02/04
2013
“江戸しぐさ”に学ぶ
「あのとき約束しましたよね?」
「でも契約書にそんな事かいてない!」
今や当たり前のように繰り返されるこの悲しい会話。
言葉で約束はしても、契約書に書かれていなければ効力はない。
そんな一枚の紙に振り回される人間関係、ビジネスってどうなのだろうか…。
先日、私は今から300年程前にあった(?)
“江戸しぐさ”という思想と行動について学んできた。
(思想と行動と言い切っていいのかはわからないが)
江戸しぐさとは、その時代の商人や庶民における、
考え方や行動理念を表している。
だから漢字にする時は「仕草」ではなく「思草」と書くのだ。
まさに当時、江戸町民のリーダーたちは、
江戸の安泰と商売繁盛を願って
人格を高めるために学び、この“江戸しぐさ”を磨き合っていたわけだ。
これは当然、商人に限った話ではない。
当時の江戸全体にこの“江戸しぐさ”は広まっていた。
雨の日にすれ違うとき、お互いの傘が
当たらないように
傘を外側に向けて歩いたり、
相手にぶつかったときは先に非をわびたりといった
気づかいと行動をみんな当然のようにしていた。
また、断りもなく訪問する人、
時間を守らない人は「時泥棒」と呼ばれ、
相手の時間を奪うことは重い罪とされていた。
もちろんそんな環境下で展開されるビジネスは、
今の時代のように金やモノばかりを優先するのではなく「人間」を大事にしていた。
私がよくこのビジ達でもご紹介する、
石田梅岩先生もこの時代の方。
梅岩先生の「正直・倹約・勤勉」といった価値観も、
この“江戸しぐさ”につながっていたのだろう。
いやー、改めてこの時代の人は
“道”をしっかり極めていったことに気付かされる。
江戸時代から約300年。
私中島流のパラダイムシフト75(75年周期)で
いえば、今年はそこから4つ目のステージが終わり、5つ目に入ろうとしている。
この次なるステージには、
“江戸しぐさ”のような価値観、
モノの考え方が必要になってくるのは間違いない。
江戸時代当時のビジネスのように、
人間同士の信用をよりどころに
商売をすることが求められているのだ。
(当時は契約書なんてほとんどないからね~)
300年前にあったこの“江戸しぐさ(哲学? 理念?)”。
昔の思想と行動を見習うことで、
これからの時代において、
選ばれるためのポイントが見えてくる気がする。
いまのように日本だけではなく、
世界が混沌としている時代は、
過去のよき時代から学ぶのがいい気がするな~。