これからの選ばれるビジネス!

これからの選ばれるビジネス!中島セイジのビジネスの達人

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選ばれるビジネス

09/02
2013

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「自遊人」の仕事道

「雑誌『自遊人』は知っていますか?」

こう尋ねると、だいたいの人は「あ~、知ってますよ!
コンビニにも置いてありますし」と答える。
私も、買って読んだことはなかったが(岩佐十良さん、すみません)、
その存在はもちろん知っていた。

雑誌『自遊人』の編集・出版をしている株式会社自遊人。
なんと東京・日本橋からオフィスを引っ越し、
新潟・南魚沼で約8年以上制作をしている会社だ。

そこでは、雑誌を制作する傍ら、お米作りを始めたり
インターネットで食品販売を始めたり、
カフェや旅館を始めたりと…、
ここまでくると一体何をしている会社なのかわからない。

一見、脈絡なくビジネスを広げているように感ずるが、
すべては読者のレスポンスに応え、
「本物」を多くの人に伝えたいと考えるがゆえのことだ。

東京から南魚沼に移転した理由のひとつも、
雑誌で紹介した美味しいお米を
読者が買うことができなかったところにある。

「だったらその美味しいお米を作っている場所を調査し、
10軒の農家のお米をまとめて買い、責任を持って販売していこう」
というのが“自遊人的発想”なのだ。

すると、雑誌のレスポンスよりも、
お米を販売した時の方が強いレスポンスが返ってきたという。
その経験が、今のカフェや旅館経営へとつながるのだ。

株式会社自遊人 社長兼編集長の岩佐十良(いわさ・とおる)さん曰く、
雑誌に比べ食品の販売や旅館は、
ダイレクトに生活者とつながり、反響もダイレクトにあるという。

つまり、お米作りや旅館経営も自遊人にとって、
雑誌と同じ「メディア」ということなのだ。

ここで、中島流にまとめるとするならば、
やはり「とことん追求する」「大胆で潔い」ことが重要だということ。

つまり、周りから「え!? そこまでやらなきゃいけないの?」
と言われるくらい、徹底的に追求すること。
また、大胆で潔く決断することが、
新たな気づきにつながり、
新しい時代の次なるステージへと導いてくれるのだ。

これは中島流・選ばれるためのルール“選ばルール7”のうちの
2つ「とことん追求する」「大胆で潔い」であり、
まさに自遊人はこの2つのポイントに当てはまる
(もちろん大前提として、他の5項目もできているけどね~)。

こうしたビジネスへ向かう姿勢は多くの人に伝わり、
必ずや選ばれる側になれる。
いや、逆に言うとここまでやらないと「本物」になれず、
多くの人から選ばれないということだ。

そんな追求心と決断力を持った自遊人 岩佐さんが
9月8日・15日放送のInterFM『BUSINESS LAB.』に登場!
都会で暮らす私たちにはない発想を是非聴いてほしい!

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  InterFM『BUSINESS LAB.』
  東京76.1MHz・横浜76.5MHz
  毎週日曜6時から好評放送中!
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新潟・南魚沼で編集される「自遊人」

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岩佐氏の追求心と決断に注目!

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08/26
2013

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星野リゾートの流儀

ついに星野リゾートが手がけるホテルに泊まって来た!

星野リゾートと私の接点は、
昨年、弊社がお手伝いさせていただいた
イベントのゲストが星野社長だったところから。
その流れから、私がパーソナリティを務める「BUSINESS LAB.」にも
出演していただいて…といった経緯がある。

もちろんお話を聞かせていただくにあたって、
星野リゾートに関する書籍を読んで
勉強させていただいたのだが、その中でも
『星野リゾートの事件簿~なぜ、お客さまはもう一度来てくれたのか~』
が面白かった。

これは一度体験しなくては! ということで、
ついに先日、軽井沢の星野エリアを訪れたのだ。

先ほどの本のサブタイトルにある
「なぜ、お客さまはもう一度来てくれたのか」。
そのヒントになる体験ができたので、ここで紹介していこう。

星野エリアにはオーガニック建築の第一人者
ケンドリック・ケロッグ氏が設計した「石の教会」がある。
石とガラスのアーチが交互に折り重なるような美しいデザインが特徴で、
挙式を上げるカップルが多くいるそうだ。

そんな礼拝堂をバックに写真を撮っていると、
どこからともなくスタッフが現れ、
「お撮りしましょうか?」と声を掛けてくれた。

また、中庭では結婚の披露宴が行われていて、
多くの関係者が新郎新婦を取り囲んでいた。

当然、仕事柄、団体から遠まきにカメラを構えたわけだが…
これまたどこからともなくスタッフが現れ、
「お客さま、プライバシーの問題がありますので、申し訳ありません」
と声を掛けられた。

さらに、ハサミが欲しいと思い、
バンガローからフロントに電話をすると、
わずか2分くらいで「このハサミで、用は足せますでしょうか?」と、
届けてくれたりもした。

このように星野リゾートでは、
次から次へと何かにつけてスタッフたちが
能動的に接触してきてくれるのだ。

そこで、先日お会いした
食の演出家の大久保一彦氏の「接触デザイン」という話を思い出した。
接触デザインとは、お客さまとの接点を
より意味ある機会としてデザインすることが、繁盛のコツだということ。

星野リゾートでは、
まさにこの接触デザインを体現していると感じた。
そしてそれこそが、冒頭で紹介した本のサブタイトル
「なぜお客さまはもう一度来てくれたのか」の答えのように感じる。

料理のおいしさやホテルの雰囲気のよさはもちろんだが、
それだけではないスタッフのチャレンジ精神に満ちた接触の中に、
お客さまの満足を演出し、リピーターをつくり出す理由があるのではないだろうか。

よし、私もまた行こう~!
(お金が貯まったら…)

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素晴らしい対応をしてくれるスタッフ!

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星野さんが演出するおもてなしは素晴らしい!

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行けば納得の満足感!

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石の教会

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お幸せに

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08/12
2013

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常に挑戦者たれ!“しまむらの仕事道”

ある休日の午前10時台。
目当ての店の開店は残念ながら11時。
なれば、ということでその近所にあった
ファッションセンター「しまむら」に寄ってみたときのこと。

ちょっと時間をつぶすために入ったのだが…、
なんと店内はレジに行列をなすほどの大賑わい。
駐車場にもかなりの車が並ぶ。

20年前、しまむらといえば“ダサい”お店の代名詞といわれていた。
おばちゃんやおばあちゃんが
普段着で買いに来るようなイメージがあったのだが、
ここまでの人気店となった秘密は何なのだろうか。

そこにはしまむらの絶え間ない挑戦があった。

1980年代のしまむらは「安さが一番」がテーマ。
地元の主婦や高い年齢層の人たちをターゲットとしたお店だった。

世が進むにつれ「低価格だけではダメだ」という意識が生まれ、
低価格は維持したまま“品質”を重要視した商品を展開していく。
しかし、1990年代になるとユニクロなどの台頭により、
低価格で高品質というのも当たり前になってしまう。

そこで注目したのはファッション性とトレンド。
当時、伊勢丹の社員がフランスやイタリアへ
商品の買い付けに行くのは恒例化していたが、
しまむらの社員も同じ場所に出没していたのだ(すご~い!)。

といっても、買い付けではなく、
よりファッション性の高いものを安くお客さまに提供するために、
トレンド調査も含め、学びに来ていたのだが
(噂によるとだいぶ買い込んでいたそう…)。

さらに、しまむらの挑戦はファッション性やトレンドを意識した商品だけでなく、
その見せ方、ディスプレイにも及ぶ。それまであまり活用しなかった、
マネキンを多く使い、トレンドを意識した服を着せて展示するなど、
ディスプレイに対しても積極的に取り組むようになってきたのだ。

その努力もあり、少し前から10~20代の若者たちによる、
しまむら愛好者(通称しまラー)が登場し、
多くの若者がユニクロやH&Mなどと並んで
“しまむら”も利用するまでに成長を遂げた。

このように、しまむらがここまで成長できたのは、
ライバルを意識しない(?)ようでありながら、
しまむらなりに時代を読み、
新しいことへ挑戦し続けてきたことにある。
それこそが、しまむら流の仕事道なのだろう。

“常に挑戦者たれ!”

多くの生活者のために、常に時代のニーズに応え、
お客さまにとってより良いサービスを追求し続ける姿勢は、
時代を生き残るために見習うべきだろう。

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ダサくないしまむらの挑戦!

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10時台にこの混み様!

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行列ができる成長の秘密とは…?

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08/05
2013

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続 フランク・ロイド・ライトの仕事道

先日、ニューヨーク・シカゴ視察ツアーを共にした仲間で
自由学園明日(みょうにち)館を見学してきた。

池袋にある自由学園明日館は、
羽仁吉一、もと子夫妻が創立した学園だ。
その校舎は、なんと近代建築の巨匠である
フランク・ロイド・ライト(以下FLW)の設計によるもの。

ではなぜFLWは学校の校舎を建設したのだろうか。

当時、FLWは帝国ホテルの建設のため来日していた。
そこで彼の助手を務めていた建築家の
遠藤新(えんどう・あらた)が
夫妻へ紹介したことがきっかけという。
そして、羽仁夫妻の目指す教育理念に深く感銘したFLWは、
設計を快く引き受けたそうだ。

視察ツアーで我々は、ニューヨークのグッゲンハイム美術館や、
シカゴのオークパークの住宅群などのFLWの建築を見学してきた。
そのためか、明日館の外観を一目みただけでも、
FLWらしい仕事ぶりを感じ取ることができた
(私もつい建築を語れる気分に…)。

住宅地の中に突如現れるその建物は、
幾何学的な装飾モチーフを多用し、
高さを抑えて地を這うような構造の
プレーリースタイル(草原様式)が特徴だ。

建物と周囲の環境が一体化しているような
独創的な空間になっているのだ。

その建物の中にも、FLWによってデザインされたテーブルやイス、
照明などが並ぶ。
その洗礼された調度品は、この空間との一体感を演出している。

このFLWの、空間を含めたデザインへのこだわりや、
細部にまで徹底した作りこみは、
彼の仕事への追求心の賜物であろう。

視察で見た彼のどの作品からもその心意気であり、
こだわりを感じることが出来た。

飽くなき追求心で、デザインや細部へのこだわりを
徹底し続ける姿勢。
それがある種のエネルギーとなって作品に宿り、
訪れる人へ発信し続けているのだろう。

これこそが、FLWならではの“仕事道”であり、
彼のどの作品を見ても「これぞFLW!」と思わせる
魅力の源なのかもしれない。

徹底した仕事をすることが、エネルギーを発信し、
そこに関わった人へ伝えることができるということ!

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直線的なデザインが美しい!

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え!この椅子もデザインした!?

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洗練された美しい空間

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家具や窓が一体感を演出している

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この窓もオリジナル!

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FLWの想いが詰まった空間

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07/16
2013

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十勝スイートピアガーデンの集客力

ある日、新聞を読んでいた時のこと。
おっ! 私の出身地・十勝が取り上げられているじゃないの!

う~ん、この場所なんだか見たことがある…と思ったら、
人気お菓子メーカー・柳月が十勝に展開している
「スイートピアガーデン」ではないか!

柳月は北海道・十勝のお菓子メーカーとして、
六花亭と並ぶ地域の人気店だ。
確かなおいしさときめ細やかな接客サービスから、
観光客以上に地元住民に愛され続けている。私も何度も訪れた。

1階が店舗、2~3階が工場、4階が本社オフィスという
構成になっているスイートピアガーデンでは、
買い物だけでなくお菓子づくり体験や工場見学も楽しめる
(おまけにあずき茶が無料で飲み放題なのだ!)。

さらに、レア商品の購入もできる。
柳月の人気商品の1つに、白樺を割った薪のような
バームクーヘン「三方六(さんぽうろく)」がある。

工場ではそのバームクーヘンの切れ端を安く販売しているため、
開店1時間前から大勢の人が並び、
あっという間に売り切れてしまうという。

つまり、すでに相乗効果が発揮される
店舗づくりがされているということ。さすがだ!

スイートピアガーデンは、帯広の市街地を抜けて
車で20分ほど走った場所にあるため立地がいいとは言えないが、
連日大勢のお客さまで賑わっている。
その数なんと、年間60万人(!)だとか。

しかし、柳月のメインターゲットは観光客ではなく、地元住民なのだ。

柳月のお菓子に使われているあずきや小麦粉、
砂糖の原料となるビートに至るまで、
ほとんどが北海道産を生かしている。
まさに“地域に還す”という意識の表れだろう。

材料もさることながら、パティシエたちの
確かな腕前が物語る味も人気の理由だ。
柳月で技術を学び、世界的な賞を受賞した腕前の
パティシエたちも在籍している。

世界に通用する腕を持ちながら、
“地域の人においしいお菓子を食べてもらいたい”という
純粋な気持ちで、アイデアや技術力、
職人技を生かしたお菓子づくりをしている。

この地域と共に、地域のためにという意識が、
地元に多くのファンをつくることに繋がっているのだろう。
やっぱりこれからの時代、末永く選ばれるためには
地域の文化と産物を生かしていかなくては!

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柳月の魅力が存分に楽しめる施設だ

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これこれ! おいしいんだよね~三方六。

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