これからの選ばれるビジネス!

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選ばれるビジネス

01/20
2014

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モンベルの“好きこそビジネスの上手なれ”

「実は、銀幕デビューしたんですよ」

株式会社モンベルの展示会で、
代表取締役会長 辰野勇(たつのいさむ)氏が
嬉しそうに発した言葉がこれ。

今年6月に公開予定の、家族をテーマにした
映画「春を背負って」に出演したという。
この映画は立山連峰が舞台となっており、
山小屋を中心に人間ドラマが繰り広げられる。

山が舞台の映画とあっては、
登山家としてアイガー北壁登頂の実績のある
辰野氏が嬉しそうに話すのもうなずける。

そんな辰野氏が1975年に設立したモンベルは、
もうすぐ40周年を迎える。

現在こそ「山ガール」といった言葉が
生まれるほど登山への人気が出てきたが、
設立当時はあくまで趣味の世界だった。

そのため、良質な登山用具はあまりなかったそうだ。
そこで辰野氏は自身の経験や知識を活かして、
本当に合理的・機能的に使える
登山用具をつくりたいと思ったという。

ここで辰野氏が大切にしたことは、
「何を作ったら売れるか」ではなく
「自分だったら何が欲しいか」という発想だ。

登山家の自分が便利だと思うこと、
欲しいと思うことは、
他の登山家にも共感してもらえるはず。

そういう思いで作った寝袋は、
多くの人から愛用されており、
現在も定番の人気商品となっているという。

今回のビジ達でも紹介している
株式会社フラットフォー代表の
小森氏と共通するところが多い。

自分が欲しいもの、
あったらいいなあと思うものをつくり続けていたら、
ビジネスになっていたという。

大のビートル愛好家でもある小森氏は、
趣味が高じた仕事だからこそ、
同じ愛好家の心をつかむサービスや
商品を作ることができているのだろう。

まさに“好きこそビジネスの上手なれ”。
始めから戦略的な売り方を考えるのではなく、
まずは「好きだから」「これがやりたいから」で始める。
だからこそ飽きずに続けられるということ。

好きなことを仕事にしているからこそ、
楽しんで仕事ができるし、
良いアイデアが生まれ、
長く人々から求められる。

辰野氏も小森氏もなんとシンプルかつ
根元に迫ったビジネスを
展開していることだろう。

“好きこそビジネスの上手なれ”。
やはりこれこそ“ビジネスの極意”
なのではないだろうか。

そういう私も、好きでこの業界に入り、
好きなプランニングや
コンサルティングをしているのだ。
だから30年以上続けてこれたのかもしれない。

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趣味が高じて映画にも!

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登山好きは必見!?

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今年6月に公開予定!

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01/14
2014

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「里山十帖」のレーゾンデートル

「当館では環境に配慮し、
アメニティは必要最低限で用意しております。
とくにカミソリは難リサイクル商品ですので、
ご自身でお持ちのものをご利用していただくか、
持ち帰って何度か使用していただけたら幸いです」

これは以前ビジ達でも紹介した、
株式会社自遊人が手がける
新潟県南魚沼市の旅館「里山十帖」の
館内案内パンフレットの一文だ
(実はこの正月に1泊体験してきたのだ)。

この旅館は、2012年に「自遊人」の編集者であり
代表の岩佐十良(いわさとおる)氏が、
一軒の宿を引き継ぎ、改装工事を行って
2013年10月にオープンしたものだ。

歴史ある建物の骨組みを活かしたうえで、
デザイナーズ家具や現代アートなどの
モダンな要素を取り入れた空間になっている。

ここで体験できるのは、
徹底された里山十帖のこだわり。

冒頭でも紹介した通り、
いまやほとんどの旅館やホテルに
当たり前にあるアメニティは
必要最低限のもののみ。

私も出張の際は、歯ブラシや歯磨き粉、
カミソリなどは常備しているので問題ないが、
一部の人は驚いてしまうかもしれない。

また、次のような文章も。

「私たちが目指している料理は、
“認定を並べる料理”でもなければ、
“認定を得るための料理”でもありません。
目指しているのは、
力のある食材を感じていただくこと。
そして生産者の想いを
食材から感じていただくこと」

つまり、有機JAS認定などを
得ている野菜だとかではなく、
野菜を作っている人たちの想いを
料理を通じて感じ取ってほしい、ということ。

新潟県の南魚沼産のお米はもちろんのこと、
質にこだわった野菜は
どれをとっても生き生きしている。
私も食を通じて贅沢な時間を過ごすことができた。

さらに気になったのが、この一文。

「当館は「オーガニック」を
重要なテーマのひとつにしています。
そのため、コンビニのお弁当やカップラーメン、
ファストフード等の館内への
お持ち込みはご遠慮いただいております」

必要以上にお客さんにおもねることをせず、
自分たちのこだわりを体験して欲しい
(この価値観へのこだわりの意味を伝えたい!? )
という強い思いを感じた。

ふと、ビジ達で紹介した株式会社フラットフォーの
小森代表の話を思い出した。
好きなモノをつくり、好きな人がそれを買う。

強いこだわりや想いを込めて
作り手が提供するとは、理解ある人にとっては
心地の良い体験になるのだろう
(こんな価値観の人に来てほしいと…)。

これからは“お客さまは神様です”でもなければ、
何でもお客さんに合わせる時代ではない。

自分たちの流儀を貫き通し、
共感できるお客さんに楽しんでもらうことで
生まれるレーゾンデートル(存在意義)。
それこそが、里山十帖の仕事道ということだろう。

これからのビジネスでは、
この“レーゾンデートル”を
しっかり見つけ出すことが重要だ。

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野菜の色から新鮮さが伝わってくる!

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こだわりの一品に舌鼓

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お酒にも一つひとつに思い入れが

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シンプルだけど美味しい

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岩佐氏自らこだわりを紹介!

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01/06
2014

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“新幹線、7分間のワザ”

「新幹線のスピード(300キロ!)ではなく、
車内清掃のスピードに驚いた!」

日本の新幹線に乗った海外の人たちが、
感嘆の声を上げるという車内清掃。

行っているのは、ビジ達でもたびたび紹介している、
株式会社JR東日本テクノハートTESSEIだ。

本来、見下される(?)ことが多い、清掃の仕事。
そんな中、TESSEIの掃除は
「新幹線お掃除の天使たち」と呼ばれ、
多くのお客さまを感動させているのだ。

その仕掛け人となったのは、
TESSEIの“おもてなし創造部長”である矢部輝夫氏。

定年まであと数年という57歳で、
JR東日本からTESSEIに赴任。
静かに定年を待ちたいと思う人が多い中、
矢部氏は違った。

「これまでの40年の鉄道マンとしての
人生がパアになってしまう…。
自分の誇りや想いを持ち続けながら
人生を全うしたい!」と奮起し、
TESSEI内部の大改革をはじめたのだ。

まず矢部氏が行ったのは
「自分の仕事に誇りを持たせる」こと。

新幹線が各駅に停車する時間は12分。
そこから降車時間(2分)と乗車時間(3分)を引いた、
残り7分間(実質的には4分間!)で、
完璧に掃除しなくてはいけない。

どうすればそうできるかを試行錯誤し、
検査官による厳しいチェックもはさむことで
「見せる掃除」を実現。それによって
1人1人に自信と誇りを持たせることができた。

次に「スモールミーティングの実施」。
社員が数百人いる中、各チームごとに
1日1回1分以上のショートタイムミーティングを必ず行い、
意見やアイデアを提案し合った。

社員それぞれに考えさせることで、
中島流にいう組織の血流力
(組織に血を通わせること)をアップさせたのだ。

そして、「JR東日本グループの一員であるという意識づくり」。
駅長と食事をする機会を設けたり、
新幹線の運行をコントロールする
指令室を見学したりすることで、
JR東日本グループの一員であるという誇りを定着させた。

さらに、清掃員の制服も清掃員と感じさせない
洗練されたものに変えたのだ。

こうした小さな改革施策の積み重ねによって、
海外からも視察団がくるような組織へと
成長することができたのだ。

やはり、待っているだけでは何も変わらない。
しっかりした改革の意識を持って
自分から仕掛けていくことが何より大切。
矢部氏の8年に渡る地道な実践が、
大きな改革につながったのだ。

TESSEIに大きな革命をもたらした矢部氏の
詳しいお話が聴けるのは、1/12と1/19の「BUSINESS LAB.」。
2年目を迎え、さらにパワーアップした
「BUSINESS LAB.」をぜひチェックしてもらいたい。

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InterFM『BUSINESS LAB.』
東京76.1MHz・横浜76.5MHz
毎週日曜 朝 6時から好評放送中!
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改革の意識を持ってチャレンジ!

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「見せる掃除」を徹底!

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この働きぶりは素晴らしい!

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12/16
2013

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DAZZLEの存在理由

上質な大人の夜にふさわしい、
憧れの街・銀座
(もちろん私にも似合うのだが…)。

多くの高級レストランが立ち並ぶここ銀座に、
注目の高級(?)イタリアン『DAZZLE』がある。

独創的な店舗デザインに加え、
エントランスで目に飛び込む
オープンキッチンやバーも実にユニークで印象的。

まずはここで一杯のドリンクを楽しみ、
ひとつ上のフロアに昇る。
するとそこには、開放的な空間が広がり、
天井までそびえたつワインセラーが目に飛び込んでくる。

そのワインセラーに見下ろされつつテーブルに着くと、
当然料理への期待も高まるもの。

そして初っぱなの前菜。

…出てきたのは、なんと四角いバットに盛られた(?)
土付きラディッシュだった…。

え、え!? 土が付いたまま皿に盛るわけ?
もちろんそんなはずもなく、
実はその土はパン粉で作られており、
しっかりと味もついているのだ。

そんなDAZZLE流の粋な演出から始まった料理は、
パスタやメインディッシュ、
そしてワインもどれも大変美味しかった
(まぁ、ラディッシュが印象深かったなぁ)。

何より私が感じたことは、
そこで働いているスタッフたちが実にイキイキと働いていて、
細かい気配りやサービスを徹底していたということだ。

ここDAZZLEの生みの親であり、
グループのトップである新川義弘氏。
6年ほど前には、
私どものセミナーに協力してもらったこともある。

今思うと新川社長は、
いつも「オペレーション力」の大切さを語っていた。

インテリアやラディッシュのようなサプライズも
もちろん重要なのだが、
それ以上にお客さまの状況に合致した応対であり、
コミュニケーションなのである。

これを実践できる力がオペレーション力であり、
結果的にその地域に長い間存在できる理由となるのだ。

新川氏曰く、そのオペレーション力を養うために、
従業員たちは営業時間外を使って、
ロールプレイングを実施しているという。

このことが、その地域で長く選ばれる存在理由となり、
結果的にスタッフ一人ひとりが仕事に対して
誇りを持つことにつながるのだ。

『DAZZLE』はこの銀座の地にオープンしてもう8年目だという。
まさに、オペレーション力が
選ばれ続けることにつながることを証明してくれている。
そして、街の人にオペレーション力を認めてもらうことで、
その地に長く存在することができるのだ。

やはり、選ばれ続けるには、
しっかりとした理念やこだわりを持って店を展開すること。
そこにはきちんと存在する“意味”があるのだ。

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DAZZLE流のお・も・て・な・し

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11/25
2013

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『挑めばチャンス、逃げればピンチを実践』

日本の通信ビジネスに革命を起こしたと
言っても過言ではない、株式会社フォーバル。

その創業者である大久保秀夫会長のその当時の
“ブレイクスルー”の話を改めて聴いてきた。

いまや社員数は1,000人を超えるフォーバル。
実は大久保氏と私は、同年代(57~58歳)。
まさに同じ時代に生まれ、
同じ社会を体験してきた。

そして、創業も大久保氏が25歳、私が27歳と近い。
それなのにどこで差がついたのか、
という話は置いて…。

フォーバルがどんな展開により、
ここまでの規模となったのか。
そこには、数々のチャレンジがあった。

まず電話機の自由化にチャレンジ。
国際通話料金の値下げにチャレンジ。

次に市外通話料金の値下げにチャレンジ。
NCC・BOX(いわゆるiラインの自動選択機)を
現・ソフトバンクの孫社長と開発し、
ユーザーに無料で配布したのだ。

そして国際通話料金の値下げにもチャレンジ
(よく次から次へとチャレンジするね~)。

それらのチャレンジでは
当時のDDIの会長だった稲盛和夫氏相手に、
12時間にも及ぶ泥沼交渉を体験したという。

これはまさに、日本のため、
生活者のため、業界のためという
「大義」あるチャレンジだと言えるだろう。

そんな大久保氏の話を聞いていたら、
出光興産の創業者である
出光佐三氏の話を思い出した。

自社が厳しい環境に置かれたとしても
日本のために大義を優先させたという価値観は、
その後も多くの人たちに大きな影響を与えたのだ。

やっぱり大きな、そして大義あるチャレンジは
経営には追い風をつくることに
つながるということだろう。

まさに「挑めばチャンス、逃げればピンチ」
(アサヒビールを再建した
樋口廣太郎氏が語っていた言葉)である。

そして大久保氏率いるフォーバルは、
まさにそれを実践してきたと言えるのだろう。

逃げないで試行錯誤した結果、
新たな発想が生まれ、ノウハウが構築でき、
それによって次なるチャレンジが生まれる。
さらにそこには、関係者同士の信頼関係も生まれるのだ。

多くの人たちの協力を得、
社員たちも自分たちの仕事に誇りを持ったことで、
フォーバルというブランドがより確かなものに
カタチづくられたのではないだろうか。

これからは、儲けるためだけではない。
大義があるかどうか。
「挑めばチャンス、逃げればピンチ」を
実践できるかが大切なのだ。

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大義あるビジネスを!

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逃げずに立ち向かうことでチャンスを得る!

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