これからの選ばれるビジネス!

これからの選ばれるビジネス!中島セイジのビジネスの達人

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選ばれるビジネス

03/23
2015

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意味ある仕事、good jobへ

戦後70年、ビジネスは
どのように変化してきたのか…。

先日、千代田区役所で開催されていた
「東京大空襲展」に行って来た。
私はそこで、戦後から現在までの社会背景を
ビジネスに重ね合わせながら観覧したのだ。

その展示で、これまで見たことも無いほどの
当時を語る写真を見ることができた。

私はそこで、この厳しい環境を強いられた終戦から
現在まで“仕事”というものの目的が
どう変化してしまったのか考えてみた。

第1ステージにあたる戦後は、
まさに「食べるための仕事」。
誰もが知っている“ギブミーチョコレート”の時代だ。

写真には、戦争で夫を亡くした女性たちが、
単純作業の内職を行っていたり、
浅草の仲見世が闇市となっている光景が写し出されていた。

第2ステージは、三種の神器が求められていた時代。
すなわち、「いい生活のための仕事」ということだ。

苦しい戦後を乗り切り、食うに困らなく
なってきたステージと言っていいだろう。
“巨人、大鵬、卵焼き”の時代。
経済活動は勢いを増し、バブルに向かっていくのだ。

そして、“負の経済”を引きおこした
第3ステージの「儲けるための仕事」の時代。

この時代は、中島流“負の経済ドレス理論”で
説明していることだが、様々な問題(格差やストレスによる弊害)が
浮き彫りになって来た。食べものや身の回りの物はすでに充実しているのだが、
“もっともっと”となり、より儲けることに執着する。
そのため、格差は拡大、地方は疲弊し、
人の精神バランスまでおかしくなってくるのだ。

こうした限りあるエネルギーを消費するようなことは、
今はよくても長い将来にまで続けてはいけない。

そして今、次なるステージに移ろうとしている。
そのステージでは“社会に意味ある仕事”を求められているのだ。

もうすでにその兆候は表れている。
たとえば、ユーグレナの出雲社長がバングラデシュの
栄養問題を解決するために目をつけたミドリムシビジネス。
使われていない耕作放棄地を有効活用する
マイファームの西辻社長のビジネス。

また、ロボット技術を駆使して、
介護や医療の問題を解決しようとしているビジネス。
サイバーダインの山海社長。

そして、長野県のグリーンファームのように、
地域の高齢者の方々に活力を与える場を提供するビジネス。

これからのビジネスは、それ自体が社会の課題を解決し、
その先にいる人々(世の中)を良くしていく仕事。

まさに「益はなきとも、意味はある」仕事なのだ。
そんなグッドジョブこそ、次の時代の選ばれる仕事ではないだろうか。

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戦後の日本

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戦後の食糧事情

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終戦の報せ

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ギブミーチョコレート

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03/02
2015

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玉村流“里山ビジネス論”

「タザワヴィンヤード メルロー」

ん~おいしい!

「ヴィニュロンズリザーブ メルロー」

これもおいし~い!


通信販売で購入した2本のワイン。
どちらも1本5000円代という価格ながら、
非常においしいワインだった。

これを作っているのは、長野県東御市にある
「ヴィラデストガーデンファームアンドワイナリー」。

ワイナリーだけでなく、
自家栽培の野菜やハーブを使った
メニューが人気のカフェレストランや、
自家製ジャムなどが手に入るショップなども併設されている。

このワイナリーのオーナーは、
ビジ達でも紹介している
『里山ビジネス』の著者・玉村豊男氏。

隠遁生活が目的で始めたぶどうづくりは、
木を植えてから20年、
ワイナリーとして開業して10年になるそうだが、
いまや全国から年間4万人もの人が訪れるほどの
人気観光地になっているという
(3月から営業再開ということで、ぜひ行きたい)。

そんな玉村氏曰く、自らが追求する“里山ビジネス”は、
「小さな農業を行いながら、小さな観光の対象として、
小さな独立王国をつくること」だという。

つまり、広大な農地を前提とした農業ではなく、
地域だけで循環するに適した規模の農業を行い、
それを追求することで、
地域の活性化にもつなげようというものだ。

無理をしない経営は品質の向上につながり、
それを求めて地域だけではなく
遠方からもお客さまが訪れるようになる。

そして、そこでお客さまが楽しんだり、
癒されたりすることが、地域の人たちに勇気を与え、
経済的・人間的な活性化につながるのだという。

また、玉村氏が次なるチャレンジとしているのが
「千曲川ワインバレー構想」だ。

就農希望の若者などに向けたこのプロジェクトは、
気候や土壌がワイン用ぶどう栽培に適している千曲川流域に、
ブドウ畑やワイナリーを集積させ、
ノウハウを伝授するというもの
(玉村さんのこのチャレンジは、
どう見ても隠遁生活とは言えないような気が…)。

ワイナリーが増えていくことで、
そこは多くの人が集まる場となり、
その技術は受け継がれていく。

地域活性化だけでなく、一過的ではない、
永続的な地域ビジネスへと成長するということのようだ。

おいしいワインを作るのに数十年を要すように、
「里山ビジネス」は、その真価が表れるのに時間が必要かもしれない。
しかし、一時的な利益を得るビジネスと違い、
地域と芯でつながっているビジネスは廃れることがない。

玉村氏は今年で70歳になるというが、
「20年前に植えたブドウは、
数十年後にはさらにおいしいワインぶどうに実るだろう」と、
ワイン作りへの情熱は高まる一方だ。

地域の人と築いていく“玉村流里山ビジネス”は、
そのビジネスモデルと共に受け継がれていくのだろう。



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ワインから見えてくるこれからのビジネスモデルとは?
『里山ビジネス』の著書・玉村豊男氏が登場!
3/8&3/15放送の『BUSINESS LAB.』をお聴き逃しなく!

InterFM『BUSINESS LAB.』
東京76.1MHz・横浜76.5MHz
毎週日曜 朝6時から好評放送中!
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ラジオにも登場!

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ん~おいし~い!

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次なる挑戦も注目したい!

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02/09
2015

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世間が育ててくれる“仕事旅行社”

探偵になる旅、占い師になる旅、旅館の仲居になる旅、
ご当地キャラになる旅(着ぐるみを着るのだろうか)。

一度は「なりたい」と思った職業を体験できるなら…。
そんな願いを叶えてくれるのは、
ビジ達でも以前ご紹介させてもらった「仕事旅行」だ。

「仕事旅行」とは、“旅”と称して
さまざまな職場(仕事)を体験できるサービス。
つい先日、このコンセプトで事業展開を行う、
仕事旅行社の田中翼社長とお話をする機会があった。

最近では、多くのメディアに
取り上げられるようになった影響で、
多くの人々の認知につながっている
(仕事旅行を体験する人は、
今や月に300人以上なのだとか!)。

じわじわと認知が進む中で、このところ企業から
研修で活用したいという依頼が増えたそうだ。
さらに「我々の仕事をぜひ体験してもらいたい」と、
地方自治体から逆オファーが届きはじめたという。

つまり、お客様であり、関係者が寄り添って
“新しい仕事旅行”のカタチを
作りあげてくれているということ。

いや~これはすごい!
通常の流れなら、仕事旅行社側が
企業や地方自治体に提案するというもの。
しかし、お客様のほうからさまざまな提案をしてくれる。

一体なぜだろう?
その答えはズバリ、仕事旅行社は
社会にとって必要であり、求められる存在だから。

お客様が次なる要望を伝えたくなるほど、
思わず協力したくなるほど、本当にユニークで画期的で、
潜在的に望まれていたビジネスなのだろう。

関連する事業でいえば、
以前ビジ達でもご紹介した
ミドリムシで有名なユーグレナや、
産直市場グリーンファーム、そしてパン・アキモト。

いずれも社会や地域にとって必要であったり、
社会性のあるビジネスモデルだ。
だからこそ多くの人たちに
興味を持ってもらうことに成功し、協力してもらえる。

もちろん仕事旅行も社会的意義があったからこそ、
世間が育ててくれているのだろう
(改めて実感することができた!)。

そのユニークさで人から注目され、
長く続けられるビジネス。
そのヒントは、まだまだたくさんあるはずだ。

そんな仕事旅行社の田中社長のお話は、
InterFMにて2月15日(日)朝6時から放送の
『BUSINESS LAB.』でオンエア! お楽しみに!

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田中社長のユニークなお話は要チェック

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仕事旅行の“旅”とは?

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ガイドも素敵な仕様で安心

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02/02
2015

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「里山ビジネス」&「里山ツーリズム」

最近はどこに行っても、
「里山」がキーワードになっている。

今回はその中でも、
「里山ビジネス」と「里山ツーリズム」という
2つの取り組み事例をご紹介しよう。

1つ目は「里山ビジネス」の事例。

普段は、人との触れ合いが希薄になりがちなIT企業。
しかし、田んぼや畑を借りて、
仕事の一環として農業を取り込むことで
本来の人間らしい感覚を取り戻したそうだ。
ビジネス面でも相乗効果を得たという。

また、ある酒造メーカーやパン屋さんは、
その地域の周辺農家で収穫された
野菜をいっしょに販売することで、
地域貢献をしながらビジネスに結び付けているのだ。

2つ目は「里山ツーリズム」の事例。

アグリツーリズムをご存知だろうか。
繁忙期に数日間から1ヶ月ほど、
農業体験をしながら農家を手伝う。
その代わり、そこで生産された作物を
いただく活動のことだ。

また、子どもたちが農家に泊まりながら
農業体験をすることで教育の一環にもなり、
農業を知るきっかけにもなる。

企業として、ある地域農家と契約して
里山ツーリズムを実践することも可能なのだ。

ある企業では、里山を一個人の生活だけでなく、
ビジネスに落とし込んでいる。

その企業は、無農薬の米や野菜などを
紹介する記事を載せていた、ライフスタイル誌の出版社。

雑誌を作っていく中で、実際に自分たちでも
美味しい米づくりを体験しようと、
南魚沼に田んぼを持ち、米作りを行ったのだ。

その苦労や大変さを実体験したことは、
その後の雑誌づくりに活かされている。
そしてついには、南魚沼で旅館までもを
経営するようになったという。

つまりこれからは、ビジネスに
里山を取り込んでいくことが重要!

では、どのようにして取り込むのか。

私がおすすめしているのは、
“行きつけの里山”をつくることだ。

週に1回、月に1回でも、
農業体験や、農家のお手伝いをしてみる。

里山を飾り物にせず、
ライフスタイルにしっかり取り込むことで、
行き過ぎた経済効率の歯止めとなるのだ。

とにかく、これから先のビジネスに
里山が選ばれていくことは間違いない。
里山をビジネスに取り込み、
収益に関わる相乗効果を起こすことが、
カギとなるだろう。

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南魚沼の旅館での里山メニュー

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南魚沼産のおいしいお米

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選ばれるビジネス

01/05
2015

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“やりたいこと”の仕事旅行

「この仕事は面白いですか?」と私が問いかけると、
「好きでやり始めた仕事ですから、楽しいですよ」。

そんな風に語ってくれたのは、
今話題の「仕事旅行」で事業展開をしている田中翼社長だ。

「仕事旅行」とは、株式会社仕事旅行社が提供する、
“旅”と称してさまざまな職場(仕事)を
体験できるサービスのこと。

用意されている旅の内容は、
機会がなければなかなか体験できないようなものばかり。
メンタルトレーナーになる旅、探偵になる旅、
作詞家になる旅…(神主になる旅まであったのはびっくり)。
こんなに幅広い職を体験できることは、
仕事旅行の最大の魅力なんだろうねぇ。

仕事旅行が誕生したきっかけは、
田中社長がサラリーマンだった頃にさかのぼる。
ひょんなことから、ある会社を見学する機会があったそうだ。

そこには、自分がこれまで“仕事”に対して
抱いていた価値観とは違う世界が広がっていた。
自分がやりたい仕事に生き生きと
取り組む人たちの姿を見て感動してしまったという。

考えてみると多くの人たちが、
生活のために仕事を選んでしまっている状況だ。

だが、どうせなら好きなことを仕事にしてみたい!
本当は自分もいろいろと職業体験してみたい!

そんな思いから、「転職を考えている人」や
「やりたいことをするために悩んでいる人」の
きっかけ作りとなる「仕事旅行」に行き着いたという。

うーん、すばらしいアイデアをカタチにする
この行動力に拍手したい!

このお話を伺いながら、
私の頭の中に強く残ったキーワードは、
やはり“好きだから”。

生活するために妥協していまの職に就いていたのでは、
ストレスも溜まるし、何よりも“やりがい”が少ないだろう。
そんな状態の人に、仕事旅行は
新たなチャレンジをする場を与えてくれるのだ。

定年退職するまでに、人は平均で
40年以上も働くだろう(今後はもっと年月が増えるかも…?)
だからこそ、しっかり働き続けられる理由を
自分で作り出し、選ぶことが大切なのではないか。

ある情報誌には、「仕事旅行」のことを
“大人のキッザニア”と紹介していたという。
わくわくしながら、やってみたかった職業体験ができるのは、
やはり大人でも楽しいものなのだ。

そう、やっぱりビジネスの原点は
「好き」「楽しい」「やりがい」!
そのシンプルな気持ちを忘れないことが、
“選ばれるビジネス”につながっていくのだろう。

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仕事旅行社のハンドブック

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仕事旅行の丁寧な説明

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