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2018
『ボヘミアン・ラプソディ』の引力
ボヘミアン・ラプソディ。
世界的ロックバンドであり、
日本でも大人気を博した
クイーンの名曲である。
ギネスブックの発行元がとったアンケートで、
“英国史上最高のシングル曲”として、
「イエスタディ」や「イマジン」を抑えて
1位にもなったという。
現在、この名曲の名を冠した映画が
大ヒットしている。
ボーカルであるフレディ・マーキュリーの
半生を描いたものであり、
当時を知っている身としては感涙ものだ。
50代前後の経営者が集まる会議でも、
9人中4人がこの映画を観たとのことだった。
さらに、観た4人のうちの3人が
2回ずつ鑑賞したらしく、
「よし3回目も!」と言っているのだから
この映画の引力は計り知れない。
さて、今回この映画を紹介するのには
ちょっとした訳がある。
1980年頃、私はシンコーミュージックに
出入りしていたことがある。
そのシンコーミュージックの雑誌
『ミュージック・ライフ』に、
クイーンがよく特集されていた
(この雑誌自体はだいぶ前に休刊したが…)。
なんでも、当時交流のあった編集長が
クイーンに目をつけ日本に呼んだのだという。
編集長曰く、
「このバンドの雰囲気は、
絶対に20代の女性にうける!」。
確かに、こんなにイケメン揃いの
バンドはなかなかないだろう。
加えて、不思議なセクシーさがあり
なんというか妄想が捗るのだろうか。
それはさておき、某編集長の売り出しもあり、
クイーンは日本でも爆発的な人気が出た。
さらに、1985年には20世紀最大の
世界的チャリティコンサートである
「ライブ・エイド」に出演を果たしたのだ。
このライブで、クイーンは圧巻の
パフォーマンスを披露し、
世界的バンドとしてより確かな地位を確立した。
そして33年後である今、
その光景は『ボヘミアン・ラプソディ』で
細部に至るまで忠実に再現されているのだ。
この映画、歓声や合唱すらOKの
「胸アツ応援上映」としても話題になっている。
観に行ってみるとわかるのだが、
私たちのようなおじさんだけでなく
半数が10代、20代の若者が占めている。
この人気の理由は3つあると感じた。
ひとつは、「クイーン」というバンドの
圧倒的な才能とセンス。
ふたつ目は、フレディ・マーキュリーの
人を惹きつけてやまない生き様。
そして、世界的バンドの中でも突出した
存在感を放った「ライブ・エイド」。
古くからのファンも納得でき、
新しいファンの心をも掴む。
クイーンの魅力が凝縮された作品なのだ。
バンドをモチーフとした映画は多いが、
ここまで多くの人を虜にしたものは
そうなかったのではないか。
まだ観ていない方は、
ぜひ映画館に足を運んでみてほしい。
こんなバンドは、これからもなかなか
出現することはないだろう。
ちなみに、私もすでに2度体験している。