これからの選ばれるビジネス!

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目からウロコのおすすめ本

07/29
2013

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『まずいラーメン屋はどこへ消えた? 「椅子取りゲーム社会」で生き残る方法』岩崎夏海著

小腹が空いた時、会社や自宅の最寄り駅にあるラーメン屋に
ふらりと入った経験はないだろうか?

駅前にある立地のいいラーメン屋は
大抵あまりおいしくないが(個人差はあるが…)、
同じように小腹を空かせた人々が訪れるおかげで、
まずいラーメン屋でも繁盛こそしないがどうにかやってこれていた。

しかしインターネットの普及により、周辺駅にある
美味しいラーメン屋の情報を誰でも得られるようになった。

すると人々は、少し足を延ばせば行けるような場所にある
美味しいラーメン屋に行くようになり、
まずいラーメン屋は徐々に淘汰されていったのだ。

あの大ベストセラー作品、もし高校野球の女子マネージャーが
ドラッカーの『マネジメント』を読んだら(通称もしドラ)の
著者である岩崎夏海氏の新作
『まずいラーメン屋はどこへ消えた?
「椅子取りゲーム社会」で生き残る方法』
(今回もタイトルが長い…)によると、
インターネットの出現によってあらゆるビジネスが大競争時代になり、
“椅子取りゲーム社会”になったという。

そこで、淘汰されたまずいラーメン屋の話が出たのだ。

前作『もしドラ』はなんと累計272万部を売り上げた。
しかしその秘密は、“椅子取りゲーム社会”で
勝ち抜くために岩崎氏が考えた戦略にあったのだ!

【ポイントその1】
読者ではなく“購入者”の発想。
岩崎氏がターゲットとしたのは読者ではなく“購入者”だ。
「ギフトとして選ばれる本」を目指せば、
1人につき1冊だけではなく
10冊や20冊と購入してくれる場合も出てくる。

【ポイントその2】
岩崎氏自身のそれまでの知識やノウハウを存分に活かした内容。
もともと岩崎氏はエンタメ業界で活躍していた。

放送作家として培った物語を考えるノウハウと、
プロデューサー業を通して得たマネジメントに関する
知識・経験という専門性をかけ合わせた結果、
岩崎氏にしか描けない『もしドラ』ができあがったのだ。

そしてドラッカーという経済学者の大家が残した著作が
大きな相乗効果をもたらし、“超シナジー”が起きたということ。

この本では、インターネットを代表とする技術革新による
いろいろな時代の変化を取り上げ、
それらにどう先手を打ち対処したらいいのかが提案されている。
まあ、何につけてもドラッカーの言うところの
“イノベーション”が大切だということ!

book

大ベストセラーを生み出した岩崎氏が新社会論を説く!

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07/01
2013

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『僕はミドリムシで世界を救うことに決めました。』出雲充著

あ~、地球のどこかに漫画『ドラゴンボール』に出てくる
“仙豆”のようなものがあったら、
しばらくは何も食べなくてもいいし、
栄養にも困らず、傷も一瞬で回復するのにな~。

あのミドリムシで有名な
株式会社ユーグレナの代表取締役社長 出雲充氏が著した
『僕はミドリムシで世界を救うことに決めました。』。

その書籍には、そんな“仙豆”のような
ミドリムシの大量培養に成功した話が綴られていた。

ミドリムシって何? 青虫と同じでしょ?
なんて思う人がまだまだいるのだというが、
実はこのミドリムシ、
ドラゴンボールの仙豆並にスゴイのだ。

体長わずか0.05mmのミドリムシは、
動物と植物の両方の性質を備えている藻の仲間。
植物の性質を持つため、光合成によって成長する。
さらに二酸化炭素を減らし、地球にもとても優しいというわけだ。

また、最近ではバイオ燃料としても注目され、
ロケットやジェット機の燃料としても使えるのだとか。

まさにミドリムシには、
無限の可能性が秘められているのだ
(さすがに一瞬で傷は回復しないが…)。

ところがこの救世主とも言えるミドリムシは、
その性質上、大量培養が難しいというのが一番の課題だった。
これまで世界中の研究者たちが挑戦してきたが、
その結果は惨敗だったという。

そこで、あえてその困難に
真っ向から挑んだのが、出雲社長だ。

出雲社長がミドリムシの大量培養に挑むきっかけとなったのは、
遡ること大学時代。

当時、バングラデシュへ留学していた出雲社長は、
その地域にいた栄養不足の子どもたちを見て
何かできないかと考えていた。

そこで出会ったのがこの“ミドリムシ”だ。

ここから出雲社長の長~い“挑戦”が始まる。
当然多くの困難が立ちはだかり、失敗も繰り返した。

しかし8年前、ついにミドリムシの大量培養に成功したのだ!
(スゴ~い、多くの研究者が長い間かけても成し得なかった
大量培養を実現してしまったのだ!)

ところが、当初は大量培養するにも場所がなく、
投資してくれる企業もなかったので、
なかなかビジネスには繋がらなかったそうだ。

前代未聞の大量培養は、立ちはだかっていた壁の
ほんの一部分を崩したにすぎなかった…。

とはいえ、2012年に株式会社ユーグレナは
東証マザーズに上場という大きな成長をとげた。
若き起業家・出雲社長の強い思いに、多くの人が手を差し伸べたのだ。

いや~、やはり社会貢献につながるような、
大きな志を持つ人は違う!
その気持ちが、結果的に多くの企業や人の協力を
得ることにつながったのだ。

その挑戦の中で、
いろんな困難をブレイクスルーする方法も得られたに違いない。

それこそが33歳という若さで“仙豆”いや、
ミドリムシをビジネスにつなげることに成功した
出雲社長が持つ最大の強みなのだろう。

book (1)

世界から注目される「ミドリムシ」

book (2)

若き起業家の次なる挑戦とは…

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04/30
2013

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『奇跡のリンゴ』 完全映画化

いつもはおすすめ本をご紹介するコーナーなのだが、
今回は特別におすすめシネマをご紹介!

世界で初めて無農薬・無肥料のリンゴ栽培に成功し、
現在も自然栽培を実践し続ける木村秋則氏。

無農薬リンゴの栽培は絶対に不可能と言われていたが、
木村氏は苦闘と絶望を繰り返しながらも
決して諦めることはなかったという。

それは、農薬が原因で体調を崩した奥様への想い。
そして、家族の強い絆が生み出した奇跡。
そんな『奇跡のリンゴ』物語が、ついに完全映画化されるのだ。

正直、私はほんの数分の予告編を見ただけで涙してしまった。
ちなみに、主演は阿部サダヲさん、奥様役は菅野美穂さんが演じている
(このキャスティングも木村夫妻にピッタリ)。

さて、私はこの映画に2つの期待を抱いている。

1. 「自然栽培そのものの拡大」
 木村氏は11年間に渡る試行錯誤の末、農薬汚染の心配がなく、
 美味しいリンゴの自然栽培を実現した。
 人にも環境にもよい、自然の摂理に適った自然栽培が、
 この映画を通じて全国に広まってほしい。

2. 「自然栽培における考え方の浸透」
 今、私たちが日々過ごす経済優先型の社会は、人の都合によって
 余計なものが多く取り入れられ、それによる被害が至る所で表れている。
 こんな時代だからこそ、本来の自然の摂理に適った考え方に立ち返り、
 本当に必要なものだけを選択する勇気が大切なのだ。
 この映画は、そんな“ファインスピリッツな社会”をつくるために必要な、
 “気づき”を与えてくれるのではないか。

実は木村氏には、私が主催する「αクラブ定例セミナー」で
ご講演いただくなど、様々な形で関わらせていただいているが、
その度に私は多くのことを学ばせてもらっている。

例えば、以前ビジ達でもご紹介させていただいた
“アップルツリーパラダイム”。

これは、目に見える利益ではなく、人間性や企業理念など
目に見えない“根づくり”を徹底しようという
「根>幹>葉>実」のビジネス概念。

土壌をしっかりつくることで、太い幹が育ち、
多くの葉が生え、結果として良い実が成る。
すなわち良い成果につながるというわけ。

まさにこれは木村氏の農業の教えからヒントを得た考え方なのだ。

植物も、人も、企業も、そして社会も、
質の高いものを生み出すための“根幹”はすべて同じなのである。
そんな、人間として大切な考えを多く気づかせてくれた木村氏。

この映画を見る人も、物語の感動だけでなく、
必ず何かしらの“気づき”を得ることができるだろう。
是非、6月8日(土)全国東宝系ロードショー
『奇跡のリンゴ』にご期待いただきたい
(涙腺がゆるい人は、ハンカチ2、3枚必要かもね…)。

book (1)

無農薬リンゴの実現秘話

book (2)

家族の絆が生んだ奇跡の物語

book (3)

これがアップルツリーパラダイムだ!

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04/08
2013

book1

『伝え方が9割』コピーライター 佐々木圭一 著

皆さんは、どのように気になる異性をデートに誘うだろうか。
昔は「私とデートしてください」と、直球で勝負するのが定番だったが…。
そんな誘い方で当たって砕けてしまった経験を
持つ人は多いはず(私も何度も…)。

しかし、例えばイタ飯が好物な相手に対して、
「驚くほど美味いパスタのお店があるんだけど行かない?」
といった誘い方をするとどうか。

相手にとってのメリットを提示してあげることで、
「そんなに美味しいパスタなら食べてみたい」となり、
結果的にデートを実現できるという。

“伝え方次第で驚くほど結果が変わる”。
今回ご紹介するのはそんな内容の本だ。

著者の佐々木氏は、博報堂出身のコピーライターでありながら、
元々は伝えることが大の苦手だったという興味深い経歴をもっている。

しかし、コピーライターとしての経験を積むうちに、
心を動かすコピーには技術と論理があり、
法則のもとに成り立っていることに気づいたという。

例えば、相手に気持ちを伝える際の「あなたが好き」という言葉。
「嫌いになりたいのに、あなたが好き」と伝えた方が、
より好きという気持ちが強調される。

対になる言葉と抱き合わせて使うことで、
より言葉に力を持たせることができるのだ。
これを佐々木流に言うと、“言葉に強いエネルギーが宿る”ということ。

また、オバマ大統領の就任後の演説で、
「これは私の勝利ではない。あなたの勝利だ。」
という有名なセリフがあるが、
相対する言葉を使うことにより、共感を強く促すことができる。

こういった効果的な伝え方は、我々のビジネスシーンでも
広く活用することができるという。

例えば、上司が部下に残業をお願いする際、
ただ「残業をお願いできる?」というよりも、
「きみの企画書が刺さるんだよなぁ。お願いできない?」と、
相手を称え認めてあげることで、快く残業を引き受けてもらえる。

また、よくパン屋などで遭遇する
「4分ほどお待ちいただけますか」というセリフ。

これを、「出来たてをご用意いたしますので
4分ほどお待ちいただけますか。」と言い換えるだけで、
4分待たなければならないというデメリットが、
出来たてをもらえるというメリットになり、
お客さまはすんなりと受け入れることができるのだ。

このように、伝え方の法則を知り、そのルールに従えば、
自分と相手、双方間でものごとを気持ちよく
進められることを語ってくれている。

「伝え方が9割」というだけあって、
事例も多く楽しく読め、わかりやすい本書。
ビジネスに活用できるヒントもあちこちに。

同じ業界ということもあり、当然知っていた内容もあるが、
“確かに”と学ぶところも多い満足の一冊だった。

book

伝え方の法則を知ろう!

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04/01
2013

book

『田舎暮らしの方法』岩佐十良著

「あれ、またこんなに買ってしまった!」
(私も都会病なのだろうか…)

雑誌『自遊人』の編集長であり、株式会社 自遊人の
代表取締役社長でもある岩佐十良(いわさ・とおる)氏。

岩佐氏の書籍は、今まで何冊か読ませていただいたが、
その中でも『田舎暮らしの方法』という本は、
田舎育ち(北海道十勝)の私にとって、特に興味深いものだった。

書籍の内容は、全国の田舎暮らし事例を紹介するというもの。
田舎暮らしを実現するには何をすればいいのか、
その時必要な経費、また失敗例など、
今人気のカントリー生活を楽しむための具体的な方法が載っているのだ。

巻頭を読み進んでいくうちに、ある文章が私の目に留まった。

「(田舎にいると)そもそも買い物をしたいと思わなくなります。
魚沼に移住してつくづく思うのは、
消費欲というのは消費をすることでしか心が満たされない
都会病だったのだな、ということ。」

都会病…。この言葉は心に深く刺さった。
まさにその通り! そういえば私にも思い当たる節がある…。
(冒頭のセリフがこれだ)

先日、裾直しをお願いしていたズボンを取りに行った時のこと。
ズボンを受け取るだけのはずが、いろいろと見ているうちに、
つい、もう一本新しくズボンを買ってしまったのだ。

更にその新しいズボンの裾直しをしている間(90分)に、
近所のお店でiPadカバーやら、キッチン小物やら、
レトルト食品やら、しまいには本まで購入してしまった。
(本来、その90分間は近くのカフェなどで仕事をする予定だったのだが…)

先ほどの文章にもあったが、都会にいるといろいろなものが
目に飛び込んできて、“消費欲”を刺激される。
そして、つい買わなくていいものを買ってしまうのだ。

まさに“都会病”。
都会にいると、都会の頭・価値観で物事を考えてしまうということ。

しかし、田舎で生活をすればどうだろう。私もかつてそうだったように、
周りにいる家族や動物、そしてその広大な自然環境。
毎日の生活を営んでいるだけで十分幸せ。
他に欲しい物なんて何もなかったのだ。

都内にあった出版社を新潟県の魚沼に移転させ、
そこで既に8年間も生活している岩佐氏だからこそ、
このことに気づけたに違いない。

「自分にも当てはまる」。
そう思った方は、是非ともこの本を読んで、
実際に田舎暮らしを体験してほしい。都会にいては気づけない、
人生における、かけがえのない大切なことに気づけるはずだ。

この田舎暮らしという価値観は、
“都会病”にかかっている私たちにとって
今最も必要な考え方なのかもしれない!

book

新たなライフスタイルのひとつとして注目!

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