これからの選ばれるビジネス!

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09/24
2013

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Long Rangeの大局観

物事を俯瞰して見る大局観は重要だ。
しかし、現代の社会ではそこに
Long Range(=長期的)な視野も加える必要が出てきている。

例えば、大手企業で取り入れられている四半期決算。
この3ヶ月ごとという非常に短いスパンで企業が公表する数字だけで、
企業の様々な事柄を決めることは、
かなり即物的な展開となってしまうのではないだろうか。

企業が成長していくためには、
必要な人材を育てる時間や市場を育む時間、
そして長期的な開発をすることも重要だ。

つまり、Long Rangeな考えがかなり重要となってくるのだ。

先日もたまたま観たボクシングの世界戦で、
Long Range的試合展開を見た。

日本人選手が勝利を収めたのだが、
このとき勝敗を決めたのは、強いパンチ力ではなく、
1ラウンドから放たれたジャブや
ボディブローの小さなダメージの蓄積。
その地道に積み重ねた小さなダメージが蓄積され、
後半戦では隙となって現れてきたのだ。

ボクシングにおけるボディブローは、
まさに後半戦を見据えた戦い方だ。

前橋育英高等学校の野球部では、
荒井直樹監督がLong Rangeを意識して、部員を育んでいるという。

それは、毎日練習の前にゴミ拾いをさせていること。
ゴミを拾う中で、気付きが生まれ、
試合の中でも相手の変化を察知することができるようになるからだ。
そして、それだけでなく社会に出た後も
人として役に立ってくるだろう、とも。

このようなボクシングの試合や、
荒井監督の部員の育み方は、
まさしく“Long Rangeな大局観”で
物事を捉えているといえるだろう。

今の社会や政治は、長期的に物事を捉えられているだろうか。
残念ながらノーだ。
近年、このLong Rangeな考えが
特に不足しているように思えてならない。

インターネットが普及し、
すぐに世界中の人の価値観や考えを
知ることができるようになったことで、
ワールドワイド(物理的な俯瞰)に物事を捉え、
考えられるようにはなっただろう。

しかし、長期的に計画・行動できているだろうか。
瞬間的に情報を得られる現代だからこそ、
Long Rangeで考えることが
難しくなってきているのかもしれない。

目先の効果、目先の成果、目先の利益。
こんな時代だからこそこれらを追い求めず、
その先にある大きな成果(サスティナブル?)を求める
“益はなくとも意味はある”という考えを持つべきだろう。


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ゴミ拾いと野球にも繋がりがある!

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Long Rangeな考えで優勝へ!

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昔も今も、大切なことは同じ。

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09/17
2013

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仁・義・礼・智・信の発信

2020年東京五輪開催決定おめでとうございまーす(やんや やんや)!

開催決定の発表がされた瞬間に沸き立った日本人も多かっただろう。
五輪招致を決めるあのプレゼンテーションも素晴らしかった。
…が、私の中では100点ではなく、80点のプレゼンだったと思う。

この不足の20点分とは…。
それは日本がこの東京五輪を通して、
世界の平和や未来のためにどんな役割を担い発信をしていくのか、
という大局的見地からのプレゼンが欲しかった!

その日本の発信していくべき姿は、ビジ達でもおなじみ、
1964年東京五輪での柔道無差別級の決勝にある。

へーシンクvs神永の決勝において、
ヘーシンクが行った柔道の精神を体現した行動。

勝っても奢らない、相手を称える、礼を重んじる、などなど。
あれから56年後に開催される2020年東京五輪では、
その日本の精神・価値観を世界に発信していくべきなのだ。

その日本の価値観とは…
儒教の教えである「仁・義・礼・智・信」がそのひとつ。

仁…人を思いやる、他人への優しさ。
義…正義、正しい行いを守る姿勢。
礼…行事の中の規定される立ち振舞い。
智…勤勉さ、物の道理を知り正しい判断を下す能力。
信…友情に厚く、真実を優先する姿勢。約束を守る誠実さ。

この「五常」と呼ばれる5つの徳目は、
まさしく今後の世界に必要な事柄に思えてならないのだ。

またこれは、以前ビジ達でも紹介した
“発酵”に通ずるところがある。

利潤を追い求める、
競争社会というある意味“腐敗”した現代において、
思いやりや和を大事にする協調の姿勢は、
自然であり、バランスのよい“発酵”した社会をつくるだろう。

この2020年に向け、日本全体でその役割を理解して取り組んだとき、
人類にとって意味がある“東京五輪”となりうるのだ。

まずは私達自身がこの「仁・義・礼・智・信」を実践しなければ…

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今でも語られる素晴らしい決勝だ。

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今こそ日本の価値観を発信していくとき!

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09/09
2013

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“先義後利”が選ばれる

以前にビジ達で紹介させていただいた“先義後利”。
今回、またそれを紹介したくなるエピソードと出会った。

先日、月刊CDのゲストにご登場いただいた、
株式会社フォーバル取締役会長・大久保秀夫氏とお話をさせていただいた。

27~8年前、当時大手ばかりが参入していた通信業界に風穴をあけ、
高額だった通信料を変えようと大久保氏は仲間とともに33億かけて、
ある通信機器を開発した。

それは、多くの生活者が低価格で電話をかけられるというメリットがある、
通信業界にとって画期的なものだった。

しかし、その通信機器の導入交渉をするため、
向かった最初の大手電話会社で、
50億円で全て買い取ると言われてしまう。

だが、これは生活者のためにつくったものであり、
ひとつの企業のためにつくったわけではない。

その大手企業のトップとの長時間ものやり取りの末、
一度は契約のサインをしてしまうのだが、
その後、すっきりしない気持ちがそこにあることに気づく。

そして再度交渉に望み、自分たちの開発の義を通すことに成功した。
なんと一度交わした契約書を白紙に戻すことができたのだ。

このように、目先の利益ではなく
本来の開発目的の生活者のことを考えた決断は、
まさに“先義後利”だといえる。

大久保氏は契約を白紙に戻した後は、
どこか清々しい気持ちになれたそうだ。

この経験から、大久保氏は会社の事業理念として、
1に、その事業が社会貢献できるもの、
2にまだ誰も始めていない事業であること、
最後に経済性であり市場性があること、とした。

これらの理念・考え方は、
大久保氏の会社で働く社員たちからの共感を呼んだ。
それを表すのが、離職率が高いといわれる情報通信業界においての、
フォーバルの離職率の低さ。

義を大切にする気持ちは社員たちに働く意義を見出し、
さらにはお客さまにも選ばれ続けるようになったのだ。

義を大切にすることは因果応報であり、
それは多くの仲間や協力者を得ることにもつながるのだ。
やはり、ビジネスにおいても選ばれるは“先義後利”!

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やはり選ばれるは先義後利!

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清々しい決断ができるか、否か。

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09/02
2013

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結果よりプロセスの義

「甲子園入り後も、いつも通り選手には毎朝、
散歩でゴミ拾いをさせました。」

これは新聞の記事で見つけた、
今夏の全国高校野球で、初出場・初優勝を果たした
前橋育英高校の荒井直樹監督の話。

さらに監督はこんなことも語っていた。

「ゴミを見つけるのは、試合で相手の変化に
気づくことにもつながるんです。
そして何よりも、ゴミを捨てなくなるでしょ。」

「社会に出れば、野球の実績は関係なくなります。
だから、野球以外に対して厳しくしてるんです。
心は一生ものなので…。」と。

荒井監督の信条は「凡事徹底」。
だから、野球における失策などでは怒らないが、
全力疾走やカバーリングなど、
誰もができる当たり前のことを怠れば叱るそうだ。

毎朝のゴミ拾いと、凡事徹底。
この2つから思い浮かべる人物はただ一人。

そう、鍵山秀三郎相談役だ。実はこの記事を教えてくれたのも、
日本を美しくする会の関係者だったのだが、
荒井監督は間違いなく鍵山相談役のシンパなのだろう。

先に書いた通り、荒井監督は選手たちを
ただ甲子園出場を目指して指導してきたのではない。
凡事徹底をすることによって、
野球選手としても一人の人間としても、
その後の社会で活躍できる人間を育てているのだ。

つまり結果よりもプロセス。
そこで私が感じたことは、やっぱり「結果よりプロセス」。

高校野球をしていることや甲子園に出場することは、
人生においてはプロセス。それを通して、
結果的に社会に出た時にどんな人間になるか。
そこに重点をおいて、荒井監督は凡事徹底の指導をしているのだ。

プロセスを大切にしたからといって、
結果がついてくるわけではない。
しかし、実力差はほとんどないであろう高校野球において、
このちょっとした精神的差が結果を左右するのではないだろうか。

プロセスこそ人を育て、人をつくるということを改めて感じた。

さすが鍵山相談役のシンパだ(…今はまだ予測だけどね)。



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日本を美しくする会 鍵山相談役

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やっぱり、結果よりプロセス!

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08/26
2013

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“益はなくとも、意味がある”

先日、久々に千葉県大網にある大里綜合管理(以下大里)の
朝礼に参加させていただいた。

なんと、会社の朝礼なのにその輪の中に10人ほどの子供たちがいる。
そして一緒になって体操をし、
今日のテーマ、例えば「今日のうちに宿題を終わらせたいと…」
などと語っているのだ。

数日前までは50人の子供たちがいたというが、
なかなかこの光景はめずらしい。

これは大里が取り組んでいる、学童保育。
それにしても、地域のためとはいえ、
仕事場に子がいれば難しい場面もあるだろう。

また、以前から積極的に取り組んでいた節電。
全員で真剣に取り組んだ結果として、
いまや震災前の30%以下になったという(スゴ~!)。

ここ大里は、収益に直接結びつかない地域貢献活動を
いまだに100を超える程取り組んでいる。

と、いろいろと頭に浮かべながら、
朝礼に参加させてもらっているうちに、あるキーワードが…。

「益はなくとも、意味がある」

まさに大里の取り組みであり、今後必要となるキーワード。
あの掃除哲学で有名な鍵山秀三郎相談役もよく口にする言葉だ。

少し調べてみると、紀元前700数十年前に活躍したという
中国の春秋時代・斉の宰相であった
晏嬰(あんえい)という人が語った言葉のようだ。

経営者向けのある雑誌の対談でも、
“利益にならなくても、意味のある行動こそ大切にしたい”
というキーワードが登場していた。

このところの経済優先の企業活動は、
すべてが利益を念頭においている。
どれだけ益を得るか、儲かるか、
益がなければ取り組む意味がないという考え方ばかりだ。

これは、中島流解釈でいうと「意味がなくとも、益がある」。
もっと言えば「害はあっても、益がある」ということだ。

その結果、モラルやマナーがなくなったり、
格差が広がり、心の病に冒される人が増えたり、
地域文化も疲弊し、人間関係の希薄化が進む。

そんな世の中だからこそ、
私たちは今「益はなくとも、意味がある」という価値観に
シフトしていかなくてはならない。
そこに、どれだけの意識と手間を投資できるかが重要なのだ。

今必要とされているのは、すぐに見返りが得られなくても、
辛抱して徹底できる経営。
目先の成果が得られなくても、
意味あることに積極的に取り組めるかなのだ。

と、実は弊社が来月開催するイベント“QB EXPO”のテーマも
「益はなくとも、意味がある」に決定!
今回のイベントはそんな価値観の集大成になるだろう。
乞うご期待!

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会社の朝礼なのに子供がいっぱい…

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目先の利益にとらわれない取り組み

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大里綜合管理の地域貢献とは

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益がなくても取り組む意味はある!

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