これからの選ばれるビジネス!

これからの選ばれるビジネス!中島セイジのビジネスの達人

HOME

ビジネスの達人

はなまるア・ラ・カルト

09/28
2015

スライド1

“八起”の前に転ばない経営

「七転び八起き」という言葉がある。
これは、多くの失敗にもめげず、
その度に奮起して立ち上がること…。
しかし、失敗をする前にどうしたら
失敗しないのかを考える方が重要だろう。

これは、先日久々にお会いした「八起会」を結成した
野口誠一会長がお話してくださったことでもある。
野口会長とは、十数年前に何度かお会いさせていただき、
野口会長が度々出演する雑誌なども目にすることが多いので
共感するところがあるのかもしれない。

そもそもどうしてそのような考えに至ったかというと、
実は、野口会長自身、37年前に会社を倒産させてしまった経験があるのだ。

そして野口会長はどうしたら同じことを
繰り返さないでいられるのか考えたそうだ。
野口会長曰く、会社を倒産させてしまう
可能性が高い経営者には特徴がある。
一つ目は、自己中心的な考え方で、高慢な性格。
二つ目は、問題が起きると、他人のせいにする。
三つ目は、進むべき方向を変えるべきと知っているのに、
それを無視して変えない。
そして四つ目に、とにかくただただ会社を大きくしようと
する考え方の経営者だ。

なぜなら、多くの経営がうまくいかない経営者は
「これは、不況のせいだ。自分は運が悪い」など、
他人のせいにすることが多い。
少しマクロ的な視点を持っていたら、
好不況が周期的に訪れることくらいわかるもの。
数十年、不況が一切こないなどという事はあり得ないのだ。

つまり、不況が来ても耐えられる会社をつくるのが
経営者の役割と言っても良いだろう。
少し前にご紹介をした“タテの経営”がまさにそれだ。
ロングレンジでその先を予測し、
その流れに合わせて経営戦略を立て、
実践していくというもの。

反対に“ヨコの経営”すなわち、
大きな流れに取り残されてしまい、
同業界や周囲の状況ばかり
気にしているような経営をしていると
いつの間にか不幸な結果に結びつきかねないのだ。

私も、三十数年会社経営をしてきたが、
その時々、身の丈に合った経営をしてきた。
そのため、創業以降、極端にスタッフの数を増やしたり、
会社規模を大きくしたりはしてこなかった。

それは、ただ大きくすることが、
仕事の密度を薄めてしまうだけでなく、
不必要な問題なども多く抱えることを知っていたからだ。
だからこそ、大きいことこそよいと思う経営者は危険。
ただし、会社が大きくなること自体はよいことではある。
問題は大きくなるプロセスをどう歩むかだ。

ではどう歩めばいいのか。

それは、前述通り身の丈に合わせていくこと。
つまり、転ばない経営とは、
自分や会社が周囲の恩恵に頼らずに
スキルアップして行く“タテの経営”を実践することなのだ。

ara

タテの経営のすすめ

ページTOPへ
はなまるア・ラ・カルト

09/14
2015

スライド2

見えないものの整理整頓術

キレイに整頓された、机の上や引き出しの中。
そんな風に片付けられていれば、
誰が使っても取り出しやすく、使ったものも戻しやすい。
机上や道具の整理整頓を徹底している企業は、
このところ多くなってきたかもしれない。

しかし、今回テーマにしたいのは、
“見えないもの”を整理整頓する方法だ!

以前のビジ達でご紹介した中島流の管理術、
“タラレバ3回、ルール3乗”。
あの時、もし○○していたら…。○○していれば…。
こんな風に「タラ」と「レバ」が出てくる後悔を3回くり返したら、
それを徹底的にルール化するという概念だ。

そしてスティーブン・コヴィーの著書『7つの習慣』の中では、
「時間管理のマトリックス」というものがある。
これはすべての活動を重要なことをマトリックスして、
日々のビジネス時間の整理整頓の仕方を教えてくれている。
“タラレバ3回、ルール3乗”も「時間管理のマトリックス」も、
目に見えないものを管理するための方法だ。

ビジネスにおいて考えてみると、目に見えるもの以上に、
目に見えないものを管理しなくてはならないことが多い。

例えば「組織図」。
誰が何の役割を担い、どのように会社のバランスを
とっているのかを可視化して整理されている。
しかし、私たちのビジネスにおいて、
見えないものはもっともっと潜んでいる。

例えば誰もがわかりやすく、
整理整頓が難しいことといえば、それは頭の中!
頭で考えていることを、
一体どのように整理整頓すればいいのか。

私が講演会やセミナーをやらせていただくときには、
伝えたいポイントは概念図に落とし込む。
新しい概念を伝えるときは、漠然としていることが多く、
なかなか人に伝えることが難しいからだ。

だからこそ、自分の頭の中を整理するためにも、
概念図を作ることが多い
(パラダイムシフト75では、ただ年表を並べるだけではなく、
75年周期の変化を登山に例えて概念図を作ったり…)。
なぜ「先義後利」が企業に必要なのか…では、
逆三角形の図を作って、理論的に解説した(つもり)。

考えていることもそうだが、
心(気持ち)の整理も目に見えないものだ。

皆さんはどんな方法をとっているだろうか?
私はランニングを定期的にしているのだが、
健康のためはもちろん、集中して走ることによって
気持ちの整理をすることができる
(日本を美しくする会のメンバーでもある私は、
トイレ掃除をすることでも気持ちが整理される)。

漠然としたものを、漠然としたままにしておくと、
なかなか混沌の中から抜け出すことは難しい。
整理整頓ができていないまま、
仕事を進めていけば、大きなトラブルの原因にもなりかねない。

だからこそ、目には見えない「思考」や
「気持ち」を整理することは重要なのだ。

モノ・コト・トキを複合してマトリックスする。
そして「ヒト」も複合的にマトリックスする。
そこに優先順位をつけ、整理整頓をする。
これがより複雑化するビジネスシーンで、
いい仕事をするための必要条件といえるだろう。

ara (1)

これが“タラレバ3回、ルール3乗”!

ara (2)

先義後利の必要性は、逆三角形の図を使った

ara (3)

適度な運動は頭にも身体にもいい!

ara (4)

集中してトイレ掃除することも気持ちの整理に

ページTOPへ
はなまるア・ラ・カルト

09/07
2015

ara1

組織内ミトコンドリアの法則!

最近“疲れやすい”と感じている人に朗報!
キーワードは体内にある「ミトコンドリア」!

先日、テレビでこんな番組が放送されていた。
体内の「ミトコンドリア」という細胞小器官によって
スタミナ切れを感じさせない、
持久力の高い体をつくるというものだ。

このミトコンドリアは、
体内のエネルギーを作り出す、
いわば人体のエンジン的役割がある。

年齢と共に減少し、疲労を感じやすくなる一方で、
増やすことができれば、持久力が増すというのだ。

面白いのが、その増殖方法だ。
それはずばり「あえてエネルギー不足の状態を作ること」。
例えば、歩く速度をいつもよりも少し速めたり、
食事を制限したりすることで、体に“負荷”をかける。

すると、細胞はエネルギー不足を察知し、
それを補うエネルギーを作るために
ミトコンドリアを増殖させるのだ。

ここで私が注目したのは、
この「負荷をかけることで増殖し、強い体を作る」という
“ミトコンドリアの法則(勝手ながら命名)”だ。

ビジネス視点で見れば、
この法則は企業の組織を
強くすることにもつながると思うからだ。

例えば、組織内のチームにおいて重要な役割を持つ人物が、
何かしらの理由で突然抜けたとする。
となると、他のメンバーにとっては当然、
精神的にも作業的にも大きな
“負荷(ストレス)”がかかるわけだが…。

実は、こんなときにこそ、
そのメンバーの中から
次なるリーダーとなる者が現れたり、
チームが一丸となることで、
プロジェクトを成功に導いたりするものなのだ。

そういえば、私の会社でも、
リーマンショックの際に
困難に直面したことがある。

だが、それを機に新たな
企業内戦略を打ち出したことによって、
窮地を乗り越え、事業収支も健全化し、
その後に続く足腰の強い会社とすることができたのだ。

このように、組織においても
あえて少し負荷をかけることは、
メンバーを成長させ、改善のきっかけともなり、
その後の組織の成長にもつながるということ。

困難に面したときこそ、
“組織のミトコンドリア(?)”は増殖し、
いままで以上の耐力とスタミナを
生み出してくれようとするのだ。

そのためにも、少し困難な道へチャレンジしたり、
あえてチーム編成を変えたりと、
組織内に成長するための
変化(ストレス)を与えることが
必要と言えるのだろう。

ミクロな存在であるミトコンドリアから、
組織にまつわるマクロな学びと
企業作りのヒントを得ることができた。
改めて、これを中島流の
“組織内ミトコンドリアの法則”と命名する!


ara1

ミトコンドリア増殖が鍵!

ara2

組織も“負荷”をかけて磨こう

ページTOPへ
はなまるア・ラ・カルト

08/24
2015

ara1

“マクロの優先順位”を持て!

生活者にとって魅力的なサービスを展開する、
株式会社ベアーズ(経営者仲間の会社だ)。
なんと、買物、掃除、洗濯、料理など、
なんでもこなしてくれる“家事代行”を行っているのだ。

私もお願いしたいと思っているのだが…。
いかんせん家事は“自分でこなすこと”にしているので、
今のところお願いしていない。

ベアーズの場合は切実な需要もあってのサービスなのだが、
今や必要以上の“便利でラク”を
提供するサービスが多様になりつつある。

生活雑貨でも少し重いものを買おうと思えば、
自宅配送のネットスーパーを使う人も多いだろう。
引越しも、依頼者がほとんど労力を使わない
荷造りからのパッケージサービスが増えてきた。

常にかゆいところに手が届くサービスが目白押しだが、
私はこれに疑問を持っている。

このようなサービスを、自分で何もかもできるはずの
元気な人間が使うべきだろうか?
確かに、不自由なこともあるだろうし、生活環境によっては
非常にありがたいサービスであることは確かだ。

ただ、生活環境に問題のない私たちが
それを全て享受してしまうのは本当にいいのだろうか。

例えば、現在はあちこちに自動販売機が並んでいる。
一人分に詰められた飲み物、
しかも魅力的で種類の多いメニューが目の前に揃っているのだ。

そんなものを目の前にすると、
子供はもちろん、大人だって
欲求のままに「これが欲しい!」と思ってしまうだろう。

これは現在の“便利でラク”を
提供するサービスと同じ状態なのだ。

ラクができる方へと行ってしまうのが人間だが、
目前に並んでいるサービスに対して
“便利かどうか”、“高いか安いか”ではなく、
“自分にとって必要か”をベースに
優先順位をつけなければならないと思うのだ。

企業の提案するものをあれこれと受け入れ、
流されてしまっていては、人々は本来の生活循環から
逸脱してしまうのではないだろうか。

これはビジネスにおいても同じことが言える。
一から勉強しなくてもビジネスソフトを活用すれば、
これまでの手間をかけずに完結できる。

例えば、メールでやり取りすれば、
ほとんどお客様のところにお伺いしなくても
仕事を終了することができる。

しかし、相手と直接やりとりをしなければ
伝わらないニュアンスもあるだろう。
あれこれ便利を優先していると…
のちのち仕事上での歪みが生じてくると思えるのだ。

それに、どの世代も同じような仕事に
従事していればいいのかといえば、そうではない。
自分の年齢や立場を踏まえ、
人生のステージによって優先順位をつけるべきなのだ。

若い社会人ならば、下働きによって“仕事とは”の
てにをはが学べるということ。
ある程度、仕事の経験を重ねた人ならば、
次は人材の育て方、ノウハウの伝授、
技術の継承に目を向ける段階となるのだ。

このように、先を見据えながら自らの役割を自覚し、
優先順位をつけ、行動を起こすことが大切ということ。
自身の健康や会社の未来など、
長期的な計画の基本には、マクロの視点が必要となるのだ。

ara1

便利の象徴だ

スライド1

家事代行を展開するベアーズ

ページTOPへ
はなまるア・ラ・カルト

08/10
2015

IMG_3499

潜在能力を引き出せ

スマホのアプリ画面をタッチするだけで、
簡単に天気予報や目的地の最短ルートも表示される。
漢字や、言葉の意味も文字変換機能やネット検索ですぐにわかる。
会議後も、ホワイトボードの内容をスマホでパシャリと撮れば、
メモをする必要もない。確かに便利ではある。
しかし本来人は、様々な課題や困難に直面したとき
潜在的な力が発揮されるものではないだろうか。

私が通っているスポーツジムには、バランスボールがある。
最初はバランスが取れなくて転げ落ちてしまっていたのだが、
何度かチャレンジしているうちに、
平衡感覚やインナーマッスルが鍛えられ、
バランスを取れるようになってくるのだ。
これが人の持つ、できなかったことができるようになる
潜在能力であり、センスだろう。

人の潜在能力を語る事例でよく話すのが、
行列のできる町工場で有名な岡野工業。
以前、岡野雅行代表社員に取材したときのこと。
「痛くない注射針」を考案した岡野氏は、
「私は、図面に描けない程の微細なものでも創り出すことができる」と語っていた。

自身の発想と経験による職人技が合わさったことで
全く新しい概念の注射針を生み出すことができたのだ。

つまり、それは過去のデータから算出されたものの集積ではないということ。
職人としての経験から技術と、
いままでなかった困難へのチャレンジ精神から生み出されたものだ。
実はこの能力、岡野氏だけにある能力ではなく、
人間みんなが持っている可能性のあるものなのだ。

ではなぜ、こうして新しいものを
生み出せる人とそうではない人がいるのか。
その差はどこにあるのか。
それは日頃から自分の潜在能力を引き出そうとしているかどうかだろう。
自分で処理できることもパソコン任せ、スマホ任せだと、
テクノロジーが進化していけばいくほど
自分で何もできない人間になってしまうということ。
もともと兼ね備えている能力を使わなくなってしまうことが
人の退化に繋がると言いたいのだ
(その昔から、使わない機能や能力は
退化する可能性は大きいって言うし…)。

ビジネスでも同じことが言える。
数年前、リーマンショックによって引き起こされた大不況。
弊社も大きなダメージを受けたが、
その困難に真っ向から立ち向ったことで、
結果として、社内の体質改善を実現することができたのだ。
不足や困難があることで、
本来持っている潜在能力を引き出すことができるということ。

ITや新しい技術を否定するつもりはない。
使いどころが重要ということだ。
暗黙知という概念が無くなりつつある現代では、
難しいことかもしれないが、
うまくいかない時こそ組織や
人の潜在能力を引き出すチャンスがあるのだ。

だからこそ、ビジネスでうまくいくためには、
そんな潜在能力をいかにして引き出し、
次なる仕事に活かすかを考える必要がある。
私にも、もっともっと潜在能力があるように思えてならないのだ
(まだ30%くらいしか使ってないような…)。
果たして、還暦からでも潜在能力を
引き出すことはできるのだろうか? はははは…。


IMG_3499

潜在能力を引き出せ!

ページTOPへ

BACKNUMBER

ページTOPへ