これからの選ばれるビジネス!

これからの選ばれるビジネス!中島セイジのビジネスの達人

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ファインスピリッツキーワード

04/28
2014

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継続は“レーゾンデートル”

1801年から続く
老舗どじょう料理店・駒形どぜう。

江戸時代、当主である3代目助七は、
略奪行為を繰り返す貧困層の集団に対し、
米俵を提供し、炊き出しの手伝いもした
という太っ腹ぶり。

その懐の深さがたちまち地域で評判になり、
瞬く間に繁盛店になった。

料理のおいしさとおもてなしの姿勢から、
今も多くの人々から愛される駒形どぜう。
しかし、2014年の今日までに
なんと計5回も店が全焼しているという(!)。

大きな危機に瀕したのは、
駒形どぜうだけではない。
特に戦時中は、多くの商家が
苦境に立たされた。

武器などをつくるために
金物を供出したり、
統制品である米や小麦粉を
商売に使えなかったりしたため、
多くの店が廃業を余儀なくされたのだ。

かの有名な赤福も、1944年に
一度のれんを下ろしたという。
しかし、5年ほど時を経て
見事に復活を遂げる。

さて、廃業する店も数多くある中で、
駒形どぜうや赤福が、復活を遂げて
今も営業を続けられている
理由とは一体何なのか。

それは、確固たる存在理由
(レーゾンデートル)を
確立したからに他ならない!
関係者や地域の人々に愛され、
「あの店を復活させたい・継続させたい」
という強い思いに支えられてきたのだ。

現代の企業で例を挙げるなら、
地域貢献をテーマにした
ビジネスを展開している
大里綜合管理だ。

東日本大震災の後には、
自社の経営も不安な中で
ボランティア支援活動に尽力した。
今では地域にとって
なくてはならない存在に。

やはり時代が変われども、
根底にあるのは“先義後利”の考え方だ。
“仁”を大切にして地域を思いやり、
その地域でできることは何か、
人々のために貢献するには
どうしたらいいかを追求する。
それが結果的に存在理由へと結びつくのだ。

そして、人としてあるべき道理である
“義”を重んじることで、
多くの人から選ばれ、
壁にぶつかったときには
支援を受けられる。

社会全体の考え方は時代と共に
移り変わっているかもしれないが、
本来人として重んじるべきことは
いつの時代も一緒だろう。

200年以上も前から仁や義を
徹底している駒形どぜう。
5/4、5/11のInterFM『BUSINESS LAB.』では、
6代目当主に老舗ならではの
極意を語っていただく!
ぜひお聴きあれ!

――――――――――――――――――――――
InterFM『BUSINESS LAB.』
東京76.1MHz・横浜76.5MHz
毎週日曜 朝 6時から好評放送中!
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6代目当主

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愛され続ける駒形どぜう

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末永く続く商家とは?

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老舗といえば半兵衛麩!

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04/14
2014

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“ヒューマン効率時代”の水先人

暖かい春の日差しが照らす中、
忙しく行き交う人を横目に、
私は毎朝の掃除をする。
掃除は自分の心を平静にするにはかなり効果的、
そんなことを思っていると…。

この近くの施設に行こうとして
道に迷っている方にこの数日間はよく道を尋ねられる。
それは、近くにある大学の新入生であったり、
新社会人であったりさまざまだ。

道で掃除をしていることにより
「地域の人なのでは?」と思われ、
それが話かけやすさに繋がっているのかもしれない。

あまりの頻度で道を聞かれるため、
気が付くと私は色々な人に道を教える
“道先案内人”になっているのだ。
そのもとは、“水先案内人”すなわち“水先人”。

“水先人”とは、たくさんの船舶が行き交う
港や海峡などにおいて、各船舶の船長を補助し、
船舶を安全かつ効率的に導く専門家のことだ。

「船長を補助し、船舶を安全かつ効率的に導く」
いま必要なのは、時代の“水先人”。
つまり、時代の流れを察知し、
進むべきベクトルを指し示す人ではないだろうか。

複雑化し、混沌とした今のような時代には、
この水先人の役割は大きいと言えるだろう。
そこで、“時代の水先人”を自称する (^_^;) 私としては…。

これまでの社会を中島流で分析すると、
経済的視点を優先して物事を判断する、
“経済効率ステージ”であると言える。

私が提唱している“パラダイムシフト75”
の考えをもとにすると、戦後から始まった
“経済効率ステージ”はもう70年ほど継続しており、
終わりに近づいていると言える。

すなわち、もう次のステージへと移行する
タイミングだということだ。
では次に続くステージとは?
それは“ヒューマン効率ステージ”である。

一言で言うと、人と人との結びつき(絆)を
重視する経済ステージのことで、“
心の満足度”が価値を持つ、
より人間的な経済ステージのことだ。

だからこそ無理のないスピードで仕事に取り組み、
無理なく人が成長することができる。

そういう社会の変化に先んじて対応して
ビジネスを展開するためには、時代を導く水先人が欠かせない。

「この先のビジネスはどこに向かうんですか?」
そんな疑問を持つビジネスの道を行く人々を導く水先人。
そんな存在にわたしはなりたい。

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中島流“新パラダイムシフト75”これからのステージは“ヒューマン効率ステージ”だ!

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04/07
2014

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“引き算”の仕事道

「日本力」という本をご存じだろうか
(先にもビジ達で紹介したのだが…)。
“知の巨人”松岡正剛氏と、日本を写し続ける写真家
エバレット・ブラウン氏との対談本であり、
いまを生きる日本人必読の一冊だ。
このなかで松岡氏は、日本には「引き算の美」があると語っている。

これは何かを“引く”ことで、
逆にそこに何かあることを感じさせるということ。
日本の精神を表す言葉としてよく耳にする「わびさび」もそう、
お客様に対してせっかくいらしていただいたのにご馳走もなく、
高価な茶器もないので申し訳ないというお詫びの「わび」と、
寂しい様子を表す「さび」と言うところから発生した言葉だ。

謙虚さの中に見出す美しさ…といったところだろうか。
私自身、「日本道」に着目していたせいもあって、
この「引き算の美」にすっかり共鳴感を抱いてしまった。

思い返せば子供の頃、
木々に囲まれた私道に散らばった落ち葉を祖母に命じられて掃いていた。
そしてふと振り返ると、掃き清めたばかりの庭に
ほんの一、二枚の落ち葉がすでに落ちているではないか。
その一、二枚の落ち葉が掃き清められた道をどんなに引き立てたことか。
私は、これも「引き算の美」だと思うのだ。

日本の伝統工芸品である漆器もそうだ。
聞くところによると、高級なものでは10回くらいは漆を塗り重ねるそうだ。
一度塗り、金粉や銀粉を蒔いてはまた重ねていく。
そしてすべて塗り終わってもまだ完成ではない。

せっかく重ねた漆を、今度は磨いていくのだ。
そうすることによって表面が光るだけではなく、下の地が浮き出てくる。
「引き算の美」というわけだ。

私たちのデザイン業界で言う「シンプルに」というのも同じこと。
余計なものをそぎ落とすことで、
重要なものがよりはっきり見えてくる。

私がコンサルタント業務の一環として行っている、
講演でも同様のことが言える。

その時「皆さんにお届けしたい!」
とパワーポイントでいっぱいいっぱいに資料を作っても、
実際に使うのは6割程度、参加者の顔を見ながら
より響く内容を優先していくのだ。

その方が参加者にもしっかり伝わり、
その後のビジネスに活かしてくれるということ。
そう、「引き算の美学」は仕事にも生きてくるのだ。

考えてみれば、何度も触れてきた老舗の仕事にも
「引き算の美学」が実に多い。

「虎屋」だって、作っている商品はたくさんあるが、
主力商品はこれ! と決まっている。
いまはマカロンだって作っていたりするのだけれど、
結局は羊羹なのだ。
羊羹しか作れないのじゃなく、色んなものが作れる中での羊羹なのだ。

これしかないのか、たくさんある中でそぎ落としてあえて「これ」なのか。
例えば仕事において最終的に同じ結論に至っていたとしても、
色々なスキルをもち、経験から人間力も磨き上げた人が
要らないものを差し引いて「これです! 」と示す場合がある。
しかし経験の少ない人がほとんどシュミレーションもせずに提出する場合もある。
当然お客様の反応も違うだろう。

引き算が出来るようになって、より仕事が深まるのだ。
仕事道を極めようと思うなら、キーワードは「引き算の美学」。
これを忘れてはいけない。

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03/31
2014

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ピークバランス45(歳)

先日ある雑誌で、
ノーベル物理学賞を受賞した
江崎玲於奈(えさき・れおな)氏と
筑波大学名誉教授である
村上和雄氏(以前にもお会いした)との
対談の特集が組まれていた。

対談の中で話題に上がっていたのが、
新しいアイデアを生み出す「創造力」と
物事を理解して判断する「分別力」の
バランスについて。

江崎氏いわく、
20~70歳を目安に考えると、
20歳から70歳に向けて
分別力は上がってくる。
だが、創造力は20歳をピークに
衰えてくるという。

そしてこの2つが交差する時期が45歳であり、
両者のバランスが一番とれているというだ
(なぜ20歳なのかというと、
学生たちに向けて話していた
内容だからかもしれない)。

たしかに、ノーベル賞を受賞する
学者たちは高齢の方が多いが、
その研究は45歳前に
発想したものばかりだという。

とにかく、この内容は私の考えている
“ピークバランス45”とも似ている。
これは、中島流に経営の視点で考えた
人間の能力グラフのこと。

若いころに発想される「創造力・推進力」と、
人生の後半に培われる「分別力・人間力」
それぞれのグラフを
2つの山を描くように重ねあわせたものだ。

30代の頃は何でもチャレンジして
アイデアを出すことができるが、
判断力が足りない部分もあるだろう。
だが、経験を積むことで、
次第に未来を見通した判断や、
周囲に対する配慮が培われていくのだ。

このように、中島流のグラフにおいて、
創造力に加えて推進力は
20代以降も伸び代がある。
これらは20代から上昇し、
35歳頃にピークを迎える。

その後、分別力と
人間力が次第に高まり、
60歳を過ぎた頃にピークを迎えるのだ。

そして、この2つのグラフが重なりあう、
一番バランスがとれた時期が
45歳頃といえるだろう。

ふと今まで関わってきた
経営者の方々を思い返してみると、
このグラフが当てはまることが多い。
つまり、経営にも“ピークバランス”が
存在するということなのだ。

時代が移り変わるように、
経営も、人もいつまでも
同じ状態でいるのは難しい。

経営に“ピークバランス”を意識すると、
常にいい状態をキープできることに
つながるかもしれない。

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長期的に見たバランスが大切!

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03/17
2014

moba (3)

“志Bar”を掲げる

先日、岡山県の盲学校前教頭だった
竹内昌彦氏のお話を聴く機会があった。

竹内氏は小学校2年生の頃には
失明状態だったという。
だが、驚くべきは全盲をものともしない志の高さだ。

昭和1945年に生まれた竹内氏は、
幼い頃から眼の不自由さに悩まされていた。
それによる周囲からのからかいやいじめに
立ち向かわなければならなかったという。

そして、全盲となったことで盲学校に転校。
その後は家族からのバックアップもあり、
「全盲でも何かができるはず」と、
何事も懸命に行ってきたそうだ。

その努力と周囲の支えによって、
ついに1964年の東京パラリンピックの
全盲卓球で金メダルを獲得したのだ。

その後は教師への道を目指し、
猛勉強の末、東京教育大学に入学。
卒業後には盲学校の教師に就くことができた。

現在は教師を引退し、
非常勤講師を行いながら
講演活動も行っている。

そして、その収入でモンゴルの
視覚障害者のための職業訓練学校を
開校したというのだ。

竹内氏いわく、
目が見えないことによる
困難や障壁は多かったという。

しかし、常に高い志を持って
チャレンジし続けることにより、
それらの困難や障害を
克服してきたのだろう。

その話を聴いていて頭に浮かんだのが“志Bar”
(これはお酒のBarではなく、ハイジャンプのBar)。
すなわち、“志”を走り高跳びのBarに例えたのだ。

志Barを高く掲げると、
当然、さまざまな困難を
乗り越えなくてはならなくなるだろう。

また、この志Barの下には
“クリアーBar”なるものがあるのだ。

これは、志Barを掲げることにより、
いつの間にかクリアーしてしまう困難なBarのこと。
つまり、志Barが高ければ高いほど、
クリアーできる(しなければならない)
困難も当然多くなるということだ。

これは、ビジ達で何度も紹介している、
“α力学”の作用の1つでもある。

これは、通常の生存領域より高い次元で
物事をとらえることにより、
未来の問題点が克服できるという
“力の作用”のこと。

竹内氏の例はまさにこの“志Bar”を
常に高めに設定していたことで、
克服できる困難のレベルも
上がっていったのだろう。

それにしても、日本だけでなく、
モンゴルという国にも
貢献してしまうわけだから、スゴイ!

そういえば、度々登場する大里綜合管理も、
地域貢献を経営理念の1つに掲げ、
日常的に行うことを志している。

すなわち、地域貢献という
志Barをしっかり掲げているからこそ、
通常の会社よりかなり多いであろう
イベントや日常の業務を
こなせているということなのだろう。

このように志Barは、
個人・企業関係なく様々な困難を
乗り越えるための指標にもなる。

そしてそれは、ビジネスだけでなく、
私達の人生においても、
常に高く掲げ続けることが重要なのだ。

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