04/03
2017
『週末は田舎暮らし』 馬場未織・著
東京生まれの東京勤め、共働きで子どもは3人、
そんな、どこにでもいるような一家。
だが、そんな彼らが週末には、
南房総に持つ土地で畑を耕し、山菜を採り、海で遊び、
築120年の古民家で暮らしているという。
そんな一家の奥さんである馬場未織氏自身による
南房総での暮らしを描いた本が、『週末は田舎暮らし』だ。
この本を読むと、この2人は大変な資産家というわけでもなく、
ごくごく普通の共働き家庭が色々な経緯を経て
結果的にこの南房総に行きついたとのことだが、
週末の田舎暮らしに飽きることなく、
こんなライフスタイルをすでに10年続けているそうだ。
そして2011年には、
この南房総地域から受けた恩を返したいと、
NPO法人「南房総リパブリック」を立ち上げたのだという!
これは都会で暮らす人たちに
南房総での田舎暮らしの魅力を伝え、
この里山を持続していくための団体だ。
地元の人たちと手を組み、
里山と都市生活者のコネクターとして活動している。
具体的には都会の人たちに、親子で楽しめる里山体験や
都会の人たちに足りないおいしい野菜などを
味わってもらう活動をしているのだとか。
こんな人たちの活動であり、チャレンジが、
日本の里山の再生と持続につながっていくのだろうねぇ…。
(ここまで言えば、私が何を言いたいのか
お気づきの方もいるだろうか…!?)
日本中に存在する、日本ならではの、
山・畑・森・河川…すなわち里山と言われる地形は、
私たちにさまざまな恵みを与えてくれる。
そして、この馬場氏のように里山を活かせば、
都市生活者に、ひいては日本全体に今最も足りない、
人が人として暮らしていくことに必要不可欠なリアリティ、
人間が本来持っている価値観というものを
取り戻すことができるのではないだろうか!
この本を読んで、
私が“里山と生きる協会”を立ち上げ
里山の重要性を理解してもらおうと活動しているのは、
やはり間違いではなかったと、確信したのだった。
そしていずれは、著者の馬場氏とも連携したいなぁ、
と密かに思ったり…(ふっふっふ!)