これからの選ばれるビジネス!

これからの選ばれるビジネス!中島セイジのビジネスの達人

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選ばれる仕事道

10/13
2015

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D&デパートメントの仕事道

ビジネス番組である、
『カンブリア宮殿』を観ていた時のこと。
私が日々提唱している“タテの発想”を
ビジネス展開する方がまたまた現れた!

それは…デザイナーであり、
プロデューサーのナガオカケンメイ氏である。

ナガオカ氏は若い頃から現在にわたって
モノづくりに関わってきた方だ。
ところがその昔、自身がデザインした椅子が、
発表から1年ほどで人目に触れない場所に
始末されていたのを目撃したという。

その時、「デザイナーは新しい製品を生み出す仕事ではあるが、
もしかしたら無駄なものを生産しているのでは?」
(この表現で合っているかは分からないが…。)
という疑問を抱いたそうだ。

こんな経験から、ナガオカ氏は
“長く使えて良いもの”に対する想いを熱くしていった。

長く使えるということは、
資源を膨大に消費しなくて済むし、
ゴミも少なくなる。
しかも長く使えば愛着が湧き、
さらに大切に使おうと思うもの。

この話を聞いていて頭に浮かんだのが、
“用の美”という言葉。
これは、機能美に加えて、
心を満たす美しさを兼ね備えているということ。

愛着が持てたり、心をなごませたりする
美しさとも言えるだろう。
そう、ナガオカ氏はこの“用の美”を
追求しようとしたのだ。
お~、まさに中島流、“タテの発想”。

その後ナガオカ氏は
“長く使えて良いもの”を世に流通させるため、
「ロングライフデザイン」をテーマにした
“D&デパートメント”を創設。

「その土地らしいデザインの発掘、紹介」を行うのが目的で、
現在は日本で11店舗を展開しているが、
将来的には都道府県ごとに1店舗ずつ設ける目標なのだそうだ。

ナガオカ氏は渋谷ヒカリエ8階の店舗プロデュースも担当し、
そこでも日本全国からセレクトした
“長く使えて良いもの”の販売をしている。

また、ナガオカ氏は地域のガイドブック作りも行っているのだが、
なんとその土地に三ヶ月住んでから
編集に取り掛かるという徹底ぶり。

そこまでの手間と時間をかけた追求こそが、
多くの人を惹きつける要素になっているのだろう。

その先を見据えた、その地域を活かした発想。
まさに“タテの発想”なのだ!
長い目で未来を想像し、
自らの理念を貫いた奥行きある展開を行っている。

そういえば、イタリアンレストランの
アル・ケッチァーノの奥田シェフも同じような理念を持って、
地域を活かしたレストラン学を展開していた。

奥田氏がプロデュースするレストランでは、
地域の在来種である農作物を使い、
農家にはその品種をつくり続けてもらうよう働きかけているのだ。

お二人とも、地域の“良いもの”を活かして
その先に継承するため、“場”を生み出しているのである。

便利であってもすぐ廃れるものでは意味がない。
多少高くても長持ちする良いもの、
愛着の持てるものをその先につなぐという信念が
ナガオカ氏の“仕事道”と呼べるだろう。

そして今後求められるビジネスとは、

そんなタテの発想が基盤となったものなのだ。

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日本の技術が詰まった製品

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店内は賑やかだ

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お! 懐かしいね~

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一周回って新鮮に見えるのか?

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47都道府県制覇を目指して!

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選ばれる仕事道

08/03
2015

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ラバーダックの仕事道

「わたしも何度か海外へ行った際には、
なかなかの吸引力を持っていたと思うけど…
しかし“ラバーダック”の吸引力には、
とてもじゃないけど敵わないなぁ」

多くの場所で活躍してきたMr.セイージ自ら(!?)
紹介してくれた、ラバーダック。
その名の通り、ゴム(=ラバー)のアヒルのことだ。

これは2007年にオランダ人アーティストである
フロレンティン・ホフマン氏によって制作された、
パブリックアート作品なのだが…。

よくお風呂の湯船に浮かんでいる、
黄色いアヒルを想像してもらいたい。
あのアヒルを、なんと12メートルもの大きさにしたものが、
今回お話させてもらう“ラバーダック”だ
(それぞれの国で制作されているため、
大きさや顔つきには違いがあるようだ) 。

実はこのラバーダック、世界中で大活躍しているそうだ。
この作品のコンセプトは、国境や人種に関係なく、
さまざまな人を癒し、喜ばせること。

作者の出身であるヨーロッパを始め、
南米、アジア、オセアニア、北米。
世界中の町の水辺で、その姿が披露されているのだ。

実際に子どもの頃、おもちゃのアヒルを
お風呂に浮かべたことがある人はもちろん、
映像や絵本でラバーダックの姿を知っている人も多いはず。
そしてなにより、マイナスのイメージを持つ人は少ないはず。
だからこそ、幸せや喜びの象徴として、あの黄色いアヒルを用いたそうだ。

わたしも自身をモチーフにした、
Mr.セイージという小さなぬいぐるみを各地に連れ立っている。
このMr.セイージでさえ、海外では思いがけない吸引力を発揮する。

「Oh! Looks like…(とても似ていますね)」
「What is this?(これ何ですか?)」

わたしを模したぬいぐるみのほうが、
わたしよりも注目の的になることが多いのだ。
その実体験をふまえてみると、
世界中を巡るラバーダックの吸引力は、絶大なのだろう。

日本でも2009年に大阪に登場し、一躍人気者となった。
そして今年、ついに東京にも訪れるかもしれない!
プロデューサーでありプランナーでもある
山名清隆氏とお話させていただく機会があったのだが、
その画策をされているそうだ。

人々の心の中でいつまでも生き続けてほしい、
そんな願いから常設展示はされていないものの、
世界のあちこちに出現する存在感は圧倒的だ。

これだけ多くの人を集め、
そして記憶に残り続けていく存在。
これぞ、ラバーダックの仕事道なのかもしれない!

そのラバーダック東京初登場を手がける
プロデューサー山名清隆氏がラジオに登場!
8/9・8/16放送の『BUSINESS LAB.』をお聴き逃しなく!

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InterFM『BUSINESS LAB.』
東京76.1MHz・横浜76.5MHz
毎週日曜 朝6時から好評放送中!

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Mr.セイージ自ら紹介してくれた“ラバーダック”とは?

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どこに行っても注目の的!?

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選ばれる仕事道

07/21
2015

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DDTプロレスの仕事道

力道山、ジャイアント馬場、アントニオ猪木、
そして回転エビ固めの吉村道明。
彼らが現役時代だったころのプロレスは
いつも手に汗握りテレビ観戦していたものだ。
そして、その相手といえばジン・キニスキーや
ルー・テーズ、カール・ゴッチなど
とんでもなく強いイメージの強敵たちだった。

昔のプロレスはなぜあんなに
ワクワクして観ることができたのか?
それは、私が子どもだったこともあるが、
いろいろな意味で強敵である外国人に
勝って欲しいという願望をもって観戦していたからだろう。
そしてあの頃のプロレス興業は、
ビジネス的にも十分うまくいっていたようだ。

なぜこんな話をするのかというと、
先日、今注目のDDTプロレスの高木三四郎社長(通称:大社長)と
お話する機会があったからだ。
そこで、昔のプロレス興業と大社長が展開する
新たなプロレス興業の違いについて知ることができた。

盛者必衰というか、諸行無常というか、
あれだけ盛大だったプロレスも、いまでは、
選手やファンの減少や、
プロレス団体の分裂などで当時ほどの元気はない。

大社長のDDTプロレスは地域密着型で、その地をPRしたり、
プロレス興業をして町の人を元気にしている。
こうした地域活性を促す担い手という
存在理由が在るからこそ継続しているのだ
(もちろん、それだけではなく、多くのファンもいるというが…)。


また、大社長は選手の人生設計に対しても
真摯に向き合っている。
例えば、選手のセカンドキャリアのために
飲食店や選手経験を活かしたストレッチ店の
経営ノウハウをも提供しようとしている。

プロレス経営継続のための努力は他にもある。
運営コストを抑えるために、あえてリングを張らないで、
地域の商店街でプロレス興業をしたり、
日帰りできる興業はあえて宿泊せず、
その日のうちに帰って来たりしてしまうという。

また、お客さんが楽しむための工夫もユニークだ。
例えば、イケメンの選手を多く採用することで、
プロレスをよく知らない女性客を集めることにつなげている。
また、試合中はその地ならではのルール
(商店街で買ったものは凶器にしてもいいというルールなど…)を
設けることで地域との一体感を演出している。

とにかく、それまでのプロレス興業とは、
その事業の存在意義が大きく違うと言っていいだろう。
多くの人たちから求められる“プロレス”として
ビジネスをしているのだ。
そして、目先の“利”よりも、
多くの人たちに求められる“義”を
活かしたプロレスビジネスを展開しているということ。
まさにDDTプロレスは「先義後利」の仕事道を実践しているのだ。

こうした大社長の理念やリーダーシップは
“DDTの仕事道”としてこれからの社会に求められ、
人に選ばれるはず。
さて、8月には国技館でDDTプロレスの興業を
観戦することになっている。久々に手に汗握り、
プロレスの新しいエンターテインメントを観戦してこよーっと!

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噂の大社長

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DDT応援うちわ

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8月23日の両国国技館で開催

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選ばれる仕事道

07/13
2015

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野田岩流“肝吸いへのこだわり”

「私が今日お話したいのはうなぎではなく、
後ほど出てくる肝吸いの話です」

そう語ってくれたのは、
うなぎの老舗店・野田岩の
5代目である金本兼次郎氏。

創業して約200年、
ここでは徹底して素材にこだわった、
ほどよく脂ののった美味しいうなぎが食べられる!

年1回の会社の決算イベントを、
今年はこの老舗店で開催することができた。

その際に金本氏は、
なぜうなぎへのこだわりではなく、
“肝吸いへのこだわり”を語ってくれたのだろうか?

「日本料理屋は間口が広いが、うなぎ屋は間口がせまい。
野田岩の肝吸いは、日本料理屋の肝吸いとは
一線を画しています。なぜなら、間口がせまい分だけ
私たちには奥行きを求められるからです」

社員全員とゲストのみなさんが聞き入る中、
専門店ならではのこだわりをうかがえた。
なんとこの肝吸い、つくるときは必ず
一番出汁を使うのだそうだ(他の店ではまずないだろう)。

つまり、野田岩のこだわりは
うなぎそのものだけではなく、
当然、焼きを含めたそのプロセスにも及んでいるということ。

肝吸いひとつとっても、奥行きを出すことを忘れない。
まさにうなぎそのものについては、
推して知るべしということだろう。

金本氏は御歳87歳。
しかし話のテーマの選び方が面白く、
なかなか大きい声を出すことが難しいと伝えながらも、
思わず周りが聞き入ってしまう。

私は以前にも何度か野田岩を訪れて
金本氏のお話を聞かせていただいているのだが、
専門店としての役割、そしてプロとしてのこだわりが、
常に込められている話なのだ。

まさに先義後利!
これは自分たちの目先の繁盛だけではなく、
まさに業界のリーダーとしての意識を
しっかり持っているということ。

そういった価値観を徹底してきたからこそ、
創業から200年以上が経ったいまも
多くの人々に愛され、繁盛が続いているのだろう。

老舗うなぎ店が、うなぎだけではなく
肝吸いまでもこだわるその姿…。

私たちも本来プロとして、
目指さなければいけない手本ではないだろうか。
うまく儲けて、うまくブランディングしようとするだけではいけない。

プロとしてのこだわりを優先することこそ、
結果的に先義後利となり、
これから先へ長く続く店として残り続けるのだろう。
う~ん、これもまさしく仕事道だ!

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野田岩の5代目である金本氏

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みんな真剣に耳を傾けています

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こちらがこだわりぬいた肝吸い!

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選ばれる仕事道

07/06
2015

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吉田吉蔵氏の仕事道

長年愛用している吉田カバンのリュック型バック。
その6代目を注文しに、
旗艦店である表参道のクラチカを訪れた。
(実は以前1つ盗まれて、
5代目か6代目かあやふやなのだが…。)

その吉田カバンの創業者こそが、
今回ご紹介する吉田吉蔵(きちぞう)氏なのである。

久々にお邪魔した、
表参道の旗艦店はリニューアルされていて、
中央には吉田吉蔵氏の写真がドーン! と飾ってあった。

すぐれたデザイン性に加え、
丈夫なことでも知られる吉田カバン。
しかし歴代のカバンのうちの1つは、
4~5年も使ったせいか?
裏打ちが破れてしまい修理を依頼したことがあった。

8000円(?)ほど修繕費はかかったが、
戻ってきたときは見事な仕上がり!
当時、吉田カバンの職人たちが
修繕してくれることに感動したものだ。

多くのメーカーでは人件費の安い外国で
製造していることもあり、
修理などを請け負ってはくれない。
おおかたは新品を買ってくださ~い、
との返事をされてしまう。
生活者と製造元とは、一方通行な関係。

その点において、根本的に吉田カバンは違う!
生活者と製造元の間に、
カバンを介した相互のやりとりがある。
私なぞは丈夫で長持ち、修繕もしてくれる吉田カバンを
20年背負っているのだ!

吉田カバンの仕事道といえば、
一切海外で製造しないことも挙げられる。
丁寧な修繕は、100%メイドインジャパン
だからこそできること。

そして“すべて日本で”というこだわりは、
一針入魂を受け継ぐ職人の育成へ向けられている。
だからこそ、その品質が保たれることに繋がってきたのだ。

吉田吉蔵氏は自身が職人だったこともあり、
「一針入魂」という言葉を社是にもしている。
(野球で言うなら“一球入魂”というやつだ。)

未だにすべてのスタッフに「縫う」研修を行い、
「一針入魂がどういうことなのかを体現してもらっているという。
ひと針ひと針に魂を込め、しっかりと縫うその職人気質、
企業姿勢は、社員はもちろん多くのユーザーにも伝わっているだろう。
だから、選ばれる“吉田カバン”になっているということ。

やっぱり、どこにこだわるかを明確に打ち出した企業は、
そのこだわりが経営手法にも反映され、
結果、長く継続する企業になるということだ。
多少コストがかさんでも日本でやるという
吉田吉蔵氏の決断は、
しっかり行先を見たものだったように思う。

まさに私が提唱する“Think global, Act local”
(グローバルな考え方を持ち、行動はローカルに)であり、
“Think long range , Act tomorrow”
(ロングレンジの視点で考え明日を決断する)だ。
国内外を問わず、長く吉田カバンを支持する人が
多いことがその証と言えるだろう。

メイドインジャパンにこだわったからこそ、
今の吉田カバンがある。
これが“吉田吉蔵氏の仕事道”なのだ。

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吉田吉蔵氏の写真だ

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現在も受け継がれている

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創業者が見守る店内

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表参道の吉田カバン

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愛用のバック!

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