これからの選ばれるビジネス!

これからの選ばれるビジネス!中島セイジのビジネスの達人

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選ばれるビジネス

07/08
2013

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あのホールフーズが“増収増益”

「ホールフーズが増収増益!」

先日、新聞でこんな記事を発見。
健康をテーマとしたグルメスーパー(?)である、
アメリカのホールフーズが、増収増益したというものだ。

四半期決算で、売り上げ13.3%増、利益20.3%増という数字は、
売り上げ1兆円規模の大手スーパーにおいて
異例の好業績を記録したことになる。

ホールフーズといえば、先のニューヨーク・シカゴツアーで訪問し、
インタビューさせていただいたお店。

ここでは、オーガニック食品を取り扱い、
“全米で最も健康的な食品スーパー”という言葉を掲げ、
300店舗以上も展開している。

先日紹介したトレーダージョーズにしろ、ホールフーズにしろ、
感じたのは他のスーパーマーケットとは
一味も二味も違うということ。

ここで鍵となるのは、
ホールフーズの創業者である現在59歳のジョン・マッキー氏。

思えば、ホールフーズは1980年創立という、
比較的若いスーパーマーケットだ。
それが300店舗を展開するに至るまで
急成長できたのはなぜだろうか。

まずホールフーズは、当時まだそれほど浸透されていなかった
オーガニック食品の専門店として登場する。

それは次第にアメリカで受け入れられ、
マクロビオティックという価値観を広めるのに一役買った。

これを受けて、事業を拡大するため大型の高級グルメスーパーを目指すのだが、
2008年のリーマン・ショックで事態は急変、
苦しい局面を迎えることとなった。

そこで、ジョン・マッキー氏は決断する。
ターゲットを富裕層ではなく、健康志向のより多くの人々とし、
彼らの需要に応えられる工夫をしよう、と。

そして、トレーダージョーズなどでも扱っているような、
1ドル99セントのワインなどの低価格商品も
しっかり扱うようにしたのだ
(これはトレーダージョーズをライバル視?)。

この結果、冒頭にあげたような、
1兆円規模のスーパーでは、いまやなかなか実現できない
大きな利益を上げることにつながったのだろう。

まさに、時代を先読みしたジョン・マッキー氏の
絶妙なタイミングで下した決断が功を奏したのだ。

そんな急成長を遂げたホールフーズは現在、
アメリカの「働きたい会社ベスト100」の上位に位置している。
現地で私がホールフーズのスタッフに
ジョン・マッキー氏について話を聞いたところ、こう答えた。

「私たちは、ジョン・マッキーを尊敬しています。
マッキーも私達を尊敬してくれています」

ジョン・マッキー氏の、時流をとらえ決断する力もすごいが、
経営者とスタッフとの信頼関係も
企業の成長に大きく影響していることが理解できる。

やはり、多くの人達から選ばれるのには、必ず理由があるということだ。

それにしても、こんなに注目される
ホールフーズやトレーダージョーズを
訪問先に選ぶセンスはさすが…と誰かが言ってくれている?


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多くの人に選ばれるヒントが詰まっていた!

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尊敬し合う関係は重要!

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健康も自然も大切にする姿勢が大切

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07/01
2013

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徹底した“おむすび”が選ばれる

手結びにとことんこだわる、おむすび専門店「おむすび権米衛」。
とあるイベントの際にその味を堪能させていただいた。
なんと参加者の中には、一気に7個(!)も食べた輩も。
しかし、その気持ちがわかってしまうくらい確かなおいしさなのだ。

おむすび権米衛を展開する株式会社イワイの
岩井健次社長が胸に抱く志は、
“日本の農業を生かしたおむすびづくり”。

化学肥料を使わずに無農薬でつくったオーガニックな米を、
店頭に並ぶタイミングも頭に入れたうえで精米する。

そして水や温度に至るまで
すべてこだわり抜いて炊いた米を、職人が丹精込めて手で結ぶ。

米の1粒1粒が生きたふんわりとやわらかい食感は、
手結びならではだろう。

首都圏を中心に40店舗を構えるおむすび権米衛だが、
今年ついにニューヨークへ出店した。

日本の文化と価値観を追求し、真剣にものづくりをしていれば、
たとえ場所が海外へ移ったとしてもきちんと通用するということ
(まだ5月に出店したばかりだけど…)。

手間暇を惜しまず、質にこだわった味を提供する。
う~ん、その姿勢どこかで…。

そう、坂本孝社長の「俺のフレンチ」だ!

坂本社長曰く、日本の料理人は繊細かつ確かな味覚、
(“ベロメーター”とおっしゃっていた)
巧みさと実直さを兼ね備えているという。

坂本社長の大志の1つは、日本の料理人を世界へ進出させること。

確かに、海外にも日本料理店はある。

しかし、先日の海外研修でマンハッタンの居酒屋へも行ってみたが、
おむすび権米衛ほど、味へのこだわりは感じられなかった
(おいしくないわけではないけど…)。

やはり日本人なればこその価値観を
打ち出していかなければ、志は伝わらない。

さて、おむすび権米衛と俺のフレンチにおける共通項は、
日本の価値観にこだわる点だけではない。

なんと、両者とも中島流・選ばれるためのルール“選ばルール7”
(久々に登場)に当てはまっているのだ!

1 本物にこだわる
2 手間をかける
3 とことん追求する
4 必要以上のコミュニケーションを図る
5 積小為大の発想
6 大胆で潔い
7 徹底の2乗

上質なものをお客さまに提供するために、
味や技を追求し、手間暇を惜しまない。

これらの一貫した姿勢がお客さまを惹きつけるからこそ、
海外でも選ばれるビジネスとして成り立つのだろう。

坂本社長曰く、日本の料理人は世界遺産!
(確かに日本の料理はズバ抜けている)

これからは、日本人なればこその細やかな技や感性、美意識をもって
日本の価値観を海外に輸出していくことが
求められているのかもしれない。


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おむすびは1つ1つが手結び。

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私もよくいただいている

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細部に至るまでこだわり抜いた味なのだ

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つくり手の顔が見えるおむすび屋

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さて、いっただっきま~す!

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06/17
2013

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トレーダー・ジョーズが選ばれる理由

安い、楽しい、そして納得の品揃え!

ファッションであれ、家電製品の販売であれ、百貨店であれ、
昔から生活者に選ばれている店は、こんなイメージだろう。

そして、食品スーパーでこの路線を行っているのが、
アメリカのトレーダー・ジョーズだ。

もちろん先日の海外研修では、
マネージャーにインタビューもしてしっかりと視察してきた。
現地に行くとやはり“トレジョ”の
選ばれる理由がどんどん見えてくる。

1966年創業のトレーダー・ジョーズは、
カリフォルニアを中心に全米に約300店舗を展開している、
超人気グルメスーパーマーケットだ。

店頭に並べられたこだわりのオーガニック商品やワインは、
世界各地から直取引で仕入れたもので、値段は格安。

店内の8割以上がPB(プライベートべランド)
というのも魅力のひとつだ。

しかも、そのPBは人気により入れ替えがあるので、
行けば必ず新たな面白いもの、珍しいものがあるという
期待感を抱かせてくれるのだ。

しかし、トレーダー・ジョーズの魅力は
単なる「商品力」に留まらない。

もうすぐストアマネージャーになるという
クルー(スタッフのことをこう呼ぶ)に話を伺ったところ、
ヘルプのスタッフ(コンシェルジュ?)が
店内いたるところにいるのは当たり前。

特にレイを首にかけているクルーには何を聞いてもOKで、
味見をしたければ袋を開けて試食させてくれるというのだ。

またトレーダー・ジョーズには常連客が多く、
クルーとお客さまとの距離が近いのも特長のひとつだとか。

「私たちにとってトレーダー・ジョーズに勤めていることは、
ステイタス性も高く、自慢なんです!」

バリュー価格にも関わらず、
徹底的に食品に対する生活者の不安を
取り去ろうとしている<バリュー&クオリティ>というところ。

そして、上の言葉にあるように
クルーたちが自慢できる徹底した店舗づくりも、
トレーダー・ジョーズ最大の強みなのだろう。

ここまで語れば、セルフサービスが主流のアメリカで
トレーダー・ジョーズが選ばれ続けている理由が見えてくるだろう。

他のスーパーとは異なる一歩進んだアピール、
いわば「感動」や「愛着」、「充実」が
トレーダー・ジョーズのブランドを差別化し
好影響を与えているのだ。

そこには常識を気にせず展開する、
まさにトレジョ流のビジネスモデルがあり、
他にはない価値観を生み出している。

これからの時代、多くの人から選ばれ、信頼され、
なくてはならない存在になるためには、
トレジョのような独自の“徹底”が重要なのだろう。


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人気のトレーダー・ジョーズに視察!

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47年選ばれ続けた理由とは…

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いつ来ても賑わう店内

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またおいしいPBを買いに来るよ~

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06/10
2013

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チャレンジ&チャレンジの真田ビジネス

例えばあなたが、1,000万円プレイヤーだったとしよう。
しかし、自分の今歩いている道とは
別の方向へ時代が進んでいこうとするとき、
どうするだろうか?

モバイルオンラインゲームやスマートフォンアプリ、
ソフトウェアを開発・提供している
KLab(クラブ)株式会社の真田哲弥社長は、
かつてこの場面でこう選択した。

給料が例え1/10になったとしても、次代に台頭する業界へ転向しよう。
そこで得た知識と経験が、必ずや次なる展開に奏功するはずだ!

これが、今回のタイトルにもなっている
真田社長の「チャレンジ&チャレンジ」なのだ。

最初のチャレンジは「転向」。
1950年代にIBMが大型コンピューターを開発、
スティーブ・ジョブズとビル・ゲイツという
ITの両雄によって家庭用PCが普及し、
さらにはモバイル端末へと移行していく。

かつてコンサルタント系の事業を営んでいた真田社長は、
この流れを既に20年以上前に見通していた。
そして、時流は間違いなくインターネットであり、
モバイルブラウザの開発などを手掛ける会社へ入社したのだ。

大学生時代から既に起業していたという真田社長は、
その時初めてサラリーマンを体験する。
もちろん給料は大幅に下がるが、
それでもインターネット関連会社で培われる知識と経験が
この先必要になるから、と転向を決断したのだ。

ロングレンジで物事をとらえ、
自分が何で社会に役に立つかしっかりと見通さなければ、
このようなチャレンジはできないだろう。

当時、現在のスマホの先駆けとなる開発に関わっていた真田社長は
既に“世界”を見ていたのかもしれない。

そして、新たな業界への飛び込む決断をするわけだ。

真田社長が1年ほどのサラリーマン時代を経てIT企業を設立した時、
まだインターネット業界は
決まったビジネスモデルも無いような状態だった。

そんな業界に飛び込むということは、
「こうすれば、このくらいは儲かるだろう」という
目算すらつけられない訳で、これはかなり大きな賭けだっただろう。

しかし、時流は間違いなくこの業界にある。
彼は自らのビジョンを信じ挑戦した。

これらの2つのチャレンジにより、
見事真田社長は一部上場のKLab株式会社を展開するに至ったわけだ。

彼曰く、「時流に乗らなければ明日は無い」。
そして、チャレンジをしていかなければ
多くの人々に選ばれるビジネスにはなっていかないとのこと。

それにしても20年も前からモバイル、
しかもブラウザではなくアプリへ移行していくと見通していたとは…。

そんなスゴイ真田社長は、
来週16日・再来週23日の「BUSINESS LAB.」に登場する!
チャレンジ&チャレンジの真田ストーリーをぜひ聴いてほしい。

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  InterFM『BUSINESS LAB.』
  東京76.1MHz・横浜76.5MHz
  毎週日曜6時から好評放送中!
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KLab株式会社の真田社長が「BUSINESS LAB.」に登場!

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06/03
2013

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くだらなく、ないミドリムシ

「くだらない仕事なんて無い」。
株式会社ユーグレナの出雲充社長はそう強調した。
彼の“くだらなくない仕事”とはミドリムシの研究と培養だった。

出雲社長は、世界で初めてミドリムシの野外大量培養に成功した方だ。
ミドリムシとは、藻の仲間であり微生物の一種。
そのわずか0.05mmの小さな体の中には
53種類もの栄養素が含まれており、世界中から注目されている。

現在、ユーグレナでは大手企業の協力も得て、ミドリムシの可能性を
食・医療・燃料など様々な分野に展開し(途上?)、
昨年は東証にも上場した。

出雲社長の話を聞くと、この“くだらなく、ないミドリムシ”が
本当に私たちを、これからの地球を
助けてくれるような存在になるのではと思えてきた。

なぜ“ミドリムシ”だったのだろうか。
きっかけは、学生の頃に訪れたバングラデシュにあったそうだ。

今から数年前、現地の子供たちは毎日3食食べられるにもかかわらず、
栄養失調に陥っていたという。
それは炭水化物に偏った食事が原因だったのだ。

それを知った出雲社長は、帰国後に出会った
“ミドリムシ”の豊富な栄養素に注目。
この2つの出会いを結びつけ、栄養失調に苦しむ人たちを
救いたいと思い、研究・培養を志したのだ。

しかし、そこには大きな壁が…。
研究を始めた当時、ミドリムシには天敵も多く、
そう簡単には大量培養を実現することはできなかったのだ。

多くの科学者たちがチャレンジしても突破できなかった大量培養に、
当時務めていた銀行の役職をやめてまで
あえてチャレンジする姿を見て、
あちこちから“くだらない”を連発されたのだろう。

だが、出雲社長は「ミドリムシで世界を救う」という
大志を持った覚悟を決め、協力してくれる人々と共に
野外培養研究に集中することを決断したという。

そしてついにその努力が実を結び、
世界初の野外大量培養の成功によって
この研究が“くだらなくない”のだと世間に対し証明したのだ。

そして、そのミドリムシはいまや様々な食品に生かされて
市場に出まわり始めている。実は食品だけではなく、
飛行機のバイオジェット燃料となる可能性も出てきているという。

やっぱり「覚悟の決断」をしなければ
何かを成し遂げることはできない、ということ。

何度も「くだらない」と言われた研究を、
科学的な知恵と裏付けで証明した出雲社長も、
大志を持っての覚悟だからこそ成し遂げられたのだ。

そしてこの覚悟がなければ、
大手企業の協力を得ることもできなかっただろう。

自分の仕事や役割に覚悟を持って取り組む。
Good Jobは覚悟がないと実現できないということ。
私も“くだらなく、ないミドリムシ”に出会ってみたくなった。

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この緑の微生物に大きな可能性が…

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ミドリムシで世界を救うことを決めた出雲社長

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一つ一つの言葉に覚悟が感じられる

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