングに上り、
仕込みと分かっていても夢中にさせるような
コンテンツを用意しているのだ。

そんな試合の流れといい、グッズ展開といい、
お客様を満足させるその
“企画力、演出力、編集力”には拍手を送りたい。

これらは“プロデュース力”とも言い換えられると思うが、
1つのエンターテインメントとして
全体を上手くまとめている。

予定されていた5時間はあっという間に過ぎてしまい、
多くのファンがDDTプロレスのイベントに足を運ぶのも納得がいく。

これだけ多くのファンがいて、
これら興業がうまくいく理由は…
“戦略的で良心的なビジネス”を行っているからだ。

観客が本当に見たいと思う場面、
演出を企画する“良心的なアプローチ”は、
ファンとの熱い一体感を生み出す理由だろう。

普通のビジネスは、ついつい“戦略的”に
利益につなげようとするのだが…。

DDTプロレスの場合、最初から儲けを追うのではなく、
あくまでも良心的に観客が求める以上の
エンターテインメントを追求してきた結果が、
この国技館いっぱいの観客となったのだ。

純粋な気持ちで観客を喜ばせてきたことで、
もう一度見たい、応援したいと思ってもらい、
今のDDTプロレスの人気が築かれたわけである。

斜陽産業とまで言われ、厳しい状態だったプロレス業界…。
それをここまで引き上げ、ビジネスとして成立させたのは、
お客様の要望に真摯に対応した“良心的なビジネス”、
すなわち“先義後利”的なビジネスだからこそなのだ。

私たちのビジネスでも、当然“戦略”は必要であるが、
あくまでも“良心的”な精神でビジネスを行うことが
成功へのカギとなるのだろう。

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腕枕をしてもらえるタオル

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ホールはファンでいっぱい!

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光の演出が凝ってるな~

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両者共倒れか!?

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ド派手な登場だ

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大技が決まる!

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敵味方入り乱れての大乱闘

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08/10
2015

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DDTプロレス高木大社長の革新

プロレスといえば、
四角いリングのなかで戦うイメージが一般的だろう。
しばしば場外乱闘になる時もあるが、
屋外を走り回りはしない。

ところが、その一般常識を打ち破る革命児が現れた。
それが『BUSINESS LAB.』のゲストとしてお会いした、
DDTプロレスの代表取締役“大”社長 高木三四郎氏だ。

最盛期の頃はテレビで頻繁に放映され、
小学生がプロレスごっこをするほどだったプロレス。
しかし近年は人気が低迷し、
各団体も縮小してしまった。

このように斜陽業界になりつつあったプロレスだが、
高木大社長によって両国国技館は人で埋め尽くされているという。
しかもその半分以上が女性客だという。
すなわち新たなファンの獲得に成功しているということだ。

今までのプロレスと何が違うのかというと、
以前も紹介した通り、商店街や本屋、
電車内でのプロレス公演が行われているのだ。

もちろん物を壊してはいけないのだが、
商店街で購入したものは武器として使用できるルールもある。
四角いリングをつくらず、
街中を丸ごとステージにしてしまっているのだ。
加えてイケメンプロレスラーや男女混合プロレスなどによって、
さらにプロレスを盛り上げている。

ほかにも、高木大社長は
プロレスのメディアミックス化に着手。
自分たちで映像を制作して動画サイトやテレビで放映し、
さらにDVDやグッズ、写真集などを広く展開している。

新しいエンターテインメント性を打ち出し、
新しいビジネスとしてのプロレスを追求したのだ。

プロレスに限らず、近年は様々な業界に
変化が大きな起こっている。
弊社に関係の深い広告業界では、
新聞や雑誌などの紙媒体は、
媒体としてのバリューが圧縮され、
その分web広告に移行していった。

ウエディング業界ではレストランウェデイングや
有名ホテルでの格安挙式“スマ婚”が現れ、
近年はアウトドアウエディングなるものも注目されている。

進化の目覚しいIT業界といえば、
スマートフォンの活躍が印象的だろう。
地球規模でAppleが活躍し、
メーカーの立場にこだわっていたソニーやパナソニックは
取り残されることになってしまった。

自分の生存領域だと思って安心していたら、
まったく違う場所から来た者に
美味しいところを食べられてしまったのだ。

あらゆる業界での変革はここ20年ほどに起こっていたが、
それが斜陽業界であるプロレスにも起こったということだ。
今の時代に合わせた革新を行い、
衰退していくだろうという予想を大きく裏切った高木大社長。

高木大社長は多くの人を飛び越えたビジネス視点を持って、
プロレスを革新し続けているのだ。

そんなDDTプロレスを楽しみに両国国技館に行くのだが、
その日はちょうど高木大社長が出演する『BUSINESS LAB.』の放送日。
8/23と8/30の日曜日 早朝6:00~7:00は
InterFMでお会いしましょう!

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BUSINESS LAB.でご一緒に!

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これからの盛り上がりが楽しみだ

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07/27
2015

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クロッカンシューザクザクの理由

最近巷で人気の
「クロッカンシューザクザク」という
シュークリームの専門店がある。
どれほどの人気かというと、
東京進出前の北海道の店舗でも
年間で45万個、東京の店舗では
月間9万個の売り上げを記録するほどの大繁盛店。

少し前に、私の担当するラジオ番組で紹介したのだが、
実は食べたことがなかったのだ。

そこで、私用で通りかかった
JR新宿駅直結のルミネエスト新宿店に行ってきた。
行列に並び、外装を見てみると、
シュークリームを迅速に提供できる製造工程を
全て見ることができるつくりになっていた。

本題のシュークリームの味はというと、
ザクザクした触感の新感覚でとにかくうまい!
実は、店名に使われている「クロッカン」は
フランス語でカリカリとした歯ごたえという意味。

そのおいしさの秘訣は何だろうと調べてみると、
3つのポイントを守って
製造・販売していることが関係しているようだ。
1:いつでも作りたてを提供する
2:ひと手間を惜しまないお菓子づくり
3:こだわり抜いた素材を使用
この条件を常に守っていることが
品質に自信を持って販売できる理由だろう。

しかし、このシュークリームが人気を集める理由は、
単に目新しさや素材の味がいいということだけではない。
実は、運営企業の過去の苦い経験が活かされているように思える。

そもそも、クロッカンシューザクザクは、
北海道で六花亭や白い恋人に並ぶ人気を誇る、
創業32年目の「洋菓子きのとや」が
展開しているシュークリーム店なのだ。

きのとやは今でこそ押しも押されもせぬ人気メーカーだが、
これまでに多くの困難を乗り越えてきた。

例えば、宅配ケーキを販売し始めた年、
確かな味でお客様の支持を受けたものの、
クリスマスシーズンには受注の数を誤り、
500人のお客様にケーキを届けられなかった。

さらに、最大限努力はしていたものの、
食中毒事件を起こしてしまい、
処分を受けてしまった。

これらの苦い経験があったからこそ、
今のきのとやがあり、
クロッカンシューザクザクのような
人気店を展開することができたということ。

そして、今後もきのとやが、苦い経験を乗り越えたこと。
それによって培われた品質管理を重視した価値観で
真摯に製造・販売に取り組んでいくことが、
洋菓子店として継続できる理由となっていくのだろう。

クロッカンシューザクザクのように、
新しいヒット商品を創り出そうとする企業は多いが、
実は食べ物屋としての基盤がなにより大事。
だから、きのとやのように、
確かな品質へのこだわりがなくてはいけないということ。

お菓子メーカーに限らず、
企業はさまざまな苦い経験と向かい合い、
しっかりした基盤をつくり上げてるからこそ選ばれるのだろう。

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「ザクザク」の看板が印象的な店舗

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外から見たらまるで工場

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おいしそうなシュークリームが陳列

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チラシもおしゃれ

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