これからの選ばれるビジネス!

これからの選ばれるビジネス!中島セイジのビジネスの達人

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目からウロコのおすすめ本

08/03
2015

book

『プレゼンは「目線」で決まる』 西脇資哲・著

プレゼンの目的とは、一体なんだろうか?
それは、上手く話すことではない。
きちんと伝えることでもない。
「相手を動かすこと」なのである。

それを改めて実感させてくれたのが、
日本マイクロソフト社のエバンジェリストである
西脇資哲(にしわき・もとあき)氏の著書
『プレゼンは「目線」で決まる』と、
西脇氏のプレゼンテーションだ。

西脇氏のプレゼン術は、それはそれは上手い!
喋りはもちろん流暢で分かりやすく、
明確に組み立てられたシナリオを元に話されている。

資料であるスライド、プレゼンのときの動作、
シナリオ、聞きやすい喋り方…。
何もかもが素晴らしく、非常に印象に残るものだった。

西脇氏は、何かを伝えようとするならば、
まずは見てもらうことが大前提だと言う。

昔の学校では、先生が「よそ見するな!」
なんて叱っていたものだが、つまりは同じこと。
「相手の目が見ていないもの」について伝えても、
99.9%理解されないそうなのだ。

聞き手の「目の動き」をコントロールし、
話に集中させるには、分かりやすい資料、
クオリティの高いスライドが鍵となるという。
どう伝えれば人を動かすことができるのか?を考え、
プレゼンに挑むべきだ。

このようなプレゼン術の秘訣を
丁寧に紹介しているのが本書なのである。

ここで私は、自分自身のプレゼンを振り返ってみた。
ふむふむ、意外とできているのではないか…?
写真、図の使い方や、
自分のトークを上手く織り交ぜているところなど、
自画自賛となってしまうが、うまくプレゼンしていると思う。

私のプレゼンでは、写真や概念図を多く使うのだが、
そこに余計な文章などは滅多に入れない。

そのことによって、聞いてくれる方の視線・興味を、
画面(モニター)に映し出されている写真や図に集中させているのだ。

そしてまずは事例の写真を解説し、興味の誘導を行う。
最終的には概念図に落とし込み、分かりやすくまとめる。
事例→根本的概念という興味をひきやすい順序(シナリオ)にも自信がある。

これからも「プレゼンは目線で決まる」
というところを意識した上で、
資料やスライド、シナリオづくりをしていきたいものだが…。

西脇氏の言うようなプレゼンを身につけていたことに、
ほっと安心したところだ。
いや~よかったよかった!

とはいえ、ここで安心していてはだめだ!
「人に伝えるためにはどうすれば効果的か?」というテーマは、
人前で話をする限り追求し続けなければなるまい!
これからも、精進あるのみ!?

book

「相手の目」を誘導しよう!

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目からウロコのおすすめ本

05/18
2015

book

『魂の商人 石田梅岩が語ったこと』山岡正義・著

石田梅岩の思想を、
現代のビジネスに活かすことを目標に、
月に1回開催している「石門心学・実践講座」。

開始から、ついに丸2年が経過!
そんな矢先、石門心学のメンバーが
昨年出版されたこの本を紹介してくれた
(竹花さん、ありがとう!)。

著者である山岡正義氏は、
なんと「人を生かす経営・人が生きる経営」を
モットーとして、経営コンサルティング活動をされている方!
気になるこの本の内容は…?

ビジ達を愛読してくれている方なら
ご存知であろう、石田梅岩。

江戸時代の思想家である
梅岩が活躍したのは、
元禄時代から享保時代にかけてのことで、
いまから約300年前になる。

当時の様子としては、
商人の勢力が台頭し、
活気のある時代であったようだが、
それも崩壊を迎え、多方面で問題が出始めた頃だったようだ
(近年でいうと、まるでバブル時代のような感じ?)。

そんな時代背景もあり、
商人たちは自分たちのことばかりを考えて、
お金にものをいわせていた。

しかし梅岩は、著書『都鄙問答(とひもんどう)』の中で
「実(まこと)の商人は先も立ち、我も立つことを思うなり」
という言葉を残している。

この言葉は、本来商人は自分の儲けだけでなく、
買い手のことも考えて商売しなければならないという意味。

驚くことに梅岩はこの頃、
当時の価値観とはかけ離れた、
倫理観に溢れる商人としての心得を説いていたのだ。

本書ではこういった内容が展開されているのだが、
私が一番共鳴したのは
「日本よ、いまこそ“梅岩”に帰れ!」
というエピローグ!

この書籍に出会う前から、
梅岩の教えをいろいろと発信していたが、
今後の日本に必要なのは
まさに梅岩の価値観だと語っていた。

なぜならこの教えはまさしく、
ビジネスだけではなく、
生き方の規範としても反映できることだからだ。

書籍の中で述べられていることだが、
実はアメリカ独立時に活躍した
ベンジャミン・フランクリンや、
『国富論』で有名なイギリス(スコットランド)の
経済学者であるアダム・スミスより
約30年も前に、梅岩は経済と倫理観について語っているのだ
(さすが石田梅岩!)。

梅岩の教えは日本独自のものではなく、
仕事と人の生き方の関係であり、哲理・哲学だ。
すなわち、“不易”な教えだったということだろう。

さまざまな中小企業を応援してきた
山岡氏だからこそ、
梅岩の価値観と現代を照らし合わせて、
この本を執筆されたのだろうか。

正直、勤勉、倹約を大切にするべきだと説いた梅岩。
今を生きるどんな人にも
大切にしてほしい価値観なので、
ぜひぜひ読んでいただきたい1冊だ!

book

今を生きる皆さんにチェックしてほしい1冊!

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03/31
2015

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『モンベル 7つの決断 アウトドアビジネスの舞台裏』 辰野勇・著

モンベルと言えば、1975年の設立から40年で、年商600億円、
従業員約800名の規模にまで成長した注目の企業。
その規模だけではなく、製品の質の高さ、
登山界全体に貢献するイベントや雑誌の主宰によっても知られている。

登山に関心がなくても、
辰野氏ならではのビジネスに対する
姿勢には関心があるはず!
徹底した商品開発の秘密や、
モンベルが今日のような企業に成長するまでの
軌跡を語ったのが、この本なのだ。
「成功者となるためには3つの“かく”が必要。
汗をかく、恥をかく、そして義理をかく…」

これはアウトドアビジネスの雄、
モンベルグループの創業者である
辰野勇氏との話の中で出て来た言葉。
ん? 汗と恥は分かるけど…義理をかく??

これは辰野氏がたまたま乗った
タクシーの運転手から聞いた言葉だという。

当然、辰野氏も最初は「えっ!?」と思ったが、
いろいろと頭をめぐらせてみると、
思い当たるところがあったという。

モンベルが今日に至るまでには、
辰野氏曰く「7つの大きな決断」
(本の中では8つの決断が紹介されているのだが…)
があったのだという。
それぞれの詳細についてはぜひ本を読んでいただきたいのだが、
特に私の心に響いたのが、1991年の直営店出店のエピソードだ。

当時は、製品が消費者の手に届くまでに
「生産」「卸」「小売店」という
3つの段階を踏む3層構造が当たり前だった。
しかしメーカーであり、卸もしていたモンベルは、
とあるショッピングモールから誘いを受けたことをきっかけに、
直営店の出店を決意した。

しかし、出店予定地のすぐ隣には、
自社商品を扱っている小売店が既に存在していたという。

ここで直営店を隣に出せば、
小売店との「義理を欠く」ことになってしまう。
だが、辰野氏はアメリカですでに3層構造がくずれ、
直営店が多く出店している現実を見ていた。

やがては日本でもそのスタイルが
当然になる日が来ることを見越し、
一時義理を欠くような展開となっても、
業界のため、そしてモンベルのために
直営店出店の決断を下したのだ。
その結果は、皆さんもご存知のとおりだ。

いや~、内心思うところもあっただろう!
(私も三十数年の経営者生活を通して、その気持ちはよく分かる!)
しかし、辰野氏は、“決断”の定義を
「将来を見据え、あえて困難な一歩を踏み出すこと」としている。
その定義に沿った決断が、現在のモンベルを作り上げたのだ。

思えば、私の発案した“選ばルール7”の中には
「大胆で潔い」という項目がある。
辰野氏の7つの決断もまさにそれ。
経営者たる者、迷った時こそ大胆に潔く、
あえて困難な道を選ぶことが必要なのだ。
そんなことを実感させてくれるこの本、
ぜひぜひ読んでいただきたい!

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03/09
2015

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『ブルース、日本でワインをつくる』ブルース・ガットラヴ 木村博江著

わ、わ、わ!
長年の疑問が解決!!
まさに感動の一冊!

おっと失礼、思わず取り乱してしまった。
それというのも、
有限会社ココ・ファーム・ワイナリーの元醸造責任者、
ブルース・ガットラヴ氏の著書
『ブルース、日本でワインをつくる』を読んで、
長年の疑問の数々が解決したから。

ブルース氏は、現在北海道の岩見沢で
ぶどう畑を開拓し、ワイナリーを経営している。

北海道の出身地でワイナリー構想を
描いている私にとっては、
知りたかったことをあれこれ教えてくれる、
素晴らしい本なのだ。

また、この本の中ではブルース氏が
いかにして日本のココ・ファーム・ワイナリーで
ワイン造りを実践するようになったのか。
どのように障がいをもつ人たちといい関係を築き、
ワイン造りを続けてきたのかについて、
触れられている。

少しでもココ・ファームのことを知っている人なら、
川田昇園長との関係を含め、
いろいろと疑問に感じていたことに対して
答えを出してくれる内容なのだ。

それだけではなく、
なんといっても私が嬉しかったのは、
北海道の風土の中で、
ヨーロッパのワインぶどうの品種が
どうやって育つのかを具体的に知れたこと!

たとえば、ブルース氏の14ヘクタールの畑のうち、
ぶどう畑は2.3ヘクタール。
そのうちの1.8ヘクタールに
ピノ・ノワール8,000本を植え、
残りの0.5ヘクタールに
ソーヴィニョンブランを植えているのだとか。

他にも800本のぶどうの木と、
その他の作物が、元々の自然と共存する
有機農法で大切に育てられている。

つまり、ブルース氏のワインづくりは
工場のように大量生産し、農薬をばらまく農業とは
根本的にちがうものなのだ。

人間の手を加えても、里山のなかにある限り
畑は自然の中に取り込まれていく可能性がある。
それならば、自然の力を活かした農業こそ
最もスマートで、持続可能なやり方だということ。
(うんうん、育て方次第でヨーロッパのぶどう品種は
北海道の地でも十分育つということ。すばらしい!)

そのほかにも、
なるほど~!と感心することばかり。

ココ・ファーム・ワイナリーを一躍有名にした、
2000年の九州沖縄サミット乾杯で用いられた
スパークリングワイン『NOVO』や、
2008年北海道洞爺湖サミットの
総理夫人主催の夕食会で飲まれた赤ワイン
『風のルージュ』誕生の秘密も明かされている。

また、ココ・ファーム・ワイナリー創始者である
川田昇氏に共鳴したきっかけ(これが知りたかった!)
も語られていて、改めて川田氏の偉大さに感じ入った。

1961年にニューヨークで生まれ、
カルフォルニア大学で醸造学を学んだ青年が、
どのようにして日本で有機ワイン作りに
人生を捧げることになったのか。

運命の不思議に感謝するとともに、
醸造家としての勇気とチャレンジ精神に、
こちらも奮い立つ一冊。

まさに、いま注目の「マッサン」を
彷彿とさせるお話がたくさんあった。

ワイナリー経営には興味がない方も、
ぜひぜひ読んでいただきたい一冊だ。

book (1)

素敵なジャケットの本です!

book (2)

ココ・ファーム・ワイナリー創始者の川田昇氏

book (3)

気になるワイン造りのあれこれを知れる

book (4)

北海道でもぶどうを育てられる!

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02/16
2015

book (2)

『猟師、花火師、ときどき祭り』大島公司・著

「あんた誰?」からの出発だった――。
そう表紙に綴られているこの本の著者・大島公司氏は、
もともとは大手広告企業で働く
サラリーマンだったそうだが、
その後180度違う世界に飛び込んでいく。

契機となったのは、東日本大震災。
会社を退職したばかりだったこともあり、
すぐに宮城県石巻市へ向かい、
復興支援に勤しんでいたそうだ。
そこで、何もできない自分を改めて知ることに。

そんな中、町の人々の神輿への期待感を耳にし、
大島氏は世話人として祭りを再開させる。
そんな活動へのチャレンジから話の幕があがっていく。

夏祭りのフィナーレには、
打ち上げ花火のイベントがある。
祭りの準備から本番まで走り続けた大島氏は、
夜空に打ち上がった花火に心を揺さぶられたという。

ならば、来年は人の心を動かすことのできる
自作の花火を打ち上げたいと決心することになる。
そこで大島氏は、花火師になるための活動に着手。

制作しているうち、
素材へのこだわりも出てきたというのだから、
本腰をすえて取り組んでいた姿が想像される。

とにかく目の前にある興味と課題に
次から次へとチャレンジする大島氏。

さらには、狩猟免許を取得することに。
なんと猟師にもなってしまったのだ(スゴ~イ!)。
滞在していた石巻市の周りには
豊かな里山が広がっているため、
シカなどが獲れるそうだ。

先日、大島氏にお会いした際、
実際に獲ったシカの肉を持参されていた。
獲るだけではなく、さばいて、
おいしく食べることが大切だという。

広告マンだった大島氏は、
石巻市での生活を通して、
祭りのプロデュースから、
花火師と猟師のスキルまで身につけることに。

それが功を奏し、
フランスの町と石巻市を結びつける活動に繋がっていく。
ついにはフランスで日本のお神輿を担ぎ、
日本の祭りを披露!
世界に日本文化を発信しているという訳だ。

この本を読み、実際に大島氏と
お話させてもらって私が感じたこと。
それは、まさに日本本来の価値観に軸を置きながら
“生きる”ことを体験しているということ。

いい大学を出て、名のある企業に就職しながらも、
その肩書きを捨ててまで選んだ石巻市での生活。

都会では身に付けられない実体験の数々は、
これからの時代を地に足つけて生きていける、
かけがえのないエナジーを得たのではないだろうか。

30歳となる大島氏だが、
躊躇なくその現場に飛び込み、
体当たりで取り組む姿勢が
多くの人々の共感を得ているのだろう。

そんな大島氏は、
5月にInterFM『BUSINESS LAB.』に登場予定。
乞うご期待!

book (1)

実際に大島氏とお会いすることができた

book (2)

帯に書いてある言葉のインパクトもすごい!

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