これからの選ばれるビジネス!

これからの選ばれるビジネス!中島セイジのビジネスの達人

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選ばれるビジネス

02/04
2013

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配慮という実践知

先日、山梨県の石和温泉で掃除の会・関東ブロック会議が行われた。
会場は最寄り駅から徒歩15分ほどの場所にある健康ランド。

たまたま電車の中で会った掃除関係者と
歩いて会場へ向かうことになったのだが、
線路に沿ってしばらく歩いていくと、前方に線路にかかる大きな陸橋が…。
地図を見ると、どうやら健康ランドはその陸橋を渡った先にあるようだ。

その陸橋を渡るべきかどうか悩んでいる時、
同行した方が近くで作業していた
おばさんにこう尋ねた。

「すみません、この道を上がっていくと線路の向こう側に渡れますか?」
すると、地元のおばさんはこう答えてくれた。
「渡れますよ~。あ、もし健康ランドに行くなら、
  陸橋を渡るよりも左の道を行った方が
楽に行けますよ」。

え~、何で私たちが健康ランドに
行くと思ったのだろう…。
あのおばさんは私たちの
「線路を渡りたい」というその先にある、
「健康ランドに行く」という本来の目的を察し、
気の利いた答えをしてくれたのだ。

ビジ達でも紹介し、私がいま特に
着目している言葉、“実践知”。
マニュアル化や数値では表せない
知識や知恵のことなのだが、
この配慮もまた実践知であると言えるだろう。

こうした出会いや、以前ビジ達でも
紹介した北海道の居酒屋での
素晴らしい対応“ほっけの配慮”を受けてこんなことを感じている。

システム化されマニュアル化された
現代のビジネスにおいて、
お客さまはこれらの人間味のない現状より、実践知の活きたビジネスを
展開している会社を選ぶのではないだろうか、と。

実は、この実践知は日本に限ったことではない。
ニューヨーク郊外にある、世界No.1の
食品スーパーと言われている、
スチューレオナード近くのアイスクリーム店でのこと。

店員さんが金髪美女だったこともあり、
アイスを注文。
細かい硬貨の値が分からなかったこともあり、
美人の店員さんにポケットに入っていたお金を差し出した。

すると、どうやら端数の硬貨が足りなかったようで、
一瞬困ったような顔をしたのだが、
近くに置いてあったカップから数セント取り出し、
「No Problem!」という言葉とともに笑顔でアイスを渡してくれた。

こうした人の心に残るようなマニュアルにない展開や配慮の実践知こそ、必ずや多くの人の心を掴み、口コミ効果を上げ、ひいては選ばれるビジネスにつながっていくのではないだろうか。

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ここが石和温泉駅!

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実にのどかでよいところだ

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これぞ、温泉駅前!

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選ばれるビジネス

01/28
2013

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秋山式“自己紹介”ワークショップ

ビジ達の常連 秋山木工の秋山利輝社長。

書籍『丁稚のすすめ』からもわかるとおり、
秋山社長は職人としての技術だけではなく、
人間性や生き方を重要視する方。

いまやその価値観は、自社の丁稚や
職人だけにではなく、若いビジネスパーソンたちにも広く発信されている。

先日、私はそんな秋山社長が開催している
ワークショップにお邪魔してきた。
朝10時から夜の8時まで、
一体どんなことをするのかと思っていたら……

ず~っと自己紹介。
私が参加できなかった夜の懇親の席も
その自己紹介が続いていたという。

もちろん皆が思うような普通の自己紹介ではない。
いわば秋山式“自己紹介”ワークショップ
(中島セイジ命名)である。

「それでは自己紹介させていただきます!」
第一声は全員この言葉。
その後は制限時間1分の中で、
皆思い思いに発言していくのだが……

「もっと夢を語らないと」「全然印象に残らない」
「もっと言い方を変えてインパクトあるように」
「人はあなたのそんなこと知りたくない」

こんな感じで秋山社長から指摘が入るのだ。
(いやー、私も同感のツッコミ!)

仕事柄だろうか、
私は皆の記憶に残る自己紹介を常に意識してきた。
そんな私が今回の秋山式“自己紹介”の方法を
中島流(?)にまとめてみた。

1、パーソナルな基本情報を発信
  名前、出身地、仕事、年齢、
  どういう仕事をしているのかを話す。

2、記憶に残る“インパクト”を発信
  体験や趣味などからその人の幅と
  奥行きが伝わるようなことを話す。
  人の記憶に残る発信が重要なポイント。

3、社会性ある“志”を発信
  誰もが共感するような社会貢献につながる
  夢(志)を話す。

4、その人の“人となり”を発信
  自分の考え方、行動、座右の銘、
  価値観が伝わる何かを話す。

自己紹介ではこの4つをいかにうまく
集約するかが大切だ。

では、この自己紹介を通して
秋山社長が本当に伝えたかったこととは
一体何だろうか。

それは、「自分の人生(ビジョン)を
人に伝えていけるものにしていく」。
そして、「発信したからには、それをしっかり
実践していかなくてはならない」ということだろう。

実に自己紹介は奥が深い!

ちなみに、高校を卒業したばかりであろう
秋山木工の丁稚の方の自己紹介はさすがの一言。
周りの発表者の話までしっかり聴き取っていた。

やっぱり“自己紹介”は聴き方も大事!
これも“選ばれるビジネス”の
大切な要素だと改めて気づかされた。

(いやー、おもしろい!
私も秋山流“自己紹介”ワークショップを
セミナーに取り入れてみようかな~)

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秋山式“自己紹介”ワークショップ

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それぞれの自己紹介が始まる

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頑張って発言するが…

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秋山社長からの厳しい指摘!

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01/21
2013

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六花亭の“不易流行”

「美味しい! 安い! そして懐かしい……」

小さいころ、帯広の衣類問屋へ
仕入れに出かける母親が、
売り出しの手土産に買ってきてくれた
六花亭のお菓子「大平原」。
先日、北海道に帰省した際もついつい買ってしまった。
(もちろん会社のスタッフにも買いましたよ~)

私も大好きな北海道の「六花亭」だが、
実はその昔「帯広千秋庵」という店名で展開していたのをご存知だろうか。

帯広千秋庵が創業してから80年。
のれん分けし、「六花亭」と店名を変えてからも、
多くの人に選ばれ続けているその最大の
理由とは一体何なのだろうか。

美味しいお菓子、賑わうお客さま、
そして北海道No.1(?)であろうスタッフの接遇。
多くの魅力がある六花亭だが、
その中でも注目すべきは、
なんといっても“リーズナブル”なところだろう。

そんなに美味しくて人気があるなら、
値段を上げたり、
十勝以外に工場の規模を拡大すれば…
と誰もが思うかもしれない。

しかし、なぜそうしないのか?
それは、六花亭のお菓子が
観光客のために作られているものではなく、
地元で農業や酪農を仕事とする人たちの、
地域の“おやつ”として作られているからだ。

その発祥の理念があるから、
あえて北海道から出さず、
これだけ売れていても、価格を上げることもしない。
この徹底した理念へのこだわりは、
六花亭の強みとなり、継続の理由になっているのだ。

では、その理念があるというだけで
選ばれ続けているのだろうか?
いや、そうではない。
その時代や人々のニーズの変化に、
うまく対応してきたことも理由の一つだと私は考えている。

そこで登場するのが、六花亭が誇るもう一つの武器、
「新商品のスピード開発」だ。

ご存知の方もいると思うが、
店内はいつ行っても新商品が目白押し。
最近では「おこわ」や「土鍋ぜんざい」まで販売されている。
(え~これってお菓子?)

多くの人の価値観が変わっても、
それに応えられるだけの「開発スピード」は、
六花亭の人気を支える重要な鍵と言えよう。

では、六花亭が選ばれ続ける最大の理由とは?

それは、いま取り上げた
「変わらない理念」と「ニーズの変化への対応」
という2つの「バランス感覚」にあるだろう。

創業の価値観(理念)は残し、
変化を恐れず変えるべきものは
変える挑戦をすること。
六花亭は“不易”と“流行”の抜群のバランスの上に成り立っている。

自分たちなりの“こだわり”と“価値観”。
新しいことへの“挑戦”。
リスクがあってもそれらを正しく
“決断”をしてきたことが、
結果的に長く支持される企業を形づくっていったのだろう。

これまでも語ってきている“不易流行”だが、
さすが六花亭! 何十年も前から実践したというわけだ!

 

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六花亭の商品ラインナップ

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店内はいつも賑わっている

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新商品も続々登場!

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どれも美味しそうで選べない

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これはお菓子なのだろうか…

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六花亭の次なる挑戦に期待!

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選ばれるビジネス

01/07
2013

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不易流行の“仕事道”

「不易を知ら座れば基立≪もとたち≫がたく、
流行を辨≪わきま≫へざれば風あたらにならず」

これは俳人・松尾芭蕉が旅の途中で体得した概念。

不変の真理を知らなければ基礎が確立せず、
時代の変化を知らなければ新たな進展がない。
という意味だ。

俳句というものは、句を詠む手法は
変わらないけれど、語っていくテーマは
時代とともに変わっていくもの。

常に流行は意識しながらも、
俳句の根本の考え方は変えない。

そこから、松尾芭蕉は、世の中とは、
変わらないもの(変えてはいけないもの)と
変わるもの(変えていかなければいけないもの)で
構成されているのだと語っているのだ。

この不易流行の考えは他でも度々目にする。

例えば、少し前にビジ達でも紹介した
虎屋の17代目当主である黒川氏は、
“伝統とは革新の連続である”と語っていた。

虎屋のメーカーとしての本来の考え方は
活かしつつも、時代の変化に合わせて革新し、
お客さまに選ばれる努力をしてこなければ、
500年もの間、続けてこられなかったということ。

先日、ある雑誌でも「不易流行」が
テーマになっていた。
ある人が案内された神社は、
50年前に修復を行ったという。
その時に寄付をしてくれた協賛会社の数は100社。

50年たった今、その協賛会社で
現在も続いているのは
なんとたったの1社だという。

1,000社のうち、100年後に生き残れるのは
2~3社という定説から考えれば、
この神社の例も妥当な数字。

100年後も会社を続けていくには、
時代の流れ・価値観の変化に
対応していく必要があるのだ。

私が語る“仕事道”もまた不易流行。

変えてはいけないところと、
時代の流れに合わせて変化させなくては
ならないところを分かりながら展開していかないと、
お客さまに選ばれ続けるビジネスはできない。

とにかくチャレンジを続けなくては、
未来は見えてこないだろう。

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時代に合わせた革新を実行!

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いま注目すべきは「不易流行」

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選ばれるビジネス

12/25
2012

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木村秋則氏の“できるけど、しない”

「農薬を撒いてしまおうか…」

このビジ達でも何度も登場している、
奇跡のりんごの木村秋則氏。

りんごの無肥料無農薬に挑戦していた頃、
何十回、何百回、いや何千回、
こんな風に考え、このチャレンジは
もうやめてしまおうと思ったことだろうか。

そんな葛藤と15年間も戦い続けた木村氏。
無肥料無農薬のりんごは、なにも無理して
作らなくてはいけないものではなかったはず。

途中で諦めて「ちょっとだけ…」なんてことも
当然『できた』のだ。(それでも最後まで
徹底したのはさすがだ!)

もちろん無肥料無農薬のりんごを高く
売ることも『できた』だろう。
しかしそれも、あえて『しなかった』。

ラクして生きたいなんて考えは木村氏の
頭にはないのだ。

また、成功後も、その功績からすれば、
もっといい立場を得たり、
お金を得たりすることも『できた』だろう。
きっと多くのTV局からもオファーが
あったに違いない。

ところが、木村氏は有名になるという道を
選ぶことは『しなかった』。

彼が選んだのは、
「日本の農業を変革していかなくてはいけない、
いや世界の食糧問題を解決しなくては…」と
自分の畑仕事の合間をぬって、
日本中の農家をまわること。
(さらには海外の農家にまで!)

それこそが木村氏が掲げる使命(ミッション)
なのである。

多くの農家の人を成長させるべく、
日本中をまわる木村氏。
そこでは、自然栽培に対する「覚悟」や 「辛抱」に
ついて語っている。

自然栽培は、ちょっとやそっと本を読んだり、
間接的に誰かの話を聞いてできることではない。
辛抱に辛抱を重ねて行うことが大切だという。

それをしっかり実践してきた木村氏の
言葉だからこそ、
農家の人たちも耳を傾けてくれる。

もちろん実践しようとする人たちには、
多くのストレスが伴うだろう。

自然栽培にチャレンジしている農家の主人たちは、
畑に薬は撒かないが、自分の胃には
薬をたくさん使っているという。
やはりそのくらい辛抱が必要なのだ。

大変なチャレンジ。
しかし、だからこそ採れた米や野菜は
美味しくカラダに良い。

木村氏のりんごはなかなか腐らないらしい。
(私も一度、木村さんのりんごを
しばらく 放置しておいたが、
やっぱり腐らないのだ)
本当にいいモノというのはこういうことなのだろう。

木村秋則氏の「できるけど、しない」には
改めて多くのことに気づかされる。

この価値観こそ、木村秋則氏が多くの人に支持され、
信頼されている理由なのではないだろうか。
(2013年も「できるけど、しない!」)

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奇跡のりんごの木村秋則氏!

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日本の農業を変革するために…

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木村氏の挑戦は続く!

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木村氏のりんごは腐らない!

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