これからの選ばれるビジネス!

これからの選ばれるビジネス!中島セイジのビジネスの達人

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選ばれる仕事道

08/22
2016

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“良樹細根”の仕事道

今年初の高尾山に登ってきた。
早朝だったが、多くの人たちがいつも通り、
登山を楽しんでいた。
こんな風に多くの人たちが同じ道を通れば、
当然、踏みしめられた土から木の根が現れる。

日常生活で地下にある木の根を見る機会はあまり無いが、
登山道では木の根をあちこちで見ることができた。

そのたび、根とはこんなに細く、
長く、多いものなのかと感心したのだが、
とにかく根を見て思うのは、根の強靭さだ。

例えば、屋久島の杉(まだ行ったことは無いが…)。
花崗岩で出来た屋久島に生える屋久杉は、
岩の下にまで深く根を伸ばさねば水源に届かない。
環境が過酷だからこそ、あれほど根がしっかりしているのだ。

そういえば、青森で「奇跡のリンゴ」をつくった木村秋則氏も
土壌と根づくりの大変さを何度も言っていたっけ…。
そして、そこから学びを得て私が着想した
“アップルツリーパラダイム”も同様だ。

アップルツリーパラダイムとは、
長期的によい実りを得るには
企業でも根づくりを優先すべし、というもの。
ここでいう根づくりとは、企業理念や価値観、風土など、
目に見えず、数値化も難しい部分を指す。

中国の荘子という思想家も、
「良樹細根、高樹深根
(りょうじゅさいこん、こうじゅしんこん)」
という言葉を残している。
これはよい樹には細やかな根がはり、
高い樹には深い根がはっているという意味。

やはり、見えている部分以上に
見えない根が育たねば太い幹、よい枝葉、
そして果実は育たないということ。
それは、ビジネスでも同じだと私は思うのだ。

ここ数年で急速に発展したような企業は、
効率化を図りITをからめたビジネスモデルで
一時的には利益をあげ成功しているように見える。

だが、表層のビジネスモデルだけに注力し、
しっかりした根づくりをしていないがために、
企業として長く続けることが難しくなってきているのだ。

対して、関係者や関係会社と信頼関係を築き、
社内スタッフと理念や価値観を共有している、
いわば根づくりを徹底している会社は
やはりお客様に選ばれ、継続につながっているのだ。

では、ビジネスにおける根づくりとは何か?
それは…

1.理念・価値観が明確で、関係者に共有されているか。
2.スタッフが自信を持ち、スタッフ間の人間関係も良好か。
3.お客様との信頼関係が築けているか。
4.関係者や関係会社に信頼されているか。
5.組織力、制作に関わる外部スタッフと連携がとれているか。

中島流としては、以上5項目がビジネスにおける
“良樹細根、高樹深根”の実践と考える。

やはり、目に見えない部分こそ大変だということ。
これからも、しっかりとした根づくりを心がけ
登山のように地を踏みしめながら
仕事道を歩んでゆきたい!


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奇跡のリンゴの木村秋則氏

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見えない根が育たねば枝も広がらないのだ

アップルツリーパラダイム

アップルツリーパラダイム

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選ばれる仕事道

07/18
2016

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パリの人気ビストロシェフの仕事道

先月私が主催した、「ボルドー・パリツアー」。
知り合いの日本人シェフに紹介してもらい、
パリでの初ディナーで「レ・ザンファン・ルージュ」という
フレンチレストランを訪れたのだが…。
ここが本当に大人気のビストロだったのだ。

噂通り店内は超満員で、私たちが食べている3時間ほどで
(私たちは長い間ワインを飲んでいた…)
周りのお客様は3回転もしていた。

というのも、ここはパリのレストランガイド
『ルベイ』のベストビストロに選ばれるほどの有名店なのだ。
(柳瀬シェフ、ご紹介ありがとうございました!)

店の名前の由来は、「Les enfants rouge」、
日本語では赤い子どもたちという言葉。
このレストラン周辺は、1500年代に孤児院があったそうで、
孤児たちが赤い服を着て歩いていたとか。

元々あったレストランがこの名前で経営していたものを、
そのまま現在のシェフが引き継いだという。
そしてなんと、そのシェフは「日本人」の篠塚大氏なのだ。

料理の味はもちろん美味しいのだが、
人気の理由はそれだけではない。
観光客と見られるお客様以上に、
地元の方々が多くいらっしゃったのだ。

それほど価格も良心的で、雰囲気も素晴らしい。
篠塚シェフの奥様が中心となって担当されているという
ホールサービスも大変よかった。
食事をしただけでも選ばれる理由が見えたのだが、
さらに調べてみると興味深いことがわかった。

篠塚シェフは「伝統を大切に守りつつも、
どれだけフレンチのなかに自分の個性を出せるか」に
こだわっているという。

その考え方や生き方は、
多くのお客様に選ばれるための
中島流「選ばルール7」を体現している。

ちなみに選ばルール7とはこんな内容だ。
1.手間をかける
2.本物にこだわる
3.とことん追求する
4.人にやさしい
5.社会性がある
6.大胆で潔い
7.徹底の二乗

篠塚シェフは星つきレストランで修行を積み、
独立してから3年目だという。
そんなフレンチに対する徹底した追求や、
手間をかけて伝統にこだわる姿勢…。

また、人にやさしいリーズナブルな価格設定、
フレンチに自分の個性を表現する大胆さは、
選ばルール7そのものなのだ。

これぞ篠塚シェフの仕事道であり、
日本人だからこそ実現できたこだわりだろう。
またパリに行く機会があれば、
ぜひ篠塚シェフのお店に行きたいものだ。

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「赤い子どもたち」という意味の店の名前

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店の厨房はこんな感じ

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C'est très délicieux ! (とってもおいしい!)

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07/04
2016

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サイボクハム“独立独歩”の70年

サイボクハムの銘柄豚、
イギリス原産の大ヨークシャー種と
デンマークのランドレース種をかけ合せ、
その子にアメリカ原産のデュロック種を
かけ合わせてできたオリジナルの豚肉
“ゴールデンポーク”。

そして、“スーパーゴールデンポーク”は
大ヨークシャー種に同じく
イギリス原産のバークシャー種をかけあわせ…。

と、まぁサイボク銘柄豚の品種改良については
この辺でよいとして…サイボクハムの話である。

サイボクハムは、埼玉県日高市にある
豚のテーマパーク。
こだわりの豚肉を堪能できるレストラン、
豚肉を使った加工品の直売所のほか、
温泉・陶芸教室・パークゴルフまで備えた
一大複合施設だ。

実は先日、αクラブの定例会で
40人規模でお邪魔してきたのだ。
10年ぶりの訪問だった。

サイボクハムはもともと、
養豚業界の父とも呼ばれる笹﨑龍雄氏が
種豚の品種改良を中心とする牧場として
1946年にスタートした。

サイボクの名は「埼玉種畜牧場」から来ており、
戦後まもない、栄養不足になりがちな時代に
美味しく栄養価の高い豚を育てることが
当初の目的だったという。

以来70年、徹底して豚の品質を
高めつづけてきたサイボクハム。

結果として、サイボクハムは独力で
飼料工場、種豚の研究所、
種豚・肉豚の成育を行う牧場、
自社牧場産の原料を使った
ハム・ソーセージの処理・加工場、
自社製品の販売所、パン工場、レストランに至るまで
豚と豚の流通に関わる施設を全て作り上げる
“完全一環経営”を行うに至ったのだ。

それが最終的に功を奏し、
全てが集まったこの豚のテーマパークに、
年間400万人が集まるようになったのである。

戦後70年間で、
既存の流通を使わずとも
サイボクハムが大きく成功したのは、
他に類を見ない品質の追求をし続けたからだろう。

そして、ここからが中島流。
以前ビジ達で触れた、
選ばれるビジネスのための
7つの法則、“新・選ばルール7”。

新・選ばルール7とは、
1.手間をかける
2.本物にこだわる
3.とことん追求する
4.人に優しい
5.社会性がある
6.大胆で潔い
7.徹底の二乗

この7つ全てに、
サイボクハムはあてはまっているのだ。
この70年、いろいろな困難があったのだろうが
サイボク流にこだわり追求し続けたことが
いまに繋がっているということだろう。

まさに、独立独歩の70年。
サイボクハムは、独立独歩で“仕事道”を
歩み続けてきたのだなぁ…。



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視察セミナーで講演していただいた笹﨑静雄氏

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全ての工程をサイボクハム内で行っている

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これが新・選ばルール7だ!

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選ばれる仕事道

05/23
2016

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“未在”が仕事道

こんな言葉をご存知だろうか?
「未だここに在らず。」
熟語にすると「未在」だ。

これは禅の言葉で、修行に終わりはなく、
常に向上心を持って上を目指せという意味だ。
私はこの「未在」に仕事道を見出したのである。

この「未在」を、自分の店に名付けた人がいた。
石原仁司(いしはら ひとし)氏といい、
元は吉兆本店の料理人だった方である。

1992年に総料理長に就任し、2004年には京都で未在をオープン。
この未在は1日14人しかお客様をとらないうえ、
メニューは1人35,000円の会席料理だけだという。

毎月季節に合わせた内容とし、
どんな料理かも石原氏のおまかせ状態なのだが、
半年先まで予約でいっぱいだそうだ。

今や大人気の石原氏であるが、
若い頃は「近道をして目的を達成しよう」と
考えていたことがあったそうだ。

それは、入社数年で吉兆を辞めようとしていた頃。
この決断を、とある住職に見抜かれてしまったそうなのだ。

その老師は石原氏に、
「自分が望むところに行きたいなら、
たとえ遠回りをしたとしても
“大道”を踏み外さないようにすることや」
と諭したという。
この言葉により、石原氏は31年も吉兆に勤めることとなった。

大道とは、人が歩むべき正しい道のこと。
つまり、叶えたい夢や目標があるなら、
奇をてらったり楽をしたりせず、
時間がかかっても王道を進んでいけということだ。

例えば、新宿調理師専門学校の校長である上神田梅雄氏は、
師匠の下で修行をしていた若い頃、
出汁の取り方をくり返し練習させられたという。

それは石原氏も同じで、どうやら料理人の世界では、
いい料理人となるには「大道」が当たり前のようである。
(もしかしたら料理人の世界だけではないかも…)

お二人はほとんど同年代なのだが、
その時代に職人として技術を追求していた人たちには
共通点があったのだ。

このような、学び追求する姿勢を身につけ、
それを徹底することが、目標へ着実に近づく手段なのである。
これは私が度々ご紹介している、
「選ばルール7」の「徹底の二乗」という考え方。

私は職業柄、多くの注目の経営者や成功者にお会いしているが、
そのほとんどが大道を歩んでいる。
そして、成功者たちには他にも共通点があるのだ。

それはズバリ、
「成功していない人の嫌がることを、
実行する習慣を身につけている」
ということ。

どんな高みに登ったとしても、
また次なるテーマが見えてくるはず。
そんな考え方をする人が成功の道を進むだろうし、
多くの人に良い影響を与えられるのだろう。
まさに「未在が仕事道」なのだ。

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石原氏と「未在」の記事

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成功者たちの共通点とは

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選ばれる仕事道

05/16
2016

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ビジネスイノベーション13年目の意義

じ、13年も経っていたのか…!
何が13年経っていたのか? それは…
私がプロデュースおよびモデレーターを務める月刊ビジネスCD、
「小山政彦のビジネス・イノベーション(通称ビジイノ)」
が、2016年の5月号でvol.147を迎えたのだ。

つまり、12ヵ月×12回で計144回、
まるまる12年やってきて、
13年目に突入したということになる!

ビジイノでは毎回、様々なゲストをお呼びし、
経営の極意を教えていただいている。たとえば…

創業430年以上の呉服屋、株式会社とみひろの23代目冨田浩志社長。
80年の歴史を持つ、庭のホテル東京の3代目木下彩総支配人。
江戸時代より続く、老舗うなぎ店野田岩の5代目当主金本兼次郎氏。

いずれも第一線で活躍する、様々な業種の経営者や専門家ばかり。
少なくとも120人以上の異なるゲストにお越しいただいている。
さらに、12年間のうち4年は「BUSINESS LAB.(ビジネス・ラボ)」
というラジオ番組のパーソナリティーも平行してやっていたため、
そこでもゲストを100人以上お招きした。

つまり、この12年で200人を超す
経営者との出会いがあったということ。
けっこうな数字ではないか!
お陰様で、この出会いは、
私にとって本当に大きな財産となっている。

たとえば、東日本大震災で大きな被害を受けたにも関わらず
みごとに経営を立て直した八木澤商店の河野通洋社長。
「俺のシリーズ」で外食業界に革命を起こした
「俺の株式会社」の坂本孝社長など…。

伺った経営のかたちは百人百様。
しかし、優れた経営者の話を長年聞き続けるうち、
「いい経営・いい経営者には共通点がある」
ということに気づいたのだ。

どの経営者もそれぞれ、違う道を歩んではいるが、
様々な窮地を経験しながらも
試行錯誤のすえ、
ブレイクスルーを経て現在に至っているのである。

それに気づけたのも、私がビジイノを長年続けてきたからこそだろう。
継続してきたからこそ、
様々な情報のネットワークの形成と集積ができ、
さらに質の高い情報を集め、
発信することが出来るというサイクルが出来あがったのだ。

私の役割は、こうした出会いから、
これからの時代に、多くの人に選ばれる企業と経営者とは…ということを、
発信していくことだと思っている。

これからもビジイノにしかできない
意義深い役割を大切にしながら、続けていきたいものだ!
ところで、6月号のゲストはスタイルアクト株式会社の沖有人氏。
これが経営者には欠かせない話がいっぱいなのだ。
ぜひ、ご拝聴ください!

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ビジイノは13年目に突入!

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野田岩5代目の金本兼次郎氏

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俺の株式会社社長の坂本孝氏

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