これからの選ばれるビジネス!

これからの選ばれるビジネス!中島セイジのビジネスの達人

HOME

ビジネスの達人

選ばれるビジネス

04/13
2015

biji (1)

寺田本家の“発酵道”が選ばれる

1975年ごろの日本の飲みニケーションといえばビールか日本酒。
その頃の日本酒の販売数量はピークだったという。
しかし、色々なお酒が登場し、
選択肢が増えたことで、その数は減少。
現在ではかつての1/3にまで落ち込んでいるそうだ
(その頃の私はビール派だったような記憶が…)。

そんな斜陽ともいえる日本酒業界において、
右肩上がりの業績を残している酒造がある。
それが、“発酵道”を追及する寺田本家だ。

ここでは、徹底した自然酒造りを目指しており、
つくり手の都合で菌を入れない自然醸造を実践している。
そうして様々な菌同士による
自然な“発酵”で生み出された「自然酒」は、
売り切れ続出になるほど人気だという。

そんな現在の寺田本家をつくり上げたのが、
23代目当主であった寺田啓佐氏(3年前に急逝)。
寺田氏は、かつてはお金を稼ぐために機械や添加物に頼った
効率的な日本酒づくりをしていた。

しかし、日本酒の売れ行きに陰りが出始めると、
業績悪化で廃業寸前にまで追い込まれてしまった。
すると、社内環境も悪化し、ストレスからか、
自身も病気を患ってしまったという。

この病気を機に気づいた“境地”が
“発酵”という考え方だという。
これまでの目先の利益ばかりを考えた酒づくりは、
結果として“腐敗”につながっていたのだ。

そこで、発酵することで日本酒が美味しくなっていくように、
“発酵”をテーマに、
さまざまな取り組みをしていくことを決断したという。

このように、業界の流れに逆らい(アゲインスト)、
信念を持って困難な道を選んで高みを目指す決断を
中島流では“アゲインストが決断”と呼んでいる。

まさに、このときの寺田氏の決断は、
アゲインストな決断だったといえるだろう
(こんな決断がないと
その先へは行けないのかもしれない)。

現在の寺田本家では、24代目当主が先代の
“発酵道”を受け継ぎ、本来の自然酒づくりにこだわって
あえて非効率な酒づくりを実践しているという。

こうして、今では全国から
酒蔵を見学する人たちが絶えないほど、
多くの人から選ばれる酒造になったのだ。

これまでお会いしてきた経営者の方々でも、
多くの人から選ばれるビジネスを展開している方は、
あえて厳しい道を決断してきた人が多い。
だからこそ、次代に選ばれる存在へと成長できたのだろう。

目先の利益を追い求めない、
寺田氏の決断があったからこそ、
現代に“発酵道”は受け継がれている。
ビジネスにおいて、困難なときにこそ、
アゲインストな決断が成功への鍵となるのだ。


──────────────────────
次代に選ばれる“発酵道”を発信する
寺田本家24代目当主・寺田優氏が登場!
4/19&4/26放送の『BUSINESS LAB.』をお聴き逃しなく!

InterFM『BUSINESS LAB.』
東京76.1MHz・横浜76.5MHz
毎週日曜 朝6時から好評放送中!
──────────────────────

biji (1)

ラジオで“発酵道”を発信!

biji (2)

Mr.セイージも酒蔵を見学

biji (3)

あえての非効率が選ばれる!

biji (4)

お酒も人も良い“発酵”を…

ページTOPへ
選ばれるビジネス

03/31
2015

__

石坂典子流 “三角コーン力学”

工事現場などで見かける三角コーン。
私はその形から発想した“三角コーン力学”を
提唱してきたが、証明をしてくれる企業がまた1つ現れた。
以前ビジ達でもご紹介した産廃処理会社、
石坂産業株式会社である。

ここで“三角コーン力学”をざっとおさらいしよう。
三角コーンの大きな口部分を上に向けていれば、
当然多くの雨が降り注ぐ。
そしてその雨は、先端部分に集まってくるのだ。
すなわち、より広いところ(=外部)で発信することによって、
狭い部分(=社内など)にその効果が現れるということ。

これこそが“三角コーン力学”!

現在、石坂産業では産廃処理会社としては
異例の現場見学会を行っている。
地域住民や子どもたち、他企業の視察も含め、
なんと月の見学者数は500人以上だという。

こうした見学者たちに、実際に現場を見てもらうことで
石坂産業の取り組みを発信し、
結果として社内のやる気を刺激し、
活性化につなげる=“三角コーン力学”を
作用させているのだ。

この他にも、石坂産業では自社の取り組みを
積極的に外部へ発信している。
たとえば、地元住民への配慮として、
処理施設を建屋で覆い、ホコリ・騒音を漏らさないよう
細心の注意を払っていること。

さらには持ちこまれる産業廃棄物の
リサイクルに取り組み、平均して
95%の減量化・再資源化率を実現していること!

他にもまだまだあるが、
こうした多くの取り組みによって石坂産業が
「おもてなし経営企業」に選出されたことはご存知の通り。
そして、外部の評価の高まりとともに、
社内のやる気もアップしていったのだとか。

素晴らしい取り組みを発信し続けたことで
社員が会社に誇りを持ち、
会社に相応しい仕事をしようと意欲を持つ。
つまり、帰属意識が高まったことで
会社全体の結束力・実行力が大きく向上したのだ。

メディアへの積極的な出演、本の出版などによって、
地域のための活動を積極的に発信している石坂産業。
会社を「見える化」して認知度を上げたことで
“三角コーン力学”を作用させた、
素晴らしい一例と言えるだろう。

石坂社長の素晴らしい取り組みをご紹介する
『BUSINESS LAB/』は4/5と4/12、日曜日の朝6:00から放送予定!
この機会にぜひ、石坂典子流
“三角コーン力学”を聴いていただきたい。

__

__

ページTOPへ
選ばれるビジネス

03/23
2015

biji1

意味ある仕事、good jobへ

戦後70年、ビジネスは
どのように変化してきたのか…。

先日、千代田区役所で開催されていた
「東京大空襲展」に行って来た。
私はそこで、戦後から現在までの社会背景を
ビジネスに重ね合わせながら観覧したのだ。

その展示で、これまで見たことも無いほどの
当時を語る写真を見ることができた。

私はそこで、この厳しい環境を強いられた終戦から
現在まで“仕事”というものの目的が
どう変化してしまったのか考えてみた。

第1ステージにあたる戦後は、
まさに「食べるための仕事」。
誰もが知っている“ギブミーチョコレート”の時代だ。

写真には、戦争で夫を亡くした女性たちが、
単純作業の内職を行っていたり、
浅草の仲見世が闇市となっている光景が写し出されていた。

第2ステージは、三種の神器が求められていた時代。
すなわち、「いい生活のための仕事」ということだ。

苦しい戦後を乗り切り、食うに困らなく
なってきたステージと言っていいだろう。
“巨人、大鵬、卵焼き”の時代。
経済活動は勢いを増し、バブルに向かっていくのだ。

そして、“負の経済”を引きおこした
第3ステージの「儲けるための仕事」の時代。

この時代は、中島流“負の経済ドレス理論”で
説明していることだが、様々な問題(格差やストレスによる弊害)が
浮き彫りになって来た。食べものや身の回りの物はすでに充実しているのだが、
“もっともっと”となり、より儲けることに執着する。
そのため、格差は拡大、地方は疲弊し、
人の精神バランスまでおかしくなってくるのだ。

こうした限りあるエネルギーを消費するようなことは、
今はよくても長い将来にまで続けてはいけない。

そして今、次なるステージに移ろうとしている。
そのステージでは“社会に意味ある仕事”を求められているのだ。

もうすでにその兆候は表れている。
たとえば、ユーグレナの出雲社長がバングラデシュの
栄養問題を解決するために目をつけたミドリムシビジネス。
使われていない耕作放棄地を有効活用する
マイファームの西辻社長のビジネス。

また、ロボット技術を駆使して、
介護や医療の問題を解決しようとしているビジネス。
サイバーダインの山海社長。

そして、長野県のグリーンファームのように、
地域の高齢者の方々に活力を与える場を提供するビジネス。

これからのビジネスは、それ自体が社会の課題を解決し、
その先にいる人々(世の中)を良くしていく仕事。

まさに「益はなきとも、意味はある」仕事なのだ。
そんなグッドジョブこそ、次の時代の選ばれる仕事ではないだろうか。

biji1

戦後の日本

biji2

戦後の食糧事情

biji3

終戦の報せ

biji4

ギブミーチョコレート

ページTOPへ
選ばれるビジネス

03/02
2015

biji (1)

玉村流“里山ビジネス論”

「タザワヴィンヤード メルロー」

ん~おいしい!

「ヴィニュロンズリザーブ メルロー」

これもおいし~い!


通信販売で購入した2本のワイン。
どちらも1本5000円代という価格ながら、
非常においしいワインだった。

これを作っているのは、長野県東御市にある
「ヴィラデストガーデンファームアンドワイナリー」。

ワイナリーだけでなく、
自家栽培の野菜やハーブを使った
メニューが人気のカフェレストランや、
自家製ジャムなどが手に入るショップなども併設されている。

このワイナリーのオーナーは、
ビジ達でも紹介している
『里山ビジネス』の著者・玉村豊男氏。

隠遁生活が目的で始めたぶどうづくりは、
木を植えてから20年、
ワイナリーとして開業して10年になるそうだが、
いまや全国から年間4万人もの人が訪れるほどの
人気観光地になっているという
(3月から営業再開ということで、ぜひ行きたい)。

そんな玉村氏曰く、自らが追求する“里山ビジネス”は、
「小さな農業を行いながら、小さな観光の対象として、
小さな独立王国をつくること」だという。

つまり、広大な農地を前提とした農業ではなく、
地域だけで循環するに適した規模の農業を行い、
それを追求することで、
地域の活性化にもつなげようというものだ。

無理をしない経営は品質の向上につながり、
それを求めて地域だけではなく
遠方からもお客さまが訪れるようになる。

そして、そこでお客さまが楽しんだり、
癒されたりすることが、地域の人たちに勇気を与え、
経済的・人間的な活性化につながるのだという。

また、玉村氏が次なるチャレンジとしているのが
「千曲川ワインバレー構想」だ。

就農希望の若者などに向けたこのプロジェクトは、
気候や土壌がワイン用ぶどう栽培に適している千曲川流域に、
ブドウ畑やワイナリーを集積させ、
ノウハウを伝授するというもの
(玉村さんのこのチャレンジは、
どう見ても隠遁生活とは言えないような気が…)。

ワイナリーが増えていくことで、
そこは多くの人が集まる場となり、
その技術は受け継がれていく。

地域活性化だけでなく、一過的ではない、
永続的な地域ビジネスへと成長するということのようだ。

おいしいワインを作るのに数十年を要すように、
「里山ビジネス」は、その真価が表れるのに時間が必要かもしれない。
しかし、一時的な利益を得るビジネスと違い、
地域と芯でつながっているビジネスは廃れることがない。

玉村氏は今年で70歳になるというが、
「20年前に植えたブドウは、
数十年後にはさらにおいしいワインぶどうに実るだろう」と、
ワイン作りへの情熱は高まる一方だ。

地域の人と築いていく“玉村流里山ビジネス”は、
そのビジネスモデルと共に受け継がれていくのだろう。



──────────────────────
ワインから見えてくるこれからのビジネスモデルとは?
『里山ビジネス』の著書・玉村豊男氏が登場!
3/8&3/15放送の『BUSINESS LAB.』をお聴き逃しなく!

InterFM『BUSINESS LAB.』
東京76.1MHz・横浜76.5MHz
毎週日曜 朝6時から好評放送中!
──────────────────────


biji (1)

ラジオにも登場!

biji (2)

ん~おいし~い!

biji (3)

次なる挑戦も注目したい!

ページTOPへ
選ばれるビジネス

02/09
2015

biji (1)

世間が育ててくれる“仕事旅行社”

探偵になる旅、占い師になる旅、旅館の仲居になる旅、
ご当地キャラになる旅(着ぐるみを着るのだろうか)。

一度は「なりたい」と思った職業を体験できるなら…。
そんな願いを叶えてくれるのは、
ビジ達でも以前ご紹介させてもらった「仕事旅行」だ。

「仕事旅行」とは、“旅”と称して
さまざまな職場(仕事)を体験できるサービス。
つい先日、このコンセプトで事業展開を行う、
仕事旅行社の田中翼社長とお話をする機会があった。

最近では、多くのメディアに
取り上げられるようになった影響で、
多くの人々の認知につながっている
(仕事旅行を体験する人は、
今や月に300人以上なのだとか!)。

じわじわと認知が進む中で、このところ企業から
研修で活用したいという依頼が増えたそうだ。
さらに「我々の仕事をぜひ体験してもらいたい」と、
地方自治体から逆オファーが届きはじめたという。

つまり、お客様であり、関係者が寄り添って
“新しい仕事旅行”のカタチを
作りあげてくれているということ。

いや~これはすごい!
通常の流れなら、仕事旅行社側が
企業や地方自治体に提案するというもの。
しかし、お客様のほうからさまざまな提案をしてくれる。

一体なぜだろう?
その答えはズバリ、仕事旅行社は
社会にとって必要であり、求められる存在だから。

お客様が次なる要望を伝えたくなるほど、
思わず協力したくなるほど、本当にユニークで画期的で、
潜在的に望まれていたビジネスなのだろう。

関連する事業でいえば、
以前ビジ達でもご紹介した
ミドリムシで有名なユーグレナや、
産直市場グリーンファーム、そしてパン・アキモト。

いずれも社会や地域にとって必要であったり、
社会性のあるビジネスモデルだ。
だからこそ多くの人たちに
興味を持ってもらうことに成功し、協力してもらえる。

もちろん仕事旅行も社会的意義があったからこそ、
世間が育ててくれているのだろう
(改めて実感することができた!)。

そのユニークさで人から注目され、
長く続けられるビジネス。
そのヒントは、まだまだたくさんあるはずだ。

そんな仕事旅行社の田中社長のお話は、
InterFMにて2月15日(日)朝6時から放送の
『BUSINESS LAB.』でオンエア! お楽しみに!

biji (1)

田中社長のユニークなお話は要チェック

biji (2)

仕事旅行の“旅”とは?

biji (3)

ガイドも素敵な仕様で安心

ページTOPへ

BACKNUMBER

ページTOPへ