10/28
2013
トイレは、階段を上がって右側です
皆さんにとって“カフェ”ってどんな存在だろう。
コーヒーやお茶を飲むところ? 本を読むところ?
人と話をするところ? 小腹を満たしてくれるところ?
私中島にとってカフェとは、ある意味で“仕事場”。
時には、2時間以上もそこで仕事をすることだってある
(お店にとってはあまり歓迎したくない客かも)。
つまり、私にとってはかなり大切な場所なのだ!
しかし、つい先日。ある大雨の日のこと。
事件は、京成上野駅のベーカリー&カフェで起きた。
駅の改札を出ると、
すぐ目の前にカフェスペース付きのベーカリーを発見。
雨も降っているし、ちょっと小腹も空いたことなので、
私はそこで食事をしながら、
いつものように仕事をすることにした。
しばらく仕事をしていると当然のように用を足したくなり、
スタッフにトイレの場所を尋ねたのだ。
「トイレはどちらにあります?」
「トイレはあの階段を上がって右の方にあります。」
「ありがとうございます!」と言いながらも、
店内にないだけでなく、
けっこう離れたところにあるなぁ~と思い向かった。
階段を上がり、右側っと…え!
そこはもう駅の外!?
え~~っ?
この大雨の中、一度外に出ないとトイレがない!?
さらに、トイレは10~15m先にあるのか、全然見えない…。
ということで、しぶしぶお店に戻ることに。
「一度、外に出ないとトイレに行けないんですね?」
「あー、そうです。」
(ってことは傘が必要ってことだよね!!)
確かにトイレを案内するのは、
カフェのスタッフにとっては
自分の役割とは思ってないかもしれない。
しかしだ、これだけの激しい雨が降っているのだから、
「外に出ないとトイレがないので傘をご持参ください」
くらい言ってもいいのでは?
なんて思いながら、傘を持ち再び階段を上がることに。
そして用を足しながらも、アタマに浮かんだのが…
食の演出家である大久保一彦氏が
語っていた「キムチの接触デザイン」。
誰もがとりあえず注文するキムチを、
いかにしっかりお客さまに届けるかという話だ。
大久保氏曰く、その仕方によって、
店のお客さまサービスの考え方や、
スタッフ教育への取り組みまで
推し量ることができるとのこと。
まさにこのことは、今回のカフェでも
同様のことが言えるだろう。
カフェは、いまや多種多様な人が訪れる場所。
ということは、いろいろな目的を持った
お客さまの要望にしっかり対応するしかないのだ。
焼肉店では“キムチの出し方”とすれば、
カフェでは“トイレの場所の教え方”の徹底。
すなわち、私は「トイレの接触デザイン」を
カフェ向けに提案したい。