これからの選ばれるビジネス!

これからの選ばれるビジネス!中島セイジのビジネスの達人

HOME

ビジネスの達人

選ばれるビジネス

06/01
2015

biji (1)

「選択と集中」が選ばれる

目的意識を持たず、まんべんなく行動すると、
明確な目標にたどりつきにくくなってしまう。

その結果は、ビジネスでは特に顕著に現れる。
以前ここでもお話した、アメリカで「Small Giants」と
称されるある中小企業の話。

その企業は、10州以上にまたがって幅広く
ビジネスをしていたのだが、
このままではいいサービスができないと
力を入れるポイントを3州に絞り、
その他の州のお客様をライバル会社に譲ったという。

それによって力を入れた州のお客様の満足度が高まり、
より多くの人々から注目が集まるようになったという。

これはアメリカに限った話ではない。
日本でも私の知るところの企業では、
あのフォルクスワーゲン社ビートルの
オリジナルパーツを製造販売する
株式会社フラットフォーがその例だろう。

あのカブトムシ型と呼ばれるビートルに特化し、
その関連商品だけを取り扱ったことで、
世界から注文が殺到する会社となったのだ。

一見すると偏って見える力の入れ方が、
特徴というノウハウを持ったオンリー企業となり、
多くのお客様から指名される企業。

このことは、会社だけではなく、個人にも当てはまる。
最近よく耳にする「ワークライフバランス」という言葉。

まんべんなく働き、プライベートな時間も
充実して過ごすということは、
当然生きるうえでは悪いことではない。
しかし、ある業界で働くプロフェッショナルとしての
視点で考えると、それではいい仕事はできないし、
選ばれる人にはなれない。

その道で選ばれる存在になるためには、
限られた時間をどう“アンバランス”に
使っていくかが鍵になるのだ。
自分の知識やノウハウ、スキルを
徹底的に向上させるなら、
普通の時間の使い方では突出した成長は期待できない。
時には、寝る間も惜しんで自分磨きに勤しみ、
プロフェッショナルとして高みを目指していかなくてはならないのだ
(これをやっとかないとある程度年齢を重ねてから大変だからね~)。

こうした考え方は、中小企業も一緒。
中小企業のほとんどは、大規模経営でないため、
世間的にまんべんなく大きな影響を与えることは難しいからだ。

では、その中で選ばれるには
どうしたらいいのだろうか。
先ほどのフラットフォー同様にキーワードは
“選択と集中”なのだ。

あの中里スプリング製作所は、
「町工場」という小規模経営に徹することで、
バネづくりに注力した。
そして全国各地のメーカーにとって欠かせない役割を果たす企業としての
存在理由を手に入れたのだ。

石坂産業も同様だろう。「産業廃棄物の処理」という
広い事業範囲ではあるが、そのリサイクル率に注力し、
地域からも喜ばれる企業として存在することに焦点を絞った。
すると多くの視察者が訪れる企業となったという。

どのポイントに絞り、その技術力と人材を集中させるか。
これは経営者の決断ということだろう。

biji (1)

フラットフォーの小森社長

biji (4)

中里スプリング製作所の中里社長

biji (3)

石坂産業の石坂社長

ページTOPへ
選ばれるビジネス

05/25
2015

biji (1)

伊藤信幸社長の“発酵するビジネス”

ここに、未来の自分の映像が見られる道具
“未来Pad”があるとしよう。
(しばらくは実現しないだろうけど…。)

もしも株式会社ホットマンの社長である伊藤信幸氏が、
35年前に“未来Pad”を見たとしたら…。
現在のホットマンの様子に、
それはそれは驚くことだろう!

いまやホットマンはジャスダックに上場し、
メガフランチャイジーとして110店舗以上、
従業員も1,000人を超えている。

35年前のホットマンは、仙台で数店舗を展開する、
若者に人気のカー用品店だった。

それも、車高を落としたクルマづくり、
大きな音の出るマフラーの販売、
小さなハンドルにワイドタイヤなど…
改造を手助けするようなカー用品販売会社だったのだ。

そんな中、イエローハットの創業者の鍵山秀三郎氏から
フランチャイジーの誘いを受けたという伊藤氏。

当時の若者向けのカー用品事業が
警察の指導を受けたこともあり、
品揃えや社員教育の改善を行い
メジャーブランド化の道を選んだ。

この出来事をきっかけに、
鍵山相談役から徹底した掃除や
人への思いやりの心を学んだという。

その姿勢が現在のビジネスに生かされているのかもしれない。
車のオイルやタイヤの交換は時間がかかる。
しかしホットマンはお客様の待ち時間の有効活用を考え、
100円ショップやツタヤと契約した。
お客様の立場で考え、
ワンストップで様々なことが出来るよう展開しているのだ!

35年前の伊藤氏は、
まさかここまで大きな会社になるとは
予想していなかっただろう。

前述したように、
現在のホットマンはメガフランチャイジーとして全国展開し、
1,000人以上の従業員を抱えているのだ。

数年先を見据えて決断し、
その目標に向けて行動を集約することを
繰り返してきた結果だ!

その意識が見事に反映されているのが
ジャスダック上場だろうか。
伊藤氏は2011年の東日本大震災をきっかけに上場を決意し、
その計画通りに2014年に上場を果たした。

私は伊藤社長のビジネス展開を
“発酵していくビジネス”と名付けた。
少しずつ要素を取り入れ発酵して、
次なる姿に変化していくということだ。

ブランド展開や人間関係、
鍵山相談役から学んだ掃除などを取り込み、
社員教育やビジネスに活かしていく。

そしてさらに、
そのビジネスが新たな交流の中で発酵、
熟成していくということ。

先を見据えた決断、行動、それらによる次なる発酵へ…。
このような“発酵していくビジネス”こそが、
時代と共に進化し続けられる理由となるのではないだろうか?
それが、中島流の結論だ!

──────────────────────
伊藤社長のお話しを『BUSINESS LAB.』で!
5/31&6/7放送♪お聴き逃しなく!
InterFM『BUSINESS LAB.』
東京76.1MHz・横浜76.5MHz
毎週日曜 朝6時から好評放送中!
──────────────────────

biji (1)

『BUSINESS LAB.』でご一緒に

biji (2)

どんな未来が見えるのか

ページTOPへ
選ばれるビジネス

04/20
2015

biji (3)

「リンガーハット」が選ばれる理由

う~ん、美味しそう!
リンガーハットの看板を見ると、
今日はちゃんぽんにしようか! という気持ちになってくる。
実は私、十数年前からリンガーハットをときどき訪れ、
あのちゃんぽんを食べている。
いや、もっと前からだったかも?

5、6年前は390円だった長崎ちゃんぽん。
(多分そうだった記憶が…。)
安いのにしっかりと美味しく、
手頃なランチとしてよく食べていたものだ。

ところが先日のビジ達でも触れた通り、
2009年から急に値上がってしまった。
何度かの価格変更の末、
いまや長崎ちゃんぽんはその当時から30%~40%の料金アップ、
240円もアップしたのだ。
(野菜たっぷりちゃんぽんは730円だから、340円ものアップとなった)
しかし声を大にして言いたいのは、
これだけ値段が上がっても繁盛しているということ。

売上は7ヶ月連続で前年比を上回り、
2015年2月の決算では営業利益20億円を突破!
500店舗以上を展開するリンガーハットでは最高水準だろう。
ハンバーガー店や牛丼店などのチェーン店で不振が続く中、
リンガーハットは選ばれる会社になっている。

その理由は、野菜国産化!
食の安心安全と健康を明確に打ち出しているからだ。
聞くところによると、リンガーハットの会長兼CEOが、
今から8年くらい前に業界団体の長を務めていた頃、
全国の農業産地を回る機会があったという。
各地で新鮮な野菜をたくさん試食したのだが、
これがとても美味しかった。

そこから「材料は安全で美味しい国産だ! そういう時代がくるぞ!」
なんて社内会議があったんじゃないかな?
(これは私の推測なんだけど…。)
そして、CEOがここで「すべて国産のものを使おう!」
と決断したようなのだ。

試行錯誤はあっただろうし、
大胆な決断となったのは間違いないだろう。
それでもしっかりと、時代に合った決断となったわけだ。
2009年から現在までにすべての野菜、餃子の皮までも
国産のものに変えていった。
おいしくて安全、健康にも良い商品を提供することにしたのだ。

そんな真摯な取り組みを行った結果は、前述の通り。
材料の国産化で当然のようにコストは高くなり、
そのぶん値段にも反映された。
それでもお客様はリンガーハットを選び続けている。

その背景には、価値観や安心・安全を
重視するようになったという
時代の変化が存在している。
私の持論“パラダイムシフト75”では、
まさに今は様々なことが転換する時。
すなわちリンガーハットの決断は、
その時代の流れに合致していたのだ。

もはや価格だけにこだわる時代ではない。
安心や安全、健康が重視されることはもちろん、
商品の質、会社の姿勢をお客様は見ている。
リンガーハットの真摯さと、
安心でおいしいものを提供するという
姿勢を多くの人が選んだのだ。

さて、みなさんの業界では、何が変化の基準となるのか。
しっかりと考えて決断する時なのだろう。

biji (1)

麺増量無料なんだ!

biji (2)

お、おいしそう~!

biji (3)

輝く国産野菜

ページTOPへ
選ばれるビジネス

04/13
2015

biji (1)

寺田本家の“発酵道”が選ばれる

1975年ごろの日本の飲みニケーションといえばビールか日本酒。
その頃の日本酒の販売数量はピークだったという。
しかし、色々なお酒が登場し、
選択肢が増えたことで、その数は減少。
現在ではかつての1/3にまで落ち込んでいるそうだ
(その頃の私はビール派だったような記憶が…)。

そんな斜陽ともいえる日本酒業界において、
右肩上がりの業績を残している酒造がある。
それが、“発酵道”を追及する寺田本家だ。

ここでは、徹底した自然酒造りを目指しており、
つくり手の都合で菌を入れない自然醸造を実践している。
そうして様々な菌同士による
自然な“発酵”で生み出された「自然酒」は、
売り切れ続出になるほど人気だという。

そんな現在の寺田本家をつくり上げたのが、
23代目当主であった寺田啓佐氏(3年前に急逝)。
寺田氏は、かつてはお金を稼ぐために機械や添加物に頼った
効率的な日本酒づくりをしていた。

しかし、日本酒の売れ行きに陰りが出始めると、
業績悪化で廃業寸前にまで追い込まれてしまった。
すると、社内環境も悪化し、ストレスからか、
自身も病気を患ってしまったという。

この病気を機に気づいた“境地”が
“発酵”という考え方だという。
これまでの目先の利益ばかりを考えた酒づくりは、
結果として“腐敗”につながっていたのだ。

そこで、発酵することで日本酒が美味しくなっていくように、
“発酵”をテーマに、
さまざまな取り組みをしていくことを決断したという。

このように、業界の流れに逆らい(アゲインスト)、
信念を持って困難な道を選んで高みを目指す決断を
中島流では“アゲインストが決断”と呼んでいる。

まさに、このときの寺田氏の決断は、
アゲインストな決断だったといえるだろう
(こんな決断がないと
その先へは行けないのかもしれない)。

現在の寺田本家では、24代目当主が先代の
“発酵道”を受け継ぎ、本来の自然酒づくりにこだわって
あえて非効率な酒づくりを実践しているという。

こうして、今では全国から
酒蔵を見学する人たちが絶えないほど、
多くの人から選ばれる酒造になったのだ。

これまでお会いしてきた経営者の方々でも、
多くの人から選ばれるビジネスを展開している方は、
あえて厳しい道を決断してきた人が多い。
だからこそ、次代に選ばれる存在へと成長できたのだろう。

目先の利益を追い求めない、
寺田氏の決断があったからこそ、
現代に“発酵道”は受け継がれている。
ビジネスにおいて、困難なときにこそ、
アゲインストな決断が成功への鍵となるのだ。


──────────────────────
次代に選ばれる“発酵道”を発信する
寺田本家24代目当主・寺田優氏が登場!
4/19&4/26放送の『BUSINESS LAB.』をお聴き逃しなく!

InterFM『BUSINESS LAB.』
東京76.1MHz・横浜76.5MHz
毎週日曜 朝6時から好評放送中!
──────────────────────

biji (1)

ラジオで“発酵道”を発信!

biji (2)

Mr.セイージも酒蔵を見学

biji (3)

あえての非効率が選ばれる!

biji (4)

お酒も人も良い“発酵”を…

ページTOPへ
選ばれるビジネス

03/31
2015

__

石坂典子流 “三角コーン力学”

工事現場などで見かける三角コーン。
私はその形から発想した“三角コーン力学”を
提唱してきたが、証明をしてくれる企業がまた1つ現れた。
以前ビジ達でもご紹介した産廃処理会社、
石坂産業株式会社である。

ここで“三角コーン力学”をざっとおさらいしよう。
三角コーンの大きな口部分を上に向けていれば、
当然多くの雨が降り注ぐ。
そしてその雨は、先端部分に集まってくるのだ。
すなわち、より広いところ(=外部)で発信することによって、
狭い部分(=社内など)にその効果が現れるということ。

これこそが“三角コーン力学”!

現在、石坂産業では産廃処理会社としては
異例の現場見学会を行っている。
地域住民や子どもたち、他企業の視察も含め、
なんと月の見学者数は500人以上だという。

こうした見学者たちに、実際に現場を見てもらうことで
石坂産業の取り組みを発信し、
結果として社内のやる気を刺激し、
活性化につなげる=“三角コーン力学”を
作用させているのだ。

この他にも、石坂産業では自社の取り組みを
積極的に外部へ発信している。
たとえば、地元住民への配慮として、
処理施設を建屋で覆い、ホコリ・騒音を漏らさないよう
細心の注意を払っていること。

さらには持ちこまれる産業廃棄物の
リサイクルに取り組み、平均して
95%の減量化・再資源化率を実現していること!

他にもまだまだあるが、
こうした多くの取り組みによって石坂産業が
「おもてなし経営企業」に選出されたことはご存知の通り。
そして、外部の評価の高まりとともに、
社内のやる気もアップしていったのだとか。

素晴らしい取り組みを発信し続けたことで
社員が会社に誇りを持ち、
会社に相応しい仕事をしようと意欲を持つ。
つまり、帰属意識が高まったことで
会社全体の結束力・実行力が大きく向上したのだ。

メディアへの積極的な出演、本の出版などによって、
地域のための活動を積極的に発信している石坂産業。
会社を「見える化」して認知度を上げたことで
“三角コーン力学”を作用させた、
素晴らしい一例と言えるだろう。

石坂社長の素晴らしい取り組みをご紹介する
『BUSINESS LAB/』は4/5と4/12、日曜日の朝6:00から放送予定!
この機会にぜひ、石坂典子流
“三角コーン力学”を聴いていただきたい。

__

__

ページTOPへ

BACKNUMBER

ページTOPへ