これからの選ばれるビジネス!

これからの選ばれるビジネス!中島セイジのビジネスの達人

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10/06
2014

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“里山主義”

『里山資本主義 日本経済は
「安心の原理」で動く』
という本が注目されている。

これは、日本の過疎地域と
呼ばれる場所で行われている、
自然資源の活用による
経済回復と問題解決の方法を、
事例を挙げて紹介しているものだ。

この本のタイトルにもある
「里山資本主義」とは、
お金の循環がすべてを決するという
「マネー資本主義」に、
お金に依存しない
「里山主義」という考えを取り入れたもの。

私が注目するのはこの
「里山主義(この言い方は誰も
していないようだけど…)」だ。

「里山主義」の特徴は、
人が住んでいる地域にある
山や海などの自然資源を、
大事に育てながら地域経済に
循環させるという考え方。
また、そのための
日本独自の知恵と技術だ。

これにより、
自然の再生サイクルに寄り添う生活になり、
山や海の保全や、
自然からの恩恵を主とした
生活にもつながるのだ。

自然と共に生き、
お金ではない「豊かさ」を手に入れる。
この「マネー資本主義」とは
正反対の考えだと言える「里山主義」は、
目先の利益ばかりを求める現代において、
重要視されるべき価値観なのではないだろうか。

自然と寄り添う生活といえば、
ビジ達でも紹介したビジネスの中にも、
「里山主義」を実践しているところが多い。

たとえば、民間経営の農産物直売所である
産直市場グリーンファーム。

直売店の棚(?)には、
生産者によって収穫された、
野菜やきのこなどの
里山の幸がずらりと並んでいる
(夏にはカブトムシも並ぶ!)。
新鮮な旬の幸のために、地域の人にかぎらず、
都会からも足を運ぶ人がいるという。

また、年輩の生産者は、
自分たちが手間暇かけた産物で喜ぶ人々を見て、
より生産作業に活気が出たという。
すなわち、高齢化に悩む地域の
活性化にもつながっているということ。

また、耕作放棄地の
再生ビジネスを展開している
マイファームにも
里山主義が流れているといえる。

都会の人達を対象に行っている農業体験は、
里山体験ビジネスとも
言えるのではないだろうか。

そして、この活動を通して
農学への興味や知識を伝えることで、
日本の農業と人々の生活を
より近づけることができるのだ。

そして、雑誌「自遊人」が運営する
旅館「里山十帖」では、
オーガニックをテーマとした、
美味しく豊かな“里山”を実体験できる。

古民家で過ごす時間や、
地域の自然の幸を使った料理などで、
自然と寄り添う
里山体験を提供しているのだ。

このように、「里山主義」の価値観は、
いまやさまざまな企業でも
取り入れられつつある。
その地域の人と自然とが共存しあう生活は、
人と地球の本来のあり方であり、
「マネー資本主義」では手に入れられない
豊かさでもあるだろう。

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key (1)

里山ビジネスで相乗効果!

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自遊人から“里山”を発信

key (3)

農業体験で“里山”体験!

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09/22
2014

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「挑めばチャンス、逃げればピンチ」

『挑めばチャンス逃げればピンチ』。
これは、アサヒビール名誉会長
樋口廣太郎氏の著書のタイトルだ。

この書籍では、樋口氏の住友銀行時代から
アサヒビール再建時代などの半生が綴られている。
その中で語られるのは、タイトルの通り、
挑むことが確かなチャンスにつながり、
逆に逃げればピンチに追いやられるということ。

これは、まさに今の時代だからこそ
必要な言葉に思えてならない。

それを実感したのは、先日、
リサイクル関連業務のマグネットを開発・販売している
植松電機の植松努氏の講演会を企画し、お話を伺ったときのこと。
5、6年ぶりにお話しを聴いたのだが、
非常に有意義な講演内容だった。

講堂では淡々と語る植松氏なのだが、
その言葉から情熱が伝わってきた
(その場にいた経営者たちからは、
「本当に刺激的だった」という声も)。

子供の頃から宇宙への夢を抱いていた植松氏は、
周囲の大人からどんなに否定されても、
諦めずに挑戦してきた。
その結果、北海道の片田舎の工場にいながら
ロケットの共同開発に成功し、
JAXAと協力関係を結ぶほどに発展したのだ。

中でも印象的だったのが、「楽をすると無能になる」ということ。
「楽・安定・高給」というものさしで
会社を選ぶ人が多いという。

そして、評価以上の努力をしない人も。

しかし、評価だけをあてにしていると、
その評価分の人間になってしまうし、
能力以上の対価をもらえば、
同じような条件を求め続けてしまう。
結果、自分の能力とビジネスの衰退を招いてしまうのだ。
まさに、常に挑まなければチャンスも進化も生まれないのだ。

お話を聞く中でふと思い浮かんだのが、
丁度このタイミングで「夢に挑む」というテーマで
特集されていたある雑誌。

そこには世紀の発明家である
トーマス・エジソンが電球を発明した時の
エピソードが紹介されていた。
「電球を完成させるのに5000回も失敗したそうですね」
という記者の言葉に、エジソンは
「失敗ではない、
うまくいかない5000通りの方法の発見に成功したのだ」
と答えたという。

1回の成功のための多くの失敗は、
そこにたどり着くまでの布石であり、
チャレンジしたからこそ得られた結果なのだ。

現代では、チャレンジした人に対して
「失敗したらどうするの」「誰が責任を取るの」
などと言う人がいる。

自分がチャレンジしないのはかまわないが、
人のチャレンジの邪魔をするとは…。
私からすると最低の人だ。

こんなことを堂々と言う人が多くなったことが、残念でならない。
とにかく、挑戦しないことには何事も前に進めない。
まさに、ビジネスもプライベートも
「挑めばチャンス、逃げればピンチ」ということなのだろう。

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植松氏の講演会で進行を務めさせていただいた

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植松氏の秘めた情熱に感動!

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多くの方が、熱心に聴いてくださった

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夢に挑む=チャレンジの連続!

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08/25
2014

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ビジネスこそ「横の関係」

日々のビジネスを頭に浮かべながら、
例の『嫌われる勇気』を読んでいて、
一番納得できたキーワードが「縦の関係と横の関係」である。

例えば
「お母さん、ボク野球選手になりたい」
「何バカなこと言ってんの。あなたはイチローや松井とは違うのよ」
こんな親子の会話。

これは、子どもの課題への介入であり、
今後の子どもと母親との関係に
色々な問題が生じることが予想できる。

さらにこれがビジネスという場であれば、
より好ましくない。
なぜならこれは“縦の関係”だからだ。

例えば我が社で、部下の仕事が上手くいかない時に
社長として私が前面に出て
対応してしまっていたことがある。

そうすると、クライアントも部下ではなく、
中島に仕事を…ということになってしまう。
同時に、部下は“自分の仕事”意識を失い、
責任感やスキルの成長を止めてしまうことにもつながる。

これが“縦の関係“の弊害である。
上司が部下を叱り、時に褒める。
それは常に自分が“上”という意識が
念頭にあるための言動である。

この“縦の関係”では個々の成長はもちろん、
会社全体で動く意識も醸成できないし、
組織の成長も期待できないということになりかねないのだ。

ではどうすればいいのか、答えは、
“横の関係”の尊重だ。ビジネスにおいての
“横の関係”とは無礼講のことではなく、
「課題の分離」のことだ。

課題の分離とは、上司が部下の仕事に
際限なく介入しないこと。
責任(課題)の住み分けをしっかりすることだ。

つまり、上司部下関係なく同じ土俵にいることを
前提にして仕事に取り組むこと。

そうすると社歴が長くても短くても、
能力や役割を基にやり取りができ、
その仕事をより良い状態で推進することができる。
そして、組織の活性化も図れるということ
(とはいえ、上司や年長者を敬う心は必要不可欠だが…)。

これらに配慮し、関係性を明確にすることで、
若手スタッフであっても堂々と自分の
主張を発信できることにつながるのだ。

それが、より高いレベルの企画や
ものづくりを可能にするということ。

すると上司の口から出てくる言葉も
「良くできたね」「キミならやれる…」
というように上から目線の縦の関係の
言葉は出てこなくなる。

反対に、「ありがとう」とか
「助かったよ」という感謝やお礼の言葉、
すなわち横の関係の言葉となるのだ。

つまり、「叱る」や「褒める」は
縦の関係の言葉であり、ビジネスシーンでは
相応しくない言葉となるのだ
(この辺は、ほとんど「嫌われる勇気」の受け売りだが…)。

もちろん若手も下手な機嫌取りのような
ことをしなくて済み、無駄な時間ややり取りが省けるということ。

実は、昔から私はスタッフをあまり褒めないし、
私を含めた社員同士の呼び方も“さん”を付けて
呼ぶようにしている(これでよかったのだ)。

その結果QB(クオーターバック)では10年ほどで
こうした横の関係性が構築できるようになった。

“横の関係”を大切にすること、それはやり取りを
するお互いの存在価値を高めることであり、
より“いい仕事づくり”に誰もが集中しやすい
組織環境をつくれるのではないだろうか。

key (1)

Mr.セイージは横の関係を大切にします

key (2)

「嫌われる勇気」

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08/11
2014

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“モチベーション経営”の強み

「ぼく、農業やります!」

そう宣言したのは、
株式会社マイファーム代表・西辻一真(にしつじ・かずま)氏。
高校1年のときのことだという。

西辻氏が経営するマイファームでは
「自産自消(自分たちの手作りの野菜を自分たちで食べる)」
をテーマに、耕作放棄地の再生ビジネスを展開している。

このビジネスを始めたきっかけは、
西辻氏が高校生のときに
耕作放棄地を見たときのことだった。

なんとかこれを活かすことはできないかと考え、
農業の現状を変えたいという考えに至ったという。

そして、農学に必要な物理、
化学、生物を中心に勉強して京都大学農学部に進学。
卒業後に起業し、現在に至るという。

驚くべきはそのモチベーションの高さだ。
以前、ビジ達で「馬を水辺に導くことはできるが、
馬に水を飲ませることはできない」という諺を紹介した。

しかし、西辻氏の場合、
導かれずとも自ら水辺に向かうほど
モチベーションが高い。

これを中島流に表現すると“モチベーション経営”だ。
“モチベーション経営”とは、
ある志の実現のためにビジネスに取り組み、
経営そのものはあくまでそのプロセスと考えること。

そのため、このタイプの経営者には、
志を実現するために労を厭わない人が多いのだ。

この“モチベーション経営”を展開するのは、
西辻氏だけでなく、私が知っているだけでも数人いる。

たとえば、ミドリムシで有名なユーグレナの出雲社長。
学生時代にバングラデシュの食糧問題を
目の当たりにしたことがきっかけで、
ミドリムシの研究を始めたという。

当時、ミドリムシの大量培養は無理だと言われていたが、
諦めず研究し続けたことで成功させ、
可能性あるビジネスへと発展させた
(現在はバングラデシュでミドリムシクッキーによる
食糧支援も行っているという)。

他にも、北海道でロケット開発に携わる植松電機がある。
もともとはリサイクル関係の業務用マグネットの
製造販売をしているのだが、
ロケット開発という子供の頃からの夢を追い続けた。

そして、周囲から「どうせ無理」といわれながらも、
諦めずチャレンジし続けた結果、
北海道大学とのハイブリッドロケットの共同開発により
「NASAより宇宙に近い町工場」
と言われるほど発展したのだ。

これらの人たちに共通することは、「諦めないこと」。
自分の意志で夢の実現に向けて行動する人は、
打たれ強く、どんな困難を前にしても諦めない。

それは、“モチベーション経営”をする人の
特長だといってもよいだろう。

私も「クリエイティブな仕事」と
「人に教えること」に興味を持ち、
クリエイティブ業界で会社を設立して
コンサルティング業も行い、31周年を迎えた。
これも、ある意味で
“モチベーション経営”なのかもしれない。

これからも「諦めない」姿勢で
“モチベーション経営”をしていこう!

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重要なのは「諦めない」こと!

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ミドリムシも“モチベーション経営”!

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07/22
2014

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“見・投資交代25”

「ピッチャーの交代をお知らせします。
ピッチャー堀内に代わりまして、宮田…」。
私くらいの年齢の人ならご存知かと思うが、
“8時半の男”として有名になった
ジャイアンツの故・宮田投手への
交代のアナウンスだ。

プロ野球の世界では、
監督という客観的判断ができる人間が
交代の指示を出せる。
しかし、ビジネスの現場には
監督のような立場の人はいない。

会社経営においては
監督という立場の人はいなく、
経営者自らが交代か続投かを
判断しなければならない。
まさに“見・投資”が求められる。
さらに社長が創業者ともなれば
尚のことだろう。

つまり、いくら能力やエネルギーが
あり余っていたとしても、
続け過ぎることは
逆に陰りを生むきっかけになりかねない。

最近だと“ジャパネット高田”の社長が
65歳を迎えて、35歳の息子に
社長の座を譲る決断を下した。

高田社長も私同様、
創業社長なので相当な覚悟が
あっただろうが、
この時期に“見・投資交代”を
することが非常に大事なのだ。

私の場合もそうだ。私がいるクリエイティブ
業界を見渡すと、
同世代の社長たちの大半が
引退して次の世代にその座を譲っている。

なぜなら私たちクリエイティブ業界は、
電子機器の扱いに差が生まれる
デジタル格差、いわゆる
“デジタルデバイド”
“ジェネレーションギャップ”などの
弊害にぶつかるのだ。

そうなると、次第に時代やクライアントの
感覚にそぐわなくなってきてしまう。
だからこそある一定の間隔での社長交代が必要なのだ。

そもそも、仕事をする上で
一番活躍できる年齢が、
社会的知識、ビジネスへの関心、
人間性を含め30代の前半から50代後半までだろう。

そのため、この世代の人間に
シフトしていくことが望ましい。
数字にするとおおよそ25年周期となる。

実例としては、18代続く老舗和菓子店の
“とらや”も創業約480年だが
おおよそ25年周期(一代約27年)で
経営者が代わっているし、
320年余り続く“半兵衛麩”も
同様だ(狙ってかどうかはわからないが…)。

きっちり25年の交代が
良いというわけではないが、
次代の変化に対応できる周期が25年なのだ。

引き際の判断を自らできる社長が
いる企業こそ、“見・投資力”があり、
長く良いビジネスが続けられる企業と
言えるだろう。

私も今年の9月からは、
あと1年と少しは会長職として
働いていくつもりだ。

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ビジネス見・投資√25

key2

弊社新社長予定者の山田副社長

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