これからの選ばれるビジネス!

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目からウロコのおすすめ本

01/06
2014

book

シェルパ斉藤の“ニッポンの良心”

良心くんをバックパックから出し、
北海道の雄大な光景を見せ、
そしてひまわりの横に立たせてみた。

良心くんの丸顔と、ひまわりの花。
どちらもほんわかとして、
いい勝負じゃないか、と思う。
(シェルパ斉藤の“ニッポンの良心”
その三「良心くん、オートバイで北海道を
スロー・ツーリング!」より)

これは、「シェルパ斉藤の“ニッポンの良心”」
というコラムの一節。
大きなひまわりの花と並んで撮った
良心くんの写真が添えられている。

私も北海道の出身なので、
北海道の風景はよく見たし、写真にも撮った。
でも、この良心くんが存在する
北海道の風景写真は、それまでのものとちょっと違う。

電子書籍の出版社「UP BOOKS & MAGAZINES」が
運営するウェブサイト。

ここで、日本を代表するバックパッカーである
シェルパ斉藤氏が、
全国を巡る紀行文を執筆しているのだ。

その連載の第5話は、
北海道オホーツク海を舞台に、
ホタテの漁獲量日本一を誇る
猿払村(さるふつむら)の話から始まる。

ここでも登場するのが「良心くん」。
背丈40cmほどの木製の僧侶の彫り物で、
シェルパ斉藤氏が2009年の誕生日に
奥様から贈られたものだ。

以来、現在に至るまで旅のお供をしているのだ。

そんな良心くんは、シェルパ斉藤氏との旅では
重要な役割を担っているのだ。

猿払村にあるホタテの貝でできた丘、
その中央に良心くんが立っている。
すると、その光景は途端に
何か意味のある場面のような雰囲気を醸し出すのだ。
良心くんがいなければ、
そこはただのホタテの残骸の山という“風景”になってしまう。

良心くんはただの人形ではない。
人が体験して成長するのと同じように、
旅先の空気に触れることで、
良心くん自身がそれを吸収して、
なにか特別な存在へと変化していっているようにも見える。

それが、風景に加わることで、
画面に意味を持たせ、読み手の想像力を
かきたてるのではないだろうか。

そういえば私も、20年もの間
定期的に海外へ足を運んでいる。
だが、写真はたくさん撮ったのにも関わらず、
どれも建造物や街の様子を撮影した“風景写真”でしかない。

そこで、良心くんからヒントを得て思いついた!
自分もシェルパ斉藤氏のように、
中島流“良心くん”(もしくはそれに代わる何か?)を
連れて海外を旅するのはどうだろう?

それによって、世界のいろいろな街や風景に
意味や深みが加わってくるかもしれない。

シェルパ斉藤氏と良心くんの旅の続きは、
ぜひウェブサイトで読んでほしい。
全国を旅してニッポンの空気を吸収している
良心くんに会えることだろう!

UP BOOKS & MAGAZINES
http://www.upbooks.jp/

book1

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book2

良心くんがいい演出をしている

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目からウロコのおすすめ本

12/24
2013

book1

『Do You Know What My Name Is?』

邦題は『僕がジョンと呼ばれるまで』。
これは、先日たまたま誘われた試写会で観た
ドキュメンタリー映画のタイトルだ。

私の名前が分かりますか? という呼びかけの言葉。
このドキュメンタリーの中で、主人公となる(?)ジョンが
度々口にする言葉だ。じつはこの舞台は
アメリカ・オハイオ州の高齢者介護施設であり、
入所者のほとんどが認知症を発症している。
こちら側から名前を教えても5分後には忘れてしまうのである。
それでもジョンは入所者にこの言葉を必ず投げかける。

この映画に、エブリンという93歳の女性が登場する。
彼女は外出のたびに化粧を欠かさない人だったが、
認知症を発症してからは当たり前の身だしなみだった化粧もしなくなり、
外出も一切しない日々となってしまったという。
そしてジョンの問いかけにも答えることはできなかった。

どうすればエブリンのような入所者たちの認知症の症状を改善できるか。
施設が取り入れたのは、「学習療法」だった。
これは、薬に頼らず「読み・書き・計算」の学習を通じて、
高齢者の脳機能改善を図るというもの。
実はこの治療法の発祥は日本で。脳トレでおなじみの東北大学の
川島隆太教授や公文教育研究会が中心となって研究したそうだ。

その学習法がもたらした結果とは…。
なんと93歳のエブリンはこの学習療法によって、
認知症の症状がみるみる改善していく。
撮影も終盤に来た頃、撮影スタッフたちを見て
「こんなにたくさんのスタッフがいるわ。ハリウッド並ね。」と、
ジョークを言って笑顔で会話できるまでに回復したのだ。
化粧もバッチリ決まっているし、
手にはマニキュアもつけていたそうだ。
そしてもちろん、「Do You Know What My Name Is?」という
ジョンの問いかけにも、ワンテンポ置いて
「John!」と答えられるようになったという。

この映画の中での、中島流の注目すべきポイントは
認知症改善のための「学習療法」。
これ、何かに似てないだろうか? 非薬物によって行われる療法…。
そう、ビジ達でもたびたびご紹介してきた
「無農薬栽培」に近いものを感じたのだ。

無農薬で育てられた食物はなかなか腐らないのに対し、
通常栽培で育てられた食物はすぐに腐ってしまう。
これは人も同様ではないだろうか。

誰もが自分の親には最期まで「人間らしく」いてほしいと願うもの。
訳も分からず、周りとコミュニケーションをとることもできず、
ただ薬で延命するだけの日々を誰が望むだろうか。
つまり、人も植物も薬に頼り過ぎてはいけないということ。

自分の親に
「Do You Know What My Name Is?」
とは言いたくないからねぇ~。

『Do You Know What My Name Is?』
自分の親のこれから、
そして薬に頼らない生き方を考えさせてくれる、素晴らしい映画だった。
一般公開は2014年3月。ぜひ観ていただきたい。

book

薬を使わない治療に感動!

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目からウロコのおすすめ本

12/02
2013

bookTOP

『頭の回転数を上げる45の方法』久保 憂希也, 芝本 秀徳 著

ビジネスにおいて、成果を出している人もいれば、
知識やスキルがあるのになぜか成果を出せない人もいる。
一体なぜその差が生まれるのだろうか?

本作では、その能力の差をコンピューターに例えていた。
いくら便利なアプリケーションソフトウエア(知識やスキル)があっても、
処理する能力を持つOS(地頭)が機能しなければ運用できない。
つまり、頭の回転が速く仕事のできる人は、
OSが機能している(地頭がいい)ということ。
これには私も、なるほどと納得させられた。

さらに、地頭のいい人は結果ではなくプロセスを大切にする。
プロセスをおろそかにして儲けだけを求めても、
ビジネスはなかなかうまくいかないし人間性も磨かれない。

…アレ??? なんだかどこかで聞いたことのある言葉!
実は、書店で本作の「はじめに」に目を通した時に気づいたのだが、
この本には私が今まで“ビジ達”で語ってきたのと
似た内容がたくさん登場するのだ。

柔道と柔術を比較した話にも、思わず頷いてしまった。
鍛錬や心の成長に力点を置き、
プロセスやマインドに焦点を当てているのが柔“道”。
一方、柔“術”は技術の獲得や勝利など結果を重視する。
人間的成長よりも、いかに効率的に勝つかを求めるのだ。

経済優先型の今の世の中は、発想が“術”に偏りがちだ。
きっとこの先ますます“術”に偏っていくだろう。
結果だけを求めると、小手先のスキルアップや知識、
数字を上げるためのテクニックに意識が向いてしまう。

しかし、“道”を歩んでいけば、必ず自分を成長させることができるし、
本来いるべき場所に辿り着くことができる。
そして“道”を大切にして真摯に取り組んでいれば、
必ず人から選ばれ、協力を得られるようになる。

あ~この本で言うところの地頭(から)自体を
鍛えるということにもつながるのだ。

これからの時代、“道”と“術”をどう活用していくかが大切だ。
本書はそうした社会を目指さなければいけないと再確認させてくれる1冊だ!

ところで私がこの本で大きく気に入ったのは、
“はじめに”のところなんだなぁ~。

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地頭を鍛える!

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目からウロコのおすすめ本

11/18
2013

book1

『とこトン村の花子』 ささざきよしてる 著

とこトン村に生まれ、大きな鼻をした花子は、
鼻の大きなことを理由に友達から
たびたびいじめられていました。
しかし転機は突然現れます。

花子はお父さんにおべんとうをもっていきました。
草むらにねころがった花子は、
おもいっきり山の空気をすいこみました。
「おや?」花子は、たおれた木の穴の方から、
いい香りがしてくるのに気づきました。
「?!?!……」花子の鼻がピクピクうごきます。

花子は、そばにあった、スコップをかりて、
穴をほりはじめました。やはり穴のなかから、
ほんのりいい香りがしてきます。
その日から、花子はひとりで
穴をほりすすめることにしました。

この物語は、ささざきよしてる氏作の
絵本『とこトン村の花子』の一節だ。

そこに登場するのは、すべて豚のキャラクターたち。
鼻が大きいことでいじめられていた花子が、
そのコンプレックスだった鼻がきっかけで温泉を掘り当て、
みんな仲良く過ごせるようになった…というストーリー。

実は「ささざきよしてる」とはペンネームで、
実名は笹崎静雄氏という。
笹崎氏はなんと、埼玉県日高市で
つくられる絶品ハムが有名な
サイボクハム(埼玉種畜牧場)の
社長でもあるのだ。
そのサイボクハムにはテーマパークを
彷彿させる集客力があり、
年間350~400万人が訪れるという。

そんな人気の牧場を経営する笹崎氏が、
どうして絵本をつくろうと思ったのだろうか。
もちろん、絵本がその昔から
好きだということはあったようだが…。
そこには3つの理由があるという。

1つ目は豚や地域への感謝の気持ち。
サイボクハムの人気の理由は、
ただ美味しいと言うだけではない。
商品である豚に対してや地域の人たち、
働く人への感謝の気持ちがあって
サイボクハムは成り立っているからだ。

次に絵本にはその国の文化が反映するから。
日本特有の地域や仲間を思いやる気持ちを
表現するのにぴったりなのだ。

3つ目は生物多様性。
人はそれぞれ個性を持っている。
それはごくごく当たり前のことで、
それを活かしていけば
それぞれのところで貢献できる
ということを伝えたかったという。

うんうん、絵本も奥が深いね~。
絵本とは、子どもにとっては
いろいろなことを知る大切な入口なのだ。

実は私はこれまでにサイボクハムを何度も訪問している。
5回、いや6回だろうか。訪れるたびに新しい
プラスアルファがあることに驚いているのだ。

肉やハム、野菜が所狭しと陳列されており、
食のテーマパークのようでもあるし、道の駅風でもある。

先代の社長は何度かお話を伺ったことがあるのだが、
まさか現社長が絵本を出しているとは…。
この絵本を読んでいると、
笹崎社長の豚への感謝の気持ちと
思い入れが伝わってくる。

ところでこの絵本、サイボクハムの
お店で売っているのだろうか…。
今度確かめてみよ~っと。

book1

絵本の作者である笹崎社長

book2

いじめられっこの花子が大手柄!

book3

一生懸命な花子にみんなの気持ちが動き出す…!

book4

個性豊かなメンバーが仲よく働く

book5

豚への感謝の気持ちがつまった一冊

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10/28
2013

book

“ヨコハマ物語” 試写会

舞台に上がって黒幕の前で並び、
一人ずつマイクを持ちコメントをする。
そこに浴びせられるマスコミからのフラッシュ…。
そんな舞台挨拶がある試写会を体験してきた。

ということで、映画「ヨコハマ物語」の試写会に行ってきた。
映画の内容は、北乃きい演じる25歳の女性が、
奥田瑛二扮する65歳の男性の家に転がり込み、
奇妙なシェアハウス生活をするという人間ドラマだ。

この映画のテーマは、ズバり「人間再生」。
2人の主人公以外にも女性3人、
子ども1人の計6人が一つ屋根の下で共同生活をおくる。
登場人物たちはそれぞれ悩みを抱え、
行き詰まりを感じているのだが、
生活していく内に、徐々に人生を再生する
きっかけを掴んでいくのだ。

この映画を観て、改めて感じたこと。
それは、人は集うことで相乗効果が生まれるということだ。
人は、人と出会うことで自分自身が
変わることができるし、成長できる。

人との関わりがあるからこそ、
何事も面白いと感じられるし、
新しいこととの出会いもある。
まさに人は、人との相乗効果で
生かされていると言っても過言ではない。

これはビジネスにおいても同じことだろう。
日々の仕事には、人との関わりが不可欠だ。
人が出会うからこそ、お互いが刺激しあって成長し、
大きな成果をあげることが可能になるのだ。

これまでも“シナジー”の大切さについては、
このビジ達でも何度も語ってきたが、
やはり“シナジー”をより効果的に
ビジネスに活かそうとすれば、
その成功確率は間違いなく上がるということ。

この映画の監督である喜多一郎氏は、
その他の作品にも今回のような「人間再生」というテーマを持って、
撮り続けてきたようだ(少しお話をさせて頂いたが…)。
この人と人との相乗効果の大切さは、
日常生活でもビジネスでも同じなのだと再確認できた。

ちなみに、映画の内容はというと…。
実は当初、舞台挨拶を聞きながらも
あまり期待していなかったのだが(ごめんなさい!)、
いざ観てみるととても面白かった。

「ヨコハマ物語」は11月16日(土)から
横浜ブルクにてロードショー!
興味がある方はぜひ観てほしい。

book (1)

奇妙なシェアハウスの先には…?

book (2)

テーマは人間再生!

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