これからの選ばれるビジネス!

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選ばれるビジネス

07/21
2015

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「劇団わらび座」の存在理由

秋田県・仙北(せんぼく)市で活動する「劇団わらび座」。
1951年に東京で発足したこの劇団は、
今年でなんと65年目を迎えるそうだ
(私より前に誕生している)。

演劇ビジネスとして、65年は素晴らしい!
実は数年で東京から秋田へ移り、劇場を設立。
しかしなぜ東京で発足したにもかかわらず、
秋田県の田舎へと拠点を移したのだろうか?

「地域文化というものは、大きな力を秘めている。
その地域力を活かしながら、
自分たちのクリエイティブで新しく表現すること。
それこそ新たなコミュニティの創造となるのではないか…」
と語ってくれたのは、1年前に「劇団わらび座」の
社長になられた山川龍巳氏。

文化や四季、そして里山にこそ
日本らしい可能性があるのだという志を胸に、
秋田県で劇場を続けられてきたそうだ。

やはり驚くべきは、
長きにわたり秋田で続いてきた劇団の歴史だ。
多くの人がこの劇団に存在理由を見つけているからこそ、
これだけ長い歴史を持つことができたのではないだろうか。

私が劇団と聞いて思い浮かべるのは
「劇団四季」や「宝塚歌劇団」だが、
「劇団わらび座」はこういった大手の劇団とは
一線を画した展開をしている。

その一線を画した展開こそ、
“地域力を活かす”ということ。

例えば、修学旅行や教育旅行でこの地を訪れる
若い人々を対象とした展開にも力を入れている。

具体的には、旅行を通じて演劇鑑賞を楽しみ、
そして秋田の里山ならではの
農作業体験をするという取り組みだ。

そこでは本格的な稲刈りや、
3世帯家族の中で一緒に食事をするという
貴重な体験も用意されている。

よく農家の人が口にする、
「伸びる力は、種もみの中にある」という言葉がある。
この言葉は、私たちに置き換えることもできるはずだ。

伸びる可能性や力を持っているのだからこそ、
きっかけとなる環境さえ整えられていれば、
人も育っていくはず。

人を育める環境を提供するからこそ、
「劇団わらび座」には存在理由があるのだろう。

「地方の農家に農業体験に行く」。
これだけの理由で遠い地方を訪れるのは、
なかなかハードルが高いかもしれない。

しかし「劇団わらび座」では、
宿泊をしながら観劇を楽しみ、
農業体験を学ぶことができる。

結果としてそれは、
人々が集まる理由をたくさん提供しているということになる。

これからの日本が大切にするべきものとして、
私は“里山”をテーマによく話をしているが、
重要なのはこの地域力を活かすことなのかもしれない!

実はNBC(ニュービジネス協議会)の仲間に
「劇団わらび座」がいることも知っていたのだが、
実際に山川社長のお話を伺って、
改めて65年続く理由を深く理解できた。
さて、いつ秋田に行こうかな!?

劇団の枠を超え、一つのコミュニティであり続ける
「劇団わらび座」の社長・山川龍巳氏が登場!
7/26・8/2放送の『BUSINESS LAB.』をお聴き逃しなく!

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InterFM『BUSINESS LAB.』
東京76.1MHz・横浜76.5MHz
毎週日曜 朝6時から好評放送中!

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地域力を活かす「劇団わらび座」の山川社長!

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06/29
2015

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キャンティ・クラシコの地で「スーパートスカーナ」との出会い

イタリア政府が“美味しいワイン”
として原産地認定している、
「キャンティ・クラシコ」のことは
知っている方も多いことだろう。

では、それ以上に美味しさを求めた
「スーパートスカーナ」をご存知だろうか。

今回のイタリア研修のテーマは
「ワイナリー」と「アグリツーリズム」。
観光地としてのイメージが強いイタリアだが、
ワイン生産量は世界第1位。

また、都心から1時間以上離れれば、
立派な農業大国としての顔も見えてくる
(国内人口と観光客の多さを考えれば当然ともいえるが…)。

そこで今回、故郷イタリアでアグリツーリズムに挑戦する
イタリアンシェフ・カルミネ氏の施設に宿泊し、
トスカーナ地方のワイナリーを含め、農業体験をしてきたのだ。

その中で印象深かったのが、
冒頭でも触れた「スーパートスカーナ」との出会い。
カルミネ氏の友人のワイナリーを訪問した際に
試飲させていただいたのだが、
これが本当に美味しいのだ(思わず1本買ってしまった!)。

イタリアではワインに格付けをしており、
国からのお墨付きをもらった「キャンティ・クラシコ」は
歴史と格式ある上位認定ワインとして人気も高い。

しかし、それをも凌ぎ1970年(?)ごろから
一大ブームにもなったのが
「スーパートスカーナ」と呼ばれるワインだという。

この2つのワインは、材料・製造プロセスともに全く異なる。
「キャンティ・クラシコ」は、
キャンティ地区において使用するブドウの品種のみならず、
その使用比率や醸造期間が細かく規定されている。

一方の「スーパートスカーナ」は、
このような規定に縛られず、
最高のワインをつくることを目的とし、
自由な発想・独自の醸造方法でつくられ、
かつ味が上質なワインのことを指す。

そのため、規定外のワインということで
「キャンティ・クラシコ」のように認定はされないものの、
その素晴らしい味は瞬く間に
世界中で認められるようになったという。

つまり、「スーパートスカーナ」の美味しさは、
“美味しいワイン”を裏付けるための認定に甘えるのではなく、
先人たちによる革新から生まれたものだということ。

うんうん、この挑戦し続ける姿勢は、
ワインづくりに限らず、
ビジネスにおいても常に必要なことだろう。
それがあってこそ「革新」につながるからだ。

イタリアの地で
「スーパートスカーナ」と出会えただけでなく、
その美味しさの真髄からビジネスにおける
大切なことを再確認できたのはうれしい。

ビジネスもワインも、現状に甘んずるのではなく、
“挑戦し続けること”が
更なるステージに進むための必須条件ということだろう!

先日、購入した「スーパートスカーナ」を飲んでみたら、
やっぱり美味しい。
さすが“スーパー”が付くだけのことがある
(ところで、スーパーマーケットに何で
“スーパー”が付くんだろう…?)。
なんにせよ、もっと買っておけばよかったなぁ…。

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“スーパー”美味しいトスカーナ!

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試飲で分かる本当の美味しさ

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ビジネスもワインも“挑戦”が大切

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06/22
2015

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“切腹最中”が売れる理由

「伝統は革新の連続である」。
この言葉を初めて聞いたのは、
思い返せば10数年前…。

虎屋の17代目である
黒川光博氏が語っていた言葉だ。
480年も続く老舗店の言葉だからこそ、
なんだか重みがあるねぇ。

そして今回、「切腹最中」でおなじみ、
新正堂の3代目・渡辺仁久氏も
「革新をしていかなければ!」と語ってくれた。

新正堂は大正元年創業の
老舗和菓子店であるが、渡辺氏は婿養子。

自分が来たからには、
何か新しい風を吹かせたいと思ったそうだ。
しかし伝統ある老舗店で、
そう簡単には革新を図れない。

そんな中、試行錯誤の末に
「切腹最中」という商品を誕生させた。

今では多くの人に愛される菓子となった
「切腹最中」は、切腹の名の通り、
開いた皮から溢れる餡子が特徴的だ。

開発当初は“切腹”というネーミングに、
周囲は猛反対!(確かにびっくりしそうだが…)

さらに周辺に勤める人々に
「切腹最中」への意見をアンケートしたところ、
119人中118人が反対する結果になったそうだ。
しかし賛同者がたった一人だとしても、
その声に支えられて革新を成し得たのだから面白い!

もともと職人ではなかった渡辺氏だが、
おおよそ菓子に似つかわしくない商品名や
パッケージの変更に加え、
次第に餡子の炊き方や作り方も変えていく。

職人ならば伝統を守ることを
何より大切にするのかもしれないが
(実際に時間をかけて職人たちを説得したという)、
この世界に飛び込んできた渡辺氏は、
より良い伝統の存続のため、
チャレンジすることを諦めなかったのだ。

革新を取り入れることの大切さはもちろんだが、
ビジネスをマクロ的視点から見たとき、
やはりチャレンジし続ける姿にこそ成功は芽吹く。

もちろん渡辺氏が革新のために行ったことは、
「切腹最中」の開発だけではない。

数多くのチャレンジを経たからこそ
(実は「切腹最中」以外にも多くの試作品があった)、
人気商品として売り続けるところまで到達できたのだ。

くり返し挑むことで、
時代のビジネスを察知できる。
ん!? この言葉、どこかで聞いたことがあるでしょう。
思い出してくれましたか?
そう、“中島流エコーロケーション戦略”だ!

何かを発信すると、
そのぶんレスポンスが返ってくる。
その反応があるからこそ、
次なるチャレンジの糧にすることができる。

渡辺さんは、それを実践してくれていたということなのだ。

何度かご紹介している
“相乗効果は行動の二乗に比例する”
という法則も、まさにこの話にあてはまる!

どんな結果が待ち受けていようとも、
チャレンジする姿勢を貫いたことが、
「切腹最中」が売れ続ける理由なのだろう。

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一度は食べてほしい「切腹最中!」

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チャレンジ精神に富んだ渡辺氏

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これがエコーロケーション戦略だ!

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06/15
2015

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常識を覆すイノベーションが起きる理由

「修正した事業計画書は、
 新潟県のどんな旅館の稼働率・客単価率を
 当てはめても実現しないでしょう」

雑誌『自遊人』の編集長である
岩佐十良(いわさ・とおる)氏が、
旅館業を始めるために、古い旅館の
改修工事を進めていたときのこと。

融資を求めた銀行へ
修正した事業計画書を提出した際、
こんなことを言われたという。

岩佐氏は、新潟県の南魚沼市を活動拠点として、
旅やスローライフから見えてくる価値観を
様々なメディアを通して発信している。

冒頭の出来事は、先日読んだ
『里山を創生する「デザイン的思考」』
(岩佐十良著)に書かれていたもの。

移転後、地元の旅館が閉館することをきっかけに、
新たなチャレンジとして旅館の経営を決めたという。

だが、魚沼は人気観光地の軽井沢と違い、
集客が弱いとされていたため、
周囲からは宿の成功は
あり得ないだろうと言われていた。

それでも岩佐氏はなんとか
銀行の融資を受けることに成功。
しかし、今度はかさむ改修費のために
再度融資を相談したところ、
支援を断られてしまったという。

そんな様々な困難に遭いながらも
なんとか開業したのが、
「里山十帖」だ(私も宿泊してきた!)。

客室12部屋という規模だが、
旅館を取り巻く自然環境や泉質、
食文化などに対する岩佐氏のこだわりが
随所に感じられる旅館だ。

じわじわとその良さが伝わり、
わずか3ヶ月で客室稼働率90%を実現。

このように、
周囲から無理だと思われていたビジネスでも、
経営のセンスや情熱で成功につなげるケースは多くある。

ビジ達でも紹介している
企業を例にとってみよう。

長野県東御市にある
「ヴィラデストガーデンファームアンドワイナリー」。

オーナーである玉村豊男氏は、
20数年前にワイン用のぶどうの木を植え、
その後ワイナリーづくりを構想したが、
コンサルタントや同業の人たちからは、
無理だと言われていた。

しかし、開業してから10年を過ぎた現在、
全国から年間4万人もの人が訪れるほどの
人気観光地になっているという。

つまり、
一見困難に見える条件や状況であっても、
経営者のセンスや情熱によって
克服することができるということ。

従来の価値観に囚われない
発想と挑戦こそ、イノベーション(新たな価値)
を生み出し、成功へと導いたのだろう。

いまの時代、
生活者の求めるものもシフトして、
“本当に良いものを求める価値観”が
実践されつつあると思えるのだ。

だとすれば、
これまでの常識にとらわれず、
経営者のセンスや情熱をうまく機能させれば、
成功の可能性は高いはずだろう。

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こちらが気になる岩佐氏の本!

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困難を乗り越えた岩佐氏の強い情熱

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「里山十帖」は是非おすすめしたい

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う~ん、雪景色も素敵!

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06/08
2015

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「ニキ、ニキ、ニキ、ニキ、二木の菓子」

「ニキ、ニキ、ニキ、ニキ、二木の菓子!」

初代林家三平師匠が早口で言う、こんなフレーズ。
お菓子の量り売りで有名な、
菓子問屋「二木の菓子」(株式会社二木)のかつてのCMだ。
先日、そんな「二木の菓子」がとある商品の
販売に取り組む様子がテレビ番組で紹介されていた。

番組内で取り上げられたお菓子は、
福島県の菓子メーカー「おくや」の「十種ミックス」。

原材料に会津産ピーナッツを
使用しているだけでなく、
風味を損なわないよう
殻を手剥きしてから加工するなどの
強いこだわりが込められている。

それを伝えるために「二木の菓子」では
販売する際にPOPを活用。

「こんなに良い商品が、
風評被害で売れないのはもったいない!!!」
というキャッチコピーと共に、
こだわりポイントを書いてアピールしたところ、
飛ぶように売れたという
(先日、私もアメ横に出向いたときに、
その「十種ミックス」を買ってきたわけだが…)。

「二木の菓子」では、
地方の中小メーカーがつくる無名のお菓子も多く販売している
(もちろん、メジャーなお菓子もある)。
この“地方のお菓子”の売り上げは、
全体の売り上げの多くを占めるそうだ。
なぜそこまで無名のお菓子にこだわるのだろうか。

その背景には、現代を反映している流通問題がある。
たとえば、チェーン展開している
スーパーやコンビニエンスストアでは、
販売される商品の種類は当然限られたものとなる。

そのため、選ばれるのは
大量に納品できる商品となるわけだから、
自ずとメジャーブランドになってしまう。

結果、手作業などのこだわりを持つ
中小企業のお菓子の参入が難しく、
なかなか販売流通に乗れないということだ
(こうやって中小企業は
事業の継続が難しくなっちゃうんだよね~)。

だからこそ、「二木の菓子」では
あえて地方のお菓子にスポットを当てているという。
これにより、同じ商品によるチェーン店との価格競争を避け、
適正価格で販売することができるそうだ。

ここに、「二木の菓子」のビジネスモデルが見える。
あえて地方のお菓子にスポットを当てることで、
その味・品質の良さを多くの人にアピール。

それにより、
「二木の菓子」の売り上げになるのはもちろん、
中小メーカーにとって、
大手流通に頼らない販路を生み出すことにもつながるのだ。

この中小企業との協力関係を活かした二木のビジネスも、
現代の課題を解決する
“ソリューション(解決)ビジネス”といえるだろう。

チェーン展開により、
いつでもどこでも物が手に入ることが
当たり前になりつつある現代。

そんな今だからこそ、買う側も、
これからの未来に意味のある
ビジネスを展開する企業かどうかを見極め、
購入することが求められるだろう。

何を選んで買うか。
これも、生活者による社会貢献の一つとなるのだ。

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あのフレーズが流れてきそうだ

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お菓子でソリューションビジネス!

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珍しいお菓子との出会い

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POP演出に惹かれる!

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大量生産できなくとも選ばれ続ける!

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こだわりのお菓子はコンビニには無い!?

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う~んおいしい

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