これからの選ばれるビジネス!

これからの選ばれるビジネス!中島セイジのビジネスの達人

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はなまるア・ラ・カルト

07/27
2015

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これからは“先義後利”が選択

このビジ達では、いままで数々の
すばらしい企業を紹介させてもらってきた。
やはりいつも鍵となるのはもちろん、“先義後利”!

例えば、つい先日ご紹介したばかりの吉田カバン。

創業者である吉田吉蔵(きちぞう)氏の
「日本の職人技を未来に」という信念から、
今もメイド・イン・ジャパンにこだわった
カバンをつくり続けている。

短期的に見るとコストは高くつくが、
日本の職人の技術を未来に伝えることを考えれば、
吉田氏の信念は実に理にかなったものだ。

あるいは何度もご紹介してきた、
クラウンと似顔絵師集団の会社であるプレジャー企画。

私が行くところ、多くの場所で大活躍(!?)している
Mr.セイージをつくってくださった会社なのだが、
「ホスピタルクラウン」としての顔を持っている。

入院中の子どもたちに
笑顔と勇気を与えるクラウンとして、
代表取締役会長の大棟耕介氏をはじめ、
多くの社員が活動しているのだ。

どちらの企業も目先の利益を優先しているだけでは、
決して生まれてこない発想を持っている。

こうしたビジネスのあり方や、
社会における存在理由が
経営理念に組み込まれている企業。
こういった企業こそ、
応援すべきだといえるだろう。

そこで、私が提案しているのが…
“生活者としての選択”だ。

私たち誰もができる“応援”の方法として、
最もポピュラーなものが、「購入」だ。

生活者として、私たちはさまざまなものを
選択しながら購入している。
便利! 安い! 新しい!
それだけで企業や製品が選ばれていた時代もあっただろう。

しかし、これから先は違ってくるはず。
「日本の未来のことを、この企業は考えているのか?」
「この製品が生み出す社会的価値は?」

こんなことを考えながら、
買い物をする時代がもう訪れている。

つまり、“先義後利”の視点が
その企業にあるか否かが、選択する際の
大きな決め手となってくるということ。

もちろん、生活者としての私たちにも
先義後利の視点が必要とされることは言うまでもないだろう。

先に義、後に利。そんな時代がやってくるのだ!

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各地で大活躍中のMr.セイージ

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私たちも選択できる“応援”の方法がある

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これからは“先義後利”の視点が大切!

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メイド・イン・ジャパンにこだわる吉田カバン

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はなまるア・ラ・カルト

07/21
2015

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プロセスが人をつくり、結果につながる

「結果か、プロセスか」

これは、私がセミナーや講演会で
お話をさせていただく中で、
長い間テーマとしているものの一つだ。

スポーツ選手などは
「結果こそが重要」と言い切る人も多い。
ただ、私からすると“結果”は、
色々なプロセスの末に出るものなのである。
すなわち、どう結果を出すかが重要と言うことだ。

というのも、一時的に素晴らしい結果を出すよりも、
継続して結果を出すプロセスを続けることの方が、
後に大きな結果を生み出すことにつながるからだ。

それを実感したのが、
先日長野県東御市を訪れたときのこと。
その道中で、ワイン用のブドウ園で
作業に勤しむ若者と出会い、話をすることができた
(年齢は40代だそうだが、私にとってはまだまだ若者だ)。

若者はワイン用のブドウを
つくりはじめて10年が経つそうだ。
現在こそ5ヘクタールもの土地で
ブドウづくりを行っているが、
当初は土地を借りるのにも苦労したという。

最初は僅かな土地に
ブドウを植えるところから始まったが、
地域の人との交流を重ね、
その結果、土地を借りるための信頼を獲得。
現在、収穫したブドウは自社のワイナリーで
高級ワイン(?)となり、販売されるまでに
事業が成長しているという。

このように、現在の姿に至るまでのプロセスの中には、
継続的なチャレンジであり結果が詰まっている。

この若者の場合、様々なチャレンジにより
地域の人に認められ、良いブドウが実るようになり、
広い土地を確保することができた。
そんな小さな結果の積み重ねによって
現在のブドウ園の姿へと成長できたのだ。

ここで、中島流のポイント!
このチャレンジのプロセスは結果を生むだけでなく、
人間の成長にもつながるということ。

この成長が人間関係を作り、
次なるチャンスを引き寄せることにつながっていくのだ。
はっはっは、だからプロセスなくして
結果は生まれないということだ。

このことを表している例としては
玉村豊男氏が経営する
ヴィラデストガーデンファームワイナリーがある
(先述の若者のワイナリーから15分ほど進んだ先にある)。

ここでは、ブドウ園やワイナリー以外に、
レストランやショップなどの様々な施設があり、
全国から人が訪れる人気の観光地になっている。

しかし、最初にブドウの木を植えた1992年には
20年後にここまでなるとは玉村氏自身は勿論、
関係者の誰もが思わなかっただろう。
この20年というプロセスの中には様々な成長があり、
現在につながったのだ。
やはり、プロセスにこそ結果に結びつく要素が
たくさん秘められているということだ。

今回、たまたま出会った若者と話をしたわけだが、
改めてプロセスの大切さを確認することができた
(40代の若者だろうがまだまだ
プロセスと言う雰囲気を漂わせていた)。

ビジネスにおいて、
ついつい「結果」だけに目が行きがちだが、
プロセスこそが人を成長させ、
結果に結びつくと言えよう!

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偶然の出会い

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玉村氏のワイナリーにも行ってきた

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ブドウを植えてから数十年…

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プロセスが成長につながる

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今でこそこの広さだが、当初は…

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ビジネスにはプロセスが重要!

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はなまるア・ラ・カルト

07/13
2015

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インバウンド時代の口コミマーケティング

2020年の東京オリンピックに向けて、
日本経済に大きな変化が訪れるといわれている。
それが、外国人観光客がもたらす経済効果“インバウンド”だ。

この言葉は、日経MJの『2015年上期ヒット商品番付』の
東の横綱にランキングされているほど、
今注目されているワードなのだ。
事実、外国人観光客は増加し、
この1年で1,300万人(前年比60%以上)が
日本を訪れたという。
この調子ならば、オリンピックを待たずして、
年間観光客数が2,000万人を超える日も近いだろう。

そんなインバウンドに焦点をあてたイベントが、
先日、私たちも関わる形で開催された。
イベントは、「宿研キズナサミット」と銘打ち、
私がパネルディスカッションのモデレーターを
務めさせていただいた。
そこでは、様々な企業の事例をあげながら、
インバウンド攻略の鍵を模索した。

来たるインバウンド時代に対して、
宿泊施設はどう対処すればその恩恵にあずかれるのか。
そのための対応をシミュレーションする場だった。

そして、その最善策としてあげられたのが「口コミ」。

壇上で議論の中心にいたのは、
庭のホテル東京の木下社長と、
旅行サイトの運営を手がける
トリップアドバイザーのマネージャーの方々。
彼らの持論には、「口コミ」という言葉が盛んに登場した。
しかし、その「口コミ」という概念は、
私がマーケッターとしてこれまで
使っていたものとは異なったものだった。

一昔前の口コミとは、個人が個人にであったり、
個人が数人にという伝わり方。
それが数珠繋ぎのように広がっていくことだった。
ところが、今の時代の口コミは、
インターネットによる口コミであり、
集約的で連続的な口コミを実現してくれるのだ。
例えば、トリップアドバイザーの
投稿型サイトのようにITやSNSを通じて、
世界中の人に同時に発信することなのだ。

特に、トリップアドバイザーの旅行サイトは、
28言語で展開しており、外国人観光客が検索しやすいことから、
爆発的な支持を得ている。
さらに、スマートフォンの普及により、
手軽さが倍増したことの影響も大きい。

外国人がトリップアドバイザーから得た情報が、
また別のサイトを通じて別の人へと発信される。
しかも、それが28言語に対応できれば、
地球上のさらに多くの人々へ発信することができる。
となれば、口コミの効果は絶大。
この情報伝達の力が来たるオリンピックの
インバウンドを底上げするのは間違いない。
そして、彼らの評判がまた次のリピーターを生むことにもなる。

社会環境や技術の進歩によって、
意味や形が変わったにせよ、
広告戦略よりも信頼感のある口コミであり、
インターネットを介したマーケティングこそ、
インバウンド時代を生き抜くために必要な戦略なのだろう。


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宿研キズナサミット

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インバウンドについて熱く討論

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宿泊施設経営に携わる方々に真剣な眼差し

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はなまるア・ラ・カルト

07/06
2015

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イタリア流文化の継承

今年の海外研修ツアーで訪れたイタリアでは、
フィレンツェ郊外にある宿泊施設も備えた
「クッキング・アカデミー」へ。

このクッキング・アカデミー、
ビジ達を愛読している方はご存知でしょう!
料理人として約35年以上日本に腰を据えて活動されている、
カルミネ・コッツォリーノ氏が運営しているのだ。

のびのびと栽培されている
ぶどう畑やさくらんぼ畑を眺めながら、
およそ10ヘクタールもある敷地内を案内していただいた。

その際カルミネ氏から、
とても興味深いことを伺った。
ええ~~~!? 何とイタリアでは、
土地を買って家を建てるということがNGなのだそうだ
(もちろん、地域柄によってのルールなのかもしれないが)。

日本では、購入した土地に家を建てることは一般的。
だがこのフィレンツェ郊外のルールでは、
自分の土地であろうと、
個人の意思で家を建ててはいけないようなのだ。

すでにある家や建物を土地と共に買い取り、
そこをリフォームするしかないという。

実際に「クッキング・アカデミー」は、
もともと修道院だった場所をリフォームしてつくられている。

イタリアといえば、
世界に誇る古くからの文化や
多くの世界遺産が現存している。

そしてどの街をとっても、
屋根や壁の色合いが統一された、
美しい景色が浮かび上がる。

勝手に家を建ててはいけないのは、
世界遺産そのものだけではなく、
街全体の景観を守り抜くためなのだ。

過去の遺産を守り抜くイタリアを見て感じたこと…。
それは施設や形あるものである「ハード面」を
伝承していかなければ、
その価値観である「ソフト面」をも、
次の世代に残せないのではないだろうかということ。

ツアーの道中に立ち寄った
ヴェネツィア、フィレンツェ、ローマといった
有名な街には多くの世界遺産がある。

しかしどこの街も、
これほど徹底して維持に努めていることに驚き!
そんなイタリアの姿からは、
我々も学ぶべきところが多いはず。

なぜなら少子高齢化が進む中、
日本の人口が増加していた頃のように、
次々と新しいものを作る必要性がなくなってきている。

だからこそ、
これから先につなげていかなくてはならないものや、
ここまで残ってきている文化に深く関わるものを
守っていく必要がある。

人口減少という大きな変化を迎える中、
日本も次世代につなげるべきものを
大切にする価値観を徹底するべきなのだろう。

「イタリアの振り見て我が振り直せ」。
やはりいいところは見習い、
悪いところは直すということ。

海外にいる際に日本を見つめなおすと、
本当気付かされることがたくさんあるんだよねぇ。


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のどかな場所にある「クッキング・アカデミー」

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見渡す限りのぶどう畑

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いまなお現存する建物の美しさ

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カラッとした陽気だが、日差しは強い

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セイージもイタリアへ!!

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みんなで記念にパシャリ

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はなまるア・ラ・カルト

06/15
2015

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“インバウンド”に向け「先義後利」

2020年の東京オリンピックを控え、
日本は外国人観光客の増加を意味する
「インバウンド効果」を期待している。
当然、大きな経済効果を狙っているのだろうが、
本当に大事なことは、また別にあるのだ。

そのヒントは、先日お会いしたオリンピック招致委員会副理事長で
ミズノ株式会社水野正人氏の
“レガシー”という一言に隠されている。

レガシーとは遺産という意味。
つまりオリンピック後の遺産を持ち帰ってもらうことなのだ。

私がその遺産の中でも着目しているのが、
オリンピックを機に日本に訪れた多くの外国人が、
“日本の価値観”をどう受け止め、その後にどう活かすか。

このところ「インバウンド効果」とは、
数年の短期的な経済効果を期待するときに
使われている傾向がある。そのため、つい世界遺産である富士山や、
京都の街並みなどの文化的香りのする観光地や、
大都市東京を世界にアピールして観光客誘致をしようとしがち。

残念ながら、こうした海外に持ち出せない建築物や名所のような
“ハード”としての文化を発信することは
見聞きした人の記憶で終わってしまう可能性が…。

そこで、価値観や概念のような“ソフト”としての
日本の文化(価値観から来る対応や行動)を
世界に広めてもらうことが今後の日本の発展となるのではないだろうか。
では日本の価値観とは、なんなのだろうか。

たとえばそれは、山岡正義氏著『魂の商人 石田梅岩が語ったこと』で
説かれていることだろう。
平安時代から日本人が当たり前に持ち合わせていた価値観や、
梅岩がよく語っていた「先義後利」という考え方なのではないだろうか。

また、仁・義・礼・智・信に表されるように、
人として当然の道徳心を持つことも同様に重要だろう。

これこそ日本人が古来より
大切にしてきた文化であり価値観なのだ。

残念なことに現在の日本では、
明治維新以降に日本に入ってきた欧米文化の影響を受けて形成された、
経済至上主義的価値観が浸透している。
それにより、日本古来の価値観が薄れてきてしまっているのだ。

だが、こうした経済至上主義的価値観はここ50~60年のもの。

2020年に向けてすでに外国から多くの人が来日し始めている日本で、
本当の日本の遺産を持って帰ってもらうためにも、
目に見える日本文化を見せつつ、
目に見えない日本独自の考え方や価値観を
体感してもらうことが必要なのだ。

表層だけではない本当の日本を世界に浸透させるには、
短期的なインバウンド効果だけを狙っていてはダメだ。
オリンピックという一大イベントを機に、
迎え入れる側の日本人が「先義後利」の価値観を
ビジネスや生活の中でしっかり実践し、世界中の人々に
それを体験してもらうことが鍵となるのだろう。

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山岡正義氏著『魂の商人 石田梅岩が語ったこと』

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ミズノ株式会社の水野正人氏

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