これからの選ばれるビジネス!

これからの選ばれるビジネス!中島セイジのビジネスの達人

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はなまるア・ラ・カルト

07/08
2024

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令和時代の“メルシー閉店”が示す 「すでに起こっている未来」

いつもの整骨院通いの帰り道、敢えて早稲田駅で降り
“メルシーの閉店”を確かめてきた。

「突然ではございますが、
諸事情により六月いっぱいをもちまして
一旦閉店することとなりました。
お知らせする間もなく申し訳ございません。

長い間ご愛顧いただきまして
心より感謝申し上げます。」
[メルシー]

人不足の問題もあり、繁盛店“メルシー”は
やむ無く一旦閉店の決断をしたという。
メルシーの創業は1958年というから今年で66年目。
多くの早実や早稲田大学の卒業生がよく通ったと聞く。

私の会社創業の地が、新宿区早稲田ということもあり、
とにかくメルシーのラーメンには大変お世話になっていた。
あの繁盛店メルシーに、あるときは出前してもらった記憶が…
だって私のオフィスはメルシーから100メートルくらいのところ。
とはいえ、この繁盛店によく出前を頼めたものだと改めて思う。
またあるときは、弁当を持ち込みラーメンを注文したことも。
(ホールのおばちゃんたちは、OKしてくれるんだよね)

この5月には、メルシー監修のカップ麺「もや大」が
ローソン限定で発売されたばかり。
(探したけど、私はまだ食べられてないけど…)

なのになのに、まさかの閉店のお知らせ。
あの真面目な店主の顔が浮かぶ。
いろいろ試行錯誤したけど、この結論は仕方なかったのだろう。
あの閉店のお知らせの言い回しなら、また開店してくれると思うけど…


【学生たちの小腹を満たすラーメン店にも、パラダイムシフトが!?】

この“ビジ達”でもメルシーを何度も紹介させてもらった。
2012年の“ビジ達”ではラーメンは400円だった。
2018年の“ビジ達”でもまだ400円。
2020年にはやっと450円。
そしてついに今年に入って500円を超していた。

これもこのメルシーの存在理由が、気軽に安く
“学生たちの小腹を満たすラーメン店”ということなのだろう。

今回の一旦の閉店も、私が度々語る
“令和のパラダイムシフト”の一つの現れということ。
腹ペコの苦学生が当たり前だった団塊の世代からX世代へ。
そしてミレニアル世代とも言われるY世代でその役割は
終わったのかもしれない。

今の学生たちはすでにZ世代であり、
成熟化し満たされた社会で育ってきた人たちなのだ。


【メルシーで起こっていることも“すでに起こっている未来”の一つ】

あの羊羹の虎屋の“伝統とは革新の連続”という言葉のように
伝統の継続のためには常に革新を図って
新たなメルシーをつくらなくてはならないということ。

私はそこまでしてメルシーを継続していく時代ではないと考える。
店主も“これだけ多くの方々に愛されているので、
自分が元気であれば、あと5~6年は継続したい”と言っていた。
メルシーとしては、惜しまれながら繁盛店のうちに
店じまいできることは幸せなことかもしれないのだ。

もちろん、度々お世話になっていた私としては、
メルシーの“煮干しともみじの出汁ラーメン”を
味わいたいわけだが…
これは私たち昭和時代のオジサンの希望的観測。
時代の変化は、私たちのビジネスに対してそれほど甘くはない。

このすべてが加速する時代においては
すでに起こっている未来”があちこちに存在している。

その“すで起、未来”をしっかり察知して
次なるビジネス展開を考えて行きたい。

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メルシーは今年で66年目だった

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“学生たちの小腹を満たすラーメン店”

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はなまるア・ラ・カルト

07/01
2024

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サスティナブルな日本の競馬文化へ! 表参道の“BafunYasai TCC CAFE”存在の意味

“馬のうんち”が美味しい食に!
食べることが引退競走馬支援につながるという
表参道の「BafunYasai TCC CAFE」へ。
馬と自然を感じながら“馬ふん堆肥”にこだわった
安心安全の食材を楽しめる新空間だという。

実は、私の海外研修ツアーにも参加した
北海道帯広の屋台村の友人が、
このメニューづくりに活躍したと聞いている。
(阿部さん、美味しかったですよ!)

私が注文したのはランチのカレー。
とうもろこしが入った野菜スープと大盛りサラダもついてきた。
そのサラダの山のトップに置かれていたウマ型の大根がカワイイ!
(こんな仕掛けをもっともっとしてほしい!)
結果として、最後にはコリコリっと食べてしまうわけだが…。
バフン野菜はもちろん、カレーも美味しくいただき、
食後のコーヒーも競馬のレースを見ながら楽しむことができたのだ。

それほど広くない2階にあるカフェだが、
緑を意識した空間づくりを展開していた。
もちろんここは競馬をテーマとしたカフェということもあり、
私の座ったテーブルの前の大きなスクリーンでは、
函館、東京、京都競馬場と3場でのその日のレースを
目まぐるしく映し出していた。
(実はこの日は、雨の日で中波乱の“宝塚記念”となった日)

【競馬を楽しみ、“第二の馬生”をも支援しよう!】

私が競馬に興味を持ち、ダービーに注目し始めたときの優勝馬は
“バンブーアトラス”。
我が社(クオーターバック)創業の時の1982年のダービーである。
その次の年からミスターシービー、シンボリルドルフと
3冠馬が続くわけだが…
そういえばその頃、たまたま土曜日の馬券が当たったことで、
協力会社の集金に対応できたこともあったような…
(まぁ、あのころは資金繰りも大変だったからねぇ)
この頃から40年余りずーっと、
たくさんの競走馬たちにお世話になってきたわけだ。

日本では毎年約7000頭のサラブレッドが生産されている。
そしてすべての競走馬がまず目指すのは日本ダービー。
もちろんその後も競走馬として活躍する馬もいるが
実は毎年約5000頭が登録を抹消されて引退している。
その後は、繁殖用や乗馬用にと“第二の人生(馬生)”を送るのだが…
ケガや病気で活躍できなくなった馬は、やむなく処分されることに。

引退した競走馬が幸せな余生を送れるよう支援活動を行っているのが、
この“BafunYasaiカフェ”を運営する“TCC Japan”。
この“第二の馬生”を何らかのカタチで支援しようということ。
TCC Japanでは、そんな引退競走馬の保護のほか、
乗馬や馬の世話を通じた馬とのふれあい活動など行い、
引退競走馬に関する啓発に力を入れている。

そこで“支援の多様性”であり、“間口の広い啓発”
“日々の生活行動との結びつき”“SDGs”などの観点から、
馬糞と食とをつなぎ合わせた誰もが気軽に集える場所として
“BafunYasaiカフェ”を出店したという。
都会の人々にも引退競走馬のことを知ってほしい、
そしてできれば何らかの支援もしてほしいということだ。

“日本の競馬文化”の継続のためにも、
楽しませてもらった馬たちの余生のためにも
何らかのカタチで関わりたい!

さて私たちのビジネスも、収益のために都合よく利用するだけでなく、
“サスティナブル”を意識した企業文化づくりを追求しよう。

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表参道の「BafunYasai TCC CAFE」

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はなまるア・ラ・カルト

05/27
2024

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柔道・全日本選手権で8年ぶりに旗判定が復活!! 私たちのビジネスも、日本人ならではの評価基準へ?!

小さい頃から“柔道”とず~っと関わってきた私としては、
このルール改定は結構大きなニュース。

そしてこの1月に69歳になってから、恐る恐るも久々に道着を担いで
文京区役所の裏の講道館へ練習に行ってきたところだったのだ。

全日本柔道連盟(全柔連)は、体重無差別で
日本一を争う全日本選手権(4月29日・日本武道館)で
2016年以来となる旗判定の復活などの
大幅なルール変更を行うと今年1月末に発表。
全日本女子選手権(4月21日)も同様のルールが適用された。

【攻撃的な姿勢を評価するルール改定!!】

主な変更点は試合時間と判定、勝敗の基準。
昨年まで試合時間の4分以内に決着がつかない場合は
ゴールデンスコア方式による延長戦に突入していたが、
新方式では試合時間は5分、決勝は8分に延ばし、
副審2人を含めた3人の審判員による旗判定で勝敗を決する。
反則負けとなる指導の数も3から4に変更する。

旗判定の基準は、審判規定に
「試合態度、技の効果と巧拙、及び反則の有無等を総合的に比較する。
攻撃を高く評価するため『指導』の数のみを持って判定の材料とはしない」
と盛り込んだ。

すなわち、「攻撃的な姿勢を評価する」方針を明確に打ち出したわけだ。
実のところは、ワザにより投げて勝つより、
場外に押し出して“指導”を与えたり、
掛け逃げ的ワザの出し方で時間を稼いだりして、
“柔道”として見てて面白くない試合が多くなりつつあったわけだ。
(ワザ師として活躍した私としては、非常に残念な傾向だったのだ)

【日本人の民度であり価値観を活かした“ビジネスの評価基準”】

先の“ビジ達”で紹介した、鍵山相談役の一日一話の『グローバル基準』。
「1990年ごろから約三十年間で、
日本人が有していた高い精神性が目に見えて失われてきました。
原因は、アメリカ発のグローバル基準を
採用するようになったからだと思います。

もともと、人や会社を一元的な数値だけで評価するのには無理があります。
これは日本人らしさの否定に他なりません。
いまこそ、日本人の美徳である高い精神性を取り戻すときです。」

まさに、鍵山相談役が言いたかったのはこの価値観のこと。

“柔道”は世界のスポーツにはなったけど、
日本人における“柔道”の在り方は、あくまで「柔よく剛を制す」。

私たちのビジネスも“グローバルスタンダード”の物差しだけでなく、
日本人なればこその価値観による評価が大切に思えてならないのだ。

このところ発信する
“経済資本経営”から“人と文化の資本経営”へもその一つ。
無理して世界基準にしなくてもいいので、
日本人としての“ビジネスの価値観”であり
“評価基準”を持つということが、重要な時代に来ているのでは…?!

もっと分かりやすく言えば、
企業規模や利益の大きさ、株価という経済的価値観だけでなく、
地域社会への貢献度であり、社会課題への取り組み姿勢、
働く人たちの満足度等も含め、
その企業でありビジネスを評価するべきということ。

“人と文化の資本経営”はまさに日本人らしい価値基準なのかもしれない。

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「柔よく剛を制す」がビジネスにも役立つ

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はなまるア・ラ・カルト

04/22
2024

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「How To Do」と「How To Be」。 令和の時代は「How To Be」を意識しよう!

先日『いま、中小企業経営者に必要なこと』という
ベタなタイトルの本を手にした。
株式会社フォーバルの大久保秀夫会長の著作だから
購入したわけではないのだが…
手に取ってみると大久保会長の書いた本だったのだ。

そう大久保会長は2代前の東京NBCの会長でもあり、私とも同年代。
当時は会社にもお邪魔していろいろお話をさせてもらった記憶が…

パラパラとめくっていて飛び込んできたキーワードが
「How To Do」と「How To Be」。
うんうん、感覚的にこの表現は分かりやすく
“使える”と思い購入を決めた。

経営者にとって「How To Do」は、
上手くいく方法やたくさん売るための“やり方”のこと。
すなわち、“○○の方法”ということ。
「How To Be」は、“あるべき姿”。
すなわち、企業の在り方を定義するパーパス(存在意義)のこと。

確かに多くの中小企業の経営者が、ついつい“How To Do”を
優先して考えてしまうわけだ。
(大久保会長が今このタイミングで出版した理由は分かりますよ)

【“How To Be”を根にした企業という大樹?!】

この本を開いていくとIntroductionのところに
「大樹が大きく育つために不可欠な根と幹」として
例の“良樹細根”的な樹と根の概念図があった。

ところが、私が普段強調している
“目に見えない根の部分”がなぜか浅いのだ。
根のところには理念でありビジョンと書かれてはいるのだが、
大きな樹の全体感として、“How To Be”を語るには根の部分が浅い。
(大久保会長、ごめんなさい)

できればもっともっと根の部分を強調して
「How To Be」の重要性を発信して欲しかったということ。

先日のある企業での私の定例のセミナーでは、
令和に求められる“企業風土と文化づくり”には
“何をするのか”“どうやるのか”の前に“How To Be”であり、
“Why(なぜするのか)”が重要だと語ったほど。

【「Why」からはじめる“ゴールデンサークル”の考え方】

人の思考は「ゴールデンサークル」という3つの円のフレームによって
階層をわけることができるという。
多くの人は、What(何をするのか) → How(どうやるのか)
の2つに終始してしまい“Why(なぜやるのか)”を知らないケースが多い。
伝える際にも、What → How という内容のみを伝えているのがほとんど。

優れたリーダーはその真逆で
Why(なぜやるのか) → How(どうやるのか) → What(何をするのか)
という流れで考え伝えているのだ。

すなわち、一つ目の円を描き中心にはWhy。
次は同じ中心から一回り大きな円を描きHowと。
同様に同じ中心からもっと外側に3つ目の円を描きWhatと。
そう、中心のWhyこそがすべての元となるわけだ。

とにかくいいタイミングでフォーバルの大久保会長が
すべてが加速する時代だからこそ
「How To Be」が大切だと発信してくれたわけだ。

そして“人と文化の資本経営”の実践にも、
この「How To Be」が明確でないことには
地に足ついた企業文化づくりはできないということ。

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経営者にとって「How To Do」とは

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はなまるア・ラ・カルト

03/18
2024

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鍵山秀三郎相談役から学ぶ、 新たな時代の“情と智”の資本経営!!

『グローバル基準』
「1990年ごろから約三十年間で、
日本人が有していた高い精神性が目に見えて失われてきました。
原因は、アメリカ発のグローバル基準を
採用するようになったからだと思います。
もともと、人や会社を一元的な数値だけで評価するのには無理があります。
これは日本人らしさの否定に他なりません。
いまこそ、日本人の美徳である高い精神性を取り戻すときです。」

これは毎日届く、
鍵山秀三郎著『凡事徹底』「一日一話」(PHP研究所刊)の記事。
これを読んでいて思い出した鍵山相談役のお話し。
2019年3月に靖國神社で開催された掃除に学ぶ会“便教会”での話だ。
↓ ↓ ↓
半世紀前までの日本人は
“情“によって自分自身を制御していたために
穏やかな社会が保たれていました。
“情“のチカラが“智”の劣っているところを補っていたのです。
戦争によって国土が焼け野原になるという未曾有の惨事に
見舞われたにも拘らず、世相は今より落ち着いていました。
その後、経済的な国力が増加するにつれて
教育の場と機会が豊かになり高学歴の人が多くなりました。
しかし、“智”の面は向上しましたが、それに反比例して
“情”の面が衰退していったのです。
学歴は高くなり“智”の面は著しく向上したのに、
総合力である「人間力」は低下したのです。
「人間力」とは、“智”と“情”の総和ですので、
“情”の面が退化すれば人間力という総和力は低下します。
“情”とは周囲の人に気を配り思いやる心です。
“智”の不足は“情”で補えますが、
“情”の不足は“智”では補うことができないのです。

だから先生方、“智”のための勉強だけでなく
“情”の分かる人たちを育んでくださいね
(…という話)
↓ ↓ ↓
そこで、この鍵山相談役の話を活用すると
これから「人と文化の資本経営」をどう実践するかが見えてくるのでは?!

「経済資本経営」は“情”はなくとも“智”を持ってすればできるが、
「人と文化の資本経営」は“智”だけではできない。
この“情”を伴っての「人間力」があってこそできるのが、
これから求められる「人と文化の資本経営」ということ。

そこで先ほどの
「“情”とは周囲の人に気を配り思いやる心です。
“智”の不足は“情”で補えますが、
“情”の不足は“智”では補うことができないのです」

この“周囲の人に気を配り思いやる心”があって生まれてくるのが、
この“人と文化の資本経営”ということにつながるのでは?!
1.一緒に働く仲間のことはもちろん、
2.自社のことや取引先のことも、
3.住み働く地域社会のことはもちろん、
4.日本の社会、世界の国々のことも、
5.そして未来の人たちのことも考えて、
今の私たちがどうあればいいのかを考え、
生まれてくる“存在意義”こそが、“人と文化の資本”となるのでは?!
そこには、アート思考でありデザイン思考も必要かもしれない?!

すなわち、これからに貢献する“文化づくり”を意識した経済活動が
私たちのビジネスであり、社会活動となるのでは?!

これまでは“智”をベースに、軸足を“経済資本”に置いた経営。
これからは“情と智”すなわち人間力をベースに、
軸足を“人と文化資本”に置いた経営が求められているということ。

とにかく、このコロナウィルスによるパンデミックを境に
新たな時代の“人と文化”を資本とした経営が
求められていることは間違いない。
ということで、この「人と文化の資本経営」を
鍵山相談役から学ぶ“情と智の資本経営”とも呼ぼう!

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掃除に学ぶ会“便教会”の様子

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