これからの選ばれるビジネス!

これからの選ばれるビジネス!中島セイジのビジネスの達人

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選ばれる仕事道

03/22
2021

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素朴な人情市場(いちば)、“神子(かみこ)田(だ)朝市”の仕事道

ついに、盛岡の“神子田朝市”を体験。
それは、盛岡駅から車で10分ほどにある市場で
店舗数は120店舗以上ある。
季節の野菜や果物を盛岡近郊の生産者が持ち寄る市場だ。
魚介や乾物類、お惣菜、餅やだんごも店先に並べてあり、
珈琲店、食堂、美容院まである。
何故か靴屋もあった。
(なんでここにあるんだ?朝しかやっていないのに・・・!)

朝市なので、朝5時に開き8時半には閉まる。
私は、7時半にホテルを出て、8時の声を聞く時間には
既に店じまいが始まっていた。
季節的にも、3月でまだ冬の名残もあり
産物も少なく、それほど賑やかな雰囲気はなかった。
コロナ禍もあり、お客さんもそれほど多くない。
今は、このような状況ではあるが、地元の人も観光客も来て
繁盛している“市場”だと調べてわかった。
コロナ禍でも365日のうち、315日営業。
全国にある朝市の中で突出した営業日の多さだ。
実際に見て、多くの人たちがこの市場を訪れる理由が
わかる気がした。

私は訳あり商品の長芋を300円で買ってきたのだが、
何本も袋の中に入っていて、15食分ほどあるだろうか?
(まだ冷蔵庫に少し残っているが・・・)
りんごは5個で150円。
かたちの良いりんごでも12個入りの箱で1200円。
甘酒100円、卵スープ100円、人気の分厚い厚焼き卵400円と
どれも安い。

ここで人気の地元家庭料理“ひっつみ汁”も食べた。
岩手県の素朴な家庭料理という触れ込みだ。
「ひっつみ」とは、小麦粉を練って薄くのばし、
それをひっつかんで入れたというのが名前の由来。
幅5cm、長さ10cm程で。厚みも2~3ミリ。
これが何本も入っていて、
そこに、にんじん、ゴボウ、干しいたけの具材も入り、
醤油仕立てのおだしもよく出ていておいしくいただいた。
朝、これを食べたら冬場なら身体も温まるだろう。

多くの人が訪れる素朴な市場で、
販売する人は高齢者が多く、より人情味にあふれていた。

私はこのビジ達でも、
“先進のテクノロジーによる技術革新”
“メガプラットフォーマーによる市場の寡占化”
“DXをいかに推し進めるか”・・・など
いまどきのビジネスを語ることが多いが、
この市場はこれらとは無縁な世界。
地域が違うとこんなにも違うのか、とけっこう驚いた。

戦後の日本を思い出させる雰囲気が残る素朴で人情味あふれる市場は
何故か私たちを惹きつけるのだ。
もしかしたら一方ではこのような“素朴な人情味”が注目され、
選ばれる時代がやって来るのかもしれない。
盛岡でがんばって展開されている“神子田朝市”に
仕事道を感じた次第。


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盛岡の“神子田朝市”を体験

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季節の野菜や果物を盛岡近郊の生産者が持ち寄る

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盛岡駅から車で10分ほど

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02/22
2021

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ミレニアル時代に求められる佐藤可士和的思考とは!?

『世界のエリートはなぜ“美意識”を鍛えるのか?』
~経営における「アート」と「サイエンス」~
『13歳からのアート思考』
『感性思考』
これらは以前ビジ達で紹介した本だ。

論理的思考を代表する「左脳的思考」を持つMBA人材よりも
デザインスクールが提供するMFA(Master of Fine Arts=美術学修士)
人材の方がビジネス上での価値が高まっていると・・・。
強烈な差別化を持ち、インパクトを与えられるのは
この“感性思考”から生まれる。ということなのだ。

“必要(ニーズ)からくる課題解決の時代”は終わり、
“欲求(ウォンツ)からくる課題解決の時代”とも発信した。
そうなると論理的発想でたどりつけるところは限られてくる。
一方、アート思考、感性思考は、まさにウォンツでり
感性に響く提案ができるという話なのだ。
これから求められる新商品開発、ブランディングのためには
感性思考、アート思考からのアプローチが大切なのだ。

先週のモバイルでも書いたが、佐藤可士和氏の展覧会に行ってきた。
そこで「佐藤氏はブランドマークを綺麗にデザインするデザイナーという
わけではない。
その企業の可能性をブランドに反映し、
ブランディングの時間軸をもデザインしている」と書いたが、
このことを展覧会で目の当たりにしてきたのだ。

中島流で付け加えると、
「佐藤氏はクライアントの理念を共有し、
次なるビジョンを引き出し、言語化し、それを的確に表現しながらの
佐藤可士和流のアウトプットを実践している。」

これまでの主な佐藤氏の仕事は・・・、
“SMAPプロジェクト”を解散するまでの17年間担当。
ユニクロは2006年のニューヨーク、ソーホー地区の
旗艦店発進から既に15年経過。
楽天は2003年から17年経過。
楽天はゴールデンイーグルスのマーク、
“FCバルセロナ”とのパートナーシップもしている関係で
カンプノウのサッカー場にはあの楽天のマークがあり世界中で
見られている。
TSUTAYAのTカードは2003年からだ。

これら多くの名のある企業が次なるビジョンを
展開しようとする時に佐藤氏を採用する理由は
数年先をも見据えていることだ。
佐藤氏はクライアント(経営者)としっかり
コミュニュケーションをとり、
お互いのキャチボールから可能性をさらに広げ、
次なる展開までをも導く。
すなわち、その企業の時間軸をもデザイン
しているということ。

今、時代が求めているのは、アート思考、感性思考だ。
その意味で、まさに佐藤可士和的ブランディングは誰もが欲しいところ。
佐藤可士和の仕事道・・・おわかりいただけただろうか?

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佐藤可士和氏の展覧会に行ってきた

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時代が求めているのは、アート思考、感性思考

佐藤可士和の仕事道

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インパクトは “感性思考”から生まれる

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02/02
2021

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オードリー・タン大臣も新・DIYイズム

台湾のオードリー・タンIT担当大臣が2020年の年末に
東京NBCのオンラインセミナーに参加してくれた。
オードリー・タン大臣の印象は、しゃべり方がやさしく、
頭脳明晰さがにじみでていた。
今年で40歳になるミレニアル世代だ。
オードリー・タン大臣は機会さえあえば、公開を条件に
セミナーには積極的に出演をしてくれるということだ。

2020年のコロナ禍において、台湾でコロナウィルスの
封じ込めに成功したのは、オードリー・タン大臣の
手腕だと言われている。
新型コロナウィルスが忍びよる台湾において
マスクの在庫をリアルタイムで確認できるアプリ
“マスクマップ”を開発。
このスピーディーな対応により、台湾での
コロナウィルスが押さえられたと言われている。

オードリー・タン大臣は中学のときにイジメにあった
と公表している。
能力が高く、もちろん成績も良いこともあったのだろう。
校長先生から学校に来なくていいと。
「私がなんとかしておくから」と。。。
そして、14歳で学校を離れ、自主学習をしながら起業。
12歳でPerl(パール)というプログラミング言語を学ぶ。
インターネットを介して
世界とコミュニュケーションをとることで、
AIやAIの自然言語処理に関する技術レベルはどんどん
上がっていった。

15歳で出版社を創業した。
18歳から19歳でアメリカに渡り、シリコンバレーで起業。
勉強しながら起業することになったということ。

20歳のころに、台湾で検索をアシストするソフトウエア開発をし
大ヒット。
そして33歳でビジネスから引退。
アップルの“Siri(シリ)”の開発に参画。
(AI言語というか言葉を読み取る)

その後はアップルやオックスフォード出版、
台湾の大手IT機器メーカーの顧問として、活躍。
そして33歳の時に、台湾の行政院に関わる
ことになり、2020年に担当大臣となった。

先週紹介したダウルやサスケと同じように
インターネットを使い、自分で学び、
世界の人々とコミュニュケーションをとっている。
才能やセンスのある人は世界とのやり取りにより
さらにセンスが磨かれていき、
費やす時間も短く、今までよりも早く結果を導くこができるということ。
これがまさに“新・DIYイズム”だと言いたい。

オードリー・タン大臣も“新・DIYイズム”が活かされて
現在に至っているということ。
これぞ、オードリー・タン大臣の仕事道なのだ。

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台湾のオードリー・タンIT担当大臣

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11/30
2020

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腑に落ちる、森田健司流“石田梅岩の功績”

毎月開催している石門心学・実戦講座。
先日91回目を迎えたので、7年半以上
継続していることになる。

“石門心学・実践講座”では、梅岩が語る、“正直・勤勉・倹約”を
日々のビジネスにどのように活かしていくかを
研鑽しあう場だ。
ゆえに“実践講座”と名付けている。

そこの学びの場にて、今までは、山岡正義著の
『魂の商人・石田梅岩が語ったこと』を参考書として
数ページ朗読し、それをテーマにディスカッションをしていた。

今回ついに、山岡先生の本を学び終えたので、
次なる参考図書として、森田健司著の
『なぜ名経営者は石田梅岩に学ぶのか?』を選んだ。
森田健司氏は40代半ばで、大阪学院大学の教授。
経済的、歴史的両面から石田梅岩であり石門心学が
どのように世の中に貢献したのかを発信している。

今回、“腑に落ちる”とタイトルにしたように、
この本の「始めに」を読んだだけで嬉しくなる言葉があったので
紹介する。

*日本は江戸時代、相当の発展を遂げていた。
→ 勤勉で猛烈に働いた
*梅岩は、経済や経営のための「学び場」を人々に提供していた。
→ 士農工商の身分、性別、年齢関係なく受け入れた
→ 経済、経営、生き方を教えた

そして、開国を迫ったペリー含めて、外国人は
日本の優れた技術力と優れた経済システムを評価した。
先進諸国に影響を及ぼし、いや、脅かす存在になりえると予測していた。

明治維新から太平洋戦争までの“維新ERA”の瞬く間の近代化も
戦後の“昭和ERA”の時代の驚異的な復興も
“日本の基礎力”があったからこそ可能だったと。
すなわち、この日本の“基礎力”こそ梅岩の思想であり、
“石門心学”が日本中に影響を与えたお陰だと
と森田氏が書いているのだ。

梅岩の思想が身分、性別、年齢関係なく広く伝わり、
識字率の向上と倫理感ある優秀な労働者づくりに貢献した
ということだ。

森田先生がこのように梅岩を、そして梅岩の功績を
認めているのが本当に嬉しい。

梅岩は“人間の本性”とはという
問いから経済や経営を語っている。
人の生き方、あり方に通じ、多くの学びとなり
それが日本人の“基礎力”になったということだ。

今回は、“石田梅岩の仕事道”であり、梅岩を現代に紹介する
“森田氏の仕事道”の紹介でした!

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『なぜ名経営者は石田梅岩に学ぶのか?』

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11/02
2020

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石川家ならではの“先義後利のM&A”

少し前に“JAPANESEアップサイクイル”というテーマで
これからはM&Aが増加すると発信した。
今、世界から遅れをとってしまった日本の生産性を
上げていくためにも、後継者不足問題解消のためにも、
M&A(企業統合・企業買収)を進めことも有効な手段と
語った。
そして、“誰が企業を買うのか”が、これからは
大切なテーマであると。
そんなおり、石川酒造の当主石川彌八郎(やはちろう)氏が
“大多摩ハム”M&Aを実行した。

何故M&Aを実行したか?
当主から頂いた資料には、
「大多摩ハムの敷地は約1000坪、JR青梅線福生駅より
徒歩3分の好立地にある。それゆえ、伝統的ハムづくりに
興味を持たない者が購入した場合、
ハム事業は継続せず不動産活用だけを行う心配があった。
これは福生の街の魅力にも影響していくと懸念された。
また、大手ハムメーカーが購入した場合は、
ドイツ式ハムづくりは継承されず、
大手の下請けとなり廉価なハムの製造を強いられる懸念があった。
石川酒造の“酒づくり”と大多摩ハムの“ハムづくり”の精神には
共通点があると古くから考えていた小生にとって、
大多摩ハムの“ハムづくりの精神”が途絶えることは
耐えがたい事であった」と。

要点は、
1.ドイツ式ハムづくりの承継
→ 高価格だがこのハムづくりを絶やしてはいけない。
2.駅前の好立地を活かした活用
3.街づくりの観点
→ 福生にあける2軒の酒蔵と二軒のハム工場からなる
“街の魅力”の承継
4.石川ブルワリービールとの好相性
  →ハムとビールの相乗効果
このような事情から石川さんは、M&Aを決断した。

拙著『儲けないがいい』や、講演会でも度々紹介している
第16代当主の終戦直後の日記には、
“終戦直後、多くが儲けるために“闇取引”に向かったのに対し、
石川家は“多摩の名主”として、社会性を優先しての
“まちの役割”を担わなければならない“記されている。
16代目は迷いながらも、“闇に手を染めてはいけない”としたのだ。
目先にとらわれ、闇商売に走ると、
16代続いた石川家の考え方・価値観が失われると思い
踏ん張ったのだ。

幕末維新期のリーダー像を記した『多摩の名主たち』にも
熊川村名主、石川家のことが書かれているほど。
その第18当主は地域のことを考え、後継者のいない
大多摩ハムを承継することで、福生の街の未来をも見据え、
M&Aを実行することとしたのだ。

石門心学実践講座にて学んでいる
“正直に道徳心をもって経営に当たることが、
結果として関係者及びお客様からの支援も多くなり
いい経営に結びつく“という“先義後利”。
デジタル化も大事だが、地域のこと、社会のことを
考えての経営も大切ということ。
まさに18代目当主石川彌八郎氏は“先義後利”の価値観を
M&Aを通して実践しようとしているのだ!

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石川酒造の当主石川氏

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“大多摩ハム”M&Aを実行!?

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先義後利”の価値観を M&Aを通して実践

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