これからの選ばれるビジネス!

これからの選ばれるビジネス!中島セイジのビジネスの達人

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06/17
2013

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経済は“経世済民”でなくては!

先日、日本ニュービジネス協議会連合会(JNB)の
池田弘会長が「渋沢栄一賞」を受賞!
その祝賀会に参加させていただいた。

渋沢栄一賞とは、近代日本の資本主義社会の父と呼ばれた
渋沢栄一氏をたたえ、
健全な企業活動と社会貢献を行っている
全国の企業経営者を対象に贈られる賞だ。

池田氏は「501の会」を発足し、
渋沢氏が行った500もの企業設立支援を超える取り組みを
実践しようとしている。
その活動が認められ、今回の受賞に至ったのだろう。

渋沢氏は“経世済民(けいせいさいみん)”という
言葉を度々口にしていたという。

“経世済民”とは、中国の古典に登場する言葉で、
その略語として「経済」が用いられるようになったが、
その用法は現代の「経済」とだいぶ異なってきた。

もともと経世済民とは「世を経(おさ)め、民を済(すく)う」。
つまり、道徳的な商いにより世を直し、
民を救うという意味なのだ。

渋沢氏は“論語と算盤”に代表されるように、
一見相反するような道徳と経済をどう両立させるかを
テーマにしながら日本の経済を発展させてきた。

この考えは、これまで“ビジ達”で紹介した
偉人たちとも共通するものがあるのだ。

「道徳を忘れた経済は罪悪である。
しかし、経済を無視した道徳は寝言でしかない」
という二宮尊徳。

利益だけを求める商人は破綻を招くと
“商人道”を説く石田梅岩。

これら先達も目指すべき経済のあり方は同じである。

すなわち約100年前の渋沢栄一氏も
約200年前の二宮尊徳も、そして300年前石田梅岩も、
行き着く先は同じ価値観だということ。

ところで、現代の経済は、
果たして道徳と経済をうまく両立できているのだろうか。
利益ばかりを追求してその本懐を見失っていないだろうか。

今まさに経済を優先しすぎている世界を見直し、
経済の本来の言葉「経世済民」へと変えるべき時に来ているのだ。

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埼玉県深谷駅のそばにある渋沢栄一の銅像

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彼の目から見たビジネスの未来は…

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06/03
2013

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士魂の覚悟

「じゃぶじゃぶ使え」
そう繰り返しおっしゃっていたのは、
あの「俺のフレンチ」「俺のイタリアン」で話題沸騰中の坂本孝氏。

実は先日、私が主催するαクラブ定例セミナーに
ゲスト講師としてご講演いただいたのだ。

この「じゃぶじゃぶ使え」とは、
「原材料費を気にせず、じゃぶじゃぶ使え」ということ。
提供する料理の原価率は60%を超え、
中には85%に達する料理もあるというから驚きだ。

「俺の」シリーズが人気なのは、
一流の食材を使って一流の料理人が作る料理を、
立ち食いスタイルによって回転数を上げることで
驚くほど安く提供しているからだ。

料理の質に妥協を許さない一流思考と、安価で提供するための工夫。
その信念を貫く“覚悟”が、お客さまの満足度を醸成し、
結果として集客に結びついているのだろう。

そんな話を伺った後日、私は坂本氏が展開する
新たな「俺の」シリーズ、「俺の割烹」に足を運んだ。

すると、なんとレジの横に、“じゃぶじゃぶ”と
毛筆で書かれた額が飾ってあるではないか!

まさか飾られているとは思わなかったので正直驚いたが、
お客さまも従業員もよく見える場所に飾られた
その“じゃぶじゃぶ”からは、
やはり坂本氏の確固たる“覚悟”が感じられた。

さて、このところよくビジ達でもご紹介させていただいている、
現在の出光興産の創業者・出光佐三氏も
まさに確固たる“覚悟”を持っていた方。

当時の出光商会は、日本が戦争に負けたことで
海外の店舗は締めざるを得なくなり、
多くの店員が仕事に就けない状態であった。
さらに、国内でも販売する商品(石油)が尽き、経営危機に陥っていた。

しかし、断固として馘首(かくしゅ)をしなかった出光氏。

それは、社員を家族のように思い、
“人間尊重”の精神を重んじていたからに他ならない。

いくら経営危機に陥っても、
「店員は財産だ。絶対に馘首はしない」という信念を貫く
“覚悟”があったからこそ、その後の店員たちの活躍と
会社の成果につながったのだろう。

また、イエローハットの創業者であり、
日本を美しくする会の相談役を務める鍵山秀三郎氏も、
「徹底する」という“覚悟”を持って掃除を継続してきた。

掃除は徹底し、そして継続して行わなければ、
様々な「気づき」を得ることはできない、という
信念に基づいた“覚悟”である。

この“覚悟”が様々な気づきを生み、
また多くの人々の心を動かしてきた。

今まさに、時代は過渡期を迎えようとしている。
これからの時代、この徹底した“覚悟”こそが、
ビジネスで成果を上げるため、そして社会から評価を得るための
重要なキーワードになるのではないだろうか。

これを中島流に“士魂の覚悟”と呼ぶことにしよう。
揺るがない、武士の魂を持った“覚悟”ということだ。

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「じゃぶじゃぶ使え」@αセミナー

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士魂の料理

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一流シェフが腕を振るう

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“覚悟”はいつも見えるところに

key (5)

一流の料理人がズラリ

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05/20
2013

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“オトコ気”ビジネス

「時代の価値観は75年周期で大きく変わる!」
私はこの法則を “パラダイムシフト75” と呼び、
これまでのビジ達でも何度もお話させていただいた。

これまでの75年は、
マーケティング効率をロジカルに計算し、
システマチックに物事を捉えるビジネスにより
経済を活性化させてきた。

ところがそれによって、人間関係の悪化や格差問題、
マナーやモラルの欠如、地域の疲弊など、
結果として社会に悪影響も及ぼしてしまったという側面もある。

しかし今過渡期を迎え、そんな“経済優先型ビジネス”や、
理屈や効率を優先した“MBA的”ビジネスといった考え方は、
終焉を迎えようとしている。

では、次は一体どんなビジネススタイルが注目されるのだろうか。

そこで最近出会ったのが、百田尚樹氏の書籍『海賊とよばれた男』。
出光興産の創業者、出光佐三氏を題材にしたドキュメンタリー小説である。

この本のテーマのひとつでもある「士魂商才」は、
出光佐三氏がビジネスにおいて実践してきた、
“武士の魂を持って商いをする”という考え方。

出光商会には、出勤簿や就業規則、
定年や馘首(かくしゅ)がない。
社員を「家族」のように捉え、
大胆且つ義のある決断で“人間尊重”に重きを置く。
これぞ出光流ビジネススタイル!

規則に縛られるのではなくお互いを理解し合い、
信頼関係によってビジネスを成立させる、
まさに“オトコ気”ビジネスなのである。

その価値観でビジネスを展開することで、
それに関わった人に感動を与え、
結果的に「応援したい!」「協力したい!」といった
感情や信頼関係が生まれるのだ。

ビジネスにはこのような醍醐味がある。
そこには理屈や打算は不要なのだ。

例えば、千葉県大網に拠点を構える「大里綜合管理」のビジネススタイルは、
目先の会社の収益ではなく、ロングレンジで物事を捉え、
地域の人に信頼を築くまさしく“オトコ気”ビジネスだと言える。
(あっ! 女性社長だった…)

※今週のBUSINESS LAB.5月26日(日)朝6時~7時に、
大里綜合管理のオトコ気 野老社長がゲスト出演!

この地域をとらえ、今の社会のソリューションを考え、
自社のビジネスをどう展開していけば貢献につながるのか。
そんな会社づくりを徹底することが、
結果的に「この会社とお付き合いしたい」
「この企業にお願いしたい」といった評価につながる。

これから必要とされるのは、
時代に合ったマーケティングを駆使しながらも、
“オトコ気”を活かしたビジネススタイルなのではないだろうか。


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  InterFM『BUSINESS LAB.』
  東京76.1MHz・横浜76.5MHz
  毎週日曜6時から好評放送中!
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士魂商才はオトコ気一杯!

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04/30
2013

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致良知ビジネス

このところ私がよく口にしている“良知の発現”。
中国の儒学者である王陽明先生が説いた言葉だ。

良知とは、善を理解する力のこと。
そして“致良知”とは、あらゆる欲を取り除けば
良知を発揮することができるという考え方。

先日、初めて入った青山のインドカレー専門店でのこと。
なになに、カレー2種にライスとナンはもちろん、
目玉焼きとデザートのヨーグルトがついてお値段890円。

よし、今日のランチはこれで決まり!
ところが、席について注文をすると…。

「じゃ、まずバターチキンと…」
「あ、お客さまそれは100円プラスになります」
「えっ! じゃあその下のキーマカレーは?」
「キーマカレーは大丈夫です」
「そうですか。じゃあキーマカレーと、あとあの大きく書いてある…」
「それも100円プラスになります」

えぇ~、外の看板にはデカデカと890円と書いてあるのに、中に入って
好きなカレーを注文したら+100円だなんて!
隣席にやってきたお客さまも同じように困惑していた。

はじめから990円としておくか、すべて890円で出しても
OKなメニューにすればよいではないか!
店側の罠にはめられたような、なんだか腑に落ちない出来事だった。

店側の「あわよくば…」という気持ちが見え隠れしており、
これは正々堂々としたビジネスではない。
中島流、結論!

このようなスッキリしない出来事はいろいろなところであるものだが、
お客さまにうまく取り入って、結果的に儲けに繋げようという
“狡猾な商売”(このカレー屋さんは、それほどではないが…)は、
そろそろ捨てるべきではないだろうか。

西洋のように経済優先型の発想をしていた近頃の日本だが、
いつまでも目先の利益を優先していては、
人として大切なものを失い、社会をも悪い環境に導いてしまうおそれが…。

これからの時代に必要なのは、関わった人が気持ちよくなれるビジネス。
つまり、“良知を発揮するビジネス”では?
結局のところ、ビジネスにおいても人間が持つ
道徳的知覚力・判断力を発揮する必要があるということ。

人に選ばれ続けるビジネスを展開するためには、
やっぱり“良知”を常に心に置いておく
“致良知ビジネス”が大切ということだ。

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えっこのボリュームで890円!?

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この時はウキウキの中島であった

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04/22
2013

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皐月賞を観て“知好楽”へ


よし行け、そのまま――!

思わず口にした声援を背に、黒馬「ロゴタイプ」は
一直線にゴールへ疾走し…おおお! 皐月賞、奪取!

先日、中山競馬場11Rで行われた「第73回皐月賞」にての出来事。
いやぁ、実に気持ちのよいレースだった。
前半の1,000mが58秒というかなり速いペースだと知ったとき、
これはもういけると予感。

なぜなら、全体のペースが速いと、
先行馬にとっては厳しいレースを強いられることになるからだ。
このときロゴタイプは中団に位置し、それもリラックスしての内側を走行。
勝つための舞台は整いつつあった。

これはいける…! そう思うやいなや先ほどの声援となったのだ。

競馬歴が長い私も満足する結果に終わったこのレースだが、
なぜロゴタイプが勝てたのか。
それは、レース中の馬の精神的状況に大きく差が出たからだろう。

馬は精神状態が結果に大きく影響するといわれている。
たとえそのレースが全体的に速いペースでも、
競馬の後から走るのと前に誰もいない前方を
ひたすら走るのとでは精神的消耗が大きく違う。

結果、レース後半は心身ともに幾ばくか余裕がある後方馬が
スピードを上げゴールを目指すことになる。

実績馬ロゴタイプに至っては、
利口な馬と関係者から言われていることもあり、
満を持してゴール手前約200mで先頭に立ち、
そのままの勢いでゴールすることができたということだろう。

さて、これは馬だけに限らず、人間も同じこと。
何かにチャレンジするとき、
困難にあたった時に精神が疲弊してしまい、ストレスに変わる。

このストレスをいかに貯めないようにするかで、
その先にある結果は大きく変わるだろう。
それほどのストレスになっていなければ、
チャレンジを繰り返すことができるからだ。

そんなことを考えていた時、先日読んだ雑誌で紹介されていた
「知好楽(ちこうらく)」という論語にある言葉が思い浮かんだ。

「子曰く、これを知る者はこれを好む者に如かず。
これを好む者はこれを楽しむ者に如かず」

これを知ってるだけの人は、これを愛好する人に及ばない。
これを愛好する人は、これを真に楽しむ人に及ばないという意味。

この言葉を借りるならば、
ビジネスにおいてストレスを溜めないようにするためには、
その仕事を、その困難をいかに楽しむかが重要ということ。

私のビジネスという名の競馬も、
様々な困難やトラブルに見舞われたが、その状況を
むしろ前向きに楽しむことで乗り越えてきた30年だったような…
(大変だったことは、意外に忘れてしまうんだなぁ~)。

ロングレンジに考えるならば、仕事を楽しむことこそ
ビジネスにおいて長続きする一番の秘訣なのかもしれない。
ロゴタイプもレースを楽しんでいるとしたら、ダービーも勝っちゃうかも…。



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美しい馬たちが集う決戦場。

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堂々新聞の一面を飾る雄姿。

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よし、行けー!

key (4)

みごと皐月賞、奪取!

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