これからの選ばれるビジネス!

これからの選ばれるビジネス!中島セイジのビジネスの達人

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シナジースペシャル

11/02
2015

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ブレスト流 シナジーの連鎖

プラスチックの原料をご存知だろうか?
燃えないゴミのイメージが強いが、
その正体は石油。
実はメラメラとよく燃えるものも多い。
ということは、燃料に成りうるものなのだ。

そんなプラスチックを実際に
燃料に戻してしまう装置をつくり、
各所から注目を浴びているのが、
株式会社ブレストという企業。

プラスチックを油化させる技術は
以前から存在したのだが、
現実的に活用するのはなかなか難しかったそうだ。

すべてのプラスチックを
油化できるわけではないそうで、
分類するのに時間もかかる。

このような理由もあり、
今までは実際に使用できる装置の完成に
至らなかったそうなのだ。

ところが、いまや世界中から
問い合わせが殺到しているブレスト社。
ほかの企業も油化装置に取り組んでいたのに、
なぜブレスト社だけが注文に値する
装置開発に至ったのだろうか?

その秘密は社長である伊東昭典氏が、
自称「化学の素人」だったことかもしれない。

伊東氏には、効率や実用化の壁にとらわれる前に、
プラスチック油化装置の存在を
多くの人に知ってもらいたいという思いがあった。

そこで、大型装置の開発を目指す大手企業とは違い、
まず展示会用に“小さい”油化装置を開発したそうなのだ。

その後は卓上型の油化装置を小学校へ持っていき、
子どもへの啓発活動として体験会を開いた。
面白い催しがあるとなれば当然教師や
保護者の方々の耳にも入り、多くの人に伝わっていく。

そして学生が集めたプラスチックを入れるボックスには、
“スクール油田”の名前が…。
学校で出るプラスチックゴミは、
燃料を生み出す油田とも言えるということ!

その後色々なメディアに取り上げられると、
2009年には国際連合大学の取材までやって来た。
それが動画サイトにアップされると、
アメリカの国防総省から話を持ちかけられるという
奇跡のような展開が起こったそうだ。
まさにこれは“シナジーの連鎖”である。

国防総省からの助言で油化装置に発電機を取り付け、
同時にポップコーンをつくる機械を連動させると、
これがまた分かりやすいと大人気に。

当初は投資の方が圧倒的に多かった油化装置も、
十分利益が生み出せる事業展開になってきたという。
シナジーの連鎖が起こったことによって、
社会から、企業から、世界から注目されることになったのだ。

ブレスト社のシナジー連鎖は、
鍵山相談役の言葉を借りれば、
「0から1への距離は、1から1000への距離より遠い」
ということなのだろう。

大手他社のように様々なケースを考慮した
ゴミ処理施設用の巨大なものではなく、
卓上の小さな油化装置をつくったことが、
0から1へと踏み出すきっかけとなったのだ。

そしてそれは次なる連鎖をも生み出す。
度々私が「相乗効果は行動の二乗に比例する」と言うように、
少しでも行動すれば何かが前進し、
さらなる相乗効果に繋がるということだ。

ビジネスにおいても同じで、何か行動を起こせば
“シナジーの連鎖”が発生する。
これこそが私たちのこれからのビジネスに
必要な要素なのではないだろうか?

さて、そんな伊東氏にもご出演いただいた
ラジオ『BUSINESS LAB.』は
11/15&11/22日曜日の朝、6:00~7:00
Inter FMにてオンエアだ!

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BUSINESS LAB.で伊東氏と

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09/28
2015

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ぶどうの“機”は熟した

今年の4月に、関東農政局が
『日本ワインとその可能性』という
ワイナリーフォーラムを主催したことがあった。

定員300人のところ、なんと500人以上の応募があり、
400人もの人々を入場させたという。
この盛況ぶりからもわかるように、
今やこんなにも大勢の人が
ワイナリーやぶどう農園に注目しているようなのだ。

北海道を例に挙げても、
日高山脈を境にした西側の地域は
既に20軒以上のワイナリーが展開している。
(東側は寒さのせいで十勝ワインしかないのだが…
私も出身地である東側にワイナリーをつくる予定だ!)

そして先日、例のワイナリー構想のために
出身地を訪れたのだが、その際
ちょっとユニークな試みをしている畜産農家の方に出会った。

なんとこの方の農場の真ん中には、
おしゃれなカフェが存在しているのだ。
実はこの農場の社長は、
既に私達のワイナリー構想を知っており、
かなり興味を持っていたという。

また、人気の手作りチーズを生産する社長にも
お会いすることができた。

この方は定年退職後に
この地でチーズ作りにチャレンジしたのだが、
ここ15年で工場のフル生産を上回る程の
流通が出来上がったそう。

こちらの社長も私達のワイナリー構想に期待を抱き、
話を聞いてくださったのだ。

このような出会いや社会の変化があると、
物事には“機が熟す”タイミングがある!
と思えて仕方がない。

さらに、藻谷浩介氏著の
『里山資本主義』が40万部以上売れたように、
今や都会の人々は“里山”の必要性を感じ、
自分も何らかの関係を持ちたいと思っている。

都会に住む人たちも自らの出身地を顧みて、
地域活性化にはどうすればいいのか?
と考えるようになった。

まさに今、色んな方々が新たなビジネスや農業の意識を持ち、
チャレンジを始める機運がやって来ているようなのだ。

そんな背景があるものだから、
生産・加工・販売までを行う6次産業化である
私のワイナリー構想は、新たな農業の可能性を
発信するものとして多くの人たちから期待されている。

さらに言えば、経済一辺倒の価値観からの脱却期であり、
75年毎に大きな変化が起こることを指す
「パラダイムシフト75」の
転換期としてもいいタイミングといえるのだ。
うんうん、まさに“機は熟した”ということだろう。

これはビジネスにおいても同じで、
“機が熟す”タイミングは確実にある。

社会が新たな価値観のサービスを求めたり、
業界が次の段階へ歩を進める時であったり、
生活者が新たなものを欲したり…。

そういった変化を見極めなければ、
どんなビジネスであっても上手くいかない。
同時に、会社が提供するサービス、スタッフ、
会社の規模が求められているレベルに達した時、
“機が熟した”ということになる。

私の周りにも、長野や仙台で新たなワイナリーに
チャレンジする仲間が出てきているし、
様々なワインやワイナリーの情報が集約されてきたと言える。

そんなわけで、私のワイナリー構想も機が熟した…
いや、まさにぶどうの“機”が熟したのだ。

今後のご報告に、乞うご期待である!

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豊かに実ってるね~

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いつか私達のワイナリーも…

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大きく育て!

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08/31
2015

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増幅型リーダーのシナジー

経営者(リーダー)は、大きく分けて
2つのタイプに分けられるという。
そして自分が今どちらのタイプで経営しているかを知ることで、
今後の会社経営にいい影響を与えることができるのだ。

これまでも、いろいろなタイプの経営者を見てきたが、
自分を客観視するのはなかなか難しいものだ。

こんな発想になったのは、
先日、手に取ったリズ・ワイズマン&グレッグ・マキューン著の
『メンバーの才能を開花させる技法』との出会いがきっかけだった。

その本によると、大きく分けてリーダーには
“消耗型リーダー”と“増幅型リーダー”の
2パターンがあるという。
そのタイプによって会社経営は大きく違ってくるのだという。

では、この2つのタイプにはどこに違いがあるのか。
例えば、“消耗型リーダー”は社員を“使う”と考え
“増幅型リーダー”は“育てる”と考えるそうだ。

その他にも、
【消耗型リーダーの場合】
失敗の対応…責める
方向性の設定…命令する
意思決定…決定する
物事の実行…支配する

【増幅型リーダーの場合】
失敗の対応…原因を一緒に探す
方向性の設定…挑戦させる
意思決定…相談する
物事の実行…支える

これからのビジネスは増幅型になることが重要だというのだ
(そのネーミングからして“消耗型リーダー”は
いいリーダーとはいえないようだけど…)。

残念ながら、自らの会社経営を振り返ると…ゲッ!
創業して33年のうち、すくなくとも20年以上は
“消耗型リーダー”だったと言っていいだろう。

しかし、“消耗型リーダー”が悪いかと言うと、
一概にそうとは言い切れないと私は思う。

なぜなら、“消耗型リーダー”と“増幅型リーダー”には
それぞれ適したタイミングがあるからだ。

日本の企業の大半を占める中小企業には、
創業者がそのまま経営を頑張っているところも多い。
時期によっては、経営者が経営と実作業の
両方を引っ張っていかなければ、
お客様の満足いく仕事を実践できないことも多い。

これは、経営者が自らリーダーシップを持って
会社経営を軌道に乗せる必要があるからだ。
こうした会社状況を“創成期”としたとき、
必要とされるタイプが、マネージメントから
実際の業務まですべてを統括できる
独裁的なリーダー、すなわち
この本でいう“消耗型リーダー”だ。

また、“増幅型リーダー”が重要となるのは、
事業内容が充実し始め、
企業規模を広げようとする“拡大期”の頃。

すなわち“増幅型リーダー”は、部下の才能を伸ばし、
引き出してあげられるリーダーだからだ。
すべてのことに対し、部下の意見を
積極的に取り入れ、一緒に問題解決をすることで、
たとえ直近の結果が芳しくなくても、
部下は経験値を積むことができ、
レベルアップに繋がるのだ。
こうしたスタッフの成長をテーマとした取り組みをすることで、
組織全体にシナジー効果が生まれ、
組織の活性化と事業規模の拡大へと発展していく。

たしかに、経験やスキルが不十分な部下に任せることは、
大きな投資でもあり勇気が必要だろう。
しかし、拡大のタイミングを迎えている会社で
消耗型の経営をしてしまうと、
そこで会社の成長を止めるだけではなく、
スタッフのやる気を損ね、会社としてよくない
スパイラルにはまってしまう可能性すらでてくるのだ。

だからこそ、中小企業の経営者は、
今自分の会社がどの辺りに位置しているのかを捉え、
その社内戦略も考える必要があるということ。
まあ、組織のリーダーは常に“人を活かす”発想を
忘れてはならないということだけどね。

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『メンバーの才能を開花させる技法』

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08/03
2015

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“九神ファーム”の存在意義

両手にゴム手袋をつけ、右手にはピーラー。
畑でとれたじゃがいもを次から次へと剥いていく。
彼らは、就労継続支援A型事業所の
“九神ファーム”で働く障がいを持った青年たちだ。
働きぶりだけを見たら健常者となんら変らず、
一日に25箱のコンテナを剥いたじゃがいもで
いっぱいにしてしまうという。

この九神ファームは、クックチャムという
惣菜販売の会社が運営している野菜加工の事務所。
ここで働く16人の従業員のうち
14名が障がいを持った人たちなのだ。

今回訪問させていただいて驚いたことは、
朝礼で会社の理念を唱和し、
その日の担当者が理念をひとつ取り上げて
自分の考えを語り始める。
そして、それに対して別の人が
コメントをする。

この形式の朝礼はこれまで視察で訪れた
多くの企業となんら変わりはらない。
つまり、“九神ファーム”には障がいの有無にかかわらず、
仕事に対して高い意識を持って臨む風土が整っているのだ。

あるとき、従業員が障がいを持つ仲間に
「今日は調子どう?」と聞くと、
「ちょっとおなかが痛い。
でも僕がいないとみんなが困るから大丈夫」と答えたという。
彼らはすでに自分の存在理由をそこに見出しているのだ。
毎日、同僚と肩を並べて仕事をしていくなかで、
仕事へのやりがいや切磋琢磨する気持ちが
確立されているということ。

これはとても大きな意味を持つ。

今までは、障がい者の立場は、
一方的に支援を受ける側だった。
しかし、彼らのように自ら仕事に向かう場合は違う。
家族に必要以上の助けを借りなくて済むし、
彼らの暮らす町の社会に貢献していることになるのだ。

これまでも、このビジ達では、
チョークの製造会社として有名な日本理化学工業や
ワインの製造・販売を手がける
ココ・ファーム・ワイナリーを紹介してきた。

日本理化学工業では、
いまや従業員81名中60名が障がい者だという。
ココ・ファーム・ワイナリーも、
ぶどうづくりやワイン製造に励み、
多くの人に愛される大人気のワインを生み出している。

“九神ファーム”を含め、それぞれの事業所に共通することは、
障がい者が高い意識を持って働ける場を提供しているということ。
そして、企業側も彼らを同じ志を持つ社員として扱っていること。

このように、障がい者たちが
自分の存在理由を見つけられる仕事を持つことで、
社会にとっても、大きな相乗効果を生むきっかけになるのだろう。

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皮むきをする障がいを持つ従業員

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9時半からの朝礼

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事業所の正面玄関

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07/27
2015

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葉っぱビジネスの地域貢献

“葉っぱビジネス”をご存知だろうか?
これは日本料理の彩りを担う“つまもの”を扱う農業のことで、
葉以外にも花や山菜の栽培から販売までを手がけている。

そんな葉っぱビジネスで大成功を収めたのが、
徳島県の山奥にある上勝町だ。

限界集落寸前とも言われていたこの町は、
株式会社いろどりの代表取締役・横石知二氏が尽力し、
「葉っぱをお札に変える魔法の町」として
日本中で有名になった。

1980年代から有名な料亭や旅館に
ツマとして葉っぱを販売し始め、
既に30年ほど経っただろうか。

現在の売上は2億円を超えているというから、
大きなビジネスになっていることがわかる。
横石氏は日本版News Weekにて、
世界を変える社会起業家100人にも選ばれているのだ。

葉っぱビジネスによって得られた効果は
地域にとって非常に大きいものだった。
地域住民の稼ぎが増えることで税金収入も上がり、
高齢者が元気に働く姿が見られるようになったのだ。

そして、健康な高齢者が増えたことで
医療費の削減にもつながり、
老人ホームなどの高齢者対策を縮小することもできたのだという。

限界集落とまで言われていた上勝町は
人口減少から脱出し、
ビジネスに共感した若者がUターンや
Iターンのために続々と集まっているようだ。

横石氏は「パリの一流料理店でツマが使われれば、
生産者の意欲も湧くだろう」と、
現在葉っぱビジネスを世界へ広げようとしている。

和食が世界遺産になったこともあり、
今後は世界への需要が見込まれるのだという。
葉っぱビジネスをさらに充実させるチャンスが到来したのだ。

似たような地域貢献型の企業といえば、
「産直市場グリーンファーム」が挙げられるだろう。
創業者であり会長の小林史麿(ふみまろ)氏は
地域の生産者と協力したビジネスを行っており、
年間の売上はなんと10億を超えている。

生産者は年収1500万円以上と言われる80歳の方を筆頭に
3000人近くがいるが、
平均年齢は60歳を超えているそうだ。
そのような生産者のほとんどに言えるのは、
やりがいを持って生き生きと仕事をしているということ。

人から期待され、多くの人たちが
市場に買いに来てくれる姿を見ると、
またいいものをつくろうという思いになるという。

ある生産者の場合、子供が継がなかった農業を
孫が継ぎたい! と言い出したとか…。
働く祖父母の姿に感銘を受けたということだろう。

これらのエピソードを聞くと、
里山ビジネスが金銭的な“利益”以外のものも
生み出すことを改めて実感できる!

里山ビジネスには、多くの相乗効果を期待することができる。
高齢者の活性化、医療費の削減、税金の増収も叶うのだ。
里山ビジネスによる地域貢献はこれだけに留まらず、
さらに広い可能性が見えてくるだろう。

地域の活性化は巡り巡って都心の活性化にも繋がり、
日本全国を巻き込んだ“善い循環”を生み出すのだ。
小さな里山といえど、
そこには大きなパワーが潜んでいるのである!

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美しいつまものになる

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日本料理には欠かせない存在

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