これからの選ばれるビジネス!

これからの選ばれるビジネス!中島セイジのビジネスの達人

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選ばれる仕事道

01/12
2016

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上橋菜穂子氏の作家道

少し前のビジ達でご紹介した
上橋菜穂子著『守り人シリーズ』。
私が最近、次から次へと読みふけってしまうファンタジー小説だ。
このシリーズ、なんと今年の春から
テレビドラマ化されることが発表された。
主人公のバルサには綾瀬はるか氏が
起用されるというのだから、さらに楽しみだ
(とにかく登場人物たちを演じる役者の顔ぶれもすごい!)。

私がこの物語で、
もっとも注目しているのが格闘シーン。
例えば『闇の守り人』の中で、
短槍使いの達人である主人公の“バルサ”が
師範と戦うシーンがあるのだが、その表現が美しく素晴らしい!
見どころはこのシーンだけではないが、
格闘シーンの描写からは、そのリアリティが
しっかりと伝わってくるのだ
(まるで007の最新作のような…?)。

素晴らしい描写の裏側で、私にはひとつ疑問があった。
著者の上橋氏は50代前半の女性作家だが、
中年の女性がなぜこんなにリアリティをもって
格闘シーンを描写できるのだろう…?

なんと上橋氏は学生時代、武術オタクだったそうだ。
日本や中国の武術にハマっていたことで、
さまざまな格闘シーンを見ており、その当時の知識が
守り人シリーズ内にふんだんに活かされていたというわけだ。

守り人シリーズはすでに10巻ほど発刊されているのだが、
毎回“バルサ”が主軸となって話が展開されるわけではない。
しかし、さまざまな国の中で、さまざまな人種が
何らかの関わりを持って登場している。

その中で起きる国と国の戦いや、そこで発生する事件、
人間ドラマがこの物語の背景になっている。
多くの国が登場するということは、
姿や話す言葉もそれぞれ違った人物たちが登場する。
しかし、圧巻の格闘シーンと同じように、
なぜ上橋氏がこれほど多くの人種とそれぞれの生活スタイルを
描けるのかという疑問がまた私の中に生まれたのだ。

実は上橋氏、文化人類学者でもあり、
大学では教授もされているという。
だからこそ、実際にフィールドワークの経験もあって、
世界中の国々を知っている。
そして、国同士の関係性も理解しているのだ。
作中では、別世界の人種も描かれているが、
文化人類学者ならではの視点や考え方が
活かされていることは想像に難くない。

おそらく上橋氏は最初から小説家を志して、
武術オタクになったわけでも、
文化人類学の勉強をし始めたわけでもないはず。
だが、その体験がしっかりと物語に反映されている。

先人たちがよく口にする
“人生に無駄なことなど、ひとつもない”というのは、
まさにこのことではないだろうか。
私たちは日々、いろんな体験をしている。
その中には、辛いことも楽しいこともあるだろう。
しかしそういった経験や得た知識が、
人生のどこで活かされるかはわからないのだ。

この『守り人シリーズ』がテレビドラマで
どんな世界観で演出されるのか、楽しみだ!

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これが話題の『守り人シリーズ』

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一気に読んでしまうほどの描写力!

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著者は『鹿の王』の上橋菜穂子氏

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選ばれる仕事道

12/21
2015

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チャレンジ精神を残すは上

「財を残すは下、
事業を残すは中、
人を残すを上とす。」

これは、その昔政治家の
後藤新平が語った言葉と聞いた。
その意味は、お金を残しても
余計な争いを生む原因になってしまうし、
事業はいずれなくなってしまうかもしれない。
人こそ、無限の可能性を
持っていて残す価値があるということ。

そんな言葉をふいに思い出したのは、
私の故郷である北海道で、
「MEMUROワインヴァレー研究会」が
発足した記念イベント。
本来この構想は何を目的としているかを、
そこで改めて考えさせられたからだ。

MEMUROワインヴァレー研究会は、
私が起ち上げた株式会社十勝里山デザイン研究所と
一緒になって、北海道十勝(芽室町)で数十年の時をかけ、
みんなが注目するワイナリーをつくろうというもの。
(そうした志に賛同してくれた研究会の仲間は、
すでに20名以上いるのだ)。

そのイベントには、金融機関や役所関係者、
地域の自営農家の方など
十勝中から50名を超す人たちが参加してくれた。

この事実には大きな意味がある。
言うなれば地域のまちづくりや、
産業の活性化を能動的に応援しようという人達が
50名以上も集まったということにつながるからだ。
つまり、まちづくりをテーマに、
協力してくれる人たちと
実際に運営する株式会社がうまくかみ合ってこそ、
この構想が順調に推進していくのだ。

大事なのは、ワイナリーの完成ではなく、
そこで多くの人が動き出すこと。
そしてそのプロセスを参加した人が経験することこそ、
いろいろなチャレンジ精神を
養った人づくりができるということなのだ。

そこで、先ほどの後藤新平の言葉につながるのだ。

私たちの使命は、美味しいワインを
つくることなのか? いや、違う。
ぶどう畑も含めた大きなワイナリーを
つくることなのか? それも違う。
きっと、ワイナリーづくりを通じて、
地域を活性化させ、
そこにいる人を元気に
できる人をつくることなのだろう。

後藤新平の言葉を中島流に表現するなら、
「ワインを残すは下、ワイナリーを残すは中、
ワイナリーへのチャレンジ精神を残すを上とす。」だろうか。

20年、30年、50年もかかると
いわれるワイナリーづくり。
それにチャレンジし続ける精神、
志を持つ人を残すことこそが、
北海道十勝ワイナリー構想の仕事道なのだ。

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イベントに集まった大勢の人

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Mr.セイージも参加したよー

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大勢の前で堂々と発表!

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選ばれる仕事道

12/07
2015

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公募で選ばれた“鉄ちゃん”社長の仕事道

千葉県の太平洋側に位置する夷隅郡。
そこに、かつて廃線直前まで追い込まれた路線があった。
その名も“いすみ鉄道”。

現在は大人気のローカル線となり、
たくさんのお客様が訪れているのだが、
そのきっかけはなんと公募で選ばれた社長。

廃止寸前の路線にはよくあることなのだが、
民間から社長を公募し経営改革を行ったのである。
その代表取締役社長に就いたのが、
幼い頃からの鉄道ファン、
いわゆる“鉄ちゃん”の鳥塚亮(とりづか・あきら)氏だ。

2009年の就任からわずか1年ほどで路線の存続を決定させ、
その後6年経った現在もいすみ鉄道のために
奮闘していらっしゃるのだ!

現在のいすみ鉄道は、休日はもちろん
平日も人で賑わう路線となり、
電車だけでなく周辺地域も活性化しているという。
これぞまさしくソリューションビジネスの鑑。

そんな鳥塚社長の取り組みは実に様々だ。
まずムーミンキャラクターを
ラッピングに起用した列車を走らせると、
女性誌がこれを取り上げ、女性たちがいすみ鉄道に集まった。

次に国鉄の古い車両“キハ28形”を走らせ、
“撮り鉄”と呼ばれる全国の鉄道ファンから注目を浴びる。
これはSNSで拡散され、専門誌にも掲載されることになった。

そして牧歌的な風景を眺めながら、豪勢なイタリアンや和食、
カレーなどの食事を楽しめる、専用列車の運行を開始。
さらには路線が26.8キロしかないのにも関わらず、
あえて夜行列車をも運行させたそうだ。

これらの施策は、様々なターゲットへ
ピンポイントに訴えかけたものだ。
ムーミン列車は若い女性、古い車両は鉄ちゃんや撮り鉄、
食事は富裕層へ向けたサービス。


大手のように大勢の一般的な人々を取り込むのではなく、
ターゲットを絞った“中小企業のマーケティング”
ならではの発想だ。
すなわち、鳥塚社長のローカル路線ならではの戦術が
うまく成功した事例と言えるだろう。

そして現在、鳥塚氏のターゲットは子どもたちだという。
ここに足を運んでもらい、
列車や里山に興味をもつ意識を育むのが目的なのだそうだ。

もし幼少期であっても傍に古い列車や田舎の体験があれば、
数十年後もその記憶は残り続ける。
その列車の思い出と、里山の風景を心に刻んだ子どもたちは、
大人になった頃にこれらを守ろうとしてくれることだろう。

おお、これは私がビジ達で何度もご紹介している、
タテの発想であり、“タテの仕事道”と言えるのではないか!
美しい日本の里山と鉄道を残すために、
現在の利益だけでなく将来のことも見据えているのだ。

里山の風景と鉄道、その周辺地域を
永遠に守ろうとする鉄ちゃん社長ならではの仕事道。
う~ん、すばらしいねえ!

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いすみ鉄道の秘密に迫る

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鳥塚亮氏

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選ばれる仕事道

10/19
2015

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鍵山流“遠慮の仕事道”

つ、ついにこのときが来た~~!!

私が人生の師として仰ぎ、
その考え方に多くを学ばせていただいている、
日本を美しくする会の鍵山相談役が、
人間学を学ぶ月刊誌 月刊『致知』の表紙を飾ったのだ。
(当然、中身の特集ページにも登場)

表紙には、今月の特集のテーマとして『遠慮』の二文字が…!
この場合の遠慮は、一般的に使われている
「人の態度や行動に対して、
慎みを持つ」という意味とは少し違う。

実は、「遠慮」の本来の意味とは、
“遠きを慮る”ことであり
“遠い将来のことをよく考え、
すぐに行動をとらないことで、
態度を控え目にする”というものなのだ。

この『致知』によれば、遠慮とは、「いま」、「ここ」、
「自分の都合」だけではなく、
遠い将来に思いを馳せ彼方此方を慮るという、
つまりは「遠きを慮る」ことの大切さを語っているのだ。

さらに “遠き”には二つの意味が隠されているという。
ひとつ目は、将来の人への思いやり。
ふたつ目は、距離の遠いところにいる人を慮る空間的な広がりだ。

おや、この考え方は、最近私が様々なところで発表している
“タテの発想”に非常に近いのでないだろうか。

例えば、鍵山相談役の考え方に
「日々の積み重ねた通りに人生は創られていく」
というものがある。

それはつまり、今すぐ徳に繋がらないことであっても、
続けていけば自己の成長に繋がるということ。

自身を成長させていくことがタテの精神を伸ばすことになり、
結果的に“徳”を得ることにもなりうる。

鍵山相談役自身、イエローハットの社長時代(当時の社名はローヤル)に
厳しい条件を突きつけられたことにより、
売り上げの6割を占めていた取引先との取引を
鍵山相談役の方からお断りした経験を持っている。

しかし、その決断は当然、大きな痛みを伴うものだった。
薄利で厳しい仕事を社員にやらせ続けることが
果たして遠きを慮った考えなのか?
また、将来的に一緒に仕事をしていく相手なのか?
という疑問を抱き、大きな決断に踏み切ったのだ。

鍵山相談役は、いわずと知れた
掃除道を徹底している方。
凡事とされる“掃除”を徹底することは、目先の得にはならない。
しかし、ロングレンジに考えると
社会にも自分にも徳を積むことができる。
それこそ、先義後利。つまり遠きを慮ることを実践しているのだ。

こうした考えの下
「人間は自分の得にならないことをやらなければ、成長できない」
という信念を通したことで徐々に結果が実り始めた。
鍵山相談役の会社は全体の売り上げも回復し、
一部上場の大企業にまで成長したのだ。


つまり、遠き(将来、広範囲)を重んじて、その時に我慢できるのか?
すぐ目の前にある結果ばかりを求めずに遠きを見据えた行動がとれるのか?
それを徹底することにより、自分自身、会社が成長できて、
選ばれるビジネスにも繋がっていくのだろう。

鍵山相談役の人間性も、ビジネスもまさに『遠慮』が成す仕事道なのだ。

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人間学を学ぶ月刊誌 月刊『致知』

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鍵山相談役の特別講話

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選ばれる仕事道

10/13
2015

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D&デパートメントの仕事道

ビジネス番組である、
『カンブリア宮殿』を観ていた時のこと。
私が日々提唱している“タテの発想”を
ビジネス展開する方がまたまた現れた!

それは…デザイナーであり、
プロデューサーのナガオカケンメイ氏である。

ナガオカ氏は若い頃から現在にわたって
モノづくりに関わってきた方だ。
ところがその昔、自身がデザインした椅子が、
発表から1年ほどで人目に触れない場所に
始末されていたのを目撃したという。

その時、「デザイナーは新しい製品を生み出す仕事ではあるが、
もしかしたら無駄なものを生産しているのでは?」
(この表現で合っているかは分からないが…。)
という疑問を抱いたそうだ。

こんな経験から、ナガオカ氏は
“長く使えて良いもの”に対する想いを熱くしていった。

長く使えるということは、
資源を膨大に消費しなくて済むし、
ゴミも少なくなる。
しかも長く使えば愛着が湧き、
さらに大切に使おうと思うもの。

この話を聞いていて頭に浮かんだのが、
“用の美”という言葉。
これは、機能美に加えて、
心を満たす美しさを兼ね備えているということ。

愛着が持てたり、心をなごませたりする
美しさとも言えるだろう。
そう、ナガオカ氏はこの“用の美”を
追求しようとしたのだ。
お~、まさに中島流、“タテの発想”。

その後ナガオカ氏は
“長く使えて良いもの”を世に流通させるため、
「ロングライフデザイン」をテーマにした
“D&デパートメント”を創設。

「その土地らしいデザインの発掘、紹介」を行うのが目的で、
現在は日本で11店舗を展開しているが、
将来的には都道府県ごとに1店舗ずつ設ける目標なのだそうだ。

ナガオカ氏は渋谷ヒカリエ8階の店舗プロデュースも担当し、
そこでも日本全国からセレクトした
“長く使えて良いもの”の販売をしている。

また、ナガオカ氏は地域のガイドブック作りも行っているのだが、
なんとその土地に三ヶ月住んでから
編集に取り掛かるという徹底ぶり。

そこまでの手間と時間をかけた追求こそが、
多くの人を惹きつける要素になっているのだろう。

その先を見据えた、その地域を活かした発想。
まさに“タテの発想”なのだ!
長い目で未来を想像し、
自らの理念を貫いた奥行きある展開を行っている。

そういえば、イタリアンレストランの
アル・ケッチァーノの奥田シェフも同じような理念を持って、
地域を活かしたレストラン学を展開していた。

奥田氏がプロデュースするレストランでは、
地域の在来種である農作物を使い、
農家にはその品種をつくり続けてもらうよう働きかけているのだ。

お二人とも、地域の“良いもの”を活かして
その先に継承するため、“場”を生み出しているのである。

便利であってもすぐ廃れるものでは意味がない。
多少高くても長持ちする良いもの、
愛着の持てるものをその先につなぐという信念が
ナガオカ氏の“仕事道”と呼べるだろう。

そして今後求められるビジネスとは、

そんなタテの発想が基盤となったものなのだ。

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日本の技術が詰まった製品

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店内は賑やかだ

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お! 懐かしいね~

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一周回って新鮮に見えるのか?

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47都道府県制覇を目指して!

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