これからの選ばれるビジネス!

これからの選ばれるビジネス!中島セイジのビジネスの達人

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はなまるア・ラ・カルト

04/13
2015

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清水の舞台から飛び降りたくない!

「清水の舞台から飛び降りるつもりでやってみろ!!!」
こんな、言葉を言ったり聞いたりすることがよくある。

私も先日、清水の舞台の話かと言うと、
清水寺に行ってきました!! 人生2回目?いや3回目?の訪問に。

清水の舞台は、地上から高さ13mほど。
今は地上がコンクリートの段になっているので…
落ちたら痛そう!!(汗)。

元々は、本尊の観音様に芸能を奉納する場として、
平安時代から使われており、
410枚以上のヒノキ板が敷き詰められた格式高い桧舞台。

こうした高さと立派な舞台が庶民信仰を煽ったのか、
「命をかけて飛び降りれば願い事が叶う」と、
江戸時代には235件の飛び降り事件が起こったそうだ…
(でも、意外に生存率が高くて85.4%の人が助かったらしい…)。

さすがに、このところはしっかりした柵も出来たこともあって、
飛び降りる人はいなくなったという。

いや別に、本当に清水の舞台から降りろということではない。
大胆なチャレンジを避けて、無難な選択をする人が多すぎるのだ。

だから、「清水の舞台から飛び降りるつもりでやってみろ!!!」
という言葉をよく耳にするのかも。
なぜ、大胆なチャレンジが少なくなってしまったのか。
その理由は…
時代の流れで、勉強にしてもビジネスにしても
データが前もって手に入れられる社会背景になったことで、
ついつい、平均的で、無難な選択をしてしまうのではないか?

しかしそれでは、チャンスはつかめない。

たとえば、アサヒビールの経営を大胆な刷新方法で
立て直した樋口廣太郎氏著の
『挑めばチャンス逃げればピンチ』という本のタイトルの通り、
安易に無難な選択をしている方がかえってピンチを招くのだ。

それにしても、樋口氏は、
業界の最下位にいたアサヒビールを、
いろいろなチャレンジでトップにまでもっていったんだから、スゴイ!

やっぱり、清水の舞台から飛び降りるくらいでやらないことには、
チャンスは巡ってこないということだ。
痛みを伴うことはあっても
(ビジネスでは、命を失うことはまずないだろうし…)。

潔く、腹をくくって度胸を決めて、
何事にもチャレンジしていくこと。
そうした人にこそチャンスはやってくるし、
次のチャレンジのきっかけが与えられるに違いない。

いや~、しかし今回改めて清水の舞台を見たが、
絶対あそこから飛び降りたくはないっ!!

だって、コンクリートの段って絶対痛いだろうし、
足を折るだけでは済まない気がするのだ…。

でも、ビジネスでは、そのくらいの度胸と大胆さを
持ち合わせてチャレンジしていくことがポイントなのかも!?

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にぎわう清水の舞台

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高さ13m!!

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はなまるア・ラ・カルト

04/06
2015

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明倫館から学ぶ風土づくり

風土は、人の成長に大きな影響を与えるものだ。

先日、山口県萩市にある明倫小学校を訪問させていただいた。
ここは、元々長州藩の藩校“明倫館”のあった場所で、
吉田松陰も明倫館で教鞭を執ったと聞いている。

その明倫小学校で、1年生と5年生が吉田松陰の言葉を
朗唱する様子を見学させていただいたのだ。

訪問してまず目に入ってきたのは、下駄箱に履物が
一糸乱れずきれいに並べられていること。
廊下の展示物も、床もゴミなくきれいに保たれている。

こうした明倫小学校の様子を見て、
明倫館の伝統であり風土が
しっかり代々受け継がれていることを感じた。

こうした環境で身に付けた常識や精神は、
大人になっても引き継がれていくだろう。
すなわち、社会に適応するのはもちろん、
活躍する人間をつくることに繋がるだろう。

やっぱり、子どもの頃の環境こそが、
人をつくるのだ。

私の事例だが、小学生の頃の校長先生と担任の先生が、
武道に精通しており、
教育にも積極的に武道を取り入れていたことから、
私も先生方に倣って柔道を始めた。

それからは、私の成長のそばには常に柔道があり、
(部活で柔道ばかりやっていた訳ではないが…)
そのため私の中には常に武道の意識がある。

体が小さい方だったこともあり、
常に自分より大きい人との対戦を意識して稽古していた。
すなわち、“柔よく剛を制す”をテーマに
していたということだ。

これらの武道の経験で学んだのは、
人との間合いと日々の鍛錬の大切さ。

私のビジネス観にも“柔よく剛を制す”の
精神と、“積小為大”の考え方はしっかり
活きている。

この様に、若いときの環境が、
その後に大きく影響するのは間違いないだろう。

だから私は、会社の風土づくりは、
かなり意識してきたといえる。

弊社もお陰様で30数年の社歴があるが、
明倫館から明倫小学校へ受け継がれたように、
目に見えないものではあるけれども、
文化や風土は活きているのだ。

創業からのスピリットや考え方、
業界に対する価値観、
そして、クリエイティブの世界で
“存在意義”をどうつくっていくのかという
弊社ならではの“風土”を常に意識してきたことが、
今に繋がっているのだろう。

改めて目先の戦略や戦術よりも
“ロングレンジで活きてくる風土”の
大切さを再認識することができた。

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ココが明倫小学校

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一糸乱れぬ靴

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立派な朗唱

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大河ドラマの舞台にも

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伝統と風土が現れる掲示物

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はなまるア・ラ・カルト

03/23
2015

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大里の合唱と藻谷浩介氏

いや~、藻谷浩介氏が
大里綜合管理の合唱を聴く日が訪れるとは…。
実に感慨深い!

このビジ達でも何度か取り上げた
『里山資本主義』の藻谷浩介氏。
3月14日に行われた「ねっと99 夢フォーラム」という
講演イベントの講師として、
千葉県大網白里市の講演会場にいらしていた。

このイベントは大里綜合管理が
主催していると言ってもいいのだが、
今年の通年テーマはなんと「里山」!
その3月の講師が藻谷氏であり、
4月の講師として招かれたナカジマとしては、
是非とも聞きに行かねば! と足を運んだ次第。

大里綜合管理の名物、
おもてなしの合唱に聴き入る藻谷氏を見ながら、
こうして同じ会場で合唱を聴いていることの
不思議をしみじみと感じた。

この日の藻谷氏のお話は、
「人口減少を食い止め、世代のアンバランスを
どうにかしなければ…」というもの。

少子高齢化によって、
世代のアンバランス化が進んでいることは
皆さんもご存知のとおり。
高齢者が増え、現役世代と次世代の子どもたちは
減少の一途をたどっている。

まずは、子どもたちを地域みんなで
育まなければ! ということ。
そのためには、地域の力を強化しなければいけない。
地域の力を強化するためには、
地元産業の活性化と自給の意識が必須条件だ。

現在、大手チェーンスーパーやコンビニでは、
一括大量仕入れ・大量販売を行い、
全国どこでも同じものを売っていると言っていいだろう。
各地域のコンビニで売られているものは、
そのほとんどが地元産ではなく、
日本の「どこか」で作られたものだ。
(それどころか海外産のものもある!)

すると、地元で作ったものを
地元で売る・買うという仕組みが失われてしまうのだ。
地元の生産力も衰え、
自給率はどんどん落ちていってしまう。
この流れに逆らわなければ、
地域力の向上はできないということ。

私が“日本列島疲弊論”でも語っているとおり、
コンビニや大手スーパーは、
一時の便利さと引き換えに、
地域経済をどんどん疲弊させていった。
本当に日本のことを思うならば、
やはりこれからは里山を利用したビジネスに取り組み、
地域の自給率を上げなければいけないのだ。

それぞれの地域の里山を活かす産業を発展させ、
6次産業化を目指す。

そうすれば、地域にお金が循環し、
雇用も増え、若者が定着する。
結果として地域の自給率も上がり、
地域全体のエネルギーもアップするのだ。

時代の変わり目である今だからこそ、
地域経済も変革のチャンス!
そのキーワードが「里山」なのだ。

大里綜合管理の合唱と藻谷氏のお話を重ね、
改めてそう感じたのだった。

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熱く語る藻谷氏!

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来場者とも話が盛り上がり…

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大里綜合管理の合唱に聴き入る!

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はなまるア・ラ・カルト

03/16
2015

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福岡正信氏から学ぶ“一事が万事”

「奇跡のリンゴ」でおなじみの木村秋則氏。
木村氏が無農薬栽培を始めたのは、
ある本との出会いがきっかけだという。

それが、福岡正信著『自然農法 わら一本の革命』だ。
これは「自然農法」の創始者(?)である福岡氏が、
自ら実践した農法や思想について書き記したものだ。

実は福岡氏の名前は、木村氏に限らず、
里山ビジネスを追求する中で度々聞いていた。
そして先日、ついにその著書を手にすることになったのだ。

福岡氏の「自然農法」では、
害虫対策の農薬や効率的な耕作法といった
“人の知恵”を否定し、なるべく手間をかけず、
自然のサイクルのみで作物を作ることを主としている。

すなわち、化学肥料を使わず、
無農薬での栽培を行うということだ。

福岡氏はこの農法を30年実践し、その収穫量も、
通常栽培のものとほとんど変わらない
レベルを実現したという(品質としては、
こちらのほうがず~っと高いことになると思うが…)。

このように、作物をより効率的に育てるために
“あえて手間をかける”現代の「足し算の農業」に対し、
福岡氏の農業は、それらを“あえて行わない”
「引き算の農業」といえる。

私が注目したのは、この「引き算」。
すなわち「余計なことをしない」という考え方だ。
まさにこれは、農業に限ったことではないからだ。

そこでひらめいたのが“一事が万事”の発想。

例えば、ドラッグストア。病気を治すため、
予防のために必要といわれる薬は、
果たして本当に体にとって良いものなのだろうか。

薬を飲み続けて得る健康より、
自然に近い環境で体への
負担が無い生活を過ごすほうが健全だ。
医者にかかる機会がなければ、
薬も医者も必要ないのだ。

また、教育も挙げられる。
学歴社会といわれるような格差が生まれたことにより、
さまざまな塾や学習機会が作られ、
お金と時間を費やすことになった。

こんな勉強が本当に必要なのだろうか
(その勉強はほとんど世の中の役に
立っていないように思えるのだが…)。
そして、その日々で精神的ストレスを溜め、
体を壊してしまうのは、本末転倒なのではないだろうか。

このように、現代は「余計な手間」を
かけさせられるものばかりが溢れている。
これらは、本当は必要ないものに対して、
さも「必要である」かのように常識化、
さらにはそれをビジネスにしているように思えてしまう。

福岡氏が実践・証明したことは
“一事が万事”と思っても間違いないのではないだろうか。

近年、「里山」に対して注目が集まっているというが、
生活者も、このような現代の“本末転倒”さに
気づき始めているのかもしれない。
今こそ「余計な手間をかけない
シンプルな世の中」が求められているのだ。

この本を読んだ木村氏は、
福岡氏の「自然農法」をリンゴで実践しようと試み、
成功するのに15年以上もの歳月を要したという。
いざ「余計な手間をかけない」を実践しようとしても、
その効果が現れるには長い時間が必要ということだ。

とはいうものの、
まずは一歩を踏み出さないことには何事も始まらない。
長期的な視点を持っての第一歩が大切なのだ。

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ついに読むことができた!

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「余計な手間をかけない」の実践とは?

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はなまるア・ラ・カルト

03/09
2015

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十勝池田ワインのブランディング

北海道池田町の「十勝ワイン」といえば、
既に多くの人が知るワイン。
実はその十勝ワインが誕生して、
50数年が経ったそうだ!!

今でこそ、「十勝ワイン」として
しっかりとしたブランディングがされている…。

ここまで来るには
多くの困難との戦いがあったという。

1950年ごろからの十勝沖地震や二度の冷害など…。
池田町の多くの農家は、
不作が続いたことで、大きな損害を被ったという。

そんな時、町長が斜面で
元気よく実っている山ブドウを見て
ワイン作りにチャレンジしようと
決断したのだ。

そこから、試行錯誤の
50数年間が始まったということ。

先日、仕事の一環で
北海道に訪れる機会があった。
里山の話やワイナリーの話をする者として、
ここはしっかり勉強しなくてはと、
池田町ブドウ・ブドウ酒研究所(通称:ワイン城)を
見学することに。

そこでは、所長自ら細かく、試行錯誤の経緯や、
ワインづくりに対する考え方を語ってくださった。

様々なブドウの掛け合わせによって多種多様な品種をつくり、
その環境適応力を観察していった。

それを幾度も繰り返し、その結果
厳選したオリジナルの品種へと至ったという。

一番のポイントは、十勝・池田町の気候や
風土にあった品種を作らないといけないということ。
そうして、寒さに強くワインに適した
品種にたどり着いたのだ。

今では、多くの人が
「十勝ワイン」を知り、愛飲している。
「池田町」の名前を知る人も多い。

しかし、50数年前に
災害が起き、その新たなチャレンジに
行き着いてなければ、
「十勝ワイン」もできていなかったし、
池田町の名前が日本全国で
知られることもなかったのだ。

自分たちの地域で作った特産品が、
全国区になったことは
地元の人たちにとって、
大変誇らしいもの。
だからこそ、もっと知ってもらいたいという気持ちになり、
情報の拡散の動きに繋がる。

こうした街を挙げたブランディングが
地域への帰属意識や、
活性化に繋がっているということ。

“ブランディング”は、
当然短期間でできるものではない。
地道な努力、手間と時間をかける
ことが必要なのだ。

そう思いながら、
今夜は、「十勝ワイン」を嗜んでいる。
うん、うん。これが十勝ワイン…。

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池田町のワイン城

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ここで十勝ワインがつくられているのだ!

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様々な種類の十勝ワイン

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