これからの選ばれるビジネス!

これからの選ばれるビジネス!中島セイジのビジネスの達人

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はなまるア・ラ・カルト

11/30
2015

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まちづくりプレゼンテーションの意義

最近の大学生のプレゼンテーションレベルは非常に高いっ!!
そう感じたのは、先日開催された、
栃木県那須塩原市誕生10周年記念イベント
「大学ゼミナール那須塩原活性化プレゼン大会2015」でのこと。
そこに審査員として招かれた際に学生のプレゼンテーションを体験してきたのだ。

このイベントには、首都圏の大学など
(東京経済大学、東洋大学、千葉工業大学、横浜市立大学、文京学院大学etc…)から
7校9チームが参加していた。

各チームのプレゼンテーションを見聞きして、
感じたポイントが3つある。
1:プレゼン資料の完成度。
2:資料をうまく活用した高いプレゼンテーション力。
3:確固たる実現性の不足。

プレゼンテーション資料は一昔前と比べて、
PCやソフトの性能が向上したこともあって、
非常にきれいにまとめられており、
とても見やすいものとなっていた。
また、大学でも資料をつくりプレゼンテーションする機会は
かなり多いと聞いた。

こうしたきれいな資料を材料に、3~4人で
うまく連携をとりながらプレゼンテーションを行っていたチームからは、
より強く伝わってくるものがあった。

そして肝心な“実現性”の欠如だ。
私がその道のプロということもあって
少し厳しい見方かもしれないが、
企画自体のクオリティーはもちろんのこと、
それをどのように実行していくのかという実現性に疑問を感じたのだ。

今回のテーマである「那須塩原の地域活性化」を考えるとなると、
いくら資料が美しくても、広く視点を持たなければ、
机上の空論となってしまう。
まちづくりは当然、一朝一夕ではいかない。
どのようにプロジェクトを進めていくのか、
また様々な活動を継続的に何度も積み重ねていくことが
最も重要なのだ。
この価値観は学生の日常とは違ったステージでの
視点と発想が求められる。

では、どうすればいいのか。
それは、マクロ的視点を持った価値観で企画すること。
その時その時の対策だけでなく、ロングレンジで物事を捉えることだ。

おや、もしかしてこれは、義を先に、
のちに利を得る“先義後利”や、
小さいことを積み重ねて大きなものを築く
“積小為大”。そして、長い目を持って遠くを慮る“遠慮”といった、
ビジ達ではおなじみの考え方と一緒ではないか。

いいまちづくりをするためには、長い時間も必要だろう。
またそこに住む人々のこと、
産業や生活など様々な視点で物事を判断し、
進めていくことが求められる。
その過程で“先義後利”や“積小為大”“遠慮”の考え方を持つことで、
プロにも負けない企画・プレゼンテーションが成せるのだ。

今回のイベントを通して、私も自分の仕事について改めて感じるものがあった!
また学生にとっても、とても意義のある機会となったのではないだろうか。

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洗練されたプレゼンテーション資料

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明るくわかり易いプレゼンテーション

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切磋琢磨した末の表彰式

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メッセージ性の強いポスター

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はなまるア・ラ・カルト

11/16
2015

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ベトナムの今こそ、タテのデザイン

この10月、10人ほどの経営者仲間と共にベトナムを訪れた。
ダナン、ホーチミンなどの都市を回り、
パンの缶詰で有名な株式会社パン・アキモトの
ベトナム店の視察もさせていただいた。

先日のビジ達でもご紹介したが、
旅の中で印象的だったのが道路を往来するバイク!
その数と若者の多さに驚いたのだが、
それもそのはず、ベトナムの平均年齢は28歳なのだ。
日本の平均年齢は46~47歳なので、
およそ20歳差ということになる。

さて、私はバイクばかり見ていたわけではなく、
ベトナムの様々な人たちにお話を伺った。

日本贔屓の行政官や、
日本に留学経験がある日本語学校の校長先生、
ベトナムで大学の講師をしている日本人、
そして日本語を勉強している学生たちなどだ。

多くの人たちと触れ合ってわかったことなのだが、
ベトナム人は本当に日本を好いてくれている。
信頼感もそこにあると言っていいだろう。
私の体験した限りでは、そのほとんどの人が
日本に興味を持ち、訪れたいとも思っていたのだ。

このように、日本に好意的で若いベトナム人たち。
日本は先に経済成長を体験した国として、
何を発信し、どう付き合っていけば良いのだろうか?

ファッショントレンド? 技術力?
それとも無形文化遺産の日本食?
日本流のビジネスや経済の活性化のテクニックもあるだろう。

いくつか例を挙げてみたが、こうして見ると
どれもハウツーでしかないことに気付く。
それぞれのやり方を教えるだけで良いのか?
という疑問が浮かぶのだ。

その答えは、私たちが3年ほど前から展開してきた
石門心学・実践講座にある。

数ヶ月前の講座にはベトナムのハノイ大学からの
留学生が参加しており、「石田梅岩」がどんな人物で、
今の日本にどんな影響があるのかを学びに来ていたのだ。

当時はこの留学生がなぜ石門心学を
勉強しているのか不思議だったのだが、
今ならその理由が分かる。

ハウツーではなく、日本ならではの価値観や
優先順位を学んでいたのだ。
日本独自の考え方や価値観こそ、
ベトナムの人たちが日本を信頼してくれている理由であり、
日本が世界から注目されている理由でもあると思うのだ。

現代の日本は、経済優先型できたために
様々なひずみが発生し、
多くの問題を抱える国となってしまった。

日本と同じ間違いを起こさないためにも、
まだベトナムが若い今だからこそ、
“タテのデザイン”を行う時なのだ。

ベトナムが20年後、50年後に
どんな国になりたいのかを今のうちに見据え、
目先ではなくロングレンジで見た行動を起こせば、
少なくとも日本よりも良い国になるだろう。

ん? 未来を見据えて今を考える?
これはまさに鍵山秀三郎氏の
“遠きを慮る”ということでは…?
ベトナムにとってはまさしく今が、
“遠慮”の視点が必要なときと言えるだろう。

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日本の商品がこんなところに

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ショッピングモールも大賑わい

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視察団の皆様

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シャツの柄もわかいね~

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串焼き店があろうとは!

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学生たちとも触れ合う

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フレッシュな笑顔だ

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はなまるア・ラ・カルト

10/26
2015

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梅岩の生家へ、開校の地へ

「勘平、遅いじゃないか」
「それが山でよいものを拾ったんじゃ」

そう言って勘平が取り出したのは、
先ほど拾ったばかりのいが栗。
渋皮を取って食べようと思ったのだ。

しかし、それを見た父は
「お前その栗どこから持ってきた?
 隣の山との境にあったんやろう。
 その栗は隣の山のものじゃろう。
 このままでは人の物をとったとされてしまう、返してきなさい!」
と言い放ったという。

これはビジ達でもおなじみの
石田梅岩にまつわるエピソードの一つだ。
梅岩といえば、「正直・倹約・勤勉」を柱とした「商人道」や、
人の道である世の中の道理を広めるための
「石門心学」として後世にも伝えられている。

幼少期の梅岩(勘平)は、
自分の家の持ち山と他の人の持ち山との境で栗を拾い、
それを父に見せたところ、冒頭のように叱責されたのだ。
もし他人の家のものならば、
たとえ落ちていても拾ってはならない、ということだ。
まさに、“正直”を重要視する
梅岩の生き方につながるエピソードだといえる。

こんな話をする理由は、
先日、石門心学・実践講座の視察ツアーで訪れた京都の亀岡市で、
石田梅岩の生家を訪ねた際、
山のふもとにいが栗が数個落ちていたためだ
(思わず梅岩が栗を拾うシーンを思い浮かべてしまった)。

ツアーでは、石田梅岩が塾を開講した地や
梅岩の墓などを訪れると共に、
ゆかりのある半兵衛麩さんを訪ね、
貴重な資料なども(「都鄙問答」の原本や
「先義後利」の掛け軸も見てきた!)、
見せてもらってきたのだ。

また、京都市内の講舎跡地では、
こんなエピソードを思い出した。
梅岩が45歳になったときのこと。
誰の後ろ盾もなく無料で塾を開講したとき、
3ヶ月してやっと一人の百姓が現れたという。

「こちらの講義は本当にタダで聴いてよろしいのでしょうか」
「その通り、席銭は一切頂かないことにしている」
「何故でしょうか」
「私が開講した理由は、金儲けのためではない。
 世の中には無学でも賢い人が多いが、
 惜しむらくは人の人たる道を誤っている人が多い。
 そんな人々に人の人たる道を授けたいためだ」

こうして3ヶ月目でやっと
1名の受講生を得た梅岩だったのだが、
その後無料にもかかわらず、
受講生からお礼の野菜などを貰うようになったという。
これぞ梅岩の「先義後利」を
体現しているエピソードといえるだろう。

このような様々なエピソードを思い出していると、
梅岩のように後世にまで語り継がれる存在であっても、
様々なプロセスを重ねたゆえの
結果であることを確信することができた。

また、梅岩の塾は江戸時代では珍しい
無料の塾であっただけでなく、
男女問わず受講生を受け入れたため、
多くの人から支持されるようになった。

そのため、江戸時代後期には
全国に180ヶ所に及ぶ校舎ができるほどに広がった。
このように、300年近く経った後も語り継がれる
梅岩の“石門心学”も
こんなプロローグを経て現在に至っているのだ。

これはビジネスでも同じことが言える。
何か大きな結果を成そうと
急に大きなことをしようとしても、
継続することは難しい。

だからこそ、
基本をこつこつ積み重ねていくことで、
それが結果となり、
多くの人に支持されるようになるのだろう。

そう、あの石田梅岩ですら幼少期から
正直かつ堅実さを持って物事に取り組んでいた。
だからこそ、現代でも多くの人から求められる
「石門心学」に至ることができたのだろう。

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石田梅岩ゆかりの地へ!

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開講した地も視察してきた

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様々なエピソードがよみがえってきた

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梅岩の生家にて

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はなまるア・ラ・カルト

09/28
2015

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“八起”の前に転ばない経営

「七転び八起き」という言葉がある。
これは、多くの失敗にもめげず、
その度に奮起して立ち上がること…。
しかし、失敗をする前にどうしたら
失敗しないのかを考える方が重要だろう。

これは、先日久々にお会いした「八起会」を結成した
野口誠一会長がお話してくださったことでもある。
野口会長とは、十数年前に何度かお会いさせていただき、
野口会長が度々出演する雑誌なども目にすることが多いので
共感するところがあるのかもしれない。

そもそもどうしてそのような考えに至ったかというと、
実は、野口会長自身、37年前に会社を倒産させてしまった経験があるのだ。

そして野口会長はどうしたら同じことを
繰り返さないでいられるのか考えたそうだ。
野口会長曰く、会社を倒産させてしまう
可能性が高い経営者には特徴がある。
一つ目は、自己中心的な考え方で、高慢な性格。
二つ目は、問題が起きると、他人のせいにする。
三つ目は、進むべき方向を変えるべきと知っているのに、
それを無視して変えない。
そして四つ目に、とにかくただただ会社を大きくしようと
する考え方の経営者だ。

なぜなら、多くの経営がうまくいかない経営者は
「これは、不況のせいだ。自分は運が悪い」など、
他人のせいにすることが多い。
少しマクロ的な視点を持っていたら、
好不況が周期的に訪れることくらいわかるもの。
数十年、不況が一切こないなどという事はあり得ないのだ。

つまり、不況が来ても耐えられる会社をつくるのが
経営者の役割と言っても良いだろう。
少し前にご紹介をした“タテの経営”がまさにそれだ。
ロングレンジでその先を予測し、
その流れに合わせて経営戦略を立て、
実践していくというもの。

反対に“ヨコの経営”すなわち、
大きな流れに取り残されてしまい、
同業界や周囲の状況ばかり
気にしているような経営をしていると
いつの間にか不幸な結果に結びつきかねないのだ。

私も、三十数年会社経営をしてきたが、
その時々、身の丈に合った経営をしてきた。
そのため、創業以降、極端にスタッフの数を増やしたり、
会社規模を大きくしたりはしてこなかった。

それは、ただ大きくすることが、
仕事の密度を薄めてしまうだけでなく、
不必要な問題なども多く抱えることを知っていたからだ。
だからこそ、大きいことこそよいと思う経営者は危険。
ただし、会社が大きくなること自体はよいことではある。
問題は大きくなるプロセスをどう歩むかだ。

ではどう歩めばいいのか。

それは、前述通り身の丈に合わせていくこと。
つまり、転ばない経営とは、
自分や会社が周囲の恩恵に頼らずに
スキルアップして行く“タテの経営”を実践することなのだ。

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タテの経営のすすめ

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はなまるア・ラ・カルト

09/14
2015

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見えないものの整理整頓術

キレイに整頓された、机の上や引き出しの中。
そんな風に片付けられていれば、
誰が使っても取り出しやすく、使ったものも戻しやすい。
机上や道具の整理整頓を徹底している企業は、
このところ多くなってきたかもしれない。

しかし、今回テーマにしたいのは、
“見えないもの”を整理整頓する方法だ!

以前のビジ達でご紹介した中島流の管理術、
“タラレバ3回、ルール3乗”。
あの時、もし○○していたら…。○○していれば…。
こんな風に「タラ」と「レバ」が出てくる後悔を3回くり返したら、
それを徹底的にルール化するという概念だ。

そしてスティーブン・コヴィーの著書『7つの習慣』の中では、
「時間管理のマトリックス」というものがある。
これはすべての活動を重要なことをマトリックスして、
日々のビジネス時間の整理整頓の仕方を教えてくれている。
“タラレバ3回、ルール3乗”も「時間管理のマトリックス」も、
目に見えないものを管理するための方法だ。

ビジネスにおいて考えてみると、目に見えるもの以上に、
目に見えないものを管理しなくてはならないことが多い。

例えば「組織図」。
誰が何の役割を担い、どのように会社のバランスを
とっているのかを可視化して整理されている。
しかし、私たちのビジネスにおいて、
見えないものはもっともっと潜んでいる。

例えば誰もがわかりやすく、
整理整頓が難しいことといえば、それは頭の中!
頭で考えていることを、
一体どのように整理整頓すればいいのか。

私が講演会やセミナーをやらせていただくときには、
伝えたいポイントは概念図に落とし込む。
新しい概念を伝えるときは、漠然としていることが多く、
なかなか人に伝えることが難しいからだ。

だからこそ、自分の頭の中を整理するためにも、
概念図を作ることが多い
(パラダイムシフト75では、ただ年表を並べるだけではなく、
75年周期の変化を登山に例えて概念図を作ったり…)。
なぜ「先義後利」が企業に必要なのか…では、
逆三角形の図を作って、理論的に解説した(つもり)。

考えていることもそうだが、
心(気持ち)の整理も目に見えないものだ。

皆さんはどんな方法をとっているだろうか?
私はランニングを定期的にしているのだが、
健康のためはもちろん、集中して走ることによって
気持ちの整理をすることができる
(日本を美しくする会のメンバーでもある私は、
トイレ掃除をすることでも気持ちが整理される)。

漠然としたものを、漠然としたままにしておくと、
なかなか混沌の中から抜け出すことは難しい。
整理整頓ができていないまま、
仕事を進めていけば、大きなトラブルの原因にもなりかねない。

だからこそ、目には見えない「思考」や
「気持ち」を整理することは重要なのだ。

モノ・コト・トキを複合してマトリックスする。
そして「ヒト」も複合的にマトリックスする。
そこに優先順位をつけ、整理整頓をする。
これがより複雑化するビジネスシーンで、
いい仕事をするための必要条件といえるだろう。

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これが“タラレバ3回、ルール3乗”!

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先義後利の必要性は、逆三角形の図を使った

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適度な運動は頭にも身体にもいい!

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集中してトイレ掃除することも気持ちの整理に

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