これからの選ばれるビジネス!

これからの選ばれるビジネス!中島セイジのビジネスの達人

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選ばれるビジネス

02/01
2016

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自分が燃えていなければ…

「人よりも高いところに立たなければ、
人を引き上げることはできない。」
「自分が燃えていなければ、
人の心に火を灯すことはできない。」

これは、キリスト教の大管長であった
ハロルド・B・リー氏の言葉だ。

私の愛読誌でも、この「自分が燃えていなければ…」の
言葉が取り上げられていた。
とある小学校の教師がこの言葉に感銘を受け、
未だかつてないほど情熱を持って仕事に励んでいるという。

その教師の情熱は教え子にも伝わり、
変化が見られ始めたそうなのだ。

確かに、熱く燃えている人が
周りの人々にも影響を与えることはよく耳にする。
私も大勢の経営者とお会いしているが、
振り返れば素晴らしい経営者ほど燃えているのだ。
燃えている人の特徴としては、
まずそのことに自信を持っていること。

そして、社会性ある仕事をしていること。
社会性ある仕事というのは、
燃えやすい上に周囲の人々にも影響を与えやすいものだ。

ここで私が思い浮かべたのは、
株式会社ユーグレナの出雲充氏である。

バングラデシュで栄養失調の子どもたちを
目の当たりにした出雲氏は、
この人たちのために仕事をしようと決断し、
試行錯誤のうえ、栄養豊富なミドリムシの培養に着手。

その後大量培養に成功し、
現在は様々な食品に生かされることとなったのだ。

“世の中にムダなものなどないのだ”と
力強く誇る出雲氏が思い浮かぶ。
あの燃え続ける出雲氏の情熱が、
多くの企業を動かすことになるからだ。

また、株式会社ブレストの伊東昭典氏も燃えている。
小型の油化装置を開発し、人々の目前で
プラスチックごみから石油を作り出すことを実現した。

そうすることにより、大手が出来なかった
プラスチックのごみ問題を着々と前進させている。
社会性も事業に取り込み、
いまや日本だけでなく世界が注目する企業なのだ。

さらに、燃えている方といったら、
株式会社ブーランジェリーエリックカイザージャポンの
木村周一郎氏!
分かりやすく言えば、フランス発信の
“メゾンカイザー”という注目のベーカリーの職人であり、
その社長である。

天然酵母による、フランスの伝統的なパンの
美味しさを伝えたいという熱い想いから、
開店当初の不振にもめげずにパンを作り続けた。
そして現在の人気ぶりは、
皆さんもご存知の通りである。

このように「燃えている人」や
徹底的に追求し続けている人こそが、
多くの人たちの心に火を灯す。

「人よりも高いところに立たなければ、
 人を引き上げることはできない。」
「自分が燃えていなければ、
 人の心に火を灯すことはできない。」

この言葉を反芻してみると、
私もさらに燃えなければ! と熱くなってしまうのだ。

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ユーグレナの出雲充氏

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ブレストの伊東昭典氏

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メゾンカイザーの木村周一郎氏

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選ばれるビジネス

11/30
2015

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中小流マーケティングの極意

私が書店に行く時は、
仕事柄ビジネス書を買うことが多い。
マーケティングを解説した本や、
ビジネスの成功例を紹介した本などだ。

ところが、書店にあるようなビジネス書の多くは
大手企業向けの内容であり、
日本企業の99%ほど(?)を占める
中小企業には合わない内容なのだ。

つまり中小企業のマーケティングは別にある。
したがって、書店に並んでいるビジネス書を
中小企業の経営者や関係者が読み、
鵜呑みにすることは避けたほうがいいということだ。

先日のビジ達でご紹介した、
ユニバーサル・サウンドデザイン株式会社が
いい事例を投げかけてくれている。

その代表である中石真一路氏は、
耳の不自由な方(難聴者)のための
設置型スピーカーシステム“コミューン”を開発した。

会社自体は4年目に突入したばかりだが、
販売も順調に進んで収支は黒字となり、
コミューンは多くの人から求められる商品になっている。

中石氏曰く、中小企業の商品は必要な機能をしっかりつけて、
その効果を最大限に発揮するデザインに
仕上げることが大切だというのだ。

確かに、コミューンはグッドデザイン賞も獲得した
独特の形をしている。
流線型の美しいデザインを作るには
手間もコストもかかるのだが、
本来の機能を発揮するにはこの形がいいとして、
妥協しなかったという。

そして当然コストがかかるということは、
プライスもそれを受けた価格帯となってくる。
コミューンは20万円程度ということだが、
一見高い価格帯に思われるようだ。

しかし開発への投資とビジネスとしての今後を考えると、
必然性ある設定といえる。
ところが“買う側”の論理で語られるマーケティングでは、
この価格帯では売れないと位置づけられてしまうのだ。

他にも中小企業流のマーケティングで
成功したところと言えば、
少し前にビジ達でご紹介した株式会社ブレストだ。

ここはプラスチックごみの油化装置を製造しているのだが、
代表の伊東昭典氏流の考え方で
まずはコンパクトな装置に着目した。

大勢の人々にブレストの油化装置を知ってもらい、
理解してもらうところから
始めた方がいいのでは…と考えたからだ。
そこで、小型装置の開発となったわけなのだ。

それが成功して、世界規模での販売や
問い合わせに至ったという。
この発想も、業界の大手企業や
專門家の人たちにはなかったものだ。

どちらの会社も社員規模が10人程度であるが、
上手くいったそのポイントを5つ挙げてみよう。

1.大きな市場より狭い市場
2.一般的、平均的を考えない
3.消費者におもねらない、正統な価格設定
4.限られた流通でいい
5.本物にこだわる

こうして見てみると、
中小企業が成功するためのマーケティングは、
大企業をターゲットにしたものとはかなり違うことがわかる。

好きな人や理解してくれる人が買ってくれればいい、
くらいの考えでいることや、
徹底的に質や技術にこだわり抜くことが大切なのだ。

こうした発想こそが、「カンブリア宮殿」や
「ガイアの夜明け」などの
テレビ番組でも注目される中小企業に見られる共通点である。

さて、この中小企業のマーケティング論はいかがだろうか。
これからの時代は、
このマーケティング論が主流になるかも!?

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グッドデザイン賞を受賞したコミューン

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コミューンを作り上げた中石真一路氏

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株式会社ブレストの伊東昭典氏

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選ばれるビジネス

11/09
2015

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「天狼院書店」のポテンシャル

立地が悪いうえに、場所もわかりにくい。
そして、書店としては、
決して広くはない店舗スペースで展開されている。
それにもかかわらず、なぜこの書店は、
多くのメディアに取り上げられているのか。

池袋駅で電車を降りて、地図を頼りに進んでいくのだが…
なぜかその本屋にたどり着けない
(道を間違えたわけではなくて単に道のりが長かったため…)。
それほどの立地なのだ。目的の天狼院書店は、
なんと予想だにしない2階に入り口の扉があった。
広さ15坪程度!? のその店舗は、所狭しと本が並び、
カフェになっている趣のある内装。
この小さな書店が、どうしたらそんなに話題に? と言いたくなる。

実は、天狼院書店には、“天狼院秘本”や“天狼院BOX”と呼ばれるしかけがある。
天狼院秘本とは、店が選んだ1種類の本のタイトルを伏せて販売する方法。
テーマによって、店員が主観で選択した至極の一冊で、
お客さんにドキドキを提供するひと工夫が独特な演出だ。
最近だと、あの糸井重里氏が選んだ“糸井重里秘本”が
1,600冊を売り上げたという
(あの小さな店舗での販売で、
1タイトルだけでの売り上げだからさらにすごい! )。
彼の著名性や、影響力、天狼院書店の話題性が
ここまでの売り上げをたたき出したのだから
ビジネスとしては大成功だろう。

また、天狼院BOXとは、書店の一定利用額を購入したお客さまが
その人流のセレクションにより
オリジナルBOXづくりをして販売をする方法だ。
本好きのお客さまによる参加型の売場づくりと言えよう。

天狼院書店のおもしろいしかけは、
これだけに留まらない。
例えば、“部活”。実際にその道のプロを講師として招き、
技術などを直接レクチャーしてもらうことができる。
その種類は数多く、フォト部をはじめ、
雑誌編集部、英語部、落語部、デザイン部、映画部…など
数えるときりがない。
こうしたプロを招聘するイベントは他にも文化祭と銘打って開催されている。

これらのユニークな展開は、天狼院書店のコンセプトが、
「本を通した体験」を提供することだからなのだ。
このところ本屋産業は厳しい状況が続いているが、
天狼院書店のように、本屋という場をハブとして、
様々な人やスキルを発信していくことはできる。

天狼院書店がみせている展開は、ちょっとした一工夫で、
1冊の本の魅力をより深く、おもしろく伝えている。
それは、本来本を読む人の多くが、本を読むという行為ではなく、
本を通じて得られる知識やスキルの取得を目的としているからだ。
これこそ、本屋が生き残る核となるポイントということ。
だからこそ、開店から2年ほどしか経過していない天狼院書店が
今年9月に福岡と表参道に連続出店を果たすことができたのだろう。

こうしたビジネス展開、工夫の仕方は、
業績が振るわない他の業界においても応用が利く。
だからこそ、天狼院書店のポテンシャルは、
すべてのビジネスに対して、成功するヒントとなるのだろう。


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まさかの2階!? 天狼院書店の入り口

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趣あるカフェでもある店内

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これが天狼院BOX

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天狼院秘本の包装

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選ばれるビジネス

10/05
2015

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ピンを知っての追求

まず、湯飲みを4つ用意し、1つに熱湯を注ぐ。
次に、その湯を他の湯のみに1つずつ注ぎ変え、
湯冷ましにする(目安は湯飲みを手で持ち続けられる温度)。
そして、できた湯冷ましを
10グラムの茶葉が入った急須に注ぎ、きっかり1分20秒。
温めておいた湯のみへ最後の1滴まで注ぐ。
すると… えっこれがお茶?
甘~くて丸~い味が口の中に広がるのだ。

これは、京都に行った際に
一保堂茶舗にてレクチャーされた、
100グラムで1万円という
最高級玉露「天下一」の淹れ方だ。

このようなひと手間かけて
淹れた玉露を一口飲んでみる。

すると、いままで味わったことのない
苦味のないまろやかな味わいが広がり、
目からウロコの状態だった
(いままで飲んでいたお茶は何だったのか…)。

ここでふと思い浮かんだのは
「ピンからキリまで」という言葉。
“ピンキリ”なんてよく聞くが、
これは「最大から最小まで(最高から最低まで)」
という意味がある。
それに例えるなら、
この玉露はまさに“ピンのお茶”といえるだろう。

このように、“ピン”を知ることは、
同時にその他のさまざまなものを知ることにつながる。
“ピンのお茶”を知ることで
今までのお茶のレベルを知ることができるし、
逆に“ピンのお茶”を知らなければ
お茶について語ることはできないのだ。

さて、この“ピンキリ”というハナシは
ビジネスにも同じことが言える。
私は経営デザイナーとして様々な企業を訪ね、
経営者の話を聞いているが、
やはり多くの人たちから選ばれる
素晴らしい企業は存在する。
すなわち、一流企業であり、
“ピンの企 業”ということだ。

例えば、ビジ達でも何度も紹介している大里綜合管理。
会社の規模や売り上げよりも地域貢献や、
社員や組織の成長に重きを置き、
実質的な成長を目指している。

また、世界からも視察者が訪れる
産業廃棄物処理の石坂産業。
これまでの考えや常識にとらわれず、
その在り方を追求し、
常に新しい取り組みを発信し続けている。

これら以外にも私の知っているだけでも
“ピン企業”と呼べる企業は存在する。
そして、このような経営者とのやりとりを続ける中で、
自分の会社をポジショニングすることができるのだ。

つまり、「ピンを知ることで己を知る」ということ。
自分の足やメディアを使い、
“ピンの現場”を見て・聞いて・体感する。

そうすることで、自社の現状の立ち位置を知り、
次なる高みを追求する指標となるのだ
(逆に言えば、“ピン”を知らなければ
自身の次なる成長を推し量ることは難しいだろう)。

先に紹介したように、普段何気なく飲んでいるお茶をとっても、
“ピンキリ”の実感は大きい。
企業やビジネスならばもっと実感できるだろう。

ビジネスの“ピン”を知り、
自身の成長につなげることこそ、
多くの人から選ばれる“ピン企業”への道となるのだ。

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“ピン”のお茶を体験!

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淹れ方にも作法と手順がある

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適温で淹れる!

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香りも色もすばらしい

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ビジネスにも通じる“ピンキリ”

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選ばれるビジネス

09/14
2015

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“タテの経営”のすすめ

「隣の芝生は青い」と言われるように、
他人のものは良く見えるもの。
それは普段の生活だけでなく、
ビジネスにも言えることだ。

近隣の企業の売上が伸びているとか、
同業者が新しいシステムを導入したとか、
気にしすぎてはいないだろうか?

同業者で集まって情報交換をしていても、
ビジネスとして高め合うというより、
傷の舐め合いのようなことになってはいないだろうか?

本当にこんなことで仕事はうまく行くのだろうか。
もちろん、これではいい経営はできない。

いくら“ヨコ”を気にして
ビジネスをしていても上手くいかないのだ。
そこで、このビジ達で“選ばれるビジネス”として
紹介してきた企業を思い出してもらいたい。

例えば、大里綜合管理株式会社。
ここは不動産業を中心に事業展開する企業ではあるが、
地域貢献に重きを置き、
清掃活動や周辺住民との交流を活発に行っている。

そして、地域のために会社を大きく変えた例といえば、
石坂産業株式会社だ。
産業廃棄物を扱う事業のために
周辺住民からの風当たりも強かったのだが、
処理場をすべて建家で覆い、
その周辺には里山をつくり、
それまでのイメージを一新させたのだ。

そして「自分が泊まりたいホテル」を作り上げ、
外国人観光客から絶大な人気を誇る“庭のホテル東京”。
水道橋という立地にありながらも、
外国の方々にも受け入れられやすい和風と
ワールドスタンダードの両立が高く評価されている。

これらの企業は業界の常識に縛られることなく、
自分たちなりの価値観や理念を貫いた。

私はこれら企業の経営を、先述のヨコと比較して、
“タテの経営”と呼んでいる。
周りを気にしない自己流であり、
理念をしっかり考えた企業展開の経営のことだ。

これらの経営者は、自分の代のことだけでなく、
これまでとその先の代のこと、
すなわち“タテ”を意識した経営をしている。

過去200、300年前の先人たちからの学びを活かし、
現代の環境に合わせたものだ。
この“タテの経営”は“奥行のある経営”とも言えるだろう。
そして、30年先、50年先を見据えた経営を行っているのだ。

今や消費者も企業のことをよく見ている。
安く売ることだけ、儲けのことだけを考えた
刹那的な“ヨコの経営”は、
もはや消費者の価値観に合わない。

社会貢献や企業理念を明確に持ち、
過去と未来を見通した経営、
ヨコを気にしない“タテの経営”が、
選ばれる企業に成りうるのだ。

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図解! これが“タテの経営”だ!

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大里綜合管理の野老代表

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石坂産業の石坂社長

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庭のホテル東京 木下社長

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