これからの選ばれるビジネス!

これからの選ばれるビジネス!中島セイジのビジネスの達人

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はなまるア・ラ・カルト

01/16
2017

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“所得倍増”より“地消地産”

デービッド・アトキンソン氏の著書『新・所得倍増論』。
その中に日本の生産性について書いてあったのだが…、

世界のランキングで見ると日本の生産性は27位。
先進国だけのランキングでも、
イタリア、スペインより下位の17位だという。

ご存知のように、GDP(国内総生産)を見れば、
アメリカ、中国に次いで3位。
しかし、生産性に置き換えるとその順位が大幅に変わってくる、
ということを指摘してくれている。

輸出額を見ると世界で4位だが、
日本の人口の1人あたりに換算すると世界44位。
研究開発費は世界3位だが、これも1人あたりに換算すると世界10位。
さらにノーベル賞受賞回数は25回と世界6位なのだが、
1人あたりで換算すると世界39位…といったように
日本の総人口で割ると、意外とどれも大したことのない順位になってしまう。

そんなこともふまえて、
「これだけ一生懸命働いているのに、生産性が27位なんて悔しくないのか」
とデービッド氏は著書の中で語っているのだ。

デービッド氏には以前、東京NBCの定例会でゲストスピーカーとして
ご登場いただいたことがある。
イギリスに生まれ育ちながら、
現在は日本の文化財や歴史的建造物の修理・修復を行う会社
「小西美術工芸社」の代表取締役社長として活躍している。
日本を好きだからこそ、日本の潜在能力を知っているからこそ、
もっと生産性をあげようでないか、と語っているわけだ。

この話は、これで理解できるし、共鳴する部分もあるわけだが…、
これはあくまで数字からの比較論での話。

私はここで言いたい。
数字に表われるものだけの比較でいいのだろうか。
実は、経済面から見たとしても、
数字に表われないものがあるのでは…!?
生産活動をしていたとしても、
すべて数字に表われるわけではないということ。

田舎で“小さな経済”を回していると、
デービッド氏が言うところの数字に表われないものがあるのだ。
たとえば、大手のスーパーやチェーン店を利用せず、
近所同士で物々交換しながら生活するとお金はほとんど動かないことに。
フリーマーケットや不要物交換所(?)のようなところもそのひとつだろう。
しかし、それは安心・安全で、身体にも心にも地域にとっても、
いい結果に着地できたりする。

そう、“小さな経済”を回していると
“里山資本主義”の藻谷浩介氏の語る「地消地産」の実践となり、
ひいては地域の人口減少の歯止めにもなるのだ。

決してデービッド氏の意見を否定するわけではない。
だが、以前ビジ達でも語ったように、
よりよい未来のためにいい選択をする“Fine Choice”を実践していき、
数字に表われる経済を優先した“所得倍増”より
実質の“地消地産”を優先したいと思うのは、私だけだろうか。

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デービット・アトキンソン氏の著書『新・所得倍増論』

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よりよい未来のためにいい選択をする“Fine Choice”を実践していこう!

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はなまるア・ラ・カルト

12/12
2016

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パラダイムシフトの行方

最近、「予想外の結果」が
あちこちで起こっていると気付いているだろうか?

たとえばイギリスのEU離脱騒動。
まさかと思われたが、国民投票で過半数を超えてしまった。
さらに衝撃的だったのは、アメリカ大統領選挙でのトランプ氏当選。

そして、日本国内でいえば、アニメーション映画『君の名は。』が
興行収入200億円を突破し、邦画歴代2位となった。

今までアニメーション作品は
ジブリが上位を独占していたことを思えば、
映画を観る人々に何らかの変化が起きているのだと考えられる。
実はこれ、価値観に変化が現れてきた証なのだ。

私がたびたび声高に発信している、
「パラダイムシフト75」の過渡期が来ているということ。
やっぱり、「時代の価値観は75年周期で大きく変わる」のだ。
今がちょうどその変わり目ということで、
冒頭で挙げたようなことが起こっている。

このパラダイムシフトは、当然ビジネスでも進んでいる。
では、ビジネスではどんな価値観の変化が起きているのか!?

一昔前は「安い早いうまい」であり、
便利で経済的なことが評価される価値観だったが、
今はかなり変わってきている。

たとえば、私がビジ達でたびたび取り上げている
長崎ちゃんぽんのリンガーハット。
安全でおいしい国産野菜を強調しているが、そのお値段は630円。
5年ほど前は390円だったのだが、
これだけ値上がりしても多くの人が選んでくれている。

また、雑誌『自遊人』の編集長、岩佐十良氏が経営する里山十帖は、
全12部屋の小さな宿ながら毎日満員御礼。
もちろん新潟県南魚沼市でおいしいお米もつくり、
食材はオーガニックにこだわり、
旅館自体のストーリー展開も上手いわけだが…。

さらに埼玉県のラーメン店「津気屋」も、
オリジナルの麺の味や店内外の演出、
食べ方などに独特の価値を持たせ、連日客足が途絶えない。

このように、現在は「価値づくり」を大切にし、
伝える努力をしている企業が選ばれているのだ。

ただ、価値づくりといっても「value(バリュー)」と
「worth(ワース)」では意味が変わってくる。

バリューとは、他と比較して価値があるかどうかという意味があり、
「お値打価格」として使われる言葉。
一方でワースは、本質的で不変の価値という意味があり、
ビジネスでの「付加価値」などに使われるもの。

なぜリンガーハットや里山十帖が選ばれているのかといえば、
これらはすべて「ワース」の価値をつくり上げているからだ。
つまり、パラダイムシフトの行方はここにある。

これからのビジネスは、どうやって
「なればこそ」の付加価値をつくり、
それをどのようにコミュニケーションしていくのかということ。
多くの生活者は価値を求めてお金を使い、
その価値で選ぶ時代になったのだ。

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これからのビジネスに必要なのはどう「ワース」の価値をつくり上げるかということ

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「リンガーハット」は値上がりしても多くの人から選ばれている

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安全でおいしい国産野菜を使用しているのだ

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店内外の演出にもこだわる埼玉県のラーメン店「津気屋」

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連日客足が途絶えない人気店だ

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「パラダイムシフト75」の過渡期が来ているのだ

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はなまるア・ラ・カルト

11/14
2016

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中島流「GRIT SCALE」という砂時計

上からサラサラと砂の落ちる砂時計は、
皆さんもちろんご存知だと思うが、
頭の中にこの砂時計を思い描いてみてほしい…。

上の部分にたまっている砂は、人が持つ能力であり、潜在能力。
これが下へ落ちると、成果につながる
GRIT(やり抜く力)へ変わってゆく砂となる。
この下の部分にたまる砂が多ければ多いほど、GRITが高いというわけ。

この砂が、なかなか下のフラスコへたまらない…。
なぜならそこにボトルネックがあるからだ。
この砂時計を、中島流に人生の達成・成功をはかる
“GRIT SCALE”と名付けよう、というわけなのだが…。
これは先日ビジ達でおすすめした本『GRIT やり抜く力』から発想したもの。

そして、この本の中で紹介されている、
1.物事をつきつめる原動力となる「興味」。
2.物事を達成するためのスキルを粘り強く磨く「練習」。
3.その練習がたどり着く先のヴィジョンである「目的意識」。
4.そして試行錯誤を継続させるエネルギーとなる「希望」。

これら4つがボトルネックを通過するための必要条件であり、
持っている能力をGRITへと変化させるのではないだろうか。
では、このボトルネックを通過しGRITへたどり着くというのは、
具体的にはどういうことなのだろうか?

たとえば、このビジ達でも何度もご紹介している
イエローハットの創設者にして
「日本を美しくする会」の相談役・鍵山秀三郎氏。

鍵山氏は50年間以上掃除を徹底してきたが、
掃除だけでなく、ビジネスにおいても、
あらゆる“上質の当たり前”を日々徹底してきた。
この上質の「凡事徹底」を貫いたことでGRITが磨きあがり、
様々な厳しい状況でも潔い決断を下せる、理念ある経営を続けてこれたのだ。

そして、「奇跡のリンゴ」の木村秋則氏。
木村氏は、15年以上もかけて自然栽培のリンゴづくりにチャレンジし、
さまざまな試行錯誤を粘り強く繰り返して完全無農薬栽培を達成した。
この厳しい環境のなかで耐え抜いた力こそが、木村氏のGRITの大きさなのだ。

鍵山相談役と木村氏には、
「興味」「練習」「目的意識」「希望」がうまく作用したからこそ、
その能力をGRITに変えることができたのだと私は思っている。

さらに、このお2人の事例からも、
私はGRITにプラスして“人間力”の存在の重要性を発想する。
お2人とも、厳しい環境で物事を粘り強くやり抜くなかで、
人間性も磨かれていったということなのだろう。

人間力の高い人には多くの人が共感し、
支援も集まるため、目的達成も早くなる。
つまり、GRITに人間力がプラスされることで、
何倍もの相乗効果が生まれるということ。

さて、あなたのGRITはもうどのくらい下のフラスコにたまっているだろうか?
ボトルネックを通過するためのチャレンジを、
日々しっかりやっているだろうか?
今からでも遅いことはない!
私ももちろんまだまだ“GRIT SCALE”を意識し、
チャレンジしていきたい!

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中島流「GRIT SCALE」という砂時計

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「日本を美しくする会」の鍵山秀三郎相談役

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「凡事徹底」を貫き50年以上も掃除を続けてきた

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試行錯誤を繰り返して完全無農薬栽培を達成した木村秋則氏

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木村氏の自然栽培のりんご

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はなまるア・ラ・カルト

10/24
2016

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「能力+やり抜く力」 が奏功する

5、10、15、20、30…目の前にある
大きな丸太の年輪を数えてみると、なんと70本以上!
つまりこの木の樹齢は70才以上だったってこと。
(私より先輩の木だ!)
この丸太は後に、薪(まき)になるという。

実は、この丸太を運ぶ黄色いトラクターショベルの
前に立つナイスミドルの彼、杉本氏は私の高校時代の同級生だ。
(先日の北海道出張の際に、40年ぶりに訪ねてみた)
彼は農家だが、ちょうどその時は、冬のための薪づくりをしていた。

杉本氏いわく、
薪をつくるのは結構手間がかかるらしい。
まずはチェーンソーを使いこなさないと、
山から木を伐ってくることもできない。
さらに、3~4メートルくらいに分割して、
やっと移動サイズとなるわけで…。
(これ全部、杉本氏は自分でやるのだとか)
そして薪にするためには
「しっかり乾かさなればならない」のだという。

なぜそこまで手間をかけて? と思うわけだが、
杉本氏は、
「私たちは本当に石油と電気に頼った生活をしていていいのだろうか。
自分たちの地域のもので賄うという発想も大切なのでは」
と語ってくれた。

地元の木を利用した薪を使って、生活する。
これってまさに里山資本主義を提唱する、
藻谷浩介氏の「地消地産」の考え方と合致しているのだ。
さすが杉本氏。そんな期待もあって突然訪ねたわけだが、
再会できてよかった!

さて、話は東京に移るが…、北海道から戻った私はある本を手にした。
その中で著者である米国・ハーバード大学の教授が
「我々の潜在能力は、半分しか目覚めていない。
薪は湿って燃えず、通気は妨げられている。
我々は精神的にも肉体的にも、
持っている能力のごく一部しか利用していない」と語っていたのだ。
(いいタイミングで薪の話なのだ)

つまり薪が湿っていたら
本来の薪の能力は発揮することが出来ない。
私たちの現状もそれと同じだということ。

確かに潜在能力と実際に使っている能力の差は大きいと、
多くの学者たちも語っていたような…。
やはり人は潜在能力があったとしても、その目的に向け、
能力を活かす何らかの処理や対処をしないとだめなのだ。

そう考えると北海道の杉本氏は、手間がかかっても
その薪の能力をちゃんと活かすために処理をしていた。
そして、それが出来るのは彼の目的意識の強さと、
あきらめない力が強いからではないか。
(そういえば、杉本氏は学生時代に陸上部に籍を置き、
長距離を得意としていた記憶が…)

これまでお会いした長く続く企業の経営者の方々は、
みんなあきらめずにやり抜く力を持ち、
潜在能力を活かしていったからこそ選ばれる会社となったのだ。

実は、先の書籍のテーマは“やり抜く力”。
つい私たちは、能力や才能の有無の話を持ち出すが、
それ以上にやり抜く力こそが、
ビジネス成功へのカギと言えるのだろう。

さて、皆さんが気になったであろう、
その“やり抜く力”をテーマとした本。
それはまた次のビジ達でご紹介しよう!お楽しみに~。

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高校時代の同級生である杉本氏

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年輪が70本以上も…!

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薪は湿っていたら本来の能力は発揮出来ないのだ

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はなまるア・ラ・カルト

10/11
2016

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“日日是好日”の中の好日(こうじつ)

日曜日の午前中に、飯田橋で白サギの飛来を見ることが
出来たことは先日のモバイルショットでも書いたが…。
その次の日は、さらにいいことが飛来した。

自宅のベランダをふと見ると、可憐な一輪の朝顔が咲いている。
4月に種を蒔いたのだが、なかなか咲かず、
9月から思い出したようにチラっホラっと咲き始めた朝顔。
かなり遅れてだが、咲いてくれただけでもうれしいものだ。

さらに、持っていた株価が突如に値上がりし、
経営者仲間からは長野県産のりっぱな松茸が届いたりもして…。
今日もいいことが続くな~なんて思っていたら、
例の石坂産業の石坂典子社長の秘書の方から
こんなうれしいメールが!

なんと、私がインタビュアーを務めさせていただいている、
月刊CDビジネス・イノベーションの来年の1月号のゲストとし
て出演していただけるというのだ。(やったぁ~!! )

そして、北海道のワインヴァレー構想で協力してくれている
ぶどう農家からは、ぶどうの実がなったので、
収穫のイベントを企画しようという話も出てきた。

おぉ~、こんなにいいことが立て続けに起こるなんて、
本当にラッキーな日である。日曜の白サギを見てからは
ここに書ききれないほどよかったことが集中したのだ。

タイトルの「日日是好日(にちにちこれこうじつ)」とは、
有名な禅語のひとつで、毎日がよい日であるということで、
だからその日その日のあるがままを受け止めよう、という意味。

実は私、1日の中で「よかった」と思えたことを、
手帳のその日付の覧に毎日書き込むようにしている。
あえて毎日“よかった”ことだけを
ピックアップして書き残しているのだ。
すると毎日がいい日となり、プラス思考で行動できるってこと。

この「よかった探し」は、アニメ『愛少女ポリアンナ物語』
で主人公が習慣にしていた。
(我社のほとんどのスタッフがポリアンナを知らなかったが…)
これは父を亡くして孤児となったポリアンナが
貧しさや不幸に負けずに頑張っていく、というお話しなのだが、
主人公のポリアンナは“よかった”を探すことで、
いつも極めて前向きで楽観的に生きようとしていたのだ。

ビジネスの世界で生きる私たちは、毎日、毎週、毎月…、
と継続してしなければいけないことがたくさんある。
そのときに、いかに前向きに行動するかが、
その結果を大きく左右すると思うのだ。
だから、よかったことにスポットを当て、
気分よくポジティブに行動することが、結果として
“好日”を招くことにつながるということ。
すなわち、それが「日日是好日」となる。

そして、あるがままを好しとして受け入れ、
日々の「よかった探し」をしている中で、
こんな風に「日日是好日」の中の好日、
つまり突出するようなとってもいい日が来ることに繋がるのだ。

さぁ、今日からあなたも
毎日の「よかった探し」を始め、手帳に書き込もう。

毎日が好日になること間違いなし!

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白サギが見れて…

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朝顔が咲いて…

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石坂社長がビジネスイノベーション1月号のゲストに!

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