これからの選ばれるビジネス!

これからの選ばれるビジネス!中島セイジのビジネスの達人

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はなまるア・ラ・カルト

02/23
2015

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“経営マトリックス”が推進力

「マトリックス」という言葉の由来を
ご存知だろうか。

実は、Mater(母)+ixという組み合わせで
「子宮」を意味するラテン語に由来しており、
そこから何かを生み出すという意味を持つそうだ。

何かを生み出す…。

会社の経営推進において、何が一番機能しているのか?
それはもちろん人であることは間違いない。
しかし、実のところ会議体こそがマトリックスの根本にあるのだ。

一時、「すごい会議」という会議が新聞などで、
大きく取り上げられ注目されていた。
仕事として取材もさせていただいた記憶が…。

やっぱり、会議体こそが会社の経営推進の原動力なのでは…。
そして、組織内にある様々な部署の連携が行われているのも会議体なのだ。

注目すべき点は、5W1Hの徹底。

誰が、何を、いつ、どこで、なぜ、どのように
進めていくのかという最低限度のことをきっちり決定すること。

それが、一人ひとりに責任感をもたらすのだ。
その役割があってこそ、会議が経営の推進力を生む
きっかけになる。

こうした取り組みは弊社でも行っている。
役員が集まって行う会議からマネージャークラスが集まる会議、
テーマを持って担当者が集まる会議、社員全員が集う会議など。

部署やチームなどを超えて連携をとることが、
会社の経営に大きな影響を与える。
そして、一人ひとりの意識を高めてくれるのも会議体なのだ。

まさに、ヒエラルキーの組織(図)より
会議体こそが経営のマトリックスということ。

1つの事例をご紹介しよう。

私が主宰となり、モデレーター役を務めている
“三尺三寸箸会議”。

この会議は、様々な経営者が定期的に集まって、
会社の経営手法についてディスカッションし、
そこで得たものを自社へ持ち帰り、
経営の推進に役立てている。

会議体は、その時代、時期への対応や
現状の問題点の改善など
様々な答えを導きだしてくれる。
すなわち、何かを生み出すマトリックス
となってくれるのだ。

会議体をうまく活かすことが、
過渡期を迎えるこれからの時代の
会社経営には、非常に重要ということ。

経営マトリックスはまさに“会議”なのだ。
会議を制する者は、時代の経営をも制す!

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会議体の重要性

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三尺三寸箸会議

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はなまるア・ラ・カルト

02/16
2015

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農業的個性化時代の到来

私は、ほどほどのものよりも、
徹底されたものを選ぶ。

これはビジネスでも同じことが言える。
中島流“パラダイムシフト75”の中でも、
多々発信してきたことだが、
この2015年を境に、農業的価値観のビジネスが
選ばれる時代になるだろう。

それは、工業的システム化時代
(経済効率ステージ)からの脱却。
そして農業的個性化時代
(ヒューマン効率の時代)への突入を意味する。

これまでの主流だった工業的システム化は、
「1つの規格を大量に」
といったコンセプトで、
マニュアル化して
効率的に生産するのが特徴。

しかし、こうした
仕事のやり方では、ずべての生活者の満足を
満たすことができなくなってきた。

そこで、農業的個性化が
選ばれていくのだ。
なぜなら“ほどほど”ではなく、
1つひとつを“徹底”することができ、
なおかつ個性も活かせるからだ。

ワインを例にとってみよう。
ブドウの産地が違えば、味も、香りも違う。
しかも、畑の土やその年の気候、
仕込み方から樽、熟成の状態などによっても違う。
すなわち、1本1本が異なるのがワインの特徴なのだ。
この違いこそが、本来の地球の営みの証。

農業は人間の思い通りにはいかないもの。
できあがる野菜や果物の大きさや形、
品質もみなばらばら。
しかし、そこにそれぞれの需要や特徴が
生まれてくるもの。
これは、私たち人間の社会においても同じだ。

「嫌な取引先は切ってもよい」という
非常識とも思える方針を打ち出す、
「中里スプリング製作所」という会社がある。
この会社は、個性を見事にビジネスで
体現している。

大企業よりも平均点が低い社員が集まるのが、
中小企業であり、町工場だ。

だから平均点を求めず、100点を取れる
1つのことを求めるという。

地方の中小企業だから、都心のように
多くの人材が集まってくるわけではない。
だから、それぞれが優れた長所を持っている
オンリーワンな人材だけで
スタッフを構成しているのだ。

得意分野では力を発揮し、
苦手な部分は他の人が
補えばいい。

一見不思議な経営方針だが、
こうした個を意識したやり方が活かされ、
全国47都道府県に、1,600社以上の取引先を
持つ優良企業となっている。

これからは、
農業的個性を活かしたビジネスが、
選ばれていく時代になるのだろう。

新パラダイム

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中里社長

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はなまるア・ラ・カルト

02/09
2015

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“ブランド”は世間が育んでくれるもの

我が家にはトラが住み着いている。

キラキラと金色に光るトラが数匹、
いつも手に届きそうなところで黒い紙袋に
貼りつき、整列しながらいる。

もう、お分かりだろうが、
創業約480年の老舗和菓子店
虎屋の紙袋のことだ。

この紙袋は、銀座を歩く御婦人方が、
堂々と持ち歩くほど、
世間の認知度と人気は高い
(私自身は、取材の時以外ほとんど
手にすることのない特別な紙袋だが…)。

人気の理由は、描かれているトラが、
明治時代~大正時代にかけて大活躍した
文人画家・富岡鉄斎が描いたものと
いわれているからか(諸説あるそうだが…)?

いや、私はそうは思わない。

この紙袋の金色のトラには、
虎屋自体が持つブランドイメージが
見事に反映されているからなのだ!!

最近では、書籍や雑誌などに、
「利益を生み出す熱狂ブランドの作り方」など
という言葉を見かける。

そこには、ブランドイメージは戦略的に
確立できるというようなことが多く書かれている。

しかし、私はそう簡単にブランドイメージを
確立することはできないと考えている。

虎屋は約480年の長い時間をかけ、
企業哲学や理念を反映させながら、
コツコツと事業展開を徹底してきた。

そして、そんな虎屋の仕事ぶりを見た
世間の人々による、口伝えや実体験を通じて、
こうした虎屋イメージは
作り上げられてきたのだ。

それは、虎屋がいいものづくりの徹底、
人づくりの徹底を長年追求し続けてきたことに
対して世間が評価し、育まれてきたもの。

すなわち、そのブランドは、
企業がつくったものではなく、
世間がつくってきたもの。

虎屋のマネージャーに伺った話なのだが…
研修を終えた新入社員が
いざ、店頭で働き始めると、
最初は先輩たちのようにうまくはいかない。

そこで、ごひいきのお客様たちが、
その対応に対して助言をしてくださったり、
スタッフも育ててもらっているのだと。

まさに、お客様や、世間が虎屋を
育んでくれているということなのだ。

企業哲学や理念を
事業展開に徹底し、“積小為大”、“先義後利”を
常に意識して歩んできた賜物といえるだろう。

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虎屋といったらこのマーク!

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おしゃれな銀座に虎屋が光る

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全国各地で虎屋はにぎわう!

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誰もが知っている虎屋紙袋!

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はなまるア・ラ・カルト

01/26
2015

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「人間万事塞翁が馬」が決断

人生だけでなく、ビジネスにおいても、
幸福や不幸は予想のしようがないものである。
まさに「人間(じんかん)万事塞翁が馬」。

この言葉がぴったりなホテルがある。
ミシュランガイドで、“2パビリオン”
(快適さを示す分類)を
獲得している『庭のホテル東京』だ。

ここは、「京都のような“雅”な和ではなく、
江戸の持つ“粋”な和」がコンセプト。

その粋な和と落ち着きを求め、
国内外問わず宿泊客が訪れ、
稼動率は90%を
超えているという。

しかし、そうした人気ホテルであっても、
過去には何度も苦難を味わってきたという。

その苦難の変遷をお聞きすると…。

庭のホテル東京は、
2009年の改築オープンの前までは、
ビジネスマン向けの
「東京グリーンホテル」として
安定した営業を行っていた。

数年後、改築工事を経て、
2009年に「庭のホテル東京」となったのだが、
オープンのタイミングは
リーマンショック後の
大不況の時期と重なってしまった。

そのうち、幸運にもミシュランガイドに
選定されこれからという矢先に、
あの東日本大震災が発生。

それにより、売り上げの多くを支えていた
外国人観光客がほぼゼロになったという。

しかし、こうした苦難に直面したことで、
ホテルのスタッフみんなに
“どうすればお客様を取り戻せるのか”を
真剣に考える気持ちが芽生えたという。

そうして、さまざまな困難を乗り越えたことで、
ホテルのサービスを向上することができ、
現在の状態にまで上り詰めたのだ。

もうひとつ事例をご紹介しよう。

現在、千葉県で
徹底した自然酒造りを行っている、
寺田本家も同じように、
困難を乗り越えて大成した会社だ。

故・23代目が、自身の病気を機に
それまで行ってきた経済性優先の
酒造りや自身の生き方を見つめ直し、
“自然酒造り”への転換を決意。

“自然酒造り”は、さまざまな菌の
活躍のタイミングを自然に任せるということ。
つまり、人の都合(経済効率優先)での
タイミングではなく、
本来のあるべき姿に戻すということ。

その結果、“本物”を求めるようになった
社会のニーズに合致し、大人気となった。
今では、見学ツアーが組まれるほどの
人気酒蔵となったのだ。

不幸や災難は必ずやってくるもの。

その時、それをどう捉え、どう対処するのか、
その決断こそが、経営者に求められているのだ。

不幸を機に、より選ばれるための
勇気ある選択をすること。
つまり、「人間万事塞翁が馬」が決断で、
それまで以上の“選ばれるビジネス”を
創り出せるということだ。


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落ち着き漂うホテルの一室

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中庭には“粋”を感じる心遣い

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憩いの場という言葉がぴったり

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ロビーにも和の心

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寺田本家のツアー風景

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はなまるア・ラ・カルト

01/19
2015

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“仕事道の決断”ができるか?!

ビジネスは常に選択の連続である。

しかし、1つの判断の誤りが、
会社の存続を脅かす事態を招くことも…。

では、こうした選択の落とし穴に
落ちないためにはどうすればいいのか。

優れた決断を下した、
3つの事例を紹介しよう。

1つ目は、群馬県に本社を置く
「中里スプリング製作所」の
社長・中里良一氏から伺ったお話。

ある時、大口の取引先から
「このバネは数が出るから
 専用の機械を購入して欲しい」
と持ちかけられ、1,600万円もの
設備投資を行った。

さらに、その打ち合わせは、
半年間も要したのだ。

しかし、生産を始めて半年が過ぎたところで、
「設計変更で仕様が変わった」
と告げられ、さらに500万円の機械を
購入して欲しいというのだ。

「このままでは、会社の経営が揺らいでしまう!」
そう感じた中里社長は、
なんと、大口の得意先だった
その取引先を断ったのだ。
まさに損切りの決断。

2つ目は、スコットランド・エジンバラで
農場経営をする、
「クレイジンズファーム」の代表のお母さん
(通称:ジャムおばさん)が語っていたエピソード。

その農場では、現地で採れた食材から、
手作りのジャムなどを作り、
直接販売していたのだが、
ある時、イギリスの大手流通会社から、
ジャムを取り扱わせて欲しいとの
話が舞い込んだそうだ。

しかし、ジャムおばさんはその話を断った。

「そんな話に乗ると、大きな投資を強いられる」
「私たちは、町の人に喜んでもらえる
 ジャムを作りたいだけ」と語ってくれた
(か、かっこいい…)。

3つ目は、鍵山秀三郎氏が、
自身が創業した“イエローハット”で
社長として活躍していた時に起こった事例。

当時、自社の売り上げの6割を占める大口取引先から
納品後に赤伝票を発行されたなどの、
ひどい仕打ちを何度も受けたことで、
ついに関係を打ち切ったという。

しかし、鍵山氏が関係を絶った理由は、
決してお金のためだけではなかった。

そこに「社員たちの流した汗と努力が無駄に
なってしまうビジネスには先がない」
という思いがあったからだ。

これら3つに共通するポイントは、
大手流通や大口の取引先との関係を絶つという
勇気ある決断を下したことだ。

大きな儲けに繋がる話には
つい飛びつきたくなるが、
ここに“選択の落とし穴”があるのだ。

大切なのは、会社が継続できる仕事か、
スタッフが気持ちよく仕事ができるのか、
社会的な存在意義があるか。

大手の取引先に言われようが、
“儲けるビジネス”に目を奪われず、
経営者はロングレンジで捉える
「勇気ある決断」を
下していかなければならないのだ。

つまり、ビジネスにおいての
自分の身の丈をしっかり理解し、
“仕事道の決断”をすることが
求められているということ。

経営者は小さな決断も多くあるが、
このような大きな決断こそ、
経営者としての一番のチカラの発揮どころだろう。

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「中里スプリング製作所」の中里社長

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「クレイジンズファーム」の代表のお母さん

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「イエローハット」創業者の鍵山氏

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