これからの選ばれるビジネス!

これからの選ばれるビジネス!中島セイジのビジネスの達人

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07/06
2015

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藻谷浩介流「里山資本主義」

「この間、大根50本貰ったんだよ、
 だからお返しにお米10キロあげようと思うんだ」

こんなやりとりの話をしてくれたのは、
ビジ達でも紹介した『里山資本主義』の著者・藻谷浩介氏。
先日、そんな藻谷氏と
「里山資本主義」をテーマにお話をする機会があった。

そこで出てきたのが冒頭の物々交換の話だ
(私も子どもの頃にはよくあった光景だ)。
田舎では里山の恵みを使った物々交換はもちろん、
物以外の交換も盛んに行われている。

例えば、子どもの多い家庭に
ご近所さんが衣類やおもちゃを持って行き、
子どもの元気な成長をお返しにする。
また、風雨で壊れた家があれば、
みんなで集まって修復し、
家主がお礼にお餅を振舞う、などだ。

このように、里山や地域の人々が寄り添う田舎において、
対価をお金ではなく
物や手間で返すことは日常的に行われている。
藻谷氏は、このお金を必要としない里山生活に、
お金を稼げるビジネスを加え、
バランスよく生活していくという
「里山資本主義」を提唱している。

すなわち、これまでの資本主義に里山的生活を加えた
新たな暮らしの提案をしてくれているのだ。

藻谷氏が提案するビジネスは、
里山の資源を活用した
地域循環型のビジネス(里山ビジネス)だという。
過去の事例には、
それまで産業廃棄物として処理していた木屑を加工し、
燃料ペレットとして地域の施設に販売したり、
食べきれない農作物を地域の施設で活用したり、などがある。

このように、里山を活用したビジネスの提案は
里山の保全につながり、
それによって川や海などからも
良質な資源を手に入れることができるのだ。

このところの日本は、高度成長期の頃から、
お金だけで解決しようとする流れになってしまった
(私はこれを強欲資本主義と呼んでいるが…)。

しかし、その流れはいま全国的に出現している
「里山ビジネス」の登場で変わりつつある。

里山ビジネスは、
現代が抱える問題(雇用・少子高齢化など)を
解決に向かわせるだけでなく、
その地域のコミュニケーションを深めることにもつながる。
このようなサスティナブルな
価値観が見直され始めているのだ。

これまで私はビジ達や講演を通して
「里山ビジネス」の必要性について
さまざま角度から発信してきたが、
そのベースの考え方は藻谷氏の話と
オーバーラップする部分が多い。

やはりビジネスにおける価値観は
少しずつではあるが変わりつつあるということだ。

このように里山を活用したビジネスや
新たな街づくりをどう実践していくかが、
これからのビジネスに求められていることなのだろう。


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『里山資本主義』の著者・藻谷浩介氏が登場!
里山を活用したビジネスの未来を探る!
7/12・19放送の『BUSINESS LAB.』をお聴き逃しなく!

InterFM『BUSINESS LAB.』
東京76.1MHz・横浜76.5MHz
毎週日曜 朝6時から好評放送中!
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話題の『里山資本主義』の著者・藻谷氏登場!

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里山を活用したビジネスの未来は…?

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06/29
2015

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“スマート&クールJapan”の実践

毎年の恒例である海外研修視察ツアー、
なんと今回で20回目に!

これまでさまざまな国へ足を運び、
よい刺激を受けてきたわけだが、
今年はイタリアへ(4年前もイタリアだったのだが)。

ヴェネツィア、フィレンツェ、ローマ…
名立たる街を巡ってきた。
フィレンツェでは街中の様子だけではなく、
ぶどう農園やワイナリーの視察もすることができた。

視察を続けていく中で
「おっ! イタリアもなかなか農業国だなぁ」
と思う場面が多かった。

それもそのはず、
イタリアの食料自給率は60~70パーセント
(残念ながら日本は40パーセント程度だが…)。
ワインの生産量にいたっては世界一だ!

そしてイタリアといえば、ファッションブランド。
アルマーニ、グッチ、プラダにブルガリといった
世界的に有名なブランドがズラリと揃っている
(さらにフェラーリ、ランボルギーニといった車も
よく知られているよねぇ)。

おいしいワインに、洗練されたファッションや車。
そして世界中から人々が訪れ、
歴史と文化を肌で感じることができる観光地の数々。

ざっと挙げただけでも、
イタリアには世界に誇るブランドがこれだけあるのだ。

そこで中島流の解釈を入れてみよう!
有名な街やブランドばかりに頼っていると、
人間性が磨かれないのではないだろうか。

実際に街に出てみると、
店やレストランで働いているのは
イタリア人ではなく、外国人ばかり。
働き手の多くは、
アジアやポーランドから来ている人だそうだ。

ということは有名なものが数々あるだけで、
多くの外貨を稼ぐことができるだろう。

そんな過去の誇れる遺産にぶら下がっている状況を、
目の当たりにして思ったのは
「人の振り見て我が振り直せ」だ。

2020年に開催される東京オリンピックに向けて、
日本には世界中から多くの人が訪れることになるだろう。
だからといって、そこに意識を集約してはいけない。
これからは、日本ならではの価値観を見つめ直す必要がある。

例えば、イタリアくらいの
食物自給率を目指してみるのもいいだろう。
近年クールジャパンと呼ばれている、
日本ならではの魅力と文化を、
海外にむけて発信していくのもいいだろう。

さらに大切なのは、日本人が持つ倫理観を、
これからの時代に活かしていくこと。
強欲資本主義から倫理観を持った資本主義へと、
実践できるのはおそらく日本のはず。

目指すは“スマート&クール”だ。
余計なものを持たずスマートかつクールに実践していく。
見た目も人間性も美しい日本であれば、
そこから生まれる文化は美しいはずだ。

今回イタリアに行ったことで、
この国がどんな価値観で成り立っているのか、
垣間見ることができた。
だからこそ、日本がこれから
どうあるべきかを考えるいい機会となった。

本来の文化や人間性を再構築することこそ、
これからの日本に必要なことなのかもしれない!
“スマート&クールJapan”、いいね!

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4年ぶりにイタリアへ

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日差しが強かったが、からっとしていていい天気

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歴史ある街中を探索!

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日本ならではの文化を活かしていこう

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06/22
2015

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ワインは“味噌汁”

いつもビジ達をご覧になっている方々は
私がイタリア研修へ行っていたことをご存知だろう。

研修の目玉の1つは、トスカーナ地方で
ワイナリー兼クッキングアカデミーを開催している、
カルミネ氏のアグリツーリズムを体験すること!
(このビジ達でも何度かご紹介したが、カルミネ氏は
東京で4店舗のイタリアンを経営するオーナーシェフだ)

そしてもう1つが、黒い雄鶏のラベルで有名な
キャンティ・クラシコのワイナリーを視察・取材することだ。
このキャンティ・クラシコを生産しているオーナーが
カルミネ氏のご友人だったので、
今回の視察が実現したのである。

滞在中、私たちはクッキングアカデミーでの
イタリア料理体験をはじめ、
カルミネ氏の所有するぶどう畑の見学、
そこから造られたワインの試飲、いや、飲み会??など、
充実した経験をさせていただいた。

そしてもちろん、カルミネ氏から
お話を伺う時間があったのだが…。
「イタリア人にとって、ワインとはどのような存在か?」
というテーマについて、
カルミネ氏ならではの解釈を聞かせてくれた。

「ワインは味噌汁である。」

この言葉には驚いた!
日本人にとって、食事になくてはならない味噌汁。
それがイタリア人にとってのワインであり、
メイン料理を引き立てる役割を担っているのだ。
だから料理によって飲むワインを変えるのだという。

そして厳しい生産基準を設けていることで知られる
キャンティ・クラシコだが、
思った以上に手頃な価格帯なのだ。

スーパーマーケットに足を運べば、
10ユーロから25ユーロで棚に並べてあるものは購入できる。
(スーパーには並ばないような、
もっと高いものもあるんだろうけどね…。)

私の大好きなイタリアのスパークリングワイン、
プロセッコに至っては6ユーロから!
どんなに高くても
20ユーロを超えない価格で販売されている。
イタリア人にとって“味噌汁”だからこそ、
この値段設定なのだろう。

日本人にとってのワインはお酒であり、
しばしば「酔うため」に飲む。
ところがイタリア人は
「食事を美味しく食べるため」に飲むというのだ。

あくまでも味噌汁的な存在なのが、
イタリアでのワイン。
これも、イタリアの立地と歴史が育んだ
文化ということなのだろう。

イタリアでは様々な日本との違いを感じてきたが、
中でもワインに対する価値観の違いは興味深い。
ついつい見えるものや聞こえるものの違いに
目が行きがちだが、ワインの存在理由や、
その価値観の違いにも気づかされた。

さて、私も味噌汁を飲むように
ワインを楽しんでみようかなぁ。

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ワインを手に、語るカルミネ氏!

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クッキングアカデミーにて

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いつものお姉さんも一緒だ

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心なしか嬉しそう?

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こんな雰囲気でお話をうかがった

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カルミネさんとツアー参加者で!

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名言「ワインは味噌汁」…!

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06/01
2015

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“行動の2乗に比例する”

しばらく前に、このビジ達で
“相乗効果は行動の2乗に比例する”
という中島流の法則を何度か事例をあげ発信していた。
今回もまた、この法則を確信させる事例と出会った!

さて、先日私は十勝 芽室町を3日間訪れ、
ワイナリープロジェクトチームの発足会議と、
プレゼンテーションセミナーに参加してきた。

ワイナリープロジェクトとは、北海道で葡萄を育て、
ワインを作り、地域活性化を図ろうというものだ。
私の長年の夢でもあり、ライフワークにもしようとしているこの計画が、
いよいよ本格始動したということ!
初日は地元の農家や町の人たち、役所の方々、
池田町ブドウ・ブドウ酒研究所の元所長など、
25名ほどの方の前でプレゼンテーションを行った。

2日目は、元所長の計らいによって研究所を見学させてもらう。
その後、今後の展開のネゴシエーションもあり、
地元の協議会の会長さんや農家の方々とお会いした。

驚くべき動きがあったのは3日目の午前中である。
当初の予定では、来年から少しずつ苗を植えるという
計画がされていたこのプロジェクト。
ところが、様々な人と出会い、
お話をさせてもらったことにより、
なんと今年から植えられることになったのだ!

ぶどうの苗が手に入り、畑が用意され、農家の方々も
協力してくださり、元所長も後押ししてくれることに。
(菊地さん、内藤さん、ありがとうございます!
プロジェクトのみなさんもありがとうございます!)

この3日間でここまで飛躍するとは…。
こんなにもトントン拍子に話が進むのは、
みんなの“行動”があったからだろう。

一歩踏み出せば出会いが生まれ、
コミュニケーションがさらなる情報を生み出し、発展していったのだ。
これこそが“行動の2乗に比例”した例ではないだろうか。

さらにそこには、地域の人たちの「夢」があった。
多くの人が「これからの地域のために協力できることはなんだろう」と
考えていた時、今回のワイナリープロジェクトが現れたのだ。
そして、ワインが醸造により発酵を繰り返すように、
プロジェクトが発酵し始めたのではないだろうか。

以上を踏まえ、中島流のPDCA(Plan(計画),
Do(行動),Check(評価),Act(改善)の4段階を繰り返すことにより、
業務を運営していくというもの)ならぬ“DDFI”を提案しよう!
“DDFI”とは、以下の単語の頭文字を合わせたものだ。
Decision(決断)
Do(行動)
Feedback(気付き)
Idea(アイディア)

決断したことを行動に移せば必ずフィードバックがあり、
フィードバックを活かしたアイデアが生まれ、次の決断へ、となる。
2動けば4の相乗効果が、
4動けば16の相乗効果が生まれるということ。
だからこそ「今」何をするかが重要なのだ。
芽室での3日間ほどでなくても、過去の行動が未来に結びつき、
成果に繋がっていく。
2013年は2014年に繋がり、2014年は2015年へと繋がっていく!

毎年がチャレンジ=行動の時だと思い、実行していくことが、
その先を見据えた投資となっていくのだ。

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ワイナリープロジェクトチーム会議

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プレゼンテーションに参加してくださった皆様

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ここでワイナリーがはじめるのだ

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相乗効果は行動の2乗に比例する

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05/25
2015

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組織のコンディショニング

・筋肉に弾力がある。
・姿勢が美しい。
・正常な体温。
・肌(皮膚)がきれい。

これらは、コンディショニングトレーナーの
有吉与志恵(ありよし・よしえ)氏が提唱する
「有吉与志恵メソッド」の中にある
「コンディショニング10か条」の一部。

“やわらかい(弾力のある)筋肉”こそ、
最高のパフォーマンスに必要だという有吉与志恵氏は、
多くの著名なアスリートたちに
身体のコンディショニング(調節)指導を行い、
書籍やメディアにも多く登場している。

先日、そんな有吉氏とお会いし、
お話を聞く機会があった。

実際にその場で裸足になってまっすぐ立ってみると、
小指が内側に向いていたり、
左右のバランスが整っていなかったりする。

これを簡単な動作や運動によって
コンディショニングしていくことで、
その後の筋トレやスポーツに万全の体調で臨むことができるのだ。

もしかすると、このことはビジネスにも
同じことが言えるのかもしれない。

仕事に追われがちな日々の中では、
ついつい目の前の仕事を優先して行いがちだ。

しかし、仕事で最高のパフォーマンスを発揮するためには、
会社の組織自体がいいバランスであることが
条件なのかもしれないのだ。

そこで、会社における
“コンディショニング”とは何か。

ここで思い浮かんだのが、
私の会社で週一で行っている「朝会議」や、
月一で行っている「MB(Make Better)セミナー」、
年2回行っている「V&T(Vision & Tomorrow)プレゼンテーション」
などのミーティングやセミナー(他にもあるかも!?)。

ここでは、それぞれ自分以外の仕事内容や問題点を
発信・共有し、会社の価値観やベクトルの確認などを通して
組織全体の意識を同じ方向へ向かせることを目的としている。

このように、自分の目の前の課題だけでなく、
これらの情報交換や意見を発信する場としての
ミーティングやセミナーを定期的に繰り返し行う。

そうすることで、スタッフそれぞれに能動性が出てきて、
組織としてのバランスも整えられ、活性化につながる。
これこそが、組織にとってのコンディショニングとなるのだ。

つまり、ビジネスにおいて、
ただ目の前の仕事をこなすことだけに時間を使うのではない。
“身体”ともいえる組織全体の意識をケアすることで、
その後の結果にも大きく影響するということなのだ。

時代が移り変わるのと同時に、
ビジネスのやり方も多種多様に変化している今日。

それらに対応していくためには、
組織のコンディショニングが行われていないと、
いざというときに対応できない。

やはり、身体だけでなくビジネスにも
コンディショニングは大切ということだ。

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定期的なコンディショニングが大切!

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組織にも“調節”を!

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