これからの選ばれるビジネス!

これからの選ばれるビジネス!中島セイジのビジネスの達人

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選ばれる仕事道

06/29
2015

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Dysonの仕事道

今年の春先、家の掃除をしていたときのこと。
それまで15年以上使い続けてきたダイソンのコード付き掃除機が
故障して使えなくなってしまった(それだけ使えれば大往生だけれども…)。

タイミングよく、今年の4月に、
表参道にダイソンの旗艦店がオープンしたこともあって、
ついに新しいコードレス掃除機を買うことにした。

よく考えると、大手家電メーカーならともかく、
掃除機メーカー的(扇風機やライトもあるが…)会社が、
表参道に直営店を出店することに驚きだ。

ただダイソン社は、日本で売れた掃除機は、
世界でもヒットすることを知っていた。
それは、きれい好きな日本人は掃除が細かく、
掃除機の評価に厳しいからだ。

しかし、なにはともあれダイソンの掃除機は実に高い!
安いものでも6万円台。高いものだと9万円以上もするのだ。
普通の日本のメーカーのものと比較しても倍以上の価格。
それでも右肩上がりに売り上げは増し、
人気には拍車がかかっている状態。

一体なぜか?
それは、ダイソン社がこだわる
“性能&機能美”の追求にこそ理由があるのだろう。

機能美とは、機能を追求して生まれた美しさのことだ
(“用の美”という言葉があるが、そこまではいかないかな~)。
ダイソン社には、2,000人を越える技術者集団がおり、
常によいものをつくるための試行錯誤を行っているという。
たとえば、製品自体が長持ちすることはもちろんのこと、
掃除機が排出する空気をいかにきれいな状態にするのか、
吸引中の音をいかに軽減するかなど、
日本メーカーでもなかなか手のつけにくかった問題に着手。
そして、そのハードルをひとつづつクリアしていく中で、
機能が磨かれるにつれてその形も変化していったのだ。

本来ならば、こうした画期的な改善は、
できれば日本企業にやってもらいたかったところ。
なぜ、イギリスの会社に…
(イギリスに先を越されたというより、
ジェームズ・ダイソン氏がすばらしいのだが…)。

なぜ、このすばらしい掃除機づくりに至ったのか。
おそらく、技術への執着と徹底の差だろう。
新聞にも掲載されていた話だが、
ダイソン社は「消費者アンケート」を取らないそうだ。
その理由は、消費者の意見を集めても、
本当にすばらしいものはできないという考え方を持っているから。

いろいろな知識を持った技術者が生活者の活用現場を直接見ることで、
新しいウォンツと発見が生まれてくるという。
だから、宣伝より技術に投資しているのだ。

全くもって最近の日本メーカーには、耳の痛い話だろう。
今の日本メーカーは宣伝費にばかりお金をかけてしまい、
その結果、製品の形は似かより、性能も横並び状態になってしまっている。
それでは本当にいいものは出来ない。

やっぱり、ダイソンは掃除機に特化しているからこそ、
いいものが生まれてくるのではないだろうか。
ビジ達でよく出てくる“選択と集中”ということだ。

あくまで、他企業との比較ではなく、
自社製品をいかに高めていくかを突き詰めたビジネスを展開するダイソン社の精神には、
日本の家電メーカーのみならずとも大いに見習うべきところだろう。
これぞ“ダイソンの仕事道”である。

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最新のダイソン掃除機

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掃除機以外には羽のない扇風機なども販売

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我が家にきた新しいダイソン掃除機

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新旧ダイソン掃除機

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選ばれる仕事道

06/22
2015

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山岡正義流“梅岩”の研究

「日本の資本主義やビジネス精神の
原型をなすものであると同時に、
世界を覆う強欲資本主義に代わる、
新しい経済原理のモデルとなりうる
哲学も秘めた古くて新しい教えです」
(うん、うん、まさにその通り!)。

これは、『魂の商人 石田梅岩が語ったこと』に
記された、山岡正義氏が“梅岩の思想”をまとめた一文。

この思想こそ、世界的に経済優先型に傾倒し、
心をなくしつつある“今”に必要な考え方。
経済は道徳心がなくては上手く流れていかない。
だから梅岩の教えの中心には「道徳資本主義」の精神を
持つべきという思想がある。

日本の近代化と宗教思想の役割について
熱心に研究していた梅岩だからこそ、
良好な経済に必要なのは道徳心という答えに行き着いたのだろう。

そもそも、私が梅岩の思想に注目するようになったのは、
6~7年前の拙著『儲けないがいい』の企画・編集のタイミングでのこと。
「半兵衛麸」の11代目である玉置半兵衛氏に
取材したことがきっかけだった。

長寿企業として、「半兵衛麸」が続いている理由は一体何なのか!?
と調べていくと、その秘密は家訓にあることがわかった。
それが「先義後利」つまり、道義を優先させ、
利益を後回しにするという石田梅岩の思想から生まれた家訓だ。

「半兵衛麸」の3代目当主は、梅岩の思想に心酔して、
自分の娘たちに梅・岩と名づけるほどだったそうだ。

そう考えていくと、100年企業と呼ばれる企業には、
おおむね社是や店是が存在することに気づく。
しかもその源流を探っていくと、
おもしろいことに約300年前に活躍した
梅岩の思想へと行き着くことが多いのだ。

つまり、100年企業の社是・店是(家訓)を掲げた
多くの店主(経営者)たちの思想には、
梅岩の教えが色濃く影響している。
商人としてだけではなく、生き方そのものに
梅岩の哲学や価値観を取り入れ、
日々の仕事において実践してきた結果が、
100年を超す老舗企業をつくり上げたのだろう。

そこで、長く続くビジネスのためのヒントを探るべく、
石田梅岩の思想をビジネスに応用するためのセミナー
「石門心学・実践講座」を定期的に開催するに至ったのだ。

私も以前から、梅岩のことや、
著書、弟子たちの考えについては、知っていた。
また、講演やセミナー、自著でも取り上げていたのだが、
半兵衛麸や山岡氏のこの本と出会ったことで、
梅岩の思想がこれからのビジネスに重要なことに気づかされた。

山岡氏は梅岩の思想を徹底的に研究し、
これからのビジネス・経営に応用した考え発信している。

山岡氏曰く、石田梅岩の価値観や思想は、
数百年の時を超えても色あせることなく
今もビジネスを展開する上で通用する。
アダム・スミスやピーター・F・ドラッガーよりも先に
地球規模で通用する経済でありビジネスにおける
考え方を発信していたということ。

さらに、梅岩の思想はビジネスだけに活かされるわけではない。
人類が地球で生きながらえるうえで
必要な道徳的価値観でもあるからだ。
だからこそ、梅岩の思想を深く学ぶことは、
どんな人にとっても重要なことなのだろう。

そんな石門心学・実践講座は7月21日(火)に
『魂の商人 石田梅岩が語ったこと』の著者、
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梅岩の考ええおビジネスへ伝える山岡氏

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『魂の商人 石田梅岩が語ったこと』

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選ばれる仕事道

06/08
2015

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“社員の成長と共に”吉川社長の流儀

会社経営をしていく中で、長く続けば続くだけ、
予期せぬ不運な状況にも多々直面する。
そうした逆境を必死になりどうにか乗り越えていった企業だけが、
いつしか歴史を積み重ねた企業と呼ばれていくのだ。

創業から36年、通訳や秘書などの人材派遣を行う株式会社吉香(きっこう)が
まさに歴史を積み重ねてきた企業といえるだろう。
現在、議員会館で通訳人を任され、
また何局ものテレビ局で95~100言語の通訳を請け負っている業界屈指の企業。

そんな吉香の成り立ちは、吉川稻(きっかわ いね)社長が
故・佐藤栄作元内閣総理大臣の秘書だったことがきっかけ。
その仕事ぶりが周囲の人の信頼となり、
その結果、通訳も含めたいろいろな世話事の依頼に繋がり、
会社の立ち上げに至ったという。

当時、順風満帆だったこともあり、
吉香は海外展開へも乗り出した。
しかし、ここから災難と思える壁に次々とぶつかっていくことになる。
まず、海外支店を出店する際に、
取引先との契約書の取り交わしを後回しにしたことで、
結果として、その海外事業は頓挫することに。

さらに時を同じくして、旅行業のビジネスでも詐欺に遭い、
数億円もの損害を出し、一時は倒産の危機にまで追い込まれたそうだ。

そんなトラブルに見舞われた矢先、
大切にしていたランの花たちが一つ二つと枯れていったという。
20鉢以上あったランの花はいつしか全て枯れてしまった。

これは、吉川社長曰く、ランの花からのメッセージだったのだ。
「自分たちは、大自然の中で活かされている存在なのに、
私は、そうした周囲に感謝もせず傲慢経営をしていたのかもしれない…」と気づかされたのだ。

その気づきが、それからの吉香を大きく変えていった。
つまり、大きな困難の連続がビジネスの価値観や判断基準を、
大きく変えたということ。

結果、社員の成長へと目を向けることとなり、
スペシャリストとしても成長してもらうことをテーマに
事業展開することになった(お~まさに“仕事道”)。
これにより、次なるステージの「吉香」になったという。

世の中、良し悪しは交互にくるものなのだ。
これはまさに「人間万事塞翁が馬」ではないか。

会社経営を30数年続けるのは、その途中に必ず、
トラブルはつき物。だから、その都度気づき、
柔軟に機転を利かせ、変化していくことが大切なのだ
(弊社も30年以上経ったわけだが…
以外にず~っと順風満帆?? そんなこともないか!? )。

結果、吉川社長は、会社の成長は社員の成長なくしては
成り立たないということに至ったという。


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業界屈指の人材派遣会社 吉香
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吉香 社長・吉川稻氏

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放送では吉川社長の仕事道に迫る!

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05/18
2015

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“先義後利”の道

ひとつ1万円以上のメロンなど
高級果物を扱う誰もが知っている
老舗の千疋屋総本店。

以前、私は取材で6代目社長である
大島博氏にお話を伺ったことがあるのだが、
創業当初(1834年のことだが…)は
「水菓子安うり処」だったそうだ
(へぇ~安売りだったんだ~)。

そんな千疋屋が老舗企業に成り得た
理由として私が特に注目したのが、
店是(社是)と家訓の話だ。

千疋屋には、3代目当主が考案した
「一客、二店、三己」という店是がある。
これはお客さまのニーズに対応した商品や
サービスを第一に考えること。

そして、次に店の繁栄や従業員を大切にして、
自分のことは後回しにするというものだ。

さらに、社長の大島氏の家には、
「勿奢、勿焦、勿欲張」
という家訓が存在するという。

これは、「おごることなかれ」「あせることなかれ」
「よくばることなかれ」と読み、
奢っても焦っても欲張ってもいけないということ。

実はこの店是(社是)であり家訓を
代々守ってきたからこそ、
今の千疋屋があるといっても過言ではない。

というのも、多くの企業が
こぞって不動産への投資や、
拡大展開をしていたバブル期に
千疋屋ほとんど大きな動きをしなかったのだ。

そのおかげで今日の千疋屋の
のれんを守り続けることができたのだという。

こうした店是(社是)や家訓は、先代たちが
たくさんの経験や数々の失敗例を見てきた末に生まれたルール。

つまり、先人たちから受け継いだ、
目先の利益を追うのではなく、
ロングレンジで物事を捉えることへの
かけがえのない教えなのだ。

これは、かつて石田梅岩が説いた
“正直”で“勤勉”に生きること、
つまり“先義後利”の考え方に通じるものがある。

千疋屋以外の老舗企業を見ても、
「利に走るな」「ぜいたくをするな」
「投機をするな」「家業に励み、他をうらやむな」
「地域に貢献せよ」といったように、
人として正しい道を説く社是や社訓が多い。

三百数十年以上の歴史を持つ半兵衛麩の店是は、
3代目当主が石田梅岩の弟子にあたる
杉浦宗恒に師事したことによってうまれた、
「義を先にして利を後とする者は栄える」という言葉
(すなわち“先義後利”なのだ)。

これらはバブル期でも
本業に徹した千疋屋の考えにも共通している。
ひたすら利益を求めるような商売の姿勢では、
お客さまから信頼されず、長くは続かないということ。

中島流「仕事道」もまさに“先義後利の道”ということ。
どれだけ時代が変わっても、社是や家訓のように、
不変の価値観やルールを貫いてビジネスを展開していくこと。
それこそが、100年企業になる秘訣なのだろう。

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気品あふれるメロンが並ぶ

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27,000円の果物詰め合わせ!

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書に老舗の重みを感じるね~

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誰もに愛される千疋屋総本店

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04/27
2015

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“辰野勇流”仕事道

「僕は怖がりなので、決断し、チャレンジするんです」

そう話すのは、株式会社モンベルの創業者であり
代表取締役会長である辰野勇(たつの・いさむ)氏。
今や日本を代表するアウトドア用品の
メーカーであるモンベルは、今年で40周年を迎える。

先日、そんな辰野氏とお話しする機会があり、
そこで様々な話を聞く中で、
“辰野勇流”の仕事道が見えてきた。

冒頭に紹介したように、
辰野氏は、自分が怖がりだからこそ、
早め早めに決断し、数々のチャレンジをしてきたという。

常に物事を多方面から考え、
ロングレンジな視点をもって
あえて困難な道を選んできたそうだ
(とはいえ、あのアイガー北壁を登頂した辰野氏が
“怖がり”だなんてにわかに信じがたいが…)。

だからこの40年、
数々の大きな“決断”もしてきたのだという。
その決断の特徴は
「あえて困難な道を選び、チャレンジすること」。

自分が目指すところに到達するためには、
ここで覚悟してあえて困難な道を選ばなくてはならないということ。
それが、自社の存在理由にもつながるのだ。

例えば、かつてとあるアメリカの
アウトドアスポーツメーカーと提携していたときのこと。

提携先の商品によって売り上げも伸びていたが、
辰野氏は「自分たちが欲しいと思うものをつくり、提供する」
という創業時のポリシーに反すると考えるようになったという。

そこで、かなりの売り上げを失うことを覚悟した上で、
あえて提携を解消。
結果、自分たちが納得する
商品の開発に専念することができたのだ。

またこんな話も…。モンベルはある時期までは
メーカーであり問屋として各小売店に卸していて、
直販を行っていなかった。
しかし、ある機会を得たことで、
自社のブランディングのためにも
直販を始める決断をしたという。

それも、第一店舗目はモンベルの商品を
多く扱ってくれている取引先の隣だったという
(結果、現在の全国展開につながるわけだが…)。

これらの決断は、売り上げや
それまでのお客様が離れてしまうというリスクを抱えている。
しかし、この決断とチャレンジがなければ、
現在のモンベルはなかったのだ。
さらには、この決断が企業としての
“存在理由”をより明確にしたと言えるだろう。

このように、経営者は、数々の困難に直面する中で、
会社の将来に大きく関わる決断を迫られる。
そんな時、たとえ一時的に利益を失うことになったとしても、
ロングレンジな視点で考えることで、大きな分岐点の決断となるのだ。

また、これら以外にも、辰野氏は様々な大きな決断をしてきたという。
そのどれもが現在のモンベルを支える重要なものばかりだ。
このように、決断&チャレンジを通じて会社の
“存在理由”を確固たるものにしていくことこそ、
“辰野勇流”仕事道なのだろう
(これは私達経営者もこうありたいと思える仕事道だとも言える)。

そんな辰野氏はInterFM『BUSINESS LAB.』にも登場!
辰野勇流仕事道をもっと知りたい方は5月3日、10日の放送をお楽しみに!

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“怖がり”だからこその決断!

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“存在理由”が選ばれる理由に!

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