これからの選ばれるビジネス!

これからの選ばれるビジネス!中島セイジのビジネスの達人

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選ばれるビジネス

02/25
2013

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とらや工房の仕事道

「とらや工房は、自然を想い、
和菓子を想うひとときを、
お客さまと作り手が、ともに過ごす場所です
まんじゅう、大福、どら焼きなどを
お楽しみいただきながら
敷地内、どうぞご自由にお寛ぎください」]

ん~、リーフレットのフレーズからも
“おもてなし”の心が伝わってくる。

昨年、虎屋本店で虎屋ならではの
サービスの奥行きを学ばせていただいたのだが、
今回は御殿場にある「とらや工房」へ。

敷地内には厨房や喫茶席はもちろん、
東山旧岸低や竹林があり、
閑静なたたずまいの中を散策することもできる。

設計を手がけたのは、建築家の内藤 廣氏。
絶妙な採光が和空間の美しさを引き立てており、
太陽の加減によって生まれる造形は、さすがだ!

風にそよぐ木々の音色や土の香り、
太陽のあたたかさが五感を刺激する。
都会の喧騒とは隔絶された、まるで別世界のようだ
(こんな私でも、その素晴らしさが感じられる)。

やっぱり、和菓子はこんな空間で
味わうのが乙ってもんだよねぇ。
つまり、とらや工房はおいしい和菓子を楽しみながら
贅沢なひとときを過ごすための空間なのだ!

もちろん、最高なのは空間だけではない。
私が訪れた日は特に寒かったので、冷えた空気につい体が縮こまりがち。

しかし、そんな時そっとあたたかいお茶が出され、
椅子の背もたれには膝かけの毛布も。その礼遇に私の心もあたたまった。

17代当主の黒川社長はある会合で、
とらや工房はなかなか採算がとれないと
おっしゃっていたが(この話、
オープンにしてよかったのかな?)、
“一流の和菓子を空間ごと味わう”という贅沢は、
老舗ブランドである虎屋だからこそできることではないだろうか。

虎屋の和菓子はもちろん素晴らしいが、
味わう空間によってさらに価値が深まるということ。
これからの時代、商品そのものだけではなく
“付加価値”もブランド力を構築するための重要な要素であると再確認した。

“虎屋ブランド”として十分に意味のあるとらや工房。
もっと多くの人たちに体験してもらいたいものだ。
とらや工房を体験せずにいるのは、ちょ~っともったいない気がする!?

御殿場ICから数分。ぜひ、
選ばれ続ける老舗和菓子店の
贅沢な空間を味わってみてはいかがだろうか。

4月のリーダーズセミナーでは、
虎屋の御殿場工場見学と同時に
「とらや工房」も体験しよぉ~っと!

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ぜひ一度ご体験あれ!

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つくりたての和菓子が買える

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澄んだ空気もおいしい屋外席

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この門をくぐると別世界のはじまり

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これこれ! このどら焼き!

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敷地内はこんな感じ。

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虎屋本店

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02/18
2013

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“お掃除の天使たち”の実践力

7分。
だいたいカップ麺を2個作れる時間。

この短い時間の中で、闘っている人たちがいる…
それが、“お掃除の天使たち”と言われる人たちであり、新幹線の清掃を行う会社、
JR東日本テクノハートTESSEI(通称:テッセイ)の清掃員たちだ。

「新幹線が東京駅に到着して、
  再び出発するまでの時間はおよそ12分。
  そのうちの7分間が私たちの清掃業務に
  与えられている時間なのです。」
そう話してくれたのはテッセイの主任らしき人だ。

テッセイの人たちはたった7分間で次の5つを完璧にこなしていく。

その1
まず到着した新幹線の扉付近に立ち、
笑顔で挨拶をしながらゴミ袋を広げ、お客さまを出迎える。

その2
お客さまの降車を見届け終わった後は
車両の中へ移動し(ここからが7分間のスタート)、
全体を見て雑誌・ペットボトル・缶などの大きなゴミを回収する。

その3
拭き布を持ちながら、イスそで、
テーブル、窓を拭きながら、イスの上のゴミも床に落としていく。

その4
ほうきとチリ取りを使って床の清掃。

その5
全体を再びチェックしながら、最後の確認。

お客さまの降車を見届け終わってから、
ここまでにかかる時間はわずか約7分。
22人が1チームとなって、
1日平均20本の新幹線を清掃しているそうだ。
(スゴい!)

この世界最速といわれる「魅せる清掃」。
実は『新幹線お掃除の天使たち』という
本まで出版され、
いま大注目を浴びている。

着目したいのはそのサービスの内容だけではない。
このレベルの高いサービスは、
マニュアルや上司からの指示ではなく、
現場で働く清掃員さんたちが、
自分たちが実践しながらアイデアを出し、
ここまで来たというところ。

これも“実践力”。
現場でいろいろと実践しているからこそ、
発想されるアイデア。
それを自分たちで実践するから
モチベーションにもつながるのだ。

こうしたボトムアップの形が
とられていることによって、
創意工夫が生み出され、
“カイゼン”が常になされていく。

「事件は会議室で起きてるんじゃない、現場で起きてるんだ!」
なんて、セリフのように、これからのビジネスのヒントは現場にあるのではないだろうか。
テッセイさんには機会をつくって、ぜひさらに詳しくお話を伺いたい。

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サッとテーブルを拭いていく

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あっという間に床もきれいに!

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ゴミ袋を広げてお出迎え

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7分間でピカピカにする!

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連携プレーも素晴らしい!

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一列に並んでごあいさつ

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02/04
2013

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配慮という実践知

先日、山梨県の石和温泉で掃除の会・関東ブロック会議が行われた。
会場は最寄り駅から徒歩15分ほどの場所にある健康ランド。

たまたま電車の中で会った掃除関係者と
歩いて会場へ向かうことになったのだが、
線路に沿ってしばらく歩いていくと、前方に線路にかかる大きな陸橋が…。
地図を見ると、どうやら健康ランドはその陸橋を渡った先にあるようだ。

その陸橋を渡るべきかどうか悩んでいる時、
同行した方が近くで作業していた
おばさんにこう尋ねた。

「すみません、この道を上がっていくと線路の向こう側に渡れますか?」
すると、地元のおばさんはこう答えてくれた。
「渡れますよ~。あ、もし健康ランドに行くなら、
  陸橋を渡るよりも左の道を行った方が
楽に行けますよ」。

え~、何で私たちが健康ランドに
行くと思ったのだろう…。
あのおばさんは私たちの
「線路を渡りたい」というその先にある、
「健康ランドに行く」という本来の目的を察し、
気の利いた答えをしてくれたのだ。

ビジ達でも紹介し、私がいま特に
着目している言葉、“実践知”。
マニュアル化や数値では表せない
知識や知恵のことなのだが、
この配慮もまた実践知であると言えるだろう。

こうした出会いや、以前ビジ達でも
紹介した北海道の居酒屋での
素晴らしい対応“ほっけの配慮”を受けてこんなことを感じている。

システム化されマニュアル化された
現代のビジネスにおいて、
お客さまはこれらの人間味のない現状より、実践知の活きたビジネスを
展開している会社を選ぶのではないだろうか、と。

実は、この実践知は日本に限ったことではない。
ニューヨーク郊外にある、世界No.1の
食品スーパーと言われている、
スチューレオナード近くのアイスクリーム店でのこと。

店員さんが金髪美女だったこともあり、
アイスを注文。
細かい硬貨の値が分からなかったこともあり、
美人の店員さんにポケットに入っていたお金を差し出した。

すると、どうやら端数の硬貨が足りなかったようで、
一瞬困ったような顔をしたのだが、
近くに置いてあったカップから数セント取り出し、
「No Problem!」という言葉とともに笑顔でアイスを渡してくれた。

こうした人の心に残るようなマニュアルにない展開や配慮の実践知こそ、必ずや多くの人の心を掴み、口コミ効果を上げ、ひいては選ばれるビジネスにつながっていくのではないだろうか。

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ここが石和温泉駅!

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実にのどかでよいところだ

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これぞ、温泉駅前!

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01/28
2013

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秋山式“自己紹介”ワークショップ

ビジ達の常連 秋山木工の秋山利輝社長。

書籍『丁稚のすすめ』からもわかるとおり、
秋山社長は職人としての技術だけではなく、
人間性や生き方を重要視する方。

いまやその価値観は、自社の丁稚や
職人だけにではなく、若いビジネスパーソンたちにも広く発信されている。

先日、私はそんな秋山社長が開催している
ワークショップにお邪魔してきた。
朝10時から夜の8時まで、
一体どんなことをするのかと思っていたら……

ず~っと自己紹介。
私が参加できなかった夜の懇親の席も
その自己紹介が続いていたという。

もちろん皆が思うような普通の自己紹介ではない。
いわば秋山式“自己紹介”ワークショップ
(中島セイジ命名)である。

「それでは自己紹介させていただきます!」
第一声は全員この言葉。
その後は制限時間1分の中で、
皆思い思いに発言していくのだが……

「もっと夢を語らないと」「全然印象に残らない」
「もっと言い方を変えてインパクトあるように」
「人はあなたのそんなこと知りたくない」

こんな感じで秋山社長から指摘が入るのだ。
(いやー、私も同感のツッコミ!)

仕事柄だろうか、
私は皆の記憶に残る自己紹介を常に意識してきた。
そんな私が今回の秋山式“自己紹介”の方法を
中島流(?)にまとめてみた。

1、パーソナルな基本情報を発信
  名前、出身地、仕事、年齢、
  どういう仕事をしているのかを話す。

2、記憶に残る“インパクト”を発信
  体験や趣味などからその人の幅と
  奥行きが伝わるようなことを話す。
  人の記憶に残る発信が重要なポイント。

3、社会性ある“志”を発信
  誰もが共感するような社会貢献につながる
  夢(志)を話す。

4、その人の“人となり”を発信
  自分の考え方、行動、座右の銘、
  価値観が伝わる何かを話す。

自己紹介ではこの4つをいかにうまく
集約するかが大切だ。

では、この自己紹介を通して
秋山社長が本当に伝えたかったこととは
一体何だろうか。

それは、「自分の人生(ビジョン)を
人に伝えていけるものにしていく」。
そして、「発信したからには、それをしっかり
実践していかなくてはならない」ということだろう。

実に自己紹介は奥が深い!

ちなみに、高校を卒業したばかりであろう
秋山木工の丁稚の方の自己紹介はさすがの一言。
周りの発表者の話までしっかり聴き取っていた。

やっぱり“自己紹介”は聴き方も大事!
これも“選ばれるビジネス”の
大切な要素だと改めて気づかされた。

(いやー、おもしろい!
私も秋山流“自己紹介”ワークショップを
セミナーに取り入れてみようかな~)

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秋山式“自己紹介”ワークショップ

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それぞれの自己紹介が始まる

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頑張って発言するが…

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秋山社長からの厳しい指摘!

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01/21
2013

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六花亭の“不易流行”

「美味しい! 安い! そして懐かしい……」

小さいころ、帯広の衣類問屋へ
仕入れに出かける母親が、
売り出しの手土産に買ってきてくれた
六花亭のお菓子「大平原」。
先日、北海道に帰省した際もついつい買ってしまった。
(もちろん会社のスタッフにも買いましたよ~)

私も大好きな北海道の「六花亭」だが、
実はその昔「帯広千秋庵」という店名で展開していたのをご存知だろうか。

帯広千秋庵が創業してから80年。
のれん分けし、「六花亭」と店名を変えてからも、
多くの人に選ばれ続けているその最大の
理由とは一体何なのだろうか。

美味しいお菓子、賑わうお客さま、
そして北海道No.1(?)であろうスタッフの接遇。
多くの魅力がある六花亭だが、
その中でも注目すべきは、
なんといっても“リーズナブル”なところだろう。

そんなに美味しくて人気があるなら、
値段を上げたり、
十勝以外に工場の規模を拡大すれば…
と誰もが思うかもしれない。

しかし、なぜそうしないのか?
それは、六花亭のお菓子が
観光客のために作られているものではなく、
地元で農業や酪農を仕事とする人たちの、
地域の“おやつ”として作られているからだ。

その発祥の理念があるから、
あえて北海道から出さず、
これだけ売れていても、価格を上げることもしない。
この徹底した理念へのこだわりは、
六花亭の強みとなり、継続の理由になっているのだ。

では、その理念があるというだけで
選ばれ続けているのだろうか?
いや、そうではない。
その時代や人々のニーズの変化に、
うまく対応してきたことも理由の一つだと私は考えている。

そこで登場するのが、六花亭が誇るもう一つの武器、
「新商品のスピード開発」だ。

ご存知の方もいると思うが、
店内はいつ行っても新商品が目白押し。
最近では「おこわ」や「土鍋ぜんざい」まで販売されている。
(え~これってお菓子?)

多くの人の価値観が変わっても、
それに応えられるだけの「開発スピード」は、
六花亭の人気を支える重要な鍵と言えよう。

では、六花亭が選ばれ続ける最大の理由とは?

それは、いま取り上げた
「変わらない理念」と「ニーズの変化への対応」
という2つの「バランス感覚」にあるだろう。

創業の価値観(理念)は残し、
変化を恐れず変えるべきものは
変える挑戦をすること。
六花亭は“不易”と“流行”の抜群のバランスの上に成り立っている。

自分たちなりの“こだわり”と“価値観”。
新しいことへの“挑戦”。
リスクがあってもそれらを正しく
“決断”をしてきたことが、
結果的に長く支持される企業を形づくっていったのだろう。

これまでも語ってきている“不易流行”だが、
さすが六花亭! 何十年も前から実践したというわけだ!

 

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六花亭の商品ラインナップ

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店内はいつも賑わっている

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新商品も続々登場!

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どれも美味しそうで選べない

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これはお菓子なのだろうか…

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六花亭の次なる挑戦に期待!

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