これからの選ばれるビジネス!

これからの選ばれるビジネス!中島セイジのビジネスの達人

HOME

ビジネスの達人

熟ジュクア・ラ・カルト

06/30
2014

juku

上期ヒット商品より“もっと本物を選べ”

東の横綱「格安スマホ」!
大関「価値組消費」!
小結「NISA」!
前頭「牛すき鍋膳」!

西の横綱「アナと雪の女王」!
大関「駆け込み消費」!
関脇「妖怪ウォッチ」!
前頭「あべのハルカス」!

ずらりと並んだここ半年間のヒット商品。
これらは、『日経MJ』が毎年6月頃に発表する
「上期ヒット商品番付」の2014年版に
紹介されているものだ。

少額投資の際に課税されない制度「NISA」や、
アカデミー賞を受賞した「アナと雪の女王」は、
誰もが(映画を見てないとしても)一度は
目にしたことがあるのではないだろうか。
また、価格高騰の中でも価値の高い商品を買う
「価値組消費」なんてのも…
(本当に価値があるのかは別として)。

しかし、中島流にこれらを見ると、
宣伝や流通の確保によって人が集まった
「上辺だけのヒット商品」に思えてならない。

なぜなら、「ヒットした商品=本当に価値のある
“本物の商品”」というわけではないからだ。

では、“本物の商品”とはなにか。
最近私がそれに出会ったのは、
先日のイギリス研修で訪れた
エジンバラの“クレイジンズファーム”でのことだ。

ここでは、広大な農地で採れた農作物を
敷地内で販売するだけでなく、
それらを使った加工品も取り扱っている。

そのなかでも、大人気の商品は、
ジャムおばさんことファーム経営者の母による
手作りラスベリージャム
(いまもヨーグルトに混ぜて食べているが、
とっても美味しい)。

その美味しさは大きな評判となり、
大手チェーンストアであるテスコからも
「ぜひ商品として取り扱いたい」という
申し出があったそうだ。

しかし、ジャムおばさんはその申し出を断ったそうだ。
理由は、「美味しさを維持したまま大量生産するのは難しい」、
「そんなところに投資や注力していたら、
他に悪い影響が出てしまう」という。

ここで気づいたこと! それは「“本物の商品”は、
大手チェーン店では手に入らない」ということだ。

このラズベリージャムのように、
人々から選ばれる“本物”は、
大量生産できるものではなく、
市場に大量に出回ることがないということ。

このように、数多く消費されたことで
「ヒット商品」と位置づけられたものと
「生活者が本当に欲しいと思って選ばれた商品」とでは、
かなりの価値の差がある。

価値ある商品は、
ヒット番付の表のような商品には成り得ないのだ。

これから私たちが大切にしなければならないもの、
それは“本物を選ぶ”こと。

少しくらい高くても、本物を選べば、本物が生き残る。
本物づくりの人たちのビジネスが生き残るのだ。

私も上辺だけのヒット商品より、
本物の商品を選んで応援しよう!
本物のビジネス追求を続けよう!

juku (1)

ジャムおばさんのこだわりの一品!

juku (2)

空気も野菜も新鮮そのもの!

juku (3)

スーパーでは味わえない“本物の味”

ページTOPへ
熟ジュクア・ラ・カルト

06/02
2014

ara1

「パワーアップ工事中」の裏側

24時間営業のすき家。
近頃、「パワーアップ工事中」なる貼り紙が貼られ、
一時的に閉店している店舗をよく見かける。
パワーアップ工事中と書いてある割には、
工事をしている様子もない…。

インターネットで調べてみると、
人手不足で閉店している模様。
どうやら一番の原因は、近頃登場した
「牛すき鍋定食」にあるようだ。

競合他社に対応できるような
鍋メニューを追求した結果、
手間と材料費のかかる
牛すき鍋定食ができあがった。

そしてコストダウンを求めた結果、
そのしわ寄せは人件費に。

すき家の各店舗では、
24時間営業の中のある時間帯、
1人で注文を受けて接客し、調理もこなす
「ワンオペレーション」なるものがあるという。
インターネット上には、アルバイトスタッフの
悲痛な叫びが書き込まれている。

かたや何かと話題の居酒屋・和民。
年内に約60店舗が閉鎖される予定だという。

そのぶん近隣の店舗に
スタッフを動かして人手不足を
解消することが狙いだ。
これまで1.66人だった正社員を
1.83人にするという。
え~~? 1.83人しか正社員がいない
環境もどうなのだろうか…。

飲食業界は特に競合他社が多い。
すると当然価格競争になり、
加えて新しいメニュー開発の競争も起きてくる。
他社に勝てるようなおいしさを追求したいが、
価格も抑えたい。そう発想していくと、
コストダウンの矛先は人件費に向いていく。

チェーン店にはよくあることだが、
本部の発想でマニュアルをつくり、効率を求める。
そして、競合への対応も
本部の机上の空論でつくられ、
各店舗に展開される。

あくまで本部の論理で展開されるわけだから、
現場はなかなかその通りにはいかないもの。

しわ寄せはどこに行くのか?
それは間違いなく“人”だ。
事実、働くスタッフたちは
過酷な労働環境を強いられ、
お客さまに十分なサービスを
することも難しいだろう。

いろいろな条件を欲張りに
突破しようとしても、そこには無理がある。
目標利益を掲げ、販売目標値を設定し、
コストや人件費を割り出していく。

そして、その机上の空論は結果として
「パワーアップ工事中」を招くことになったのだ。
つまり、“働く人”への思いやりが
どこかに置き去りにされているということ。

私がビジ達でず~~っとその問題を指摘してきた
“経済効率”優先のビジネス。
それがついにカタチとなって
露見してきたのではないだろうか。

やはり継続するビジネスは“人”あってこそ。
効率と利益だけを追求した考えは、
そろそろ見直すタイミングに来ているだろう。

ara1

いつ復活するのやら

ara2

激安価格の裏側には…

ページTOPへ
熟ジュクア・ラ・カルト

04/28
2014

Exif_JPEG_PICTURE

“ボタンの掛け違い”ビジネス

“デキる男は爪まで完璧!”

そんなウリ文句で霞ヶ関に
華々しくオープンしたのは、
なんと男性専用のネイルサロン
「OTOKO・NAIL(オトコネイル)」。

美容のためだけではなく、
働く男性のリラックスも
目的としたサロンなのだという。

オトコネイルは、
指先のささくれを取ったり、
爪の表面を磨いたりする、
手の「ケア」がメインのサロン。

メニューには、ハンドマッサージもあり、
これによるリラックス効果を求めて
来店するお客さまも多いという。

一見、ウォンツもあり、
現代の男性に受け入れられているように
思えるかもしれない。

しかし、ここであえて
「このサービスは本当に必要なのか?」
と問いたい。

なぜならば、いくらそのビジネスに
ニーズやウォンツがあり、
便利だからといっても、
社会的存在理由があるビジネスとは
限らないからだ。

もっというと、便利過ぎるサービスは、
人間を堕落させ、
不健康にさせてしまう
可能性があるということ。

その代表例がコンビニかもしれない。
先日、サポーターとして参加した
「ぐるっと房総100kmウォーク」でも、
チェックポイントになっているコンビニには、
驚くことに、夜中でも多くの人が来店してくる。
だが、はたしてそれは
健全な便利さといえるのだろうか。

コンビニの24時間営業は、
「後で買えばいいや」という気持ちにさせ、
計画性の欠如(段取りの欠如)をもたらす。
また、何でも揃っていると、
ついムダ買いをしてしまい、
結果、必要以上のカロリーを摂取することに。
それが、不健康な体をつくってしまうのだ。

また、長時間営業の店の光熱費に加え、
車での来店によるガソリン消費など、
膨大な量のエネルギーが
ムダに使われていると言えるのだ。

このように、便利なサービスや
必要以上のサービスにはリスクが伴う。

まさにビジネスにおいて
“ボタンの掛け違い”が
あちこちで起こっているのだ。

私たちはそれを理解した上で
利用することが求められるだろう。
そして、サービスを提供する側は、
それが社会的に意味のある
ビジネスであるかどうかに
もっと責任を持つべきなのだ。

デキる男とは、
ネイルサロンに癒しを求めたりせず、
自ら鍛錬する人のことを指すのかもしれない。

いや、あのフィットネスクラブだって
自分を鍛錬する場所ではあるが、
あのエネルギーを
生産性あるところに活用できないだろうか?

いまどきのビジネスは、
“ボタンの掛け違い”が
多いように思えるのは私だけだろうか。

Exif_JPEG_PICTURE

なんでも自販機で手に入る時代?

DSC00604

便利過ぎるコンビニに物申す!

Exif_JPEG_PICTURE

便利は時にリスクを伴うだろう

ページTOPへ
熟ジュクア・ラ・カルト

03/03
2014

juku3

『よりどり自販機の裏側』

銀座駅の改札を出ると、ふとあるものが目に入った。
それはなんと、「リンゴの自販機」だった
(ついにリンゴも自動販売機で売るようになったんだ~)。

リンゴが丸ごと売られているわけではない。
ご丁寧に皮がむかれ、カットまでされているのだ。
しかもそれらはすべて“青森県産”で、産地にこだわりもある。

ちょうど商品補充の時に居合わせたのだが、
たまたま通りかかった女性が「とても美味しかったわよ!」と、
補充員に声を掛けていた。
珍しさもあり、なかなか人気なのだろう。

このところの自販機はスゴい。
これまでの自販機と言えば、飲料販売というイメージ。
それからするとかなり進化(?)したと言っていいだろう。
気になる自販機を紹介していくと、
バナナの自販機にはじまり、
傘やワコールのブラジャー(男性も買い易い! ははっ)、
ソフトバンクのスマホ用アクセサリー。
京都には西陣織りのネクタイの自販機もあるのだ。
さらに、海外には釣り用のエサやピザ、
そして一番驚いたのが生きた上海ガニの自販機(これは私も現地で確認済み)。
どれも実にユニーク(そう言えば、日本にはカブトムシの販売機もあるそうだ)。

確かに便利で思わず利用したくなる自販機だが、
果たして本当に素晴らしいものなのだろうか。

ここからは中島流の客観的視点。
自販機の便利さの裏側には大きく4つの問題がある。

まずは一つ目は“ムダと浪費”だ。
誰もが経験したことがあるだろう、
自販機がなかったら買っていなかった、
買わなくてもいいのに買ってしまう…そんなシーンを創出している。

そしてもう一つは、“ゴミの増大”!
以前、大阪の淀川の清掃活動に参加した時のこと。
1時間半ほど掃除しただけで、
なんと45Lのゴミ袋1,800袋分もの
缶・ペットボトル等のゴミを回収した。
自販機での販売には当然パッケージングが大切になる。
そのパッケージがゴミと化すのだ。

また、この2つの物理的な問題の他に、人として失うものもある。
その一つが、“計画性の欠如”。
携帯電話の存在もそうだが、ついついそれらの機器に頼って、
計画を立てることをしなくなるのだ。
水筒やタンブラーを利用することは、
余計なお金も使わなくて済むし、ゴミも出ない。

もう一つが“我慢の欠如”。
初めからなければ諦めることができるものも、
そこに自販機があるがためについ買ってしまう。
現代の人たちは、子どもはもちろん大人たちも、
我慢できなくなっていると言ってもいいだろう。

自販機は確かに便利でワクワクさせてくれることもある。
しかし、あくまでも企業が「より売りたいがための道具」であり、
便利の裏側にはこうした問題や危険性がたくさん潜んでいる。
それをしっかりと捉えることもできずに、
“便利でいい世の中になったね~”
なんて言っていては人類の先行きは、
ますます暗雲が立ち込めてくるのだ。

今こそ、自販機をあてにしない、
便利さに惑わされない発想が重要なのではないだろうか。

でも、自販機のリンゴは一度試してみたいものだ(ポリポリ)。

juku3

これがリンゴの自販機だ!

juku4

足を止めている人も多かった

juku2

他の自販機と同じように並んでいる…

juku1

一度は試したいかな!

ページTOPへ
熟ジュクア・ラ・カルト

11/18
2013

juku

偽装・隠ぺいは実力主義の結末


阪急阪神ホテルズで食品偽装発覚!
老舗百貨店でも食品偽装発覚!
その他有名ホテルで次々と虚偽表示の事実発覚!

ご存知の通り、最近世間を騒がせている、
食品の産地などに関する表示の偽装問題。

提供している商品が表記の内容と異なるなど、
内容はさまざまだが、ほとんどが
百貨店や有名企業のホテルだという。

同様に、隠蔽問題も話題に上がった。
これらは、今まで信頼をおいていた
老舗の企業が多かっただけに、
私たち庶民にはかなりのショックだった。

これらの偽装や隠蔽の事件は、
40年、50年とかけて少しずつ作り上げてきた信頼関係を
一気に崩壊させてしまうのではないだろうか。
しかし、この現象は起きるべくして起きているとも思うのだ。

中島流の解釈では、「実力主義がもたらした結末」なのだ。
実力主義の背景において、自分の安定した地位を得るために、
目先の売上・ブランド保持を重視した結果だということだろう。

「今だけ・自分だけ・お金だけ」な考えで、
目先の利益ばかりを追い求めた経済優先主義の結末が、
このような事態を招いたのだろう。

この経済を立て直す方法。
それはずばり、ビジ達で度々紹介している
「先義後利」の考え方ではないだろうか。
この言葉は中国の儒学の考え方だが、道義を優先させ、
利益を後回しにしたビジネスは、やがて信頼が集まる。

そこから相乗効果を生み出し、
目先の利益よりはるかに大きなビジネスへとつながっていくのだ。

私が提唱する“見・投資”の考え方にもあるように、
いまこそロングレンジで物事を考えて
行動することが求められている。
近い未来だけではなく、
数十年先の(もっと先かも)未来にまで及ぶ影響を考え、
見通しの良い投資ができているかどうか。

つまり「先義後利」の考えに基づいた行動こそ、
見通しの良い投資につながるということ。
「義」を欠いた行動をすることは、
今回の偽装問題を起こした企業のように、
ブランドも信頼も無くしてしまうだろう。

お~。今更ながら、いや、昔から変わらず
「先義後利」の考え方は求められている。
これからは、国内だけでなく、世界に向けて
「先義後利」のビジネスを実践・発信して行くべきだろう。

juku

「先義後利」といえばこの方!

juku2

選ばれる老舗には「義」がある

juku3

今も昔も求められるものは同じ

ページTOPへ

BACKNUMBER

ページTOPへ